炊事、洗濯、掃除、工芸。「MESHザル」

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こんにちは。中川政七商店のバイヤー、細萱久美です。

この連載では「炊事・洗濯・掃除」に使える、おすすめの工芸を紹介しています。

今回は、台所ですっきりと輝く、新潟・燕の金ザルです。

家にいる時は、リビングよりも台所にいる時間が長いのかもしれず、愛着のある道具や食器がじわじわと増えています。

どこの家庭にも一つはあると思われるのが、ザルですね。プラスティック製品もありますが、耐久性や衛生面でいったら金ザルがおすすめです。

竹ザルも食器のような使い方ができて好みですが、日々の調理なら気兼ねなく使える金ザルが欠かせません。
100円ショップでも売っているくらいピンキリの金ザルではありますが、劣化すると金属なので下手したら手を切ることもありえます。

そう思うと、ある程度の品質は求めたいところ。そこで、京都の「金網つじ」さんで販売している「MESHザル」シリーズの金ザルを紹介しましょう。とても丈夫で、すっきりとしたデザインが抜群だと感心している逸品です。

「金網のプロ」も惚れた。まさに、質実剛健。

金網つじさんは料理好きには有名で、中でも焼き網や豆腐すくいはベストセラーです。

中川政七商店も京都店をオープンする際に、焼き網などをの商品をお取り扱いさせていただいて以来、金網つじさんとのお付き合いがあります。焼き網は店舗でもいつも人気で、品薄になることもたびたびです。

焼き網や豆腐すくいは金網つじさんの工房でつくられていますが、今回紹介するMESHザルは、金網つじ製ではなく、社長の辻さんがプロの目利きでセレクトした道具です。

長年にわたり手しごとで金網製品を製造してきた辻さんですが、丈夫で使いやすいステンレスザルの要望をお客さまからたくさん聞いてきたそう。金網の専門知識を活かして、「これなら自信を持って薦められる」と選んだのが、このMESHザルです。

ポイントは「丈夫で使いやすい」「洗いやすい」「脚がとれない」こと。

一般的な金ザルには別パーツの高台が付いているものですが、そのためにはワイヤーが必要になります。、バイヤーとして、またひとりの使い手としては、金ザルとワイヤーの溶接具合に、品質や耐久性の差が出ると感じています。

金網つじセレクトのMESHザルにはワイヤーがなく、一体成型による高台なので見た目もすっきり。溶接するパーツが無いことで丈夫さ、洗いやすさにもつながります。

ザルの裏側

聞けば、このザルは業務用にも使われており、水気を切るのに調理台に打ち付けられることも少なくないそう。そんな粗めの扱いもなんのそのです。

機能的にも抜群ですが、無駄のないフォルムがデザインとしても洗練されており、ミニマルな美に惚れ惚れします。私みたいにザルに惚れる人なんて少ないかもしれませんが、まさに「用の美」の一つと言ってよい金ザルだと思います。

生産地は、金属の産地として知られる新潟県燕市。機械成型なので、ある程度の量産は可能ですが、それでも各行程に職人の調整が必要になるのだそう。その作られ方にも信頼感が増します。

なにより同じ「金網」でも、それぞれの得意分野を尊重してセレクトする側に舵を切った辻さんの姿勢も素敵です。

<掲載商品>
MESHザル (金網つじ)

 

細萱久美 ほそがやくみ
東京出身。お茶の商社を経て、工芸の業界に。
お茶も工芸も、好きがきっかけです。
好きで言えば、旅先で地元のものづくり、
美味しい食事、美味しいパン屋、
猫に出会えると幸せです。
断捨離をしつつ、買物もする今日この頃。
素敵な工芸を紹介したいと思います。

文:細萱久美

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