工芸は風土と人が作るもの。中川政七商店では工芸を、そう定義しています。
風土とはつまり、産地の豊かな自然そのもの。例えば土や木、水、空気。工芸はその土地の風土を生かしてうまれてきました。
手仕事の技と豊かな資源を守ることが、工芸を未来に残し伝えることに繋がる。やわらかな質感や産地の景色を思わせる佇まい、心が旅するようなその土地ならではの色や香りが、100年先にもありますように。そんな願いを持って、私たちは日々、日本各地の作り手さんとものを作り、届けています。
このたび中川政七商店では新たなパートナーとして、全国の里山に眠る多様な可食植物を蒐集し、「食」を手がかりに日本の森や林業に新たな価値を創出する、日本草木研究所さんと商品作りをご一緒することになりました。
日本の森にまなざしを向ける日本草木研究所と、工芸にまなざしを向ける中川政七商店。日本草木研究所さんの取り組みは、工芸を未来へ繋ぐことでもあります。
両者が新商品の素材として注目したのは、中川政七商店創業の地である奈良の草木。この「奈良の草木研究」連載では、日本草木研究所さんと奈良の草木を探究し、商品開発を進める様子を、発売まで月に1回程度ご紹介してきました。
いよいよ最終回となる6回目の今回は、新商品「奈良の森のシロップ」の楽しみかたを紹介します。ミネラルウォーターや炭酸水で割って飲んでいただくほか、さまざまな使いかたができる今回のシロップ。中川政七商店おすすめのレシピで、ぜひ森の香りをご堪能ください。
・日本草木研究所コラボ シロップ 奈良の森
・日本草木研究所コラボ サイダー 奈良の森 200ml ※そのまま飲めるサイダーもございます
【基本の飲みかた】森のシロップのソーダ
シロップを炭酸水で割れば、夏にぴったりの爽やかなソーダドリンクに。草木がふわりと香り、大和橘のほんのりとした酸味と苦みで後味はさっぱりとお飲みいただけます。
材料(1杯分)
・奈良の森のシロップ‥適量
・炭酸水‥シロップの4倍の量
作りかた
1. グラスにシロップを注ぐ
2. 炭酸水を入れ、マドラーで混ぜて完成
森のシロップの番茶割り
番茶に少し加えると、レモンティーのような飲み口に。甘いおやつとの相性もバツグンです。
材料(1杯分)
・奈良の森のシロップ‥小さじ1~2
・番茶‥200ml
作りかた
1. 好みの濃さで番茶を作る
2. 湯飲みやマグカップに注ぎ、シロップをたらしてひとまぜしたら完成
森と柑橘の寒天ゼリー
奈良の森のシロップがあれば簡単にゼリーも完成。柑橘のほのかな酸味とやさしい甘みで、暑い夏のおやつにもおすすめです。粉寒天の量は、固さの好みに合わせて調整ください。
材料(2人分)
・奈良の森のシロップ‥75ml
・柑橘(お好みのもの)‥適量
・ミントの葉‥適宜
・粉寒天‥1~2g ※固めがお好きな場合は2g
・水‥160ml
作りかた
1. 鍋に水と粉寒天を入れ、沸騰したら弱火で1分ほどかき混ぜる
2. 火を止めてシロップを加える
3. 粗熱が取れたら型に注ぎ、冷蔵庫で1~2時間冷やし固める
4. 食べやすく切った柑橘と、好みでミントをのせたら完成
森のシロップのかき氷
少し贅沢にシロップを使った、お茶碗サイズのかき氷はいかがでしょうか。ひとさじ運べば口いっぱいに清涼感が広がります。
材料(1人分)
・奈良の森のシロップ‥適量
・氷‥適量
作りかた
1. かき氷機に氷をセットして、うつわに削り出す
2. シロップをかけて完成
森の琥珀糖
三時のおやつや、夜のお茶時間のお供としておすすめしたいのが琥珀糖。しっかりと乾燥させ、外はかりっと、中はぷるんと仕上げてお召し上がりください。
材料(縦21×横12×高さ2cmのバット1台分)
・奈良の森のシロップ‥小さじ1
・上白糖‥200g
・粉末寒天‥4g
・水‥200ml
作りかた
1. 鍋に粉寒天、砂糖、水を入れて煮詰める
2. 1をバットに流し入れ、シロップを加える
3. ゴムベラで全体を混ぜ、粗熱がとれたら冷蔵庫で1時間固める
4. 包丁で食べやすい大きさに切り分ける
5. クッキングシートにのせ、風通しの良い場所で1週間ほど乾燥させる
6. 表面が固くなり、全体が白っぽくなれば完成
文:谷尻純子
写真:奥山晴日