【工芸の解剖学】そのまま食卓に出せる「波佐見焼の絞り小皿」

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レモンやすだちを絞ったり、しょうがをおろして入れたりと、薬味はほんのひと手間でいつもの食卓を、ちょっとだけ特別なものに変えてくれます。

「なくても困らないけれど、あるとうれしいし、美味しい。そんな薬味を、いつもの食卓にもっと手軽に取り入れることができる道具があったら」

こだわったのは、誰でも扱える使いやすさと、食卓に持って行きたくなる佇まい。
ありそうでなかった、こだわりの「波佐見焼の絞り小皿」をご紹介します。

解剖ポイントその1:食卓にそのまま持っていきたくなる佇まい

「絞り器って、台所だけで使う“道具”っぽい印象のものが多い。」

調理器具なので機能性を重視したものが多いのは当然ですが、そのまま食卓に出せるような佇まいのものがあれば、もっと気軽に使える道具になるかもしれない。
そんな思いから、うつわのように食卓に馴染む佇まいの絞り器をつくりました。

鉄粉が多く含まれている磁土を使うことで、黒点が現れ、ゆらぎのある表情に。

素材には、鉄粉が混じった磁土を採用。磁器でありながら、土もののように一つひとつ違うゆらぎのある表情が生まれました。シンプルでありながら温かみもあり、日本の食卓にしっくり馴染む佇まいです。

解剖ポイントその2:種落ちや液だれしにくい形

佇まいも大事ですが、あくまで調理道具。機能性との両立は絶対条件です。
絞り器で大事なのは、種落ちしないことと、絞りやすさ。包丁のように毎日必ず使うわけではないけれど、だからこそ、使うのが少しでも億劫に感じる道具は使われなくなってしまいます。

柑橘類を絞る上でストレスに感じるのは、注ぐ際に種落ちしてしまうこと。そこで、機能性の中でも特にこだわったのが、注ぎやすさです。

種落ちを防ぐ為にどんな形にしようか考える中で、
「余分なものを取り除いて、必要な液体だけ注ぐ。そんな道具があったはず」と、ヒントにしたのが急須でした。

急須をベースに、注ぎ口のある形に決定。茶漉しを参考につくった注ぎ口の穴は、小さすぎると果肉が詰まってしまうため、サイズや数、配置を細かく調整していきました。

試作の一部。穴のサイズや数、配置は細かく調整を重ねた

製造は、これまでにもレモン絞り器をつくったことのある波佐見焼のつくり手に依頼。絞り器の経験はあったものの、注ぎ口のあるものは初めてということで、お互いに手探り状態で開発を進めていきました。

型取りした後、一つひとつ手作業で注ぎ口を接着していく

急須のように湯切れのよいものをイメージして試行錯誤。デザイナーが検証した3Dプリンターの型ではうまくいっても、実際に焼いてもらうと穴が小さくなったり、厚みが出て形状が変わってしまったり。これまでにお付き合いのある型師の方にも相談したりして、最終の形に辿り着きました。

少し反り返った形と、口の厚み。絶妙なバランスによって、液だれしにくい形を実現しています。

解剖ポイントその3:絞りやすく気軽に使える、小ぶりなサイズ感

素材の磁器は薄くて硬く繊細なエッジが出せるため、果肉を絞る時にしっかりと捉えることができます。山型のてっぺんの部分まで深い溝が入っているので、すだちやかぼす等の小さな果物にも対応。果肉をきっちり捉えて絞ることができます。

直径約10cmと大きすぎないサイズ感で、食卓に並べても邪魔になりません。小さな手でも押さえやすく、ほどよい重みで安定感もあるので楽に使えます。

受け皿は、レモンを絞っても果汁があふれないくらいのちょうどいい深さ。唐辛子やオリーブオイルなどを加えて、ドレッシングをつくることもできます。

同時発売の「波佐見焼のおろし小皿」とスタッキングしてコンパクトに収納できる

小ぶりなので保管に困らないのもうれしいところ。器のような佇まいで、豆皿などと一緒に食器棚の隙間に置いておけるので、さっと取り出して使うことができます。楽に取り出せる場所に置けることが、気軽に使える道具にも繋がります。

なくても困らないけれど、あるとうれしい。料理を引き立てる彩りや香りを添える薬味。
食卓で過ごす時間を、より美味しく豊かなものにしてくれます。

<掲載商品>
波佐見焼の絞り小皿
波佐見焼のおろし小皿

文:眞茅江里

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