帰省の手土産に贈る 花ふきん
エリア
こんにちは。ライターの石原藍です。
たとえば1月の成人の日、5月の母の日、9月の敬老の日‥‥日本には誰かが主役になれるお祝いの日が毎月のようにあります。せっかくのお祝いに手渡すなら、きちんと気持ちの伝わるものを贈りたい。この連載では毎月ひとつの贈りものを選んで、紹介していきます。
連載第8回目のテーマは「帰省のときの贈りもの」です。もうすぐお盆。夏休みを利用して、ふるさとに帰省される方も多いのではないでしょうか。普段なかなか帰ることができないからこそ、せっかくの帰省は、久しぶりに会う親戚や地元の友人に、心ばかりの、だけどとっておきのものを持ち帰りたい。でも、何を手土産にすればいいか、頭を悩ませる方もいらっしゃるかもしれません。
特に夏場の贈りものは、ほかの季節より気を遣います。気温が高いので食べ物を選ぶといたむのが心配ですし、すぐに冷蔵庫・冷凍庫へ入れなくてはならないものだと、保管に困ってしまうことも。
以前、お酒を手土産に選んだときは、帰省の荷物だけでいっぱいなのに、手土産の重さで移動が大変だったこともありました。
・上質だけど相手に気を遣わせないささやかなもの
・気軽に使ってもらえるもの
・帰省では「電車や飛行機で移動するときにかさばらないもの」
この3つに当てはまるものということで、今月の贈りものには、「花ふきん」を選んでみました。
奈良の蚊帳(かや)生地でつくったふきん
花ふきんは奈良県の伝統産業である蚊帳生地を再生し、ふきんに仕立てたもの。もともと蚊帳は中国から伝えられ、日本では紀元5世紀頃から作られるようになったと言われています。
奈良は蚊帳生産の原料となる麻がよく取れたことから産地として発展を続け、全国で生産される蚊帳の約8割を担っていました。昭和30年代のピーク時には全国で約250万張りもの蚊帳が売れていたそうです。
時代とともに需要は減り、現在では蚊帳を使う家庭がほとんど見られなくなってしまいましたが、蚊帳生地が持つ優れた吸水性、速乾性に着目し、家庭で気軽に使える機能的なふきんとして新たに生まれ変わりました。
用途いろいろ、使うたび手になじむ感触
花ふきんを広げてみると、その大きさに驚くかもしれません。58センチメートル四方のサイズは一般的なふきんの約4倍の大きさ。
食器を拭いたり、台拭きにしたりと、いわゆる普通の「ふきん」として使っていただけるほかにも、出汁漉しや野菜の水気取りといった料理の下ごしらえやお弁当を包む風呂敷代わりにも活躍します。
また、目の荒い蚊帳生地を2枚仕立てにしており、4〜8枚仕立てのものが多い一般的なふきんより薄いのも特徴です。
ふきんは使うたびに衛生面が気になってしまうのですが、花ふきんはたたんで使うとしっかり水を吸い、広げるとすぐに乾くので、いつでも清潔に使うことができるのも嬉しいですよね。
おろしたては、ノリがついているためパリッとしていますが、何度も洗って使い続けることで、くったりとした柔らかい肌ざわりになっていきます。
使っていくと、使いはじめより一回りほど小さくなりますが、その頃には使う人の手になじんだ柔らかい風合いになっているはずです。
暮らしのそばでいつも使い続けたい花ふきん。2008年にはグッドデザイン賞金賞を受賞するなど、今や人気商品になっています。
一度使うと、上質な肌ざわりや、その手軽さ・丈夫さに手放せなくなる人も多いそう。カラーラインナップも豊富なので、用途に合わせて使い分けたい方には、セットで贈っても喜ばれると思います。今度の帰省のおともにいかがでしょうか。
<掲載商品>
文:石原藍
関連商品
-
かや織ふきん 花束 ピンク
550円(税込)
-
かや織ふきん 花束 黄色
550円(税込)
-
かや織ふきん 花束 水色
550円(税込)