愛しの純喫茶〜富山編〜 珈琲駅 ブルートレイン

こんにちは。さんち編集部の尾島可奈子です。

旅の途中でちょっと一息つきたい時、みなさんはどこに行きますか?私が選ぶのは、どんな地方にも必ずある老舗の喫茶店。お店の中だけ時間が止まったようなレトロな店内に、煙草がもくもく。懐かしのメニューと味のある店主が迎えてくれる純喫茶は密かな旅の楽しみです。

旅の途中で訪れた、思わず愛おしくなってしまう純喫茶を紹介する「愛しの純喫茶」。今回は、電車好きもカフェ好きも虜にする富山の名店「珈琲駅 ブルートレイン」です。

ここは喫茶店?それとも食堂車?

JR富山駅から市民の足・富山市電鉄に乗り換えて「安野屋 (やすのや) 」駅で下車。5分ほど歩いた先に見えてくるちょっと変わった看板が、今日訪ねるお店の目印です。

ひときわ目をひく表看板

深い青色にパキッとした黄色で書かれた「ブルートレイン」。今や日本で運行本数も少なくなった寝台列車の愛称を掲げるそのお店は、全国から人が訪ねてくるという、鉄道ファン垂涎の喫茶店です。

外観

ワクワクしながら扉を開けると、そこはまるで寝台特急の食堂車。

寝台特急の食堂車を思わせる店内
ボックス席に座ると‥‥

クラシックな布張りのボックス席に座ると、その「車窓」に思わず歓声をあげてしまいました。

「車窓」の外を小さな列車が走り抜けていきます
「車窓」の外を小さな列車が走り抜けていきます

ジオラマ模型の景色の中を、時折走り過ぎて行くミニ列車。運ばれてきたコーヒーに口をつけながら、ただただ見入ってしまいます。

店内はまさに宝の山!ミニ列車には「運行表」も。

店内をぐるりと一周して走る列車は、物静かなマスターの待つカウンターの「車庫」に帰っていきます。ふとみれば食器棚の上にも列車がずらり。お店の全てが、列車を愛で、その旅情を味わうために考えて設計されているのです。

列車はご主人の待つカウンターへ
列車はご主人の待つカウンターへ
「車庫」と一緒になった食器棚
「車庫」と一緒になった食器棚

奥さまに伺うと、走らせる列車は定期的に入れ替えているのだとか。

カウンターの上に掲げられた運行表
カウンターの上に掲げられた運行表

「簡単に走らせているように見えるけれど、走らせる前には試運転も必ずしているんです。実際の列車と同じね」

手作りの列車模型は完成まで3ヶ月を要するそうです。そこから試運転をして問題なければ、晴れてお客さんの前で運行デビュー。

先ほど乗ってきた市電の模型も
先ほど乗ってきた市電の模型も

圧巻の列車模型だけでなく、店内のあちこちに見られる列車モチーフも楽しみどころの一つ。

コーヒーカップには列車とともにデザインされたお店のロゴが
コーヒーカップには列車とともにデザインされたお店のロゴが
壁のメニュー表の上には実際に使われていた列車のプレート
壁のメニュー表の上には実際に使われていた列車のプレート
メニューは時刻表のようになっています!
メニューは時刻表のようになっています!

そしてこの日、何より心を鷲掴みにされたのが、お店のことをいろいろと教えてくださった奥さまのエプロン。

奥さまのエプロンの胸もとに注目すると‥‥
奥さまのエプロンの胸もとに注目すると‥‥
エプロンの胸もとアップ

特急踊り子号のワッペンが胸を飾っています!

「昔はこういう記念品がたくさんあってね。せっかくだから飾りにしてみたの」

見る人が見たら宝の山、鉄道ファンでなくても時間を忘れて楽しめる、まさに寝台特急のような非日常を楽しんだひと時でした。

珈琲駅 ブルートレイン
富山県富山市鹿島町1-9-8
076-423-3566


文・写真:尾島可奈子

世界遺産・高野山から生まれた「最高峰」のパイル織物

こんにちは。さんち編集部の尾島可奈子です。

日本でつくられている、さまざまな布。染めや織りなどの手法で歴史を刻んできた布にはそれぞれ、その産地の風土や文化からうまれた物語があります。

「日本の布ぬの」をコンセプトとするテキスタイルブランド「遊 中川」が日本の産地と一緒につくった布ぬのを紹介する連載「産地のテキスタイル」。今回はどんな布でしょうか。

高野山参道の美しい木々をイメージした布「杉木立」

和歌山が誇る世界遺産、高野山。その開祖、弘法大師の御廟がある奥之院への参道は、樹齢数百年を超える木々に囲まれています。

そんな美しい杉木立をイメージして生まれたのが、別名「杉綾 (すぎあや) 織り」と呼ばれるヘリンボーン柄のテキスタイル「杉木立 (すぎこだち) 」。

杉木立、生成色

実は高野山のふもとは、このモコモコとした「パイル織り」という織物の世界的な産地。この地で60年以上パイル織りを続け、今回の「杉木立」生地を織り上げた株式会社中矢パイルさんを訪ねました。

秋冬ファッションから電車のシートまで。意外と身近なパイル織物

中矢パイルさんの所在地である和歌山県高野口町は、奈良県から和歌山県へと注ぐ水量豊かな紀の川沿いにあり、周辺は「富有 (ふゆう) 柿」の産地としても有名です。

広々とした紀ノ川ぞいに街並みが広がる高野口町
広々とした紀ノ川ぞいに街並みが広がる高野口町

水の豊かさは織物づくりにとっても大きな恵み。一帯では古くから木綿栽培や織物産業が広まり、江戸時代には綿織物産地としてその名を知られるようになります。

その後も新たな素材や技術を取り入れながら、高野口一帯は織物産地として発展。昭和のはじめ頃に「W織り機」というパイル織り専用の機械がドイツから持ち込まれたことで、パイル織りが広まったそうです。

そもそもパイルとは「毛」のこと。その名の通り、パイル織物にはたてよこに織り込んだ生地に毛が織り込まれています。ビロードやコーデュロイ、別珍などもパイル織物の仲間です。この起毛部分が生地に独特の光沢とボリュームを生みます。

保温性にも優れるため秋冬のファッションでも人気の素材ですが、実はバスや電車の椅子、家のソファやカーテン、カーペットなどにもパイル織物が使われていること、お気づきでしょうか?

こんな質感の生地、身の回りにありませんか?
こんな質感の生地、身の回りにありませんか?
こちらは洋風なデザインのパイル生地
こちらは洋風なデザインのパイル生地

「戦後、三世代で暮らす洋風の家が増えたんですね。応接間にカーペットが敷いてあって、ソファにスリッパでお客さんをもてなす。そんな『応接セット』のソファの布地に、パイル織物がこぞって使われたんです」

最寄り駅まで迎えに来てくださった中矢パイル代表の中矢祥久 (なかや・よしひさ) さんが、工場へ向かう道中に教えてくれました。

そういえば、と我が家にも昔、ふくふくとしたパイル地のソファが置いてあったのを思い出しました。その手触りが心地よくて触ってばかりいたので、肘掛の部分だけずいぶん擦り切れて親にとがめられたような。

そんな時代の流れも受けて、パイル織物はあっという間に町の主要産業となっていきました。中矢さんが家業を継ぎに戻ってこられた昭和50年代の終わり頃も、北は北海道から南は九州まで、そうしたソファ用の生地を家具屋さんに直に納めていたそうです。

「パイル織物の最高峰」パイルジャカード

ところで、今回紹介する「杉木立」は英語で「ニシンの骨」を意味するヘリンボーン柄(たしかに魚の骨のようですよね)ですが、通常は山並が均一に並んでいます。それに対して「杉木立」の柄は、山並に大小があったり、間隔がまちまちだったりしています。

ランダムな山並み。一体どうやって織られているのでしょう‥‥
ランダムな山並み。一体どうやって織られているのでしょう‥‥

こうした立体的で複雑なデザインは、パイル織物の中でも「パイルジャカード」と呼ばれる生地の特徴です。その製造に高い技術を要することと織り上がる生地の美しさから、「パイル織りの最高峰」と呼ばれています。

ちなみに、和名は「地柄金華山」。なんだか字面にも迫力がありますね。

このパイルジャカードを得意としてきたのが、今回訪ねる中矢パイルさん。その複雑な柄が生まれる瞬間を見せていただきました。

整然と並べられた糸巻き
整然と並べられた糸巻き
見上げるほどの高さまでセットされた糸が向かう先は‥‥
見上げるほどの高さまでセットされた糸が向かう先は‥‥

工程を簡単にまとめると、機械にセットした縦糸に、横糸を通したシャトルと呼ばれる道具を走らせて生地を織っていくところまでは他の織物でも見られる工程です。

集められていたのは、生地のタテ糸。ここに横糸を走らせて、パイル織物の基礎となる生地が作られます
集められていたのは、生地のタテ糸。ここに横糸を走らせて、パイル織物の基礎となる生地が作られます

パイル織物はこの地組織にさらに毛を織り込むわけですが、この織りこみ方が非常にダイナミックかつ効率的なのです。

上下に生地2枚分を同時に織りあげ、その間にパイル糸を通しておいて、生地を織りながら真ん中でカットしていく。すると2枚に分かれた生地の片面 (内側) は、カットされた毛が起毛した状態になります。

織られた生地は画面上部の刃物で真ん中からカットされていく。すると内側に見事なパイル地が!
織られた生地は画面上部の刃物で真ん中からカットされていく。すると内側に見事なパイル地が!

それにしても、機械は一定に動いているように見えるのに、どうしてこれだけランダムな凹凸のある柄が現れてくるのでしょう。中矢さんが上を指差しました。

見上げた先には‥‥?
見上げた先には‥‥?

上の階に登らせてもらうと、先ほど間近で見ていた機械と連動して動く紙のロールがありました。

織り機の上では、パイル地の凹凸を決める重要な機械が連動して動いていました
織り機の上では、パイル地の凹凸を決める重要な機械が連動して動いていました

「これは紋紙 (もんがみ) 。柄の出方を、点の位置で指示しているんです。いわば柄の設計図みたいなもんです」

これが「杉木立」の紋紙。まるで巨大なオルゴールの譜面のようです
紋紙を機械が読み込んでいく様子
紋紙を機械が読み込んでいく様子

この紋紙が、複雑な「杉木立」の模様を生み出している影の立役者。こうして織られた生地がカットされると、見事なパイルの模様が表面に現れてきます。

再び1階に戻って、紋紙に従ってデザイン通りに織り上げられた生地が上下2枚にカットされて巻き取られている様子
再び1階に戻って、紋紙に従ってデザイン通りに織り上げられた生地が上下2枚にカットされて巻き取られている様子

奥行きのある杉木立のテキスタイルは、複数の工程が同時進行してはじめて生まれる、まさに「パイル織物の最高峰」。産地の技術の賜物です。

ご案内いただいた中矢さん。パイル織りの機械を前に
ご案内いただいた中矢さん。パイル織りの機械を前に

山の伏流水が育む織物

「でも、これで終わりやないんです。この後に生地を染める工程や毛並みを整える仕上げが待っています。それぞれ近くの専門メーカーが担うんです」

高野口一帯は小さなメーカーが集まって、分業でパイル織物をつくっています。中矢さんはパイル生地を織る工程。ご近所にはその前後の工程を支えるメーカーさんが工場を構えています。

染色を担当する木下染工場さんにて。糸を染めてから生地を織る場合もありますが、「杉木立」は生地を織り上げてから木下さんで生成・墨色・紺色の3色に色分けされます
染色を担当する木下染工場さんにて。糸を染めてから生地を織る場合もありますが、「杉木立」は生地を織り上げてから木下さんで生成・墨色・紺色の3色に色分けされます
杉木立の紺色の様子。同じ染料で染めても、綿、レーヨンと素材の違う糸を2種類使っているため染まり方も異なり、柄に奥行きが生まれます
杉木立の紺色の様子。同じ染料で染めても、綿、レーヨンと素材の違う糸を2種類使っているため染まり方も異なり、柄に奥行きが生まれます
シャーリングといって、表面の毛並みを刈り揃えるプロ、堀シャーリング株式会社さんにて
シャーリングといって、表面の毛並みを刈り揃えるプロ、堀シャーリング株式会社さんにて
シャーリングの良し悪しは、パイルを刈り込む刃の精度と、それを保つためのメンテナンスの技術にかかっているそうです。
シャーリングの良し悪しは、パイルを刈り込む刃の精度と、それを保つためのメンテナンスの技術にかかっているそうです。

中矢さんに案内いただいたメーカーさん同士は、それぞれ車で5分とかからない距離にありました。これだけ近い距離で分業できる理由の一つは、どうやら「水」にあるようです。

「例えば染工所さんなんかは水をたくさん使いますが、この辺りはたとえ川が枯れても、地面を掘ればたっぷりと水が湧いてくると言われます。それくらい地下を流れる伏流水が豊かなんですね。

メーカーも紀の川沿いに自然と集まっています。水は当たり前に流れていますけど、知らず知らずに恩恵に預かっているように思います」

通常、生地の産地では問屋さんや商社さんが起点となって生地作りを進めますが、高野口一帯では中矢さんのような機屋 (はたや) さん (生地を織るメーカーのこと) が起点となり、他の工程を分業して仕上げまでを管理するのが主流だそうです。

中矢さんご本人も直接アパレルブランドなどとやり取りをして、デザイナーさんの作りたい生地をどうやったら表現できるか、一緒に考えていくのだとか。

「生地を頼みにきたデザイナーさんの服が見覚えあるなと思ったら、うちで織った生地でね。『うちの生地着とるやん』って。盛り上がりました」

霊山・高野山。しゃんと背筋の伸びるような木々の足元で数百年と脈打つ豊かな水は、ふもとに人を集め、パイル織物の一大産地を形成しました。

その世界に誇る技術で織り上げられた「杉木立」のテキスタイルは、バッグやコートになってもやはり、その生みの親である高野山の木々の柔らかさや清々しさをたたえているようです。

「杉木立」のテキスタイルシリーズ

中矢パイルさんとつくった「杉木立」のテキスタイルから、「遊 中川」オリジナルのバッグやスカート、ワンピースが生まれました。高野山の参道を囲む木々やものづくりの背景を思い浮かべて、手にとってみてください。

<掲載商品>
「杉木立」シリーズ(遊 中川)

バッグ大
バッグ大
バッグ小
バッグ小
ミニポシェット
ミニポシェット
ワンピースコート
ワンピースコート
スカート
スカート

遊 中川の各店舗でもご購入いただけます
(在庫状況はお問い合わせください)

<取材協力>
株式会社中矢パイル
和歌山県橋本市高野口町名古曽58
0736-42-2048
http://kinkazan.jp/index.html

文・写真:尾島可奈子

10月 ベランダに秋を告げる「ダルマホトトギス」

こんにちは。さんち編集部の尾島可奈子です。

日本の歳時記には植物が欠かせません。新年の門松、春のお花見、梅雨のアジサイ、秋の紅葉狩り。見るだけでなく、もっとそばで、自分で気に入った植物を上手に育てられたら。

そんな思いから、世界を舞台に活躍する目利きのプラントハンター、西畠清順さんを訪ねました。インタビューは、清順さん監修の植物ブランド「花園樹斎」の、月替わりの「季節鉢」をはなしのタネに。

植物と暮らすための具体的なアドバイスから、古今東西の植物のはなし、プラントハンターとしての日々の舞台裏まで、清順さんならではの植物トークを月替わりでお届けします。

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◇10月 ベランダに秋を告げる「ダルマホトトギス」

10月はダルマホトトギス。秋を告げる山野草の一種なのですが、夏鳥である「ホトトギス」の名前が付いているのは、花の斑点が胸の模様に似ているところからつけられているそうです。

「ダルマ」の由来はその葉の形から。ぷっくりとした丸い葉を見立てたのですね。育っても大きくはならないのが特徴で、9月下旬〜10月にかけて赤紫色の花を咲かせます。

「ホトトギス」の名前の由来となった斑点が鮮やかです (写真:夏海)
「ホトトギス」の名前の由来となった斑点が鮮やかです (写真:夏海)

この連載で、ダルマホトトギスがなぜ10月の季節鉢に選ばれたのか、だんだん私にもわかってきました。時々清順さんが語られる、日本人が昔から愛し育ててきた「ミニマルな世界観」が、宿っているようにも思うのです。

ぷっくりとした葉が立体的でかわいらしい。小ぶりな鉢植えが似合います
ぷっくりとした葉が立体的でかわいらしい。小ぶりな鉢植えが似合います

「坪庭文化や盆栽のような、小さな空間で植物を愛でる文化は江戸時代に発達しました。なぜ生まれたのか。本当ならお殿様は、外で雄大な景色を楽しみたいわけですよね。ところが城から一歩外に出たら、命を狙われるかもしれない。

塀に囲われた自分の敷地の中にどれだけ雄大な景色を持たせるかを考えた時に、本来なら大きく育ててこそかっこよくなる松を、剪定して剪定して、小さな世界で愛でたんです。だから盆栽が生まれた。狭い空間の中に、雄大な景色を見ていたんですね。

かたや、ヨーロッパの貴族のお城は、広大な土地をどうやって埋めるかでしょう。まったく視点が逆なんです。時代ごとの背景によってその庭の様式も、植物を愛でる文化も変わっていきます。

じゃあ現代はどうかというと、一軒家よりも庭のないマンションに住む人が増えていますよね。けれど本格的な盆栽をじっくり育てる時間もなかなかない。だから今の暮らしには、こういうミニマルな世界観を持ちながら手軽に育てられるような植物が、ぴったりだと思っています。

それじゃあ、また来月に」

<掲載商品>

花園樹斎
植木鉢・鉢皿

・10月の季節鉢 ダルマホトトギス(鉢とのセット。店頭販売限定)

季節鉢は以下のお店でお手に取っていただけます。
中川政七商店全店
(東京ミッドタウン店・ジェイアール名古屋タカシマヤ店・阪神梅田本店は除く)
遊 中川 本店
遊 中川 横浜タカシマヤ店
*商品の在庫は各店舗へお問い合わせください

——


西畠 清順
プラントハンター/そら植物園 代表
花園樹斎 植物監修
http://from-sora.com/

幕末より150年続く花と植木の卸問屋「花宇」の五代目であり、そら植物園 (株) 代表取締役社長。
日本全国、世界数十カ国を旅し、収集している植物は数千種類。国内外含め、多数の企業、団体、行政機関、プロの植物業者等からの依頼に答え、さまざまなプロジェクトを各地で展開、反響を呼んでいる。
著書に「教えてくれたのは、植物でした 人生を花やかにするヒント」 (徳間書店) 、「そらみみ植物園」 (東京書籍) 、「はつみみ植物園」 (東京書籍) など。


花園樹斎
http://kaenjusai.jp/

「“お持ち帰り”したい、日本の園芸」がコンセプトの植物ブランド。目利きのプラントハンター西畠清順が見出す極上の植物と創業三百年の老舗 中川政七商店のプロデュースする工芸が出会い、日本の園芸文化の楽しさの再構築を目指す。日本の四季や日本を感じさせる植物。植物を丁寧に育てるための道具、美しく飾るための道具。持ち帰りや贈り物に適したパッケージ。忘れられていた日本の園芸文化を新しいかたちで発信する。

文:尾島可奈子

耐久性は1000年以上!?宇宙へ旅立った「和紙」繊維の秘密

こんにちは。さんち編集部の尾島可奈子です。

今月「さんち」で取材している福井県越前一帯は、日本でも有数の和紙の産地として知られます。和紙は消臭・抗菌に優れた効果が認められ、その繊維が宇宙滞在用被服にも採用されているそうです。

紙なのに破れないの?水に弱くないの?なぜ消臭・抗菌効果が?

越前和紙発の「和紙繊維」を開発し、宇宙へと旅立った和紙の靴下を製造した株式会社キュアテックスさんに、「紙」にとどまらない、和紙の知られざる実力を伺いました。

越前和紙の様子

意外と知らない高機能素材・和紙

和紙と聞くとまずやわらかな風合いの紙そのものをイメージしますが、もともと日本では暮らしの中で幅広く活用される高機能素材でした。

障子やふすまは今も馴染み深いものですし、昔は袋状にした和紙の中に藁を入れた紙衾 (かみぶすま) なんて簡素な布団も存在したそうです。以前に連載記事「キレイになるための七つ道具」で紹介した「あぶらとり紙」も、金箔を薄くのばす工程で使われる和紙が発祥でした。

耐久性は1000年以上!?抗菌、消臭などの効果も。

暮らしの道具からものづくりまで様々に活用されてきたのは、それだけ使い勝手が良いという証。実は和紙はとても丈夫で、その耐久性は1000年以上の保存にも耐えるといわれています。

驚異的な耐久性の秘密は、生み出される工程にありました。

紙漉きの事例は古くから世界各地で見られるそうですが、主流は綿や麻から取れる短い植物繊維を原料に、簀 (す) と呼ばれる ふるいのような道具ですくい上げて繊維を絡ませ紙状にする「溜め漉き」という製法。

対して和紙は、繊維の長い木の皮を使用し、とろみのある植物性粘液「ねり」と原料の繊維を混ぜ合わせて紙を漉きます。これは日本で独自に考案された「流し漉き」と呼ばれる製法で、なんと平安時代には始まっていたそうです。

流し漉きの様子

うまく漉くには高い技術を要しますが、少量の材料でごく薄い紙を効率的に漉くことができ、さらに繊維が均一に分散されるので、表情がつややかで美しく、丈夫になります。「原料が少なく済む」から発想された製法は、資源少ない日本の風土の賜物といえるかもしれません。

さらに、原料に使用されている木の皮には嬉しい効果が。

木の皮は、人間でいえば皮膚に当たるもの。幹本体を守るために紫外線をブロックし、表面の湿度を一定に保ち、虫の侵入を防ぎ、菌の繁殖を防ぐなど、木が本来持っている力が備わっていて、加工後の和紙もその効果は失われずに持続されるのだそうです。

思えば昔からの暮らしの知恵にも、防虫のためにタンスに入れるくすのきや、殺菌作用があるといわれるクロモジを使った黒文字楊枝など、木の力をかりた暮らしの知恵がいくつも存在しています。

「自然から授かった力をもつ和紙を、もっと幅広く活かせないか」

1300年の歴史を持つ越前和紙の職人たちの間で、今から20年ほど前、和紙から作る「和紙繊維」の構想が始まりました。10年の歳月をかけて開発が行われ、ついに完成した和紙繊維事業を元に2007年、創業したのが株式会社キュアテックスです。

宇宙へ旅立った和紙繊維

和紙繊維づくりは、和紙づくりから始まります。福井市に工場を持つキュアテックスでは和紙を1.5~2ミリ幅のテープ状に仕立て、「こより」をつくる要領で紙に撚 (よ) りをかけ、糸状にしていきます。

こちらが糸のもととなる和紙
こちらが糸のもととなる和紙
和紙をさらに細く1.5~2ミリ幅にカット。機械の右側から蜘蛛の糸のように裁断後の紙が伸びています
和紙をさらに細く1.5~2ミリ幅にカット。機械の右側から蜘蛛の糸のように裁断後の紙が伸びています
カットした和紙を撚って糸にしていく
カットした和紙を撚って糸にしていく

もともと丈夫な和紙に「ひねり」を加えることでさらに丈夫さが増し、水にも溶けず、洗濯やクリーニングに耐えられる、丈夫な繊維が出来上がるのだとか。

仕上げは天日での乾燥
仕上げは天日での乾燥
完成した糸を元に、生地を織っているところ
完成した糸を元に、生地を織っているところ

撚りの回転数や仕上げの仕方などを独自に設定し開発された和紙繊維は、生地に仕立てた時に紫外線を80%以上カット、着用24時間後でも最大83%の消臭効果を発揮するそうです (キュアテックス調べ) 。

2010年には、キュアテックスの和紙繊維で編んだ靴下がなんとJAXAの宇宙滞在用被服に採用。当時話題となった日本人女性宇宙飛行士とともに宇宙へ旅立ったのです!

実際に採用された靴下
実際に採用された靴下

和紙繊維製品としては、日本で初めての宇宙関連事業への採用。高い快適性を求められる宇宙ステーション内での生活において、和紙繊維の機能性が世界に認められた瞬間でした。

暮らしの中から宇宙へ。長い歴史を積み重ねてきた越前の和紙は、昔からの暮らしの知恵に根を下ろしながら、新しい形で現代に息づこうとしています。

<取材協力>
株式会社キュアテックス
http://curetex.jp/

<関連商品>
におわない靴下 (2&9)

キュアテックスの和紙繊維を駆使した「におわないくつした」
キュアテックスの和紙繊維を駆使した「におわないくつした」

防虫くすのき (中川政七商店)

黒文字楊枝 (中川政七商店)


文:尾島可奈子
写真提供 (一部除く) :株式会社キュアテックス、公益社団法人福井県観光連盟

三十の手習い「茶道編」九、夏は涼しく

こんにちは。さんち編集部の尾島可奈子です。
着物の着方も、お抹茶のいただき方も、知っておきたいと思いつつ、中々機会が無い。過去に1、2度行った体験教室で習ったことは、半年後にはすっかり忘れてしまっていたり。

そんなひ弱な志を改めるべく、様々な習い事の体験を綴る記事、題して「三十の手習い」を企画しました。第一弾は茶道編です。30歳にして初めて知る、改めて知る日本文化の面白さを、習いたての感動そのままにお届けします。

◇滝の前に花を活ける

7月某日。
今日も神楽坂のとあるお茶室に、日没を過ぎて続々と人が集まります。木村宗慎先生による茶道教室9回目。

実は毎回生徒の中から一人、当番制で教室が始まる前にお花を活けます。今回はいよいよ私に順番が回ってきました。お茶室に入ると、舟の形をした花入 (はないれ) が、ずいぶん低いところにつられています。

花を活けているところ
どうしたら格好良いか‥‥。悩みながら活けていきます

床の間には上の方にわずかに2行ほどが書かれた、ほぼ白紙の掛け軸。何か関係があるのかと考える余裕もなく、人生初の夏着物と揺れる花入にあたふたとしながらどうにか花を入れ終えると、もっと花入に水を、と先生から声がかかりました。

もっと、もっとと最終的にはこぼれてしまうんじゃないかというくらいに花入に水をうって、お稽古が始まりました。

床の間の様子
最後は先生にも手伝っていただいて、なんとか花を入れ終えました

「今日の掛け軸は白紙賛 (はくしさん) 。ま白き本紙に滝の歌を書きつけて、掛け軸の余白を滝に見立てているんです。歌は、

涼しさはたぐいも更に 夏山の峯より落る音なしの瀧

 

とあります」

滝、と言われた瞬間に、目の前の掛け軸と頭の中に描いた滝が重なりました。ドドドドドド、と音まで聞こえてくるようです。

活け終えた花の様子
掛け軸が滝なら、この花入は‥‥

滝の手前に低く吊られたその名も釣り舟という花入は、さながら水辺に浮かぶ舟に、さっきまで手にしていた花は水しぶきを受けて岩場に咲いている野草に。先ほど「もっと水を」と先生が言った理由がわかったように思いました。

花自体にもたっぷり露が打ってあります

「夏はあまり華美な軸を掛けても暑苦しく感じてしまうので、こうしたちょっと息がつけるような軽やかなものをかけます。

釣り舟の花入も、普通はもう少し高く、軸の真ん中より少し下にかかるくらいの高さにするのですが、今日はわざと、ぐ~っと低くしてみました。その方が、舟から滝を見上げているようでしょう。

茶事など、正式なお茶会ではだいたい床の間を2~3箇所拝見しますが、順番に違った部屋に通され、その床の間を拝見するごとに、掛け軸がどんどん抽象的になっていくんですね。待合 (まちあい) と呼ばれる最初の部屋は、短冊とか軽いもの。でなければ季節の景物 (けいぶつ) を描いた絵が掛けられます。それから茶室に通ると、今度は墨で文字だけ書かれた軸が、といった具合。

茶の湯の世界では、古い名物を除けば、具体的に絵で描かれたものよりも、禅僧などが文字だけを墨書したものを格が上だと考えます。それには理由があります。

例えば今日の掛け軸も、どこかの滝を写生するように絵に描いたら、何人の人が見ても、同じ滝しかイメージしないでしょう。でも、白い紙に滝を思いおこさせるメッセージをわずかな文字で記してあるだけだと、見る人は自由に滝の姿を想像することが出来る。

ここにいる10人が、10人とも違う滝を思い浮かべる。そうした豊かさや、広がりを求めるなら、きっちり写実的に描かれた絵画よりも、文字だけの抽象的な掛け物のほうが上、と考えたのです。

日本人が好む「余白」の美、そのひとつの答えですね。こうしや余白を好む美意識というものは、質量ともに不足があった時代に、それを逆手にとってなんとか幸福を求めた結果の産物だろうと思います」

さらに、掛け軸の横には柳の下で舟遊びをする人たちを描いた掛けものが飾られています。

たなびく柳の下で、舟遊びをしている様子はなんとも涼やかです

「涼しげでしょう。中国から日本にもたらされた貝殻と漆の細工で出来たものです。何百年も前に作られたものなんですよ。“螺鈿 (らでん) ”とか“青貝 (あおがい) ”とか呼ばれるもののひとつで、『掛け屏(かけびょう)』と言います。座敷に掛けてたのしむ小さな屏風、という意味です。貝がらのキラキラと、漆の黒がなんとも涼しげだと思いませんか」

さっきまで額に汗していたのがすっとおさまった心地がして、お話の続きに集中します。

夏は涼しく

「今日の掛けものやしつらえに関連して、これが分かればおもてなしの達人、という七つの教えのお話をしましょう。千利休が人に乞われて説いたという教えです。

お茶は服の良きように立て
炭は湯の沸くように置き
夏は涼しく
冬は暖かく
刻限は早めに
降らずとも傘の用意を
相客 (あいきゃく)に心せよ

ーというものです」

尋ねた方が『そんなの当たり前すぎる』と不服を言ったら、利休は『本当にこの7つ全部ができているなら、私はいつでもあなたの弟子になりましょう』と言い返したと言います。有名な利休七則(りきゅうしちそく)です。

「相客に心せよ、というのが面白いでしょう。平たくいえば、仲の悪い人同士や自分と話の合わない人、今日のお茶会の趣旨を理解しないであろう人は呼ばないように、誰を呼ぶか、よくよく考えなさいということです。

しかし、この戒めの本質は、単にお客の組み合わせを説いたものではないと思います。相手の中にある答えをちゃんと紐解き、見抜いた上でもてなしを考えなさい、ということではないかと思います。答えは相手の中にある。もちろん自分の中にも。

ーというわけで、今日は『夏は涼しく』。

7、8月の盛夏の頃は昼にお茶事をしません。暑い中に四畳半のお茶室に火をおこして何時間もこもっていたら、熱中症で倒れかねない。ですからお茶会を開くときは、朝茶事。朝6時くらいには来てもらって朝ごはんを出して、9時すぎには終わりたい。

昔はエアコンもありませんから、どうやって涼感を呼び込むのかが大切なことでした」

先生の言葉を待ち受けたように、今日のお菓子が運ばれてきます。

「京都にある鍵善良房さんの甘露竹 (かんろちく) です」

甘露竹が積まれた様子

竹筒の後ろに穴が空いていて、コンコンと叩くとつるんと水羊羹が現れました。

つるん、と水羊羹が!

「水羊羹に竹の香りがうつって爽やかでしょう」

先生の言葉に頷きながら、あっという間に平らげてしまいました。

運ばれてくるお茶碗で目を引いたのが、その口の広さ、平たさ。こうした平たい茶碗を使うのも、涼感を得る工夫のひとつだそうです。

平たいお茶碗でお茶を点てます

さらに、お点前に使われていた棗 (なつめ) は柿の木をくりぬいて作られたもの。その木目のうねりを波に見立てて、波間に千鳥と水車の蒔絵と螺鈿 (らでん) があしらわれています。

美しい蒔絵と螺鈿が施された棗
柿の木の木目を波に見立てています

一度きりに心を尽くす

さらにもうひとつ、この時期ならではの道具が用意されていました。先生が取り出されたのは、茶杓。

箱付きの茶杓

「裾が焦げているのがわかりますか」

茶杓の様子

「京都は今日あたりから祇園祭一色です。毎年今頃には神輿洗 (みこしあらい) と言って、八坂神社のお神輿を鴨川の河川敷まで出してきて、松明で囲みながら神輿を清める、という神事が行われます。

この茶杓は、そのお神輿を照らす松明の竹で作った茶杓です。だから裾が焦げているんですね。八坂神社に縁のある宮司さんが銘をつけて道具に仕立てたものです。

上方を中心にお祭りが盛んな夏の間神事にゆかりのエリアに住む茶人は、関係者を招いて茶会を開いたものです。京都なら祇園祭、大阪なら天神祭。今ではそうした人も随分減ってしまいました。

祇園祭の趣向のお茶会なら、裾の焦げた松明の竹で出来た茶杓は何よりの御馳走です」

先月は手紙が掛け軸に変身していましたが、今月は神事のお松明が茶杓に姿を変えています。しかも祇園祭というこの時期しか味わえない時候の挨拶を添えて。

言葉で語るよりも速く、スマートで、心得ている人同士でこそ成立する濃密なコミュニケーション。毎回このお茶室の中で、自分の知っている世界がどんどんと広くなっていきます。

「七則の他にも利休の教えをまとめた『利休道歌』に、こんな歌があります。

水と湯と茶巾茶筅に箸楊枝 柄杓と心あたらしきよし

これはあるお茶人が利休にお茶事に使う道具を整えて欲しいと頼んだ際に、利休がただ新しい茶巾を送って『これでお茶ができる』と答えたというエピソードに通じます。

どんな名品のお茶道具を集めたお茶会をしていても、ピンとしたいい茶巾と、真新しい削りのきれいな茶杓、美しい作りの確かな茶筅が置いていなければ、格好悪いものです」

消耗品こそちょっといいものを使ってみると、その意味がわかりますよ、と先生が次に取り出されたのは茶筅。それもひとつではありません、次々と畳の上に少しずつ形の違う茶筅が並べられていきます。

次々と並べられていく茶筅

「煤竹 (すすたけ・竹の種類)、薄茶用の和穂 (かずほ・穂先の種類。本数による) の煤竹、天目茶碗用、遠州流、藪内流‥‥」

先生が解説している様子

「どれでやってもお茶は立ちますが、色かたちは流派やお茶人さんによって変わります。自分で竹の種類や紐の色などを選んで、マイ茶筅を作ったっていいのですよ」

茶筅アップ

「大切なのは、お茶を点てようと思ったときに、消耗品だからとおざなりにせず、ちゃんといい茶筅でお茶を点ててみること。知る喜びと知る不幸との、両方を知ることができます。一度ちゃんとしたものを使ったら、それ以上のものしか使えなくなりますから」

茶筅は、一度使うと閉じられた穂先が開いて二度と戻らないのだと教わりました。だからこそ、お茶会で一組のお客さんに使うのはたった一度だけ。

「決して遊びでこれだけの種類があるわけではないのです。たった一度きりの消耗品に、これだけの情熱を傾け、入念な美しさを求めることに、茶の湯のひとつの本質があります」

夏は涼しく。今日、この場この瞬間のお茶会のために、一度きりの真新しい、美しい道具を。

「これからお点前のお稽古をしていくときに、決してそれがただの形式に陥らないよう、どうぞ今日お見せした茶筅のことを、覚えておいてくださいね。

–では、今宵はこれくらいにいたしましょう」

◇本日のおさらい

一、夏は涼しく

一、日々使う道具こそ、いいものを


文:尾島可奈子
写真:山口綾子
衣装協力:大塚呉服店
着付け協力:すみれ堂着付け教室

【倉敷のお土産・さしあげます】須波亨商店のスイカかご

こんにちは。さんち編集部の尾島可奈子です。
わたしたちが全国各地で出会った “ちょっといいもの” を読者の皆さんへのお土産にプレゼント、ご紹介する “さんちのお土産”。今回は、先日、連載「日本全国、かご編みめぐり」でそのものづくりをご紹介した倉敷の「スイカかご」をお届けします。待ってました!という方も、多いかも?

「以前、料理家の土井善晴 (どい・よしはる) さんがスイカの持ち歩きに使ってくださっているという話を伺いましたが、今ではスイカを入れて使う人は、中々いないですね」

そう語るのは古くからのい草の産地であった倉敷で、かつては畳表 (たたみおもて) や「花むしろ」を、そして今ではい草の余りを活用した土地独特のかご「いかご」を倉敷で唯一作る、「須浪亨 (すなみとおる) 商店」5代目の須浪隆貴 (すなみ・りゅうき) さん。

もともと暮らしの中で使われていた形を現代でも使いやすいようリメイクした「スイカかご」は、その見た目の可愛さから最近ではお出かけ用のバッグとしても人気を集めています。

こんな風に、布バッグを入れて使っても
こんな風に、布バッグを入れて使っても
意外と大容量です
意外と大容量です

全部で10種類作っているという「いかご」の中でも、スイカかごは売る時期が限られるので作る数量はごくわずか。同じい草を使った買い物かごと比べると、年間の製造量は買い物かご「9」:スイカかご「1」程度だそうです。

「お出かけに使うバッグがこれである必要は、本来は全くないわけですけれど、ローカリティみたいなものが受けているんでしょうね。コーヒーを飲みたい時に、スタバに行くんじゃなくて町の喫茶店に行くような」

現代風にリメイクしているとはいえ、どこか素朴な佇まいが人を惹きつけるのかもしれません。もちろん、現役でスイカ入れにも使えます。

普通サイズのスイカがすっぽり入るスイカかご (小)
普通サイズのスイカがすっぽり入るスイカかご (小)

「大玉はぴったりすぎるかもしれません。普通サイズか小玉がちょうどいいと思います。他にも果物を入れたり、中に巾着やあずま袋を入れたり。みかんをたくさん入れて、干すために使われる方もいらっしゃいましたよ」

今回は普通サイズのスイカがすっぽり入るスイカかご (小) をプレゼント(すみません、スイカはついてきません)。隆貴さんのアドバイス通り布と合わせれば通年使えるかごバッグに変身。ぜひいろいろな使い方を楽しんでみてくださいね。

ここで買いました。

須波亨商店
http://maruhyaku-design.com/
*通信販売や直営店販売は行っていないため、ご購入の際は公式サイトからお近くのお取扱店をご確認の上、ご利用ください。

さんちのお土産をお届けします

この記事をSNSでシェアしていただいた方の中から抽選で1名さまにさんちのお土産 “スイカかご”をプレゼント。応募期間は、2017年8月29日〜9月12日までの2週間です。

※当選者の発表は、編集部からシェアいただいたアカウントへのご連絡をもってかえさせていただきます。いただきました個人情報は、お土産の発送以外には使用いたしません。ご応募、当選に関するお問い合わせにはお答えできかねますので予めご了承ください。
たくさんのご応募をお待ちしております。

文・写真 : 尾島可奈子