【わたしの好きなもの】THE Sweat(追記:7年目のスウェットの感想)

何十年後も飽きないへたらない、着心地抜群のスウェット


夏以外はずっと活躍してくれるジップアップパーカー。

会社の帰りに寒いと感じた先週から、クローゼットから出してきた。冬はコートの下にも着るし、家でもついつい羽織ったままで過ごすし、春先もやっぱり肌寒いと手放せない。

毎回着るたびに、やわらかさと「ふかふかっ」とした肉厚な生地に包まれる心地よさに感動。

昔ながらの吊り編み機でゆっくり編まれたスウェットは、しっかりとしているのに、ゴワゴワせず、やわらかくてくったりとしている。

最初から何年も付き合ってきたような風合い。







特に着心地の良さを実感できるのが、腕を上げ下げした時。

スウェットって、ちょっと窮屈だなと思うことがあるのですが、この生地は違います。

背中部分が引っ張られる感じがなく、ストレスなく動かすことができます。







このスウェットは、生地を織るための糸を作る段階から、素材を無理に引っ張らずに自然な状態を保つように作っているそうで、パイルが蜜でしっかりしてるのに、やわらかな状態で肉厚という、ふかふかな着心地が味わえる。

これは、フードやポケット部分でも感じることで、ぺたんとならず立体的でふっくらしています。









ジッパーがフード部分まで少しかかっているデザインもお気に入り。

全部閉めると、ちょっと立ち上がった感じになり首元を包み込んでくれます。







あと、注目してほしいのが、生地ではないのですが、ジッパーの形。

ジッパーって、差し込むときにちょっとした気合がいるといいますか、、、「ぐっ」と押し込む感じですよね。

しかし、このジッパーは差し込む方が、スッと入るような形になっているので、引っかかりゼロでスルスルと閉じたり開けたり。

なんて細部まで気を使っているつくりなんだと、気づいた時は小さく感動して思わず奥さんに報告しましたね。







しょっちゅう着るので、もちろん何回も洗濯されますが、へたるどころかどんどん着心地よくなっていきます。

ちなみに、最初の洗濯の時は、遊び毛が落ちるので1枚だけで洗うのがおすすめです。



十年単位でお世話になると確信しておりますので、どうぞよろしく。





着用:Lサイズ 身長:約175cm



【追記】毎年今年が一番心地いいと思える7年目のスウェット


ジップアップではないですが、プルオーバーを愛用しているスタッフがいるので着心地を聞いてみました。



7年目のスウェットは、どんどん自分の身体に馴染んできて、柔らかく育ってきているというか仕上がっている状態。着る時に「よっこいしょ感」がないといいますか、なんの気合もいらずするっと着ることができるので、ついつい何枚かもっているスウェットの中でもこれを選ぶことが多いんです。

価格的に最初こそ丁寧に扱う気持ちがあったのですが、Lサイズなので子供と共有していることもあり、気が付けば途中からガシガシ洗濯機で洗っている状態。



さすがに7年目なので縫い目あたりがくたっとしていますが、逆にスウェットのこなれた感じを出してくれています。(THEのタグも健在です)

ちなみに子供が半年ほどアメリカに持って行っていたので、日本よりハードなドラム洗濯機と乾燥機にかけられています。。。(個人の判断でおすすめするものではありません。)



新品のサンプルと比べてみたのですが、左が7年目、右がサンプルです。
しっかりした生地感は7年目でも健在であまり違いがわからないほどでした。襟ぐりや縫い目などは少し白化してきますが何年もかけての今の状態なので、ほんとに十年単位でどうぞよろしくと思えるスウェットです。



<掲載商品>
THE Sweat Zip up Hoodie
THE Sweat Crew neck Pullover

編集担当 森田

年を重ねたいま、自分に自信をもたせてくれる、ハレの日の服

自分らしい服ってなんだろう。年を重ねるごとに、似合うものも自分の好みも少しずつ変わってきました。
シルエット重視だった20代、何を着ればいいか迷走した30代前半。30代後半~40代になると、素材や質感など布自体が気になるように。
着心地のよさはもちろん、年相応の服を着ているという安心感を求めているのかもしれません。日常の服はもちろん、特別な日となると、その安心感は一層大切です。

その場にも、年を重ねた自分にもふさわしい服。
中川政七商店のセミフォーマルシリーズは、そんな思いに応えてくれる一着です。デザイナーの一人である山口に、どんな風に考えて作ったのか、話を聞いてみました。

ジャカード織の菱紋シリーズや尾州ウールシリーズ、刺繍のかさねブラウスを手がける山口

「私は30代後半で出産して、上の子の卒園式入学式を経て、また数年後には下の子の卒園のタイミングを迎えます。
この年でそういった式に出ると、周りのお母さん達は年下の方も多いんです。20代の方と同じ服を着ても似合わないし、それなりに年を重ねてる分似合うものを着ていたいと感じます。
ものづくりに信頼を置ける服を身に着けていると、背筋が伸びてそれが自信にも繋がると感じました」

自身の経験を糧にしながら作り進めていった、中川政七商店のセミフォーマル。
2019年からさまざまな型を発売し、それぞれにデザインのテイストが異なりますが、そこには共通する一つのコンセプトがあると言います。

「中川政七商店のセミフォーマルを貫くものは、“世界に誇る日本の技術”です。
テイストの好みは人それぞれですが、普段着ではなく特別な日に着る服なので、身に着けると自信に繋がるものを作りたいと考えました。そこで、技術も世界に誇れるようなものを採用しています」

ものづくりを知ることが自信に繋がるということで、一つずつ、どんなものづくりの背景があるのか、お話したいと思います。

素材の表情が際立つ凛としたデザイン「リネンコットンとサテンのシリーズ」

ハリとコシのあるリネンコットンに上品な光沢のサテン生地を合わせ、シンプルながらきりっとした表情に仕上げました。落ち感のある生地が体のラインをきれいに見せ、特別な日に華を添える一着です。

「パンツはウエスト部分がサテンなんですが、シャツをインして着た時にベルトっぽく見えるというか、映えるポイントになるかなと。ジャケットを着る際も、前を開けるとちらっと見えるようになっています。

ワンピースはフェミニンになりすぎないというか、大人の女性の少し控えた華やかさのあるデザインになりました。子どもの卒業式など、あまり可愛い、華美な雰囲気がそぐわない場にも良いのかなと。

袖がうっすら透けるくらいの薄い素材になっていて、ジャケットとあわせた場合にも腕が動かしやすく、着心地が良いのを感じていただけると思います」

リネンコットンとサテンのジャケット
リネンコットンとサテンのワンピース
リネンコットンとサテンのパンツ

縁起の良い菱文様が生地に浮かぶ「ジャカード織の菱紋シリーズ」

縁起の良い菱紋をジャカード織の繊細な陰影で表現した、ジャカード織の菱紋シリーズ。2025年にジャケットとワンピース、2026年にはジャケットとセットアップになるスカートが加わりました。

中川政七商店のセミフォーマルのなかでも、縦のラインをすっきりと見せるやや細めのシルエットで、ワンピースは足が隠れるロング丈です。

「中川政七商店のセミフォーマルシリーズでは、毎年お客様から届く様々なお声も参考にしながら開発しています。そのなかで、スタイルが良く見える、少しだけ細めのシルエットのご要望にお応えできたらと思い作ったのが、今回のシリーズです。小柄な方で、ワンピースが少し大きいという場合には、ジャケットとセットアップでスカートを着用していただければと思います。

模様を織り込んで作るジャカード織の生地は、厚みがあって立体的に見えるのが特徴。今回の生地では、ハレの日にもふさわしい縁起の良い菱文様を織り上げました。60年以上も前に製造された貴重な織機を使っており、ジャカード織の凹凸が生み出す陰影の美しさを際立たせています」

ジャカード織のジャケット 菱紋
ジャカード織のワンピース 菱紋
ジャカード織のスカート 菱紋

自然の景色を思わせる、波皺の表情「リネンキュプラの波皺シリーズ」

昨年発売となり、幅広い世代の方にお求めいただいているリネンキュプラの波皺シリーズ。ベーシックでシンプルなデザインの尾州ウールシリーズや、華やかな見た目が特長の重ね襞シリーズとは、あえて印象が異なるようにとデザインされました。体のラインを拾わず全体をすっきりと見せてくれるシルエットが心強い一着です。

「上質感があって大人っぽいものを作りたくて、絹織物をはじめ高級裏地の産地として歴史が深い、山梨県の富士吉田市で織られた生地を使用しました。上質な布の美しさが映えるように、あえてすとんとしたシルエットを採用し、シンプルな形で作っています。

生地に揺れる波皺の表情は、経(たて)糸に使用したキュプラと、緯(よこ)糸に使用したリネンや綿の、それぞれの縮率の違いから生まれるもの。なみなみとした揺らぎが、水面のさざ波や富士山の裾の尾、地平線・水平線などを思わせてくれるので、『風景の見える布』をコンセプトにしています」

リネンキュプラの波皺ジャケット
リネンキュプラの波皺ワンピース

※担当デザイナーにものづくりについてインタビューした記事はこちら

古い織機でしか出せない細やかなレース「刺繍のかさねブラウス」

ジャケットの下に着たり一枚でさらりと着用したりと、何かと活躍する、刺繍のかさねブラウス。

「レースというと海外のイメージを持たれる方も多いと思いますが、じつは日本で独自に進化を遂げ、いいものを作っているんです」

あえて古い機械でゆっくり織ることで、ふんわりと⽴体的なふくらみや、繊細な模様を表現しています。

「フォーマルなシーンでは、基本的にはジャケットを羽織っていることが多いと思いますが、長時間過ごす中で温度調整したいタイミングもあります。
でも、ジャケットを脱ぐと急に質素な印象になってしまったり、透けてしまったり…脱ぐのをためらうことがあって。そういう不安がなく、脱いでも華やかさが損なわれないものにできたらと思って、前面を二重にして刺繍を刺しました」

刺繍のかさねブラウス

最後に、中川政七商店のセミフォーマル、どんな風に着てほしいですか?と聞くと、
「ハレの日にはもちろん、ちょっとしたお出かけにも、普段からたくさん着てもらえると嬉しいです」
とのこと。

中川政七商店のセミフォーマルは、シリーズを通して天然素材をベースに作っているため、素材感がマットで落ち着きがあります。きちんと感や品はありつつも、確かにちょっとしたお出かけなど、日常のシーンでも使いやすい質感です。

ものづくりについて語りたくなる、特別な日に自信をもたせてくれる服。フォーマルシーンにも、ちょっとしたお出かけにも、様々な場で一緒にお出かけしていただけたら嬉しく思います。

<関連特集>

<関連記事>
【身長別着用レビュー】リネンキュプラの波皺ジャケット、ワンピース


*この記事は2022年1月11日公開の記事を、再編集して掲載しました。

【はたらくをはなそう】経営企画室 中田勇樹

中田勇樹
経営企画室

1989年生まれ。
株式会社AOKIで商品開発や新規事業立ち上げを担当し、課題分析から販路構築まで経験。その後、mode株式会社にて多業種のECやデジタルマーケティング支援に従事。2021年に中川政七商店へ転職。


私が中川政七商店に転職した理由は、「日本の工芸を元気にする!」という志に惹かれたからです。大げさに聞こえるかもしれませんが、伝統ある工芸の世界にデータとテクノロジーで貢献できるのは面白そうだと感じました。


入社後にまず驚いたのは、店舗研修で「今商品を買っていただかなくてもいい。それよりも、お客様にお店やブランド、販売員を好きになって帰っていただけるようにしてください」と教えられたこと。中川政七商店ではこの精神を「接心好感」と呼び、お客様の心に接して心地よいブランド体験を提供することを大切にしています。デジタルの世界でこの精神を実現することが、私のミッションです。


そのために、お客様との接点を拡充するためLINE公式アカウントとLINEミニアプリを活用したデジタル会員証を導入しました。会員IDが店頭とECで別だった課題を解決し、ワンタップで会員バーコードを提示できるようにしたことで登録率は3倍となり、LINE経由の売上は4年で8倍に伸びました。さらに独自のブランディングツール「MONJU」で行動データをクラスター分類し、生成AIと組み合わせて最適なコンテンツを届ける取り組みも進めています。一斉配信よりもクリック率が120%から150%ほど向上し、メルマガ作成工数も約50%削減できた時には思わずガッツポーズが出ましたね。


もちろん、AIは万能ではありません。メルマガの件名は人間が考える方が「中川政七商店らしさ」が高かったように、ブランドらしい表現は人が磨く必要があります。だからこそ、デジタルの力で効率化を進め、その結果できた時間で工房や店舗に足を運び、職人の想いや接客スタッフの工夫に触れていきたいと思っています。伝統と革新を行き来しながら、社員同士が気軽にアイデアを出し合える風土も中川政七商店の魅力です。上司や同僚との距離が近く、「こういうことがやりたい」と言えば必ず耳を傾けてくれます。失敗しても次に活かす姿勢が根付いているので、挑戦することが楽しい会社だと感じています。


これからもデジタルと人の力を掛け合わせ、お客様にも従業員にも心地好い体験を提供する仕組みを磨いていきます。日本の工芸の魅力を未来につなぐために、一緒に走ってくれる仲間が増えることを楽しみにしています。

<愛用している商品>

かや織バスマット

おすすめ理由:いろいろなバスマットを試した結果、かや織バスマットのLサイズがベストでした。吸水性がよく、肌触りと予想外にクッション性もあるのが心地好いです。何度か洗うと少し縮んでくるので、我が家ではLサイズがぴったり。クッション性は縮むうちに徐々に感じるようになりました。自宅にいる猫が大好きで、私がお風呂に入っていると、バスマットの上でずっとゴロゴロしています。爪が引っかかるのでボロボロになるかと思っていたのですが、見た目よりも丈夫のようで、2色購入して毎日使いまわししています。

丈夫でへたりにくいキッチンスポンジ

おすすめ理由:1~2か月でヘタってしまうスポンジが多い中、この商品は半年近く使い勝手が変わらずに使えます。泡立ちもよいままなので、替えるタイミングに困るほど。お皿用だったものが、掃除用に変わり1年近く現役のまま活躍しています。

【旬のひと皿】ロールキャベツ

みずみずしい旬を、食卓へ。

この連載「旬のひと皿」では、奈良で季節の料理と玄挽きの蕎麦の店「だんだん」を営む店主の新田奈々さんに、季節を味わうエッセイとひと皿をお届けしてもらいます。



届いたばかりの段ボールを開けると、手書きのお便りと共にじゃがいもやにんじん、カリフローレや紅芯大根といったお野菜に加え、きれいなキャベツが入っていました。農家さんから送っていただく、採れたてのお野菜便です。

冬の時期のお野菜は寒さを味方にして、甘みが増すのがひとつの魅力。旬ならではの味を想い、台所へきてくれたこのキャベツをどうしようかとホクホクしながら悩んだ末、まずはシンプルに蒸し焼きにしてみました。

材料は少しのオイルと先ほどのキャベツ、一緒に入れてくださったじゃがいも、そしてクミン。とても甘くはっとするおいしさで、ひとつのお皿としてまとまりつつも、それぞれの食材が際立ちます。気がつくと黙々と食べていました。

今回のテーマはキャベツにしよう!と決め、コトコト湯気の上がる風景が浮かんだのでレシピはロールキャベツに決定。旬を堪能できるよう、できるだけシンプルな材料と工程にしました。

道具に用いたのは土鍋です。ある程度深い鍋なら別の素材のものでも作れますが、ここはぜひ、冬の甘さを存分に引き出す土鍋で作っていただければなと思います。

私が使ったのは、大きなリムに一目惚れして購入した中川政七商店さんの平土鍋。購入時には構想から数年間、思考錯誤しながら時間をかけて開発されたお話しもお聞きしました。そんなエピソードも思い浮かべながらの料理は、またひとつ味の深みが増すような気持ちになります。

レシピの試作をしていた寒波の日、ドアの外に小学生くらいの女の子が立っていました。あれ?と思い外へ出てみると、赤ちゃんの頃から知っている顔。開口一番「受かったよー!!」と、中学受験の結果の報告に来てくれたのです。

ハイタッチをして嬉しい喜びをお裾分けしてもらった後、そうだそうだちょっと待ってねと、店内に生けていた満開のサクラを渡すと喜んでくれました。寒い寒いと毎日のように言っていますが、気づけばもう春の足音が聞こえていますね。

農家さんから届いた手書きのお便りには、「甘い野菜の次は、菜の花などの苦味がやってきます。待ち遠しいですね!」と締めくくられていました。

もうすぐ来る春を楽しみにしながら、まずはいま、一瞬しか味わえない冬の味を堪能したいと思います。お兄ちゃんと通う中学校での話も、また聞かせてもらえたら嬉しいなぁ。

<ロールキャベツ>

材料(2~3人分)

・豚ひき肉…300g
・キャベツの葉…大6枚(小なら12枚)
・冷凍きのこ(今回はしめじとしいたけ)…ひとつかみ 
・玉ねぎ…1/2個
・レモン…適量
・塩麹…小さじ3(小さじ1と小さじ2に分けて使用)
・塩…3g
・水…500ml

きのこは食べやすい大きさに切り、冷凍しておいたものを使用しました。冷凍することで、スープの味わいが深くなります。

また、鍋は土鍋を使用。どんな鍋でも作れますが、保温力のある土鍋はじんわり火が入るので、ふっくらと仕上がります。

作りかた

ボウルにひき肉と塩麹(小さじ1)、塩を入れて軽く混ぜたら、おおまかに6等分しておく。

鍋に湯を沸かして塩(分量外)を入れ、キャベツを茹でる。芯の内側がすんなり曲がれば茹で上がりのサイン。水にとり、ザルにあげる。

キャベツの芯を削いで千切りにする。玉ねぎも同じく千切りにする。

キャベツをまな板に広げ、肉だねを中央において包みあげる。葉が小さい場合は二枚を左右に広げ、真ん中を重ねて一枚として使用する。下→左右の順に肉だねの方向に折りたたんだら、上に向かってぎゅっと巻いていく。

鍋を火にかけて、玉ねぎとキャベツの芯、きのこを入れて塩(分量外)をし、蒸し焼きにする。

しんなりしてきたらロールキャベツを並べて水を入れ、コンロの火をつける。沸騰したら火を弱め、塩麹(小さじ2)を入れる。

灰汁がある場合は取り除き、蓋をして20分ほど火にかける。煮込む工程ではオーブンを使用しても。

最後にスープの味を確認し、薄く感じるようなら塩や醤油を入れて調整する。うつわに盛り、レモンの皮を削って完成。

うつわ紹介

【WEB限定】明山窯 secca scoop_M BLACK

二重軍手の鍋つかみ 紺
信楽焼の平土鍋 中 飴


写真:奥山晴日

料理・執筆

だんだん店主・新田奈々

島根県生まれ。 調理師学校卒業後都内のレストランで働く。 両親が母の故郷である奈良へ移住することを決め、3人で出雲そばの店を開業する。  
野に咲く花を生けられるようになりたいと大和未生流のお稽古に通い、師範のお免状を頂く。 父の他界後、季節の花や食材を楽しみながら母と二人三脚でお店を守っている。
https://dandannara.com/

【四季折々の麻】2月:長い季節で着られる肉厚の生地「厚手麻」

「四季折々の麻」をコンセプトに、暮らしに寄り添う麻の衣を毎月展開している中川政七商店。

麻といえば、夏のイメージ?いえいえ、実は冬のコートに春のワンピースにと、通年楽しめる素材なんです。

麻好きの人にもビギナーの人にもおすすめしたい、進化を遂げる麻の魅力とは。毎月、四季折々のアイテムとともにご紹介します。

※この記事は2025年2月3日公開の記事を再編集して掲載しました。

長い季節で着られる肉厚の生地「厚手麻」

2月は「如月」。和風月名であるこの言葉は、寒さに備えて重ね着をする意を込めた「衣更着(きさらぎ)」が由来のひとつとされています。まだ寒さが残る季節、麻の衣を更に重ね、芽吹きの時期に備える服をご提案できたらと思い仕立てたシリーズです。

麻生地は夏のイメージが強い素材ですが、今回ご用意した「厚手麻」は肉厚の生地にすることで、夏以外の季節でも着られるようにしたもの。中川政七商店で毎年人気のシリーズに、今年は新色として春を想わせる黄色が登場します。

ラインアップは「ボタンワンピース」と「羽織コート」、「ワイドパンツ」の3種類。重ね着することで長い季節でお楽しみいただけるようにと、ゆったりめのシルエットにしています。

【2月】厚手麻シリーズ:

厚手麻のボタンワンピース
厚手麻の羽織コート
厚手麻のワイドパンツ

今月の「麻」生地

まだ寒さが残る季節に着たい、肉厚の生地である「厚手麻」。防寒と春気分の両方をかなえられるよう、重ね着することで冬から春まで活躍する素材感に仕上げました。一年を通して心地よく着られるため、シリーズが登場してから数年が経った今でもたくさんのご愛用の声を頂いています。

使用しているのは太番手のリネン糸。こちらを贅沢に使って織った厚手の生地に、テンションをできるだけ加えないよう、ゆっくりとやさしくもみ込むような乾燥を施します。さらには染め加工のすべての工程においてできるだけ高熱を加えず加工し、麻素材独特のシボ感のある自然な風合いを生み出しました。

生地にストレスをかけず、時間をかけてゆっくり加工することで、生地がリラックスしてやさしい表情と風合いに。無理をさせずに、自然の姿、魅力を引き出した生地をぜひお楽しみください。

なお、織り・染めの加工はともに遠州・浜松でお願いしました。大きな川があり水が豊富なこの地域は、織物加工が得意な産地。太番手ならではのしっかりしたハリ感・コシがありつつも、肌あたりはとてもやさしいので着心地がよく、頼れる生地感に仕上げていただきました。

お手入れのポイント

ご自宅でお洗濯可能ですが、洗う際は手洗いか、裏返して洗濯ネットに入れたうえで洗濯機をご利用ください。

シボ感が特徴的な生地なので、ピシッとアイロンで伸ばすというよりは、自然なシワ感を楽しんでもらえたら嬉しく思います。

たたみシワなどが気になる際は、生地を湿らせた状態であて布を使用し、アイロンがけしてください。麻は乾燥した状態で高温を加えると傷んでしまうので、アイロンを使用する際は必ず湿らせた状態にするようご注意くださいね。

重ね着しやすい3アイテム

麻は、寒い日は暖かく着られて蒸れにくく、暖かい日はさらりと心地よく着られる素材。
寒さをしのぐため重ね着をする「衣更着」に由来を持つ時期に、ぴったりのアイテムを揃えました。

重ね着したり一枚で着たりと着回しのきく3つのアイテムは、いずれもリラックスウェアにならないよう細かなサイズ感にはこだわりつつも、ゆったりと着られて重ね着しやすいシルエットに。

色は昨年から人気の墨と紅梅に加え、蝋梅やミモザ、菜花のような「黄」も新しくご用意しました。やわらかで明るい色が、まだ寒く彩度の低い空の下でも春の訪れを感じさせてくれます。

また、あえて真っ白にさらした生地ではなく、麻本来の生成色の生地から染め上げることで、天然の麻の色あいを活かしました。のっぺりとせず、麻の繊維の色合いがうっすら感じられるような奥行きのある表情に仕上げています。

ワンピースはほどよく詰まったVネックとずらりと並んだ前ボタンで、きちんと感のある印象に。寒い時期にはタートルネックを重ねたり、暖かくなればもちろん一枚で着たりと様々な印象でご着用いただけます。

万能な羽織コートは襟が少し立つのがポイント。カーディガンのように気軽に羽織れます。ワンピースの上に重ねたり、タートルネックやブラウスに重ねたりと、あらゆるシーンで着まわしていただける一着です。

ワイドパンツはゆったりと履けながらも、麻のハリ感による立体的なシルエットで、お出かけ着感もきちんとあるデザインに。寒い時期は下に一枚着こんでいただいても、違和感なく履いていただけます。年間を通して履ける息の長いアイテムです。

素材自体が呼吸をしているような、気持ちの良さがある麻のお洋服。たくさん着ると風合いが育っていくので、ぜひ着まわしながら愛用いただけると嬉しいです。

「中川政七商店の麻」シリーズ:

江戸時代に麻の商いからはじまり、300余年、麻とともに歩んできた中川政七商店。私たちだからこそ伝えられる麻の魅力を届けたいと、麻の魅力を活かして作るアパレルシリーズ「中川政七商店の麻」を展開しています。本記事ではその中でも、「四季折々の麻」をコンセプトに、毎月、その時季にぴったりな素材を選んで展開している洋服をご紹介します。

ご紹介した人:

中川政七商店 デザイナー 杉浦葉子

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