スタイリスト楠田英紀さんによる商品レビュー「布ぬのTシャツ」
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日本の織や染の魅力を、Tシャツを入口に知って、好きになってほしい。そんな想いでつくった「布ぬのTシャツ」。
わたしたち中川政七商店スタッフの産地の布への愛着は増す一方ですが、
実際に着用してみるとどんな感想が生まれるのかを聞いてみたくて、その撮影現場にお邪魔してきました。
前回は、モデルの在原みゆ紀さんと安井達郎さんにお話をお伺いしました。
今回お話をお伺いしたのは、スタイリストの楠田英紀さん。
いつも中川政七商店の撮影で、素敵な着こなしを提案してくださっています。実は今回、モデルとして撮影にもご参加いただきました。
日々、服と向き合いお仕事されているスタイリストさんに「布ぬのTシャツ」の着こなしポイントについてお伺いしました。
早速どうぞ。
合う合わないじゃなくて、好きを自由に愉しんで
日本の織や染の魅力を、Tシャツを入口に好きになってほしい、そんな想いでつくりました。今回このTシャツをスタイリングしていて感じたことを教えてください。
「布が真ん中に配置されていることで、、意外と何にでも合わせやすいと思います。
これが変にいろんな形があったり、付ける位置が散ってたりすると、Tシャツ自体の存在
が強いものになりますし、ボトム選びに迷う場合も。
Tシャツに求める要素は皆さんそれぞれですが、シンプルなものであればあるほど
着る人次第、合わせ方次第でカジュアルにもファッショナブルにも振れる、着こなしの幅が広がります。
良い意味で考え過ぎずに着れると思いますね。
それと近くで見ると、織や染につい触ってみたくなったり、話してみたくなる。
着ている本人と、その他の人とのコミュニケーションツールとしても、とても面白いなと感じました」
人が着た時のシルエットについて、感じたことを教えてください
「男性と女性で袖の部分のデザインが違うと思うんだけど、
女性の方は着た時に肩が落ちるデザインになっていて、肩口から脇にかけて作られる縦のドレープが細く見える要素をプラスしてくれます。
あと、首が詰まったデザインで、だらしなさが出ることもなく、カジュアルでもきちんと着たい派さんには特におすすめです」
すごい!どちらもデザイナーがこだわった部分です!
「着せてると、デザイナーの意図は分かります。
首元の空き具合も形も、人によって好みもあるので、ちょうどいろんな年齢で着られるところを狙うって難しい。首元は特に大変だったんだろうなと」
どんなスタイリングで愉しむのがいいと思いますか?
「まずパッと見て、真ん中の布が気に入った物を選んで、あとは、どんなものに合わせてもいいと思います。
それで合ってないなと思っても、合ってないところも愉しんでほしい。
無難に合いそうなものを選ぶよりは、ちょっと合ってないものを選ぶくらいの方が、今のの時代の感覚に合うんじゃないかな。
変に合わせようとしないで、自由にまずは気に入ったものを選ぶのが大事」
今回のスタイリングではどういう点を気にして組み合わせましたか?
「撮影では距離があり、実際の生地感は寄ってみないと分からないということもあって、色の組み合わせでバランスを考えました。
阿波しじら織はペールトーンで薄かったんだけど、そこを目立たせようと他をさらに薄い色ばっかりにしても面白くないので、濃いピンクを合わせることで目立たせたりとか。逆に白の物は、全身同系色にしてなじませたりとか。
色の合わせ方で、目立たせることも馴染ませることもできると思います」
最後に、ご自身で服を買う時はどんなことを気にして選んでいますか?
「僕自身は、あまりサイズ感とかは気にしない。極端に言うと試着しないで買っちゃう。
小さければ小さいなりに、下のボトムのバランスを見たり、大きければ大きいなりにサイズの違いを愉しんだり。
あとは、気に入ったら後先考えずすぐ買っちゃう。自分がこれ持ってるから合わせたいと金額も関係なく、気に入ったから買っちゃう。
昔は面白い服とか珍しい服を着たいと思ってたけど、どんどん顔が濃くなってるから。笑 服は普通でいいというと語弊があるけど、最低限というか、自分とのバランスを服で とってます。
自分の変化に合わせて服も変化させていきたいというか、ちょうどゼロになるくらいがいいなと」
ここ数年、柄物への挑戦は避けていたのですが、皆さんの話を聞くと、もっと自由に色んな服の組み合わせを愉しみたいなという気持ちが沸いてきました。
私もこの夏は、「日本の布ぬのTシャツ」から、少しだけ開放的な服を愉しんでみたいと思います。
プロフェッショナルなお三方にご協力いただいた「日本の布ぬのTシャツ」の写真は、オンラインショップの特集ページで余すことなくご覧いただけます。
どんな組み合わせも素敵なのでぜひ見てみてくださいね。
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