物語が生まれるピアスと心の旅をして「山から福がおりてくる ine/ピアス」

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日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。

塩足 月和子

語り手:塩足 月和子

直営店店長を経て、日本全国の工芸品をお届けする展示会「大日本市」の担当に。 工芸だけでなくアートも好きで、休日は美術館やギャラリー巡りを楽しんでいます。 旅好きでもあり、冬には必ず雪国に行って温泉と日本酒を楽しんでます。

ブランド:山から福がおりてくる
推しの逸品:ine /ピアス

山形の残すべき文化や伝承、そこに農家や職人の紐づく手業。それは「山形のラグジュアリー」

「モノ」を見たり、「モノ」に触れたりすることで、自分の心の中に「物語」が生まれることがあります。

それが意思とは無関係であればあるほど、言葉と離れたものであればあるほど、わたしは「モノ」に出会った喜びを感じます。自分の内側にある、言葉で表現しきれない大切な何かが、「モノ」に触れることで引き出されるからです。

「ineピアス」
それは私にとってまさに「物語」を生む「モノ」との出会いでした。
初めて手に取ったとき、わたしのなかに眠っている風景が呼び覚まされて、いろんな湿度の光を感じました。
朝日を浴びて半透明になった木々の中の、湿り気のある光。風で揺らぐ草の上で、影とともに絵を描く光。ある島で干されていた大根を黄金色に染める、夕日の光。

展示会で出会ったバイヤーさんは、「ineピアス」をみて、自分の生まれ育った新潟の土地の匂いや、根源的な風景に結びついたという体験を話してくださいました。

そこでふと、和辻哲郎さんの「偶像再興」という著作にある一文を思い出しました。

“心と心を触れ合わせるには言葉だけに頼ることはできぬ。言葉は不完全なものである。”

“思うことを単純に言い現わしたつもりでも相手がまるで違った方向に刺激を受けることは珍しくない。触れ合おうとする心はいつまでも言葉の奥に縮こまっていて、中心を離れた枝葉の問題の上に、いら立たしい神経と我執とを衝突させるのである。”

“しかしこの不完全な言葉を使っても心が何のこだわりもなく素直に向こうへ通ずることもある。時にはその言葉の必要さえもない。”

わたしはそのバイヤーさんと同じ風景をみたことはないけれど、語られた体験から私は私の中にある風景を、語られなかった風景を新たに描くことができ、「言葉の奥に縮こまっていた触れ合おうとする心」や「不完全な言葉を使っても心が何のこだわりもなく素直に向こうへ通ずる」体験を「モノ」が導き出してくれた、その感覚はとても貴重なものだと嬉しく思いました。

山形県産の無農薬栽培で育てられた稲を100%使用した、自然からできた耳飾り「ineピアス」。
「稲でできた珍しいピアス」という外側の情報に捕らわれない個々の物語が生まれ、「モノ」を介して人と繋がる。そんな余白と奥行きを感じます。

同じ「ineピアス」を見ながら、語りながら、お互いに心の中に異なる風景を見て、異なる物語を生んでいる。けれど、「モノ」を通じて心を通わせることができた。その体験は、とても豊かで幸せな時間だなと思いました。

その昔、農家は育てた稲の藁などを使用して、生活に必要な道具を自分たちで作っていた中で、ただ作っていただけでなく、生活や季節ごとの環境に合わせた工夫を重ね、その中で遊び心や、お洒落も取り入れた色々な道具を生み出していたそうです。
(※山から福がおりてくるさんHPより抜粋)

そんな作り手さんたちの中にも個々の物語があると思うと、「ineピアス」を通じてそれぞれの心の中に生まれた物語を旅してみたくなります。

「ineピアス」を手に取ったみなさまの心のなかには、どんな物語が生まれるでしょうか?物語を身に着けて、大切な誰かと「モノ」を通じた心の旅に出れる素敵な逸品です。

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