「お正月飾り」に込められた祈りをご存知ですか?

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お正月飾り

あけましておめでとうございます。ライターの小俣荘子です。

新年の挨拶をして、年賀状を受け取って、初詣にでかけて。「今年も良き年になりますように」と祈り、心新たにする一年のはじまり。

お正月飾りに込められた意味

門松、注連縄、鏡餅‥‥子供の頃から親しんできたお正月飾り。「そういえば、どんな意味合いがあるのだろう?」と調べてみると、ご先祖様が代々祈り続けてきた思いを垣間見ることができました。都会のマンション暮らしでも扱いやすい小さなお正月飾りと合わせて、その思いを紹介します。

歳神様をお迎えする目印「門松」

門松飾り
松に3本の竹、梅の水引をあしらった門松

門松は、歳神様が迷わずに降りて来るための依り代といわれています。地域によっていろいろな様式がありますが、神様が見つけやすいよう門前に飾られることが多く、マンションの場合などは玄関に飾ることが一般的になっています。

常緑で不老長寿の象徴である「松」、真っ直ぐに伸び子孫繁栄の象徴である「竹」、冬に花を咲かせ気高さの象徴である「梅」といった縁起物で飾ります。神様が宿るので、お正月三が日の間は神棚と同じようにお供え物をするという風習のある地域も。

歳神様へのお供物「鏡餅」

鏡餅飾り
白木で作った鏡餅に、伊賀組紐の職人による橙と、麻素材の裏白を添えて

鏡餅は、歳神様へのお供物です。お餅は古来から神饌 (しんせん=神様の食べ物)と言われてきました。また、神様が宿るとも言われるので、床の間のほか、神様に来ていただきたい場所に飾ります。

丸く整えられた平たいお餅を重ねる鏡餅。この形は、人の魂 (心臓) の形を表す「神鏡」を模しているとされ、お供えの後は、新しい神 (タマ) として小さく割って配り歩く「お年玉」という風習もありました。現代のお年玉のルーツですね。

大小2つ重ねることで陰 (月) ・陽 (日) となり、福徳を重ねるという意味合いもあるのだそう。お餅の上に乗せる「橙」には「代々栄えますように」という願い、下に敷く「裏白(うらじろ)」は「後ろ暗いことがないように」という意味が込められています。そのほかにも「喜ぶ」と掛けた昆布 (こぶ) や、「財産が伸びるように」と熨斗 (のし) を添えるなどして飾ります。その年の豊作や、健康と幸福を祈るお飾りです。

無病息災や厄除けを願う「羽子板」

羽子板飾り

お正月遊びとして知られる羽子突き。かつて羽子には、豆に羽をつけたものが使われていました。これを羽子板で突くことは豆まき同様に厄除けの意味があったとも言われます。

羽先の黒く固い部分を豆に見立てて「魔滅(まめ)」あるいは「マメに暮らせる」などの縁起を担ぎ、江戸後期のころから女子の誕生した家に羽子板を贈る風習ができました。現代でも、赤ちゃんが生まれて初めて迎えるお正月や節句の贈りものとされています。お守りとして羽子板を飾ることで、無病息災や厄除けを願います。

福を呼び込む「打ち出の小槌」

打ち出の小槌
古くから小槌への信仰が厚い出雲。その地で小槌を作り続ける木工屋さんと作った由緒ある福小槌に、絹の飾り結びをあしらったデザイン

振ると様々な願いや夢が叶うと言われている「打ち出の小槌」。数々の昔話にも登場しますが、大黒様が持っている宝物です。お供え物と合わせて賑々しく飾ることで、新年に福を呼び込みます。

神様の宿るもの、願いのこもった縁起物に囲まれるお正月。家に居ながらにしてパワースポットを訪れたような時間なのですね。

新しい1年が、すこやかで幸せなものになりますように。

<掲載商品>

小さな鏡餅飾り (中川政七商店)

小さな門松飾り (中川政七商店)

小さな羽子板飾り (中川政七商店)

小さな福小槌飾り (中川政七商店)

<参考文献>

『日本大百科全書』 1994年 小学館

『日本年中行事辞典 (角川小辞典 16)』 鈴木 棠三 1978年 KADOKAWA

『知っておきたい日本の年中行事事典』 福田 アジオ、山崎 祐子、常光 徹、福原 敏男、菊池 健策 2012年 吉川弘文館

『【ふるさと東京】 民俗歳時記 (普及版) 』 佐藤 高 1993年 朝文社

『暦と行事の民俗誌』 佐藤 健一郎、田村 善次郎 2001年 八坂書房

『日本人のしきたり』 編集:飯倉 晴武 2003年 青春出版社

『宮本常一 歳時習俗事典』 宮本常一 2011年 八坂書房

『あそびのための郷土玩具』 監修:畑野 栄三、岩井 宏實 2005年 くもん出版

『雑学 日本のこよみ―歳時記』 とよた 時 1992年 誠文堂新光社

『羽子板』 山田 徳兵衛 1937年 芸艸堂

文:小俣荘子

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