登山に欠かせない専用アイテム。山のプロが認めた靴下の秘密
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もし「今度山登りに行こう」と決まったら、服装や持ち物は何を用意しますか?
リュックに脱ぎ着しやすいウェア、帽子に登山靴。
もう一つ、忘れてはいけない大切なアイテムがあります。
「山は足で登るものなので、踏ん張りが効かなきゃいけないんです。
でも、登山靴って硬くて大きいので完全に足にフィットするのが難しい。やっぱりちょっと足が動くんですよね、靴の中で。このズレが、疲れの元なんです。
そんな靴と足の間で踏ん張りを支えてくれるのが、靴下です」
そう話すのは株式会社ヤマップの髙橋勲さん。
ヤマップは日本最大級の登山コミュニティーサイト「YAMAP」の運営会社。月一回は会社メンバーで定例登山にいくというほど山を愛する、いわば山のプロ集団です。
プロが認めた登山のための靴下
そんなヤマップが「山登りにぴったり」と太鼓判を押し、コラボ企画のラブコールまで送った靴下があります。
その名も「山を登るくつした」。
日本の靴下生産の5割を占める、奈良県発の靴下ブランド「2&9 (にときゅう) 」のアイテムです。
山登りにしっかりとした靴が必要なのはわかりますが、靴下がそれほど重要とは、思いがけない事実。
今日はこの商品をひもときながら、意外と知らない山登りのキーアイテム、靴下の実力に迫ります。夏山シーズン前の予習にどうぞ。
山のプロから見た靴下の重要性
泊りがけのハードな登山もするという高橋さん。「山を登るくつした」を実際に山で履いてみて「これはいい!」と感動したのだとか。
背景には、高橋さんや山好きのヤマップ社員がずっと感じていた、ある「不足」がありました。
「アウトドアのウェアってどんどん進化していて、インナーからズボン、靴までかなり機能的になっているんですけど、靴下だけはあんまり進化していませんでした。多少開発もされてはいるんですが、これは、というのがなかったんですね」
長時間歩き続ける登山。
例えば靴下の履き口がきつければ、むくみにつながります。
通気性が悪ければ、蒸れが気になってくる。服なら汗をかけば脱ぎ着ができますが、靴は一度履いたらずっと履いたままです。
さらに、生地の厚みやサイズが合わないと、擦れて痛みに繋がってしまうことも。
「楽しく快適な登山のポイントは、足の踏ん張りと疲れをためないことです。
わずかな擦れや蒸れも、続けば足が疲れ、歩く姿勢が崩れてさらに疲労が溜まっていく、という悪循環になってしまいます」
登山の足元を支える重要なアイテムでありながら、常に登山アイテムの商品情報に接している山のプロでも、なかなかしっくりくるアイテムにめぐり合えませんでした。
「蒸れない、ズレない、疲れにくい。そんな靴下があれば」
そんなある日、スタッフの方がたまたまネットで見つけたのが、この「山を登るくつした」でした。
注目ポイント①つま先のかたち:踏ん張りのきく足袋型
まず目に留まったのがそのつま先のかたち。
「もともとスタッフでも足袋型のソックスを登山に愛用している者が結構いたので、これはいいぞと思いました」
手袋でもミトンよりは5本指の方が物をつかみやすいように、靴下も指先が分かれたタイプの方が地面をつかみやすく、次の一歩を踏み出しやすくなります。
注目ポイント②編み方:つま先の立体構造
「さらによかったのが、同じ足袋型でも一般的なものと違って、立体的な編み方をしていることです」
丸編みという立体的な編み方をしているので、つま先に縫い目が当たらず、足を動かしても生地がずれずに擦れにくくなっています。
生地のズレを防ぐ機能は、かかと周りにも。特殊な編み加工を足首部分に施し、かかとを固定 (ヒールロック) する構造で足の疲れを軽減します。
注目ポイント③通気性:蒸れを防ぐメッシュ生地
「ここ、履き口に近い甲の部分がメッシュになって蒸れにくくなっているんですよ」
「通気性ってとても重要で、長く歩いた後にその差が出てきます。小さなストレスが積み重なって足の疲労になるので、これから山開きする富士山のように長時間の登山の時は特に、蒸れにくいことが大切です」
他にも、小さなストレスを積み上げずに足を守る工夫が各所に。
社内であっという間に話題になり、「うちでも商品化したい」とすぐにコラボ商品の提案に奈良へ向かったそうです。
作っているのは日本最大の靴下産地、奈良の靴下工場
高橋さんたちが向かった奈良は、日本有数の靴下産地。生産量は全国の5割を占めます。
「山を登る靴下」の生みの親「2&9 (にときゅう) 」は、そんな奈良の靴下工場と一緒に商品開発を行っています。
今回「山を登るくつした」を作ったのは、奈良県大和高田市に工場を構える西垣靴下さん。
足を固定するテーピング編みを業界に先駆けて考案し、10年前に売り出したウォーキングソックスが大ヒット。そのノウハウを生かして生まれたのが、今回の「山を登るくつした」です。
「もともとはテーピング編みという技法を取り入れた、より強力に足全体を固定するソックスです。
2&9の『山を登るくつした』はそれをレジャーや普段使いにも取り入れやすいよう、カジュアルダウンさせた格好ですね。要望があれば他にもまだ、いろんなアレンジができますよ」
そんな新しいものづくりに意欲的な西垣靴下さんの協力で、2&9×YAMAPコラボ版「山を登るくつした」も誕生しました。
「足袋型の方がつま先がしっかり厚くクッション性があります。5本指はそれより生地が薄くなりますが、しっかり5本の指で地面を掴めるので踏み込む力が出やすくなります。
どちらがいいかは個人の好み次第ですね。私やうちの会社で一番山に登っているスタッフも、両方とも気に入って使っています」
普段と違う環境で、普段より長く足を使う登山。足を守る靴下も、機能性の高いものが一足あると、道中の心強い味方となってくれそうです。
山のプロが太鼓判を押す、山登りのための靴下。その実力は、ぜひ来る夏山シーズンで試してみては。
<掲載商品> *登場順
山を登るくつした (2&9)
5本指の山を登るくつした (YAMAP)
<取材協力> *登場順
株式会社ヤマップ
https://corporate.yamap.co.jp/
西垣靴下株式会社
http://www.nishikutu.co.jp/
文・写真:尾島可奈子
取材場所提供:DIAGONAL RUN TOKYO
※こちらは、2018年6月12日の記事を再編集して公開しました。しっかり準備をして山登りを楽しみたいですね。
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