Awabi wareが取り組む、珉平焼へのオマージュ

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特集「産地のうつわはじめ」

中川政七商店の全国各地の豆皿
11窯元の豆皿をご紹介していきます

昔からある色・かたちに再編集を

「Awabi ware」の豆皿は、珉平焼(みんぺいやき)にならった鮮やかな釉薬(ゆうやく)と、マッドでつややかな質感が特徴です。

作家である岡本さんは、昔からある色・かたちをモチーフに型をおこし、釉薬を調合しています。

制作方法は大きく二つ。成型から釉薬をかけて焼き上げる工程までをすべてを自身で行う場合と、原型をおこして島外の職人さんに依頼して焼き上げる分業制とがあります。

100年経っても使ってもらえるように。自分以外にも「Awabi ware」をつくり続ける人が存在する重要性を提唱し、実践しているのだそう。

洋食化する現代の食卓に合わせて細やかな再編集がほどこされた製品からは、手仕事の安らぎとプロダクトの安定感、両方の良さが滲み出します。

Awabi wareの豆皿

幅広いバリエーション、多様性に富んだ珉平焼

珉平焼は江戸後期の文政年間(1818-30)、伊賀野村(現在の南あわじ市北阿万伊賀野)で賀集珉平(かしゅう みんぺい)が始めた焼物で、別名を「淡路焼」とも呼ばれています。

京焼の陶工・尾形周平を招いて色絵の技術とデザインを導入後、古今東西のさまざまな技法を写していきました。

そんな珉平焼の特徴は、幅広いバリエーションにあります。江戸時代後期の日本で、これほど多くの種類を焼いていた窯は恐らくなかったのではないかと言われています。

黄色・緑・青・水色・白などの透明感のある釉薬を用いた目を惹く色合いがとても印象的です。

淡路に息づく美しの品、現代の民藝の可能性を求めて

陶芸作家・岡本純一さんは柳宗悦の唱える「民藝論」に共感し、2010年より故郷である淡路島で農的生活の傍ら、独学で作陶を始めます。

2012年、「Awabi ware」を屋号に日用食器の制作を開始。コンセプトは100年後も使われているような「受け継ぐ器」。淡路の美しさと書いて「あわび」、「ウェア」には製品の意味が込められいるそうです。

自宅から車で5分。かつては島の診療所だった趣のある建物にアトリエ兼、予約制のショップを構えます。

自然と人間をつなぐ里山風景の残る淡路島で、岡本さんは手仕事と量産できる製品のあいだに立ちながら、淡路に息づく美しの品を生み出し続けます。

掲載商品

Awabi ware 八角豆皿 瑠璃
1,300円(税抜)

Awabi ware 四方豆皿 トルコブルー
1,500円(税抜)

豆皿の写真は、お料理上手のTammyさんが撮ってくださいました。他にも普段の食卓のコーディネイトの参考になるような写真がたくさんあります。Instagramも、ぜひ覗いてみてください。

文:中條美咲

産地のうつわはじめ

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