こんな道具が残る世界が、幸せでないはずはない。「蛍かご」

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日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。

高倉 泰

語り手:高倉 泰

中川政七商店主催の展示会「大日本市」のディレクター。 日本各地の作り手と一緒に展示会やイベントを作りあげる。 古いものを生かした生活が好きで、奈良で築150年の古民家を改築し、 妻と2人の子どもと暮らしています。山形県出身。風呂好き。日本酒ナビゲーター認定者。

ブランド:山から福がおりてくる  
推しの逸品:蛍かご

山があるから川が生まれ、川から水が流れ、その水が田畑を潤す。山からの恵みで生きてきた歴史がある。手仕事の全てが山と結びつき、そこにたどり着く。
こんな道具が残る世界が幸せでないはずはない。

「蛍かご」と名のついたアイテムの存在を知ったのは、2年ほど前のことです。たまたま帰省で立ち寄った山形のマルシェで出会いました。

蛍かご

それぞれの土地で作られた手仕事が好きで、自宅にはアジアやアフリカを中心にいろいろな国のかごがありますが、この蛍かごほど神話的な用途のかごに出会ったことはありません。それが私の生まれ故郷の隣町で編まれていることを知って感激しました。

昔はその名の通り、実際に蛍を入れて愛でたり、鈴虫やコオロギなどの鳴く虫を入れて室内で虫の音を楽しむために使ったものだそうですが、今はインテリアや簡易照明としてもその風情を楽しめるよう、ハンギングタイプが作られています。

蛍かご

私はシンプルに飾りとしてキッチンにぶら下げてみましたが、ただそこにあるだけで、心にゆとりを与えてくれるように思います。

LEDライト付きなので寝室の照明に使ってもいいかな、友人が集まる機会に、行灯として使ったらどうだろう、といろいろな使い道が浮かんできます。

蛍かご

子どもに「何を入れると思う?」とクイズを出してみました。元々の使い道を教えると、母親に「蛍を入れると明かりになるんだよ」嬉しそうに教えていました。

不要不急と言われますが、この蛍かごが不要不急と片付けられずに残り続けて、ずっと身近にあって欲しいなと思います。


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