書き初めは、手のひらサイズの書道セットで

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プチ書道セット

こんにちは。ライターの小俣荘子です。

日本で丁寧につくられた、小さくてかわいいものを紹介する連載、今回は佐賀の書道具店がつくる書道セットです。

コンパクトでどこでも使える書道セット

年賀状や手紙、祝儀袋などに墨と筆でサッと美しい文字を書けたら‥‥、そんな憧れを抱いたことはありませんか?

とはいえ、毛筆にはなんだかハードルを感じてしまいます。準備と片付けの手間、墨による汚れの心配、慣れない筆の扱いにくさなどが頭をよぎります。そんな思いを汲んで作られた、初心者も気軽に使えるコンパクトな書道具を見つけました。

有田焼の産地、佐賀県の吉田陶芸が作った「花陶硯 (はなとうけん) プチ硯セット」です。

コンパクトな書道セット
手のひらサイズの箱の中に、硯 (すずり) 、墨、筆が入っており、手軽に持ち運べる
どこでも広げられるコンパクトなセット
場所を取らずに広げられる

つるりと美しい白地に鮮やかな絵付けが特徴の有田焼の硯、三重県で平安時代から作られている彩り豊かで擦りやすさ抜群の「鈴鹿墨」、書き心地と携帯性に優れ化粧筆としても有名な「熊野筆」がセットになっています。

硯の裏には鮮やかな絵が描かれている
長さ11センチメートルほどの硯は、擦り面の裏に鮮やかな柄が描かれています。お気に入りをひとつ選べば、「書く」時間がいっそう楽しくなりそうです
柔らかく擦りやすい鈴鹿墨。1適の水を使って10回ほど擦るだけで、便箋5枚程の手紙分の墨がすぐに出来上がる。墨の色は5色から選べる
柔らかく擦りやすい鈴鹿墨。2〜3適の水で10〜20回ほど擦るだけで、はがき5枚ほどの手紙を書ける墨汁が出来上がります。墨の色は5色から選べます
ポータブルな熊野筆
金具で筆先の根元を2/3ほど締めているので、書くのに必要な先端だけに墨が染みます。根元が固定され軸となるため書きやすく、墨も少量で済むので、片付け時のお手入れも簡単です

正月の書き初めにも。美しさと使い勝手の両立にこだわった擦り面

白く美しい硯が墨で黒ずんでしまったら悲しいですが、この硯にはそんな心配もありません。擦り面は、墨がなめらかに素早く擦れることと、墨の洗い流しやすさ、相反する2つの条件がギリギリで重なる「ちょうどいいポイント」を追求して作られました。すりガラスのような細かな凹凸となっています。

硯の擦り面の拡大画像
見た目にも美しい擦り面

お正月に向けて、古くからの日本の習慣や文化に触れたくなる季節。なかなか一歩を踏み出せなかった毛筆ですが、この手軽さなら始められそう。そんな思いにかられました。

<掲載商品>
花陶硯プチ硯セット

<取材協力>
吉田陶芸
佐賀県西松浦郡有田町蔵宿丙4096-9

文:小俣荘子
写真:吉田陶芸、小俣荘子

※こちらは、2017年12月4日の記事を再編集して公開しました。

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