ありそうでなかった、土物の表情豊かな「幸生窯の人形」
日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。
語り手:梶川 今日子
中川政七商店の企画展の運営と大日本市でバイイングをしています。以前は自分でお店を運営していたこともあり、素敵なものを見たり探したり発見することに「ときめき」ます。陶器の産地「岐阜県土岐市」生まれ。これまで住んだ場所は沖縄・長野(松本)・東京・埼玉・そして奈良と引越しの多い人生です。ブランド:幸生窯
推しの逸品:幸生窯の人形
幸生窯は滋賀県・信楽にある小さな工房です。先代が切り開いた森の中、家族や従業員と取り組むのは「心豊かな暮らし」を育むためのものづくり。それぞれの個性や温もりを感じる表情を大切に、ひとつひとつ手作業で、小さな動物たちを生み出しています。
幸生窯さんのインスタのフォロワーだった私は手に取る日をとても楽しみにしていました。
初めて手にしたとき、その姿や形、大きさ、どれをとっても思った通りのかわいさにあっという間に心を掴まれました。
ありそうでなかった土物の表情豊かな人形たち。
「ぶさかわいい」という表現がぴったりな心くすぐられる動物たち。
見ているだけで、なんだかとても癒されます。
衝撃だったのはこれらが、陶器の一大産地として有名な信楽焼の伝統的な窯元でつくられている、ということ。
そしてこれらが型で成形されているということ(石膏で作られた型に、液状にした粘土を流し固める技法)。
陶器の町・美濃焼の産地で生まれ育った私としても、このクオリティ、手仕事感を一体どのように型で成形するのか興味津々です。
型に起こすことの難しさを少なからず知っている為、ここに至るまでに多くの試行錯誤があったのではと、つくり手の苦労が垣間見えるようでした。
通常、一つひとつ手で成形すれば時間もかかり、高価な一点ものとなってしまいます。
逆に、型でつくれば同じ形で整えられた製品が沢山できますが、そこにゆらぎを感じることが難しくなってしまいます。
この人形たちは、その両方の良さを持ち合わせているように感じました。
それもそのはず、型と言っても、ある程度の姿まで仕上げてからは、一つずつ手で仕上げていくのだそうです。
かわいらしさの後ろに多くの試行錯誤があったのだろうと思うと、更に愛しく感じられます。
そんなことを思いつつ人形たちを見てみれば、微塵もそれを感じさせない愛くるしい佇まい。なんだかちょっと抜けているような、それぞれの人形が放つ空気感もまた、大きな魅力になっているのかもしれません。
じっくりと見れば見るほど、デザインからディティールまで細部にこだわりを感じ、つくり手の工房の皆さんの技が沢山詰まっていると感じます。
毛がくるくると描かれたカーリースタイルの子や、モップの様な毛並みの子。
少し高貴な印象の毛並みなのにちょっとぽっちゃりした子。トラ模様の何か言いたげな子。
正面もかわいいけれど、後ろ姿もまたキュート!
今、オフィスの机の後ろの棚から4匹の子たちがじっと私の背中を見つめてくれています。
時折、振り返っては、癒され勝手に笑みをこぼす私。
ここを通る他スタッフが見ては「かわいい!」と連呼し、誰かを連れてきて、またわいわいと盛り上がっています。
その度に、私がつくった訳でもないのに心の中でちょっぴり自慢げな気持ちを持ってしまいます。笑
全部で10種類!
種類も豊富で選ぶ時間もまた楽し!です。
私のお気に入りはシマシマ。玄関でお出迎えしてもらうことにしています。
小さな花瓶に草花を添えて。
パッケージも素敵なので大切な人への贈り物にもおすすめですよ。実際に飼っていらっしゃる子と似た子を探すのも楽しいですね。
さて、皆さんのお気に入りは決まりましたか?
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