11月8日「いい刃の日」。庖丁工房タダフサのお肉が“美味しくなる”ステーキナイフ
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こんにちは。ライターの小俣荘子です。
表面は香ばしく焼き色をつけて、内側は赤さを残してしっとり焼き上げたステーキ。想像しただけで美味しそうですが、みなさんは、どんなカトラリーを使っていますか?
今回紹介するのは、「ステーキを美味しく、スムーズに切る」ために生まれたナイフ。新潟の「庖丁工房タダフサ」と中川政七商店が生み出したステーキナイフです。
なぜ巷のステーキナイフは切れにくいのか?
ステーキをカットするために、前後に何度もナイフを動かす。よくある光景かと思いますが、もっと簡単に切れないものでしょうか。実は、カトラリーとしての安全性を考慮して、ステーキナイフは「あえて切れすぎない設計」になっているものが多いのだそう。
そして、カリッとしたお肉の表面を切るには、ギザギザのノコ刃 (ノコギリのような刃) が必要です。この「ギザギザしたノコ刃をどう作るか」と「刃先を肉に入れてからスムーズに切るには」を、両立するアイデア戦を、刃物メーカーが繰り広げています。
庖丁工房タダフサのアイデアは、包丁づくりの刃付け (研ぎの工程) の技術を生かして開発することでした。
ナイフのように食い込み、包丁のように切れる
肉への刃の入りを良くするための独自の工夫を検討しました。たどり着いたのは、通常より粗目の番手で行う刃付け。
顕微鏡などで見ると、刃先の部分が非常に細かいギザギザしたノコ刃になっています。パン切り包丁の波刃がパンの表面を切るきっかけになるように、ノコ刃の刃先が、肉の表面を切り込むきっかけになっているのです。
まず、ギザギザのノコ刃でしっかりと捉え、一般的なカトラリーナイフよりも薄い刃が、スッと肉に入っていくので、スムーズに切れるのです。
ナイフを何度も動かさずに切れるので、お皿を傷つける心配も軽減されます。お気に入りのお皿で楽しめるのは嬉しいですね。
さらに、家庭でよく使われている三徳包丁と同じ両刃構造になっており、片面 (表) を粗く、もう片面 (裏) を細かく、表裏で異なる仕様で刃付けを行っています。
両方とも粗目でもよく切れますが、切り口がざっくりとするので、切った時の美しさに欠けます。包丁のように美しくなめらかに切れるよう、片方は細目にしたところがこだわりです。
こうして、よく切れるステーキナイフが実現しました。
鍛えた鋼で錆びにくく、使いやすいデザイン
さらには日常使いしやすいように、素材やデザインにもこだわりました。
カトラリーは、包丁のようにこまめに研ぐなどのお手入れをする方は少ないはず。そこで、一般的な包丁でもよく使われる耐食性の高い、錆びにくい鋼を使用することに。
焼き入れ前に、鋼を「叩く」鍛造作業の工程を加えて、硬く強い鋼に鍛え上げています。
デザインは、他のタダフサの製品と同様にプロダクトデザイナー柴田文江さんによるもの。家庭で女性も抵抗なく使いたくなるような、やわらかみのあるフォルムと質感に仕上がりました。
このステーキナイフ、「表面が硬いもの」への刃入りが良いので、実はパンを切るのにも向いているのだそう。これ1本で他の食材もよく切れるので、家の中だけでなく、ピクニックやバーベキューでも使ってみたい!そんな気持ちにさせてくれる逸品です。
<取り扱い店舗>
中川政七商店 全店
中川政七商店 通販サイト
文 : 小俣荘子
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