沖縄の屋根から生まれた、新垣瓦工場の「赤瓦コースター」
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強い雨から暮らしを守った赤瓦
沖縄を訪れると、赤い瓦を白い漆喰で留めた美しい屋根が目を引きます。首里城にもこの赤瓦がふんだんに使われています。
この赤瓦屋根は、古くから強い台風やスコール、塩害から沖縄の人々の暮らしを守ってきました。赤瓦は吸水性と速乾性に優れていて、雨水を吸い、晴れた時に蒸発させます。その気化熱によって沖縄の家を涼しく快適にしていました。
建築技術の変化とともに赤瓦屋根を使う家は減りましたが、この赤瓦の特性を活用した製品が暮らしの中で使われています。その一つが赤瓦コースターです。
開発した老舗瓦工場「新垣瓦工場」を訪ねました。
飲み会での応急処置から生まれたアイデア
きっかけは、飲み会の席でのこと。
「息子が友人と工場に集まって飲み会をしていました。氷の入ったピッチャーやグラスの水滴がテーブルに流れて、周りに置いてある書類などを濡らしそうになりました。それで、手近にあった赤瓦を敷物がわりに使ってみたら、見事に水を吸って周りを濡らさずに済んだそうです。
もちろん赤瓦の特性は知っていましたが、この活用方法を聞いて、なるほどと」
「この特性を生かしてコースターを作ったら喜ばれるのでは?と試作をしてみました。瓦をそのまま焼くと反ってしまうので、プレス機を作ってまっすぐに焼けるよう工夫したり、テーブルウエアとして使っていただけるデザインを試行錯誤しました」
こうして生まれた赤瓦コースター。吸水性と速乾性に加え、表面に凹凸のあるデザインにすることでグラスに張り付かない工夫もなされています。使い勝手が良いのは嬉しいですね。
ここで買いました
新垣瓦工場
沖縄県島尻郡与那原町字上与那原452−2
098-944-1017
文:小俣荘子
写真:武安弘毅
使用イメージ画像提供:新垣瓦工場