爪やすりの正しい使い方って?プロに聞く綺麗な爪のつくり方
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日本で女性の美を支えてきた道具を紹介する連載「キレイになるための七つ道具」。第1回はネイルケアに欠かせない、爪やすりです。
日本ではすでに江戸時代、身だしなみのひとつとして紅で爪の色を整える習慣があったそうです。ネイルケア専門のサロンやネイリストという職業がある現代、美しい爪への関心は相変わらず高いですが、普段から出来るネイルケアについては、意外と知る機会がありません。
私自身、憧れはあるものの、普段は爪切りで長さを整えるので精一杯。どんなことを心がけたら、キレイな爪は手に入るのでしょう?
トップネイリストに聞く、キレイな爪とは
ネイルケアに関わるプロフェッショナル、株式会社ウカ(以下、uka)さんと、株式会社諏訪田製作所さんにお話を伺うことができました。
まずお話を伺ったukaさんは、ヘアやネイルエステなどを提供するトータルビューティーサロンを展開しています。7:15(ナナイチゴ)など、働く女性の日常シーンに合わせた香りのネイルオイルなどのホームケアも人気。代表の渡邉季穂さんご自身がトップネイリストでもあります。プロが考えるキレイな爪って、どんなものでしょうか。
大切なのは、バランス
「いちばんキレイだと思うのは、長さがバランスよく揃っている爪です。
まず根元のキューティクルから爪先までの長さが、人差し指、中指、薬指の3本の指で揃っていること。そしてそれに対して小指、親指の爪の長さがいいバランスであること。
加えて、手の平側から見た時にも、見える爪の長さが大体揃っていること。左右の手で長さが同じであること。これには爪の形を同じにしておくことも大切です。1本だけ尖っている、というのではなく、どの指も爪の形が揃っていると、美しくバランスのとれた手の印象になります」
なるほど。ネイルと聞くとマニキュアなどで美しく彩った爪をイメージしますが、まずは素の爪をバランス良く整えることが肝心のようです。これならすぐにできそうで、ちょっとホッとしました。
ここで、爪の長さや形を細かく整えるのに活躍するのが爪やすりです。今度は諏訪田製作所の斎藤さんにお話を伺います。
諏訪田製作所さんと言えば入荷2年待ちにもなるニッパー型の爪切りが有名。爪切りと爪やすりは似て非なるもののようですが、実は共通して大事なポイントがあるようです。
七つ道具その一、爪やすり
「爪をしっかりと研ぐことが出来るというヤスリ目の性能・品質はもちろんですが、手になじむハンドルのデザインは爪切りを作るときと同様に重要な部分です」
諏訪田製作所があるのは、新潟県三条市。昔から職人たちが質の良い刃物作りにしのぎを削る、日本でもトップクラスの鍛冶の町です。
よく切れる、よくやすれるのは当たり前。元々「SUWADAのつめ切り」はその抜群の切れ味に加え、指の形にカーブした、安定して持ちやすい持ち手で人気を博したのでした。
今、爪やすりはペーパータイプのものやガラス製など形・素材・価格とも幅広くありますが、私が持っているSUWADAさんの爪やすりは、自然と手の内にハンドル部分が落ちて納まる、ずしっと重みのある持ち手。ロングセラー商品を持つ老舗メーカーならではの気配りがきいています。(中川政七商店とのコラボ商品「爪のお手入れセット」限定品。現在は販売を終了しています)
私のようなビギナーは特に、長く愛用できる使い勝手の良いものを一つ持っておくと心強いかもしれません。
キレイな爪の作り方
さて、道具を知った後は、正しい使い方を覚えておきたいところ。再びukaの渡邉さんに伺います。
「爪の組織はセロリのように筋状で、3層になっています。ギコギコと左右にやすってしまうと二枚爪の原因に。必ず一定方向に削りましょう。そのためにはやすりの動きを安定させる起点を作ることが大切です」
諏訪田さんの爪やすりを例に、爪のお手入れステップをまとめました。
1、ハンドルを利き手の親指、人差し指で挟むように持ち、さらに中指でしっかり握る
2、反対側の手の親指の付け根にやすりの先端をつける。(ここが爪をやする時の起点)
3、2の状態をキープしたまま、やすりたい爪先をやすりに当てる。やすりの角度は爪に対して45度に
4、親指の付け根で爪やすりを支えながら、角度を保ってやすりを一定方向に動かし爪を削る
5、爪の真ん中を中心に、左右対称に爪の形を整える
これはNG!
×ギコギコと左右に削る
×起点を作らずにフリーハンドで爪を削る
‥‥どちらも爪の層が荒れて二枚爪の原因になってしまいます!
はじめはちょっと難しいですが、慣れてくると爪やすり初心者の私でも、どの指の爪もすいすいと削れるように。利き手と反対の手でやすりを持つときは、爪やすりでなく、削られる爪の方、つまり利き手を動かして削ると、やりやすいそうですよ。
ここまできたら、キレイな爪を手に入れるまであと少し。形と長さを整えたら、普段から爪を保護する意識と保湿、さらに表面の磨きまでできると、より美しい爪になるそうです。
キレイな爪は一日にしてならず
「例えばお皿を洗う時お湯を使うなら、ゴム手袋をする。パソコンを打つ時は爪でなくて指の腹で打つ。ちょっとした心掛けが爪の保護になります。
保湿はネイルオイルが栄養分のバランスが良くおすすめですが、顔のクリームをお風呂上がりにつけるのだっていいんです。手だけでなく、爪につけてください。
一日中使うところですから、できれば日に5回は保湿ケアを。おすすめは、マニキュアを塗ってみることです。そのまま3日間くらい過ごしてみてください。自分がどれだけ指先を使っているかが、塗りのはげ方でわかる。
マニキュアやベースコートは塗ることで多少の爪の保護にもなりますし、色を保とうと思うので、手の使い方が優雅になります。手の使い方がキレイだと、女性らしく見えるんですよ」
どれもすぐできそうなのに、目からウロコのことばかり。道具を使ってのお手入れと日々のセルフケアと、二つセットで続けることが、キレイな爪への近道のようです。
「爪は皮膚が角化したものなので、自ら養分を出してコンディションを補うということができません。さらに体の中でも末端に位置するので栄養が届くのも最後になります。
だからこそ爪は自分の体の健康具合やお手入れの効果が如実に現れるところ。髪がお手入れしないと枝毛になったり縮れたりしてしまうのと同じように、日々のケアが大切なんですよ」
キレイな爪は一日にしてならず。ですが、ちょっとした意識で楽しみながらお手入れを続けていけば、そう遠くはなさそうです。
<掲載商品>
「諏訪田製作所 爪切り」
<取材協力>
株式会社ウカ
株式会社諏訪田製作所
文:尾島可奈子
写真:井上麻那巳
こちらは、2016年11月10日の記事を再編集して掲載しました。意外とよく見られる手元。爪先も忘れずにケアしていきたいです。
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