父の日に贈る、中川政七商店の「靴のお手入れ道具」
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たとえば1月の成人の日、5月の母の日、9月の敬老の日‥‥日本には誰かが主役になれるお祝いの日が毎月のようにあります。せっかくのお祝いに手渡すなら、きちんと気持ちの伝わるものを贈りたい。
この連載では毎月ひとつの贈りものを選んで、紹介していきます。
父の日の贈りもの、中川政七商店とコロンブスが作った「靴のお手入れ道具」
今回のテーマは「父の日に贈るもの」です。
もともとアメリカで母の日が始まった後、せっかくならお父さんに感謝する日も、と始まった記念日。
すでに当日なのでもうプレゼントは買ってある、という人も多いかもしれませんが、今回はわたしが以前に父の日用に探して、つい自分も欲しくなったものをご紹介します。
それが中川政七商店とコロンブスが作った「靴のお手入れ道具」。
国内トップシェアを誇る靴のお手入れアイテムの老舗、コロンブスと中川政七商店が「初めての人でもまずこれだけあればOK」な基本セットとして作ったのが、今回の「靴のお手入れ道具」です。
働くお父さんなら仕事上、ベーシックな色の革靴を何足か履きまわす、という人も多いのではと思います。もともと持っている愛用のものに磨きをかける道具なら、好みを選ばず喜んで使ってもらえそうです。
靴のお手入れクリームの秘密
内容は、靴のほこりを払うブラシ、汚れを落とすクリーナーに保革クリーム。付属のカットクロスにつけて使います。
この靴を手入れするクリーム、何からできているかご存知ですか?実は動植物の、様々な成分のミックスでできているのです。
革用クリームの開発は、革の開発との追いかけっこ。
トレンドに合わせて新しい質感の革が開発されると、革用のクリームもそれに合ったものが作られます。
今回の「お手入れ道具」に入っているのは、靴以外にもハンドバックや革小物にも使えるオールラウンドタイプのクリーム。
主な成分は「カルナバ」「スクワラン」「コーンスターチ」。カルナバは南国に生息するヤシの木、スクワランはサメから抽出された保湿成分、そしてコーンスターチはとうもろこしです。
自然界ではおよそ出会うはずのなかったもの同士がミックスされて、それぞれ靴のツヤ出し、保湿、表面をサラッとさせる、などの効果を発揮します。
革ごとに適切な成分を選び抜き、目指す効果を最大に発揮できる塩梅で組み合わせるのが、開発メーカーの腕の見せどころ、というわけですね。
プロに聞くお手入れのコツ
営業の窪田さんに、靴のお手入れのコツを伺いました。
「革製品は、しっかりとお手入れすることで長持ちします。大切な靴を長く履き続けるにはビフォアケア、つまり履く前にコンディションを整えておくことが重要です。
革も人間の肌と同じです。革の組織の中には15~18%の水分が含まれていて、そのままにしておくと表面から油や水分が抜け、カサカサ肌になってしまいます。
ひどくなるとケバケバが出たりひび割れを起こします。人間なら薬などで治りますが、革は一度なってしまうと修復不可能です。
そのため革本来の風合いや潤いを守るには、ケアする事がとても大事になるのです。
きちんとお手入れすれば、天然皮革に勝る素材はありませんよ!」
また、「靴につく汚れは水性なのか油性なのかわからない場合があるので、このクリーナーは両面の汚れに対応できるように作られています」とのこと。
日常生活に密着したお手入れアイテムのお話は面白く、奥深く、使う人の生活を親身に考えて開発されているのがうかがえました。
「いい靴を履くと、その靴がいい場所へ導いてくれる」
これは、イタリアの格言だそうです。
よく手入れされた靴は見た目の印象をよくするだけでなく、履いて過ごす時間や気持ちをぐっと充実させてくれるように思います。
父の日の贈りもの。
「ありがとう」と面と向かって言うのはなかなか照れくさいですが、使う人の日常を思って選んだものなら、きっと喜んでくれるはず。
贈った後に一緒に使ったら、家族の会話も増えそうですね。
<取材協力>
株式会社コロンブス
東京都台東区寿4-16-7(本社・ショールーム)
http://www.columbus.co.jp/
<掲載商品>
靴のお手入れ道具(中川政七商店)
文:尾島可奈子
*2017年6月掲載の記事を再編集して掲載しました。湿気の多い梅雨から日差しの強い夏に向かうこの時期。寒暖差の激しい今から、しっかり靴のお手入れをしておきたいなと思います。