豆皿とご当地お菓子の組み合わせを楽しむ。「信楽」「瀬戸」「丹波」のうつわを使って
日本の工芸をベースにした生活雑貨メーカー中川政七商店では、全国の焼きもの産地とコラボして豆皿を作っています。
さんちでも各地のものづくりを取材してきました。
せっかく各産地のうつわが揃ういい機会なので、今回は集めた豆皿でちょっと遊んでみようかと。
春に登場した3産地の豆皿に合わせて、ご当地菓子を探してみました。旅のお土産やうつわ選びの参考にしてみてくださいね。
信楽焼の豆皿×紫香楽製菓本舗の「うずくまる」
「土と炎の芸術」と謳われる信楽焼。粗い土の味わいを楽しめる、3色の豆皿が登場しています。
合わせたお菓子は紫香楽製菓本舗の「うずくまる」。
茶人に愛されてきた信楽の焼きもの。中でも室町時代に、その色かたちに侘びがあると花入れに好まれた小さな壺が「蹲 (うずくまる)」でした。
紫香楽製菓本舗さんが作る「うずくまる」はその小壺をなぞらえた姿。
つぶあんを包む生地には信楽の朝宮茶が添えられ、口に含むとほんのりとお茶の香りが広がります。
瀬戸焼の豆皿×YUIの「窯垣の小径焼菓子」
2つめは瀬戸焼の豆皿。
作り手である瀬戸の名窯、瀬戸本業窯さんの取材で出会ったのが「窯垣の小径 (かまがきのこみち) 」です。
古くなった窯道具を積み上げて石垣がわりにした垣根の道は、焼きものの一大産地である瀬戸の歴史を感じさせます。
窯垣の小径を紹介した記事はこちら:「日本のタイル発祥の地『瀬戸』は壁を見ながら歩くのが面白い」
この瀬戸ならではの情景を表現したのが「窯垣の小径焼菓子」。開発には、瀬戸本業窯の水野雄介さんをはじめ地域の方の協力があったそうです。
丸い「エンゴロ」はほろ苦いコーヒー味、細長い「ツク」は米粉のクッキー。四角い「タナイタ」は抹茶味。どれも瀬戸にゆかりのある生産者さんの素材を使っています。
さらに包装紙は瀬戸焼を包む緩衝材、箱は贈答用の瀬戸焼を入れる貼り箱工場さんに依頼するなど、どこをとっても瀬戸愛がたっぷり。
合わせるのはもちろん、瀬戸本業窯の豆皿を。
瀬戸本業窯の豆皿を取材した記事はこちら:「食卓に小さな『違和感』を。瀬戸本業窯の豆皿が新生活におすすめな理由」
丹波焼の豆皿×酒井七福堂の「手づくりあられ」
3つめは丹波焼の豆皿。
作るのはバーナード・リーチ仕込みのスリップウェアを手がける「丹窓窯」さんです。
丹窓窯の豆皿を取材した記事はこちら:「日本にしかないスリップウェアの豆皿。中川政七商店とバーナード・リーチ直伝の『丹窓窯』が提案」
取材時に8代目の市野茂子さんが「どうぞ」と勧めてくださったのが、酒井七福堂さんのおかきでした。
ご馳走になったのは山椒入り。このあたりでは山椒がよく採れるそうで、この味がお気に入りなのだとか。ひと口食べるとピリリと美味しく、ついつい手が伸びます。
3時のおやつで産地を旅する
せっかく各地のうつわが揃うなら、何か土地らしいものを盛り付けてみたいな。
ちょっとした興味からご当地菓子を探してみたら、産地や作り手さんの周りに、ゆかりの美味がすぐに見つかりました。
お菓子の背景やエピソードを知ると思いがけず産地やうつわに詳しくなって、パッケージから豆皿に盛れば食卓の風景も楽しい。
いつもよりちょっと豊かな3時のおやつになりました。他の産地のうつわでもやってみると、また面白い出会いがありそうな予感がします。
<取材協力> (掲載順)
【信楽】紫香楽製菓本舗
【瀬戸】YUI (現地では瀬戸観光案内所などで取扱いあり)
【丹波】酒井七福堂
文・写真:尾島可奈子
*こちらは、2019年4月15日の記事を再編集して公開しました
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