奈良の飲食店めぐり。中川政七商店スタッフが愛用するお店
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春には月ヶ瀬の梅や吉野の桜が景色を美しく包み、秋には毎年恒例の正倉院展も開催されるなど、一年を通じて見どころが豊富な古都・奈良。古くより観光地として知られ、多くのお客様を迎え入れてきた奈良ですが、最近では新しい試みもあちこちで起きており、ますます奈良めぐりがはかどりそうな予感です。
旅先での楽しみ方は人それぞれであるものの、どんな過ごし方にも欠かせないのが食事。「奈良にうまいものなし」とは、奈良に暮らした文豪・志賀直哉の随筆から広まったとされる言葉ですが、実際には「食ひものはうまい物のない所だ」と記したそうで、いつしか冒頭の言葉として知られるようになったと言われます。
そんなイメージを持つ奈良ではありますが、実際には地のめぐみを存分に味わえたり、奈良らしさを心地好く感じていただけたり、何度も訪れたくなったりするようなお店もたくさん。奈良の老舗・中川政七商店に勤める私たちが、普段から奈良を訪れたお客様におすすめしているお店を集めました。ぜひ、楽しい旅のヒントにご参考ください。
四季折々の料理と地酒を愉しむ割烹「まつ㐂」
ならまちでしっとりと食事を愉しみたいなら、割烹「まつ㐂」へ。大正時代の古民家を改装した店内では、大和野菜や旬の食材をふんだんに使った懐石料理が味わえます。
春には桜を、秋には紅葉をあしらうなどの、季節ごとの表情豊かな一皿を五感で味わいながら、選りすぐりの地酒を口に運べば、奈良の息遣いを感じられる豊かな時間が過ごせるはず。
住所:奈良市東城戸町16-1
公式サイト:http://kappou-matsuki.com/
大和伝統野菜を味わう古民家レストラン「粟 ならまち店」
奈良で食べ継がれてきた大和伝統野菜を存分に堪能できる、レストラン「粟 ならまち店」。オーナーを務めるのは大和伝統野菜研究の第一人者・三浦雅之さんです。
食材の持ち味を存分に引き出すシンプルな調理法で提供される品々は、いずれも滋味深く、大和伝統野菜の香りや歯ざわりを丁寧に味わえます。
お店は観光客の多いならまちに位置するものの、一歩足を踏み入れれば喧騒は遠く、広がるのは奈良町家の静謐な空間。この地でしか出会えない驚きと美味しさを、ゆっくりと噛みしめてみては。
住所:奈良市勝南院町1番地
公式サイト:https://www.kiyosumi.jp/naramachiten
自家製出雲そばと創作料理に舌鼓「だんだん」
2008年にオープンしたお蕎麦屋さんを娘さんが引き継ぎ、季節を感じられる創作料理と玄挽きの蕎麦を提供されている「だんだん」さん。観光地であるならまちからは車で5分程度とほど良い距離があり、中川政七商店スタッフも足しげく通う名店です。
清潔感のある明るい店内は、おおらかな佇まいの古道具や季節の移ろいを感じられる生け花が飾られており、ご家族やご友人と訪れるのにぴったりの軽やかな雰囲気。日本酒やナチュラルワインも用意されているので、奈良の夜を心ゆくまで愉しめます。
住所:奈良市大宮町2丁目2−34
公式サイト:https://dandannara.com/
至福の時間に、美味しい食事はつきもの。一人でじっくりと、あるいは誰かと会話に花を咲かせて。色々な愉しみ方で、心に残る旅の想い出づくりに、この記事がお役に立ちますように。
文:谷尻純子