【わたしの好きなもの】わが家の朝に欠かせない、食洗機OKの木皿

かれこれ5年ほど、木のお皿にあこがれていました。
やさしくてナチュラルな雰囲気。自分の家の食卓に並んだらさぞ素敵だろうと、想像しては想いを募らせていました。

ずっとあこがれていながら手を出せなかった理由は、“お手入れが大変そう”だから。
わたしの実家には木の食器がほとんどなく、昔その理由を母にたずねると「使ったらすぐ洗ってしっかり乾かさないといけないし、いろいろ気を遣うから。木のうつわはかわいいけど、私には合わないかなぁ‥‥…」と悲しそうに教えてくれました。

その言葉を、「木って難しいんだ‥‥!!」と素直に受け取ったわたし。
雑誌やSNSでおしゃれな木のうつわを見かけるたびに欲しい衝動に駆られながらも、すぐに頭に浮かぶのは自分のずぼらさ。せっかく買っても汚したり傷めてしまうことへの恐怖が勝利し、一歩踏み出せずにいました。

さらに、最近は食洗機を導入したことで、完全に諦めムードに。便利を手に入れた代わりに、あこがれの木のお皿はますます遠のいていったのです。

それでも、やっぱりときどき想像する、木のお皿のある暮らし。
毎朝食べるパンが木のものにのっていたら、もっと豊かな一日の始まりになるんじゃないかなぁ‥‥。

そんなわたしの、長年の願いをかなえてくれるアイテムがついに登場したのです。

それが、「食洗機で洗える木皿 ハンノキ」。

こちらは、商品名に「食洗機」とありますが、食洗機を使わない人にもぜひ使っていただきたい木皿なんです。

表面にコーティングが施されているため、通常の木皿よりも汚れに強いという特徴が。これなら、ずぼらなわたしでも気兼ねなく扱えるのでは。期待がふくらみます。

※醤油やソース類、また油がついた状態で長時間おいた場合はシミの原因になる恐れがあります。使用したあとはなるべく早く洗ってください。

さっそく、念願の朝食の時間に使ってみました。
やっぱり、思った通り、素敵!!
いつもの食卓に木の温かみが加わるだけで、こんなに雰囲気が変わるのか!とびっくりです。
サイズは22cmで、トースト1枚にぴったりでした。

汚れに強い以外にも、使ってみて気づいた良いところが。
寒い日もお皿が冷たくならないので、トーストしたパンが冷めにくいのです。見た目の良さだけではなく、パンをおいしく食べられるという思わぬメリットが嬉しく、毎日のようにこのお皿でパンを食べています。

フチが少しだけ上がっているので、多少の汁気ならうけとめてくれるのもポイント。ドレッシングたっぷりのサラダも、気にせず盛りつけられるのです。フチの立ち上がりはなだらかなので、パンが少しはみ出ても様になるのが嬉しいところ。


そしてやっぱり便利な食洗機対応。わが家の朝のルーティンにぴったりはまってくれました。

パンを食べ終わったら、お弁当の準備で出た洗い物たちと一緒に食洗機に入れ、スイッチをオン。洗ってくれている間に、身支度をするという流れです。

1日入れっぱなしにするとカビやにおいの原因になる可能性があるので、わが家の場合は扉をあけてから出かけるようにしています

そしてなにより、一番気に入ったのが薄くて軽いところ。食器棚でも食洗機の中でもかさばりません。
食べ終わった後もさっと重ねて楽に運べるので「すぐ洗っちゃおう!」という気持ちにしてくれます。この取り回しのよさに、忙しい朝は本当に助けられています。
ちょっとしたことですが、毎日使ううつわが軽いというのは、かなりのストレス軽減になるのだと気がつきました。


はじめは朝のトースト専用のつもりで迎えましたが、今では使い勝手の良さに、いろいろな場面で活躍しています。

盛りつけ面が広いので、おかずを並べて朝のプチワンプレートにしてみたり、マグや湯のみと合わせてお菓子を楽しんだり。

トースト以外にも使いやすい絶妙なサイズ感。

和洋を選ばないので、お客さんがきたときのちょっとしたおもてなしとしても便利です。


もちろん毎日のおかず皿としても。煮物などの汁気の多いもの以外なら盛りつけられます。

トマトソースも安心して盛りつけられました

軽いしかさばらないから、キャンプやピクニックに持っていくのもいいな‥‥。
和食にも合うから、お正月におせちの取り皿として使ったら素敵かな‥‥。など、想像が膨らむばかり。
どんな食材や料理にも合わせやすく、これさえあればおしゃれなカフェのような食卓が完成します。

また落としたりぶつけてしまっても割れにくいので、お子さんなど家族みんなで使えるのも嬉しい限り。とにかく万能な一枚です。


最後に、少し気になっていた、食洗機にかけても劣化しないの?という疑問。

左が新品、右が半年間ほぼ毎日使ったものです。

左が新品、右が半年間ほぼ毎日使ったものです。新品の時点で個体差があり右は色味が深かったのですが、半年使用することでさらに色が濃くなりました

途中で縁フチの一部が少し白っぽくなってしまいましたが、ここからは特に見た目は変わっていません。

比べるとさすがに新品のようにきれいなままとはいきませんが、わたしの場合使っていて気になったことはほとんどありません。
洗う際にするっと気持ちよく汚れが落ちますし、シミもつかず予想以上にきれいなまま使えているな、とコーティングのすごさを実感しています。

表面にだんだん味が出てきたことにより、さらに愛着がわいてきました。まだまだ使って、お手入れが苦手なりに経年変化も楽しんでいこうという気持ちにさせてくれます。


今回、実際に使って良さを実感し、今ではわが家に欠かせないお皿になりました。
頭に浮かぶのは、わたしと同じように悲しい気持ちで木のうつわを諦めていた母のこと。今度帰ったらプレゼントして、素敵な食卓を一緒に囲もうと思います。


<掲載商品>
食洗機で洗える木皿 ハンノキ
食洗機で洗える漆のスープボウル 小
好日茶碗 青絵遊魚
HASAMI ブロックマグ

編集担当
岩井

【あの人が買ったメイドインニッポン】#7 ラジオパーソナリティ・クリス智子さんが“最近買ったもの”

こんにちは。
中川政七商店ラヂオの時間です。

今回からゲストは、ラジオパーソナリティのクリス智子さんです。トークテーマは、「最近買ったメイドインニッポン」。

それでは早速、聴いてみましょう。

プラットフォーム

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クリス智子さんが“最近買った”メイドインニッポン

クリス智子さんが“最近買った”メイドインニッポンは、「スギコダマ」でした。


ゲストプロフィール

クリス智子

ハワイ生まれ。大学卒業時に、東京のFMラジオ局 J-WAVE でナビゲーターデビュー。現在は、同局「GOOD NEIGHBORS」(月曜〜木曜13:00〜16:00)を担当。ラジオのパーソナリティのほか、MC、ナレーション、トークイベント出演、また、エッセイ執筆、朗読、音楽、作詞なども行う。得意とするのは、暮らし、デザイン、アートの分野。幼少期より触れてきたアンティークから、最先端のデザインまで興味をもち、生活そのもの、居心地のいい空間にこだわりを持つ。ラジオにおいても、居心地、耳心地の良い時間はもちろん、その中で、常に新しいことへの探究心を共有できる場づくりを心がける。


MCプロフィール

高倉泰

中川政七商店 ディレクター。
日本各地のつくり手との商品開発・販売・プロモーションに携わる。産地支援事業 合同展示会 大日本市を担当。
古いモノや世界の民芸品が好きで、奈良町で築150年の古民家を改築し、 妻と二人の子どもと暮らす。
山形県出身。日本酒ナビゲーター認定。風呂好き。ほとけ部主催。
最近買ってよかったものは「沖縄の抱瓶」。


次回予告

次回も引き続き、クリス智子さんにご出演いただきます。次回は、「人に贈るメイドインニッポン」について、お話いただきます。
11/3(金)にお会いしましょう。お楽しみに。

中川政七商店ラヂオのエピソード一覧はこちら

「好日茶碗」自分にぴったりのお茶碗えらび -前編:選び方のポイント

「お茶碗選びって、いつも難航しちゃいます」

時々、お客様のそんなお声をお聞きします。

「いろんな形のお茶碗があるけど、どれが使いやすいんだろう?色は?大きさは?そもそも焼き物の取り扱い方法もよくわからないし‥‥」

お茶碗は毎日のように目に触れ、手に持つ、大切な暮らしの道具。自分用にも、家族や友人に贈る際にも、好みのデザインなのはもちろん、なるべく使いやすくて長くそばに置けるものを選びたいですよね。

先日、佐賀や岐阜など各地の窯元さんとつくる絵付けのお茶碗、「好日茶碗」シリーズが発売されました。それを機に、自分と夫用に、そして離れて暮らす母と父にひとつずつ、全部で4つのお茶碗を私が選ぶことになったのです。

わくわくしながらも頭を悩ませるなかなか、意識したのは以下の3つのポイントでした。

ポイント① 大きさは「食べる量」と「何を盛り付けるか」で決める
ポイント② 自分に合った素材のものを選ぶ
ポイント③ 迷ったときは見た目の好みを大切に

このポイントを上から順に追って選んでいくと、使う人それぞれに合ったお茶碗がわかってきました。うつわ初心者の方でも楽しく選べるよう、簡単にまとめてみたので、お茶碗選びに迷った際の参考にしてみてください。

私が実際にどのうつわを選んだのかは、後編で紹介しています。
後編「実際に選んでみました」はこちら

① 大きさは「食べる量」と「何を盛り付けるか」で決める

意外とわからない、自分に合うお茶碗の大きさ。まずは使う人が普段食べるごはんの量と照らし合わせましょう。

一般的にごはん一杯の標準量は、炊いたお米150g程度だとされています。成人男性だと、一杯200gほど。レンジでチンするパックごはんは、180gくらいのものが多いようです。

好日茶碗の各商品ページには、ごはんの量別の盛りつけイメージを掲載しています。ぜひ参考にしてください

いずれのお茶碗も写真のように、ある程度の幅を持たせて盛りつけられますので、日によって食べる量が変わる方もご安心を。あまり細かく考える必要はなく、お茶碗として大きすぎたり小さすぎたりしないか、くらいの確認で大丈夫です。

糖質が気になるからごはんは少なめで‥‥という方は、小さめのお茶碗を選ぶと盛った際にさみしい見た目にならず満足感が得られます。

そして、もうひとつ大きさを検討する際の材料として注目いただきたいのが、「お茶碗にどんなものを盛り付けるか」。簡単にいうと、白ごはんだけを盛るのか、それともごはんに何かを乗せたり混ぜたりするのか、ということです。

朝に納豆ごはんや卵かけごはんを食べることが多いのであれば、少し大きめのお茶碗のほうが混ぜやすく安心感があります。私はお茶漬けが好きでよく食べるので、お茶碗は少し大きめを選ぶようにしています。

ごはんの上に簡単なおかずを乗せて、丼として使いたい!という日も、大きめサイズが重宝します。よくおかずを乗せる方は、口が広がっているものを選ぶのがおすすめ。盛りつけがしやすく見た目もきれいです。

大きめのお茶碗に白ごはんだけを盛る際は、ふわっと高さを出すことを意識すれば、さみしい印象になりにくいです。すでに小丼などをお持ちで、お茶碗にはごはんだけを盛るという方は、ぴったりサイズを選んでいただくと、いつでもバランスよく美しく盛りつけられます。

② 自分に合った素材のものを選ぶ

ひとくちにお茶碗といっても、商品によって素材は様々。見た目はもちろん、実は取り扱い方も素材によって違います。 

焼き物には、大きく3つの素材があります。土からできた陶器(土もの)、石からできた磁器(石もの)、そしてその間の性質を持つ半磁器です。
素材についての詳しい説明はこちら

一般的には陶器より磁器の方が丈夫だとされていますが、それはあくまで素材自体の強度を比べた場合の話で、磁器や半磁器が陶器より優れている、というわけではありません。

陶器には、磁器にはない土の風合いが見た目に現れます。おおらかでやさしい雰囲気は、陶器ならではの魅力。反対に磁器には凛とした美しさや、均一で絵付けが映える綺麗な白色など、こちらにも魅力があります。

また、形状によっても強度は変わります。たとえは同じ陶器のうつわでも、デザインによって厚みが違います。土の粗さにもよるので一概には言えませんが、どっしりと重いうつわは薄づくりのものに比べて強度が高いことが多いです。

陶器の風合いが好きだけど、できれば丈夫なうつわがいい、というのもよく耳にするお悩み。手に持った際の重さがそんなに気にならない方は、厚めの陶器を選んでいただくのもひとつの方法です。

例えば、飴白格子・蝋抜鹿の子は土が細かく厚みがあるので、陶器の中では比較的丈夫な方だと思います

また、磁器は素材自体は強いですが薄づくりのものが多いため、チップ(縁の欠け)が起こりやすいなどといった特徴もあります。

このように、磁器だから絶対大丈夫、などということはなく、どんな素材でも丁寧に扱うことが大切です。食洗機にもなるべくかけないほうが“万が一”が起こりにくいです。

素材を知ることで選択肢を狭めるのではなく、それぞれの苦手なこと、得意なことを知ったうえで選ぶことで、長く使えるひとつに出会っていただけるのではないかと思います。

目止めって必要?

目止めとは、陶器の土と土の間をデンプンで埋めることで、うつわに汚れやにおいをつきにくくするお手入れ方法です。好日茶碗シリーズだと以下のものは陶器のため、目止めをおすすめしています。

※青絵遊魚・赤絵花蝶は陶器ですが、撥水加工を施しているため使いはじめの目止めは必要ありません。撥水効果が薄れてきた際は、目止めをおすすめします

陶器だからといって、目止めは必ずしないといけないわけではありません。うつわの経年変化を「味」として楽しまれる方もたくさんいらっしゃいます。特にごはん茶碗としてのみ使う場合は、においも汚れも気にならないことが多いので、そのままお使いいただいても大きな問題はないかと思います。

・買ったときの状態のまま、できるだけ長く使いたい
・お茶漬けやスープなど、ごはん以外を入れて使いたい
・使用後に他のうつわと重ねるなど、汚れがつく可能性がある

といった場合は、使いはじめの目止めをおすすめします。

目止めはお米のとぎ汁でうつわを煮て行います。
詳しい方法はこちらのページの「目止めについて」をご覧ください。

③ 迷ったときは見た目の好みを大切に

ここまでは使いやすさの目線で選び方をご紹介してきましたが、やっぱり大切にしたいのが「好みのお茶碗を選ぶ」ということです。毎日手に取るお茶碗は、見た目から気分を上げてくれるものを持っていたいですよね。

ただ、見た目で選ぶ、というのも意外と難しく‥‥。よくお客様から「何色のうつわが使いやすいですか?」という質問をいただきます。実は、すぐにお答えするのがとても難しいのです。

白ごはんが映えるのは深い色。他の食器となじみやすいのは、白っぽいあわい色。テーブルの色やお家の雰囲気によっても、また変わってきます。それぞれに良さがあるので、その方が何を大切にされているかによっておすすめする色も違ったものになります。

和洋中を選ばないか、手持ちのうつわと相性はいいだろうか。そういったことももちろん大切です。でも、考えすぎて迷ってしまう時には、お茶碗だけを見たときにピンときたものを選んでいただくのが一番だと思います。


好日茶碗は、職人さんの手作業によって絵付けが施されたお茶碗のシリーズ。そのため同じ柄のお茶碗でもひとつとして同じものはなく、それぞれに個性があります。

またうつわには、絵付け以外にもゆらぎが生じます。窯に入れて一斉に焼き上げるのですが、窯の中の置き場所によって火のあたり方が違うので、焼き上がりに差が出るのです。その日の天気や気温、湿度によっても色味が違ったりするなんて、本当に繊細な世界です。

さらには、絵柄の意味も選ぶ材料に。好日茶碗にはそれぞれの絵付けに想いが込められています。ただの線だと思っていた模様も、意味を知るとなんだか違って見えてきたり‥‥。幸せを願う絵柄が描かれているとわかると、一層愛着がわきます。どれにしようか悩まれた際は、ぜひお茶碗選びのヒントにしてください。

お店で買う場合は実際に手に取り、細かな違いまで比べて選ぶ楽しさがありますし、オンラインショップで購入するときは、「どんな子が私の手元に来てくれるんだろう」と、また違ったわくわくがあります。

うつわの個性も手しごとならではの魅力のひとつ。ウェブストアでご購入の場合は、一期一会の出会いを楽しみにお待ちくださいね。




ここまでにお話したお茶碗の特徴を一覧にすると、このようになります。

こちらを参考に私が実際にどのうつわを選んだのかは、後編で紹介しています。
後編「実際に選んでみました」はこちら

ぜひ自分やご家族、贈る相手にぴったりのお茶碗を見つけてくださいね。

<関連商品>
好日茶碗


<関連特集>

「好日茶碗」自分にぴったりのお茶碗えらび -後編:実際に選んでみました

ポイントをおさえて実際に選んでみました

選ぶのが意外と難しい、お茶碗。
大きさは?お手入れ方法は?
わからないこともたくさんありますよね。

この記事では、私が「好日茶碗」シリーズから家族4人のお茶碗を選んだ際に意識した、お茶碗選びのコツをご紹介します。

前編では、お茶碗の選び方の3つのポイントをお伝えしました。

ポイント① 大きさは「食べる量」と「何を盛り付けるか」で決める
ポイント② 自分に合った素材のものを選ぶ
ポイント③ 迷ったときは見た目の好みを大切にする

→前編を読む

ここからは、私がこのポイントに沿って、実際に選んだお茶碗をご紹介します。

好日茶碗シリーズの特徴をまとめるとこうなります。

まずは自分と夫用。

自分:「太白野菊」
① お茶漬けもでき、おかずも乗せられる大きさと形
② 半磁器で取り扱いやすい
③ 花が好き 食卓のアクセントになってくれる青色

夫:「鉄絵花鳥」
① 大盛りにも対応できるサイズ
② 半磁器で取り扱いやすい
③ 鳥が好き 無骨なものより可愛らしいものが好き

夫はうつわ初心者で取り扱いについて勉強中なので、軽めで扱いやすいものが良いよね、と相談しながら決めました。大切なうつわは基本的には手洗いしていますが、余裕のないときは食洗器に入れることもあるので、それも含めて比較的丈夫な半磁器のものを選んでいます。


続いて、母と父用です。

母:赤絵花蝶
① 糖質を気にしているので小さいお茶碗
② 味わいのある陶器
③ 自然が好き 家にあるあたたかみのある器と合いそう

父:飴白格子
① 大好きな納豆ご飯もばっちりのサイズ
② 厚みがあり、陶器の中では丈夫な方
③ スリップウェア好き 渋いのが似合う

母も父もうつわの扱いになれていて、食洗器も持っていないので、扱いやすいかは敏感になりすぎずに。贈りものなので、渡した時にぱっと華やかなのがいいなと、色と模様が特徴的なふたつを選びました。

家族でバラバラのお茶碗にするのか、ある程度デザインをそろえた方がいいのか、というのも悩みどころだと思います。私個人の感想としては、テイストの違ううつわでも料理やごはんが盛りつけられた状態で食卓に並ぶと、意外となじんでくれて、にぎやかな楽しいテーブルになるなと思いました。

不安な方は、柄違いで同じ形のものだとチャレンジしやすいかと思います。今回私は統一感を出したくて夫婦で同じ形のものを選んでみました。

条件全てを満たすうつわに出会うのはなかなか難しいことです。そんなときには、自分が何を一番大切にしたいか、優先順位をつけてみてください。

お気に入りのうつわは、食べる時間はもちろん、準備も片付けも含めた”食事”を少し豊かしてくれます。あなたにぴったりのお茶碗で、日々の食卓がより素敵なものになりますように。

<関連商品>
好日茶碗


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【あの人の贈りかた】相手や自分の出身地を、笑顔の頼りに(スタッフ村田)

贈りもの。どんな風に、何を選んでいますか?

誕生日や何かの記念に、またふとした時に気持ちを込めて。何かを贈りたいけれど、どんな視点で何を選ぶかは意外と迷うものです。

そんな悩みの助けになればと、中川政七商店ではたらくスタッフたちに、おすすめの贈りものを聞いてみました。

今回は広報担当の村田がお届けします。

出身地の工芸品を頼りに。「小さな工芸のピンブローチ」

贈り物を開けるときの、あのワクワク感。

期待はそのままに、そのうえでどんなものだと笑ってくれるだろう。
気持ちまでしっかり届けたくて、メッセージやさりげないイラストを添えることもしばしばです。

そんな風に、贈り物は相手の反応と、使っている姿を想像して選んでいます。

ちょこっとお礼がしたいけれど、まだしっかりと好みを把握できているわけではない。
そんな方には、相手の出身地を頼りに選びます。

「小さな工芸のピンブローチ」は、日本の工芸の技術や素材の魅力がぎゅっと凝縮されている小さなアクセサリー。衿元・胸元でさりげないアクセントとなるブローチで、どんなコーディネートにも合わせやすく、女性・男性問わず使っていただけると思います。

佐賀、大阪、三重、愛知、群馬など産地も様々で、お世話になった目上の方へ、相手の出身地の工芸をひとつ選んで贈ったところ、その技法の巧妙さや美しさに「なんだか出身地を“誇り”に思った」と連絡が来ました。それからは「背筋が伸びる気がするから」と、大事なお仕事の時には必ずつけてくださっているそう。

そんなお話に、私まで嬉しくなりました。

<贈りもの>
・中川政七商店「小さな工芸のピンブローチ」

自分も毎日癒されている、お気に入り。
「そろばん屋のほぐしローラー」

「そろばん屋のほぐしローラー」は、文字通りそろばん屋さんと作ったマッサージローラー。私自身も普段の生活に欠かせないもので、出張にも持っていくほど愛用しています。

もう、見た目が面白いですよね。インパクトのある佇まいに、クスッと笑ってもらえたら。そんな想いもあって選んでいます。

でも実はこちら、見た目だけでなく使ってみてこそ思わず表情が緩むアイテムなんです。

そろばん玉のコロコロとなめらかな動きがコリをほぐし、ヘッドや持ち手はツボ押しにも使えて、一本二役。小ぶりだけれど頼りになる存在で、なんといっても木製の質感がやさしく、1日の疲れを癒してくれます。

自分も愛用していて良さがわかるからこそ、気持ちものりやすいもの。

いつも頑張っている後輩に、ささやかながら応援を届けたい時。
毎日を元気に過ごしてほしい友人や身近な人に、想いを伝えたい時。
大切な人へお守りを渡すように贈っています。

<贈りもの>
・中川政七商店「そろばん屋のほぐしローラー」

家族で楽しんでもらえる「ご当地飲料」

取引先の企業さんや友人家族などへ、差し入れや季節のご挨拶を贈る場合には、全員が楽しめるように飲料を選ぶことが多くあります。

こだわりは、私の地元・奈良県のものを選ぶこと。

実は奈良県は清酒発祥の地といわれており、日本酒の蔵元も多くある他、最近はクラフトビールのブランドも増えてきています。

お酒を贈るのも定番なのですが、お子さまのいるご家庭でも楽しめるようにと、奈良県産の果物を使ったジュースのリサーチも欠かせません。

お気に入りは「古都華(ことか)サイダー」。古都華は奈良県生まれのいちごの品種で、その果汁が100%入った贅沢なサイダーはとても喜ばれます。そして「奈良のいちごはおいしい」と知っていただくことにより、「私の住む地域にはこんな飲み物があるよ」と逆に教えてもらうなど、気が付くとお互い地元トークに火がついて盛り上がるなんてことも。

贈り物からどんな会話ができそうか、そのあとの繋がりも大切にしたいですね。

<贈りもの>
・商品名:古都華サイダー
・販売サイト:https://nara-izumiya.co.jp/ ※奈良の酒屋さんのオンラインショップです

贈りかたを紹介した人:

中川政七商店 広報担当 村田あゆみ

【暮らすように、本を読む】#04『なずな』

自分を前に進めたいとき。ちょっと一息つきたいとき。冒険の世界へ出たいとき。新しいアイデアを閃きたいとき。暮らしのなかで出合うさまざまな気持ちを助ける存在として、本があります。

ふと手にした本が、自分の大きなきっかけになることもあれば、毎日のお守りになることもある。

長野県上田市に拠点を置き、オンラインでの本の買い取り・販売を中心に事業を展開する、「VALUE BOOKS(バリューブックス)」の北村有沙さんに、心地好い暮らしのお供になるような、本との出合いをお届けしてもらいます。


<お知らせ: 「本だった栞」をプレゼント>
先着50冊限定!ご紹介した書籍をVALUE BOOKSさんでご購入いただくと、同社がつくる「本だった栞」が同封されます。買い取れず、古紙になるはずだった本を再生してつくられた栞を、本と一緒にお楽しみください。詳細は、VALUE BOOKSさんのサイトをご覧ください。



小さな命を通して映す、やわらかな日常。
『なずな』

「なにかにつけて勝手気ままに生きてきた私が、自分のことを後回しに考えるようになって、まだそれほどの時は経っていない」。

40代独身、タウン誌の記者を務める菱山秀一のもとに、ある日突然、生後2か月の赤ん坊「なずな」がやってきます。両親である弟夫婦はともに長期入院中、唯一頼れる存在として選ばれたのが、叔父である秀一でした。

おむつを替え、ミルクをあげ、散歩へ連れ出す。はじめての育児に奮闘しながらも、かけがえのない時間を過ごします。

なずなへ向ける眼差しはいつも、愛おしさに溢れています。丁寧に髭を剃り、赤ん坊に頬擦りする場面では、やわらかい肌の心地やミルクの甘い香りまで漂ってくるようです。

親身になってくれる小児科の先生や看護師さん、理解のある同僚など、なずなを取り巻く人たちは、即席の家族となって、代わるがわるなずなの世話を焼きます。ささくれほどの棘もない、純粋な優しさに触れながら、わたしたち読者もご近所さんのように、または家族のような気分で、ふたりの成長から目が離せなくなっているのです。

育児を中心とした日常のなかで、たびたび登場するのが食事のシーン。入居するマンションの一階にあるバー「美津保」では、ママの作る鍋焼きうどんをおいしそうにすすり、育児の合間にバターと和辛子を塗ったサンドイッチをこしらえ、“震えながら”食べる。秀一の食べっぷりを目の当たりにするたび、冷蔵庫の扉に手がかかりそうになります。

ベビーカーに乗ったなずなを連れて歩きながら、主人公の世界は、狭まるどころか緩やかに広がっていく。そして、読み手の気持ちも外へ、外へと開かれていきます。

・・・・

本書を読み終えた時、足早になりがちな都会のリズムを手放して、ゆっくり街を歩きたくなった。いつもは通り過ぎていた喫茶店に入り、カレーを注文する。いつの間にか空腹になっていた体で、”震えながら”スプーンを口に運んだ。

ご紹介した本

・堀江敏幸 『なずな』

本が気になった方は、ぜひこちらで:
VALUE BOOKSサイト『なずな』

先着50冊限定!ご紹介した書籍をVALUE BOOKSさんでご購入いただくと、同社がつくる「本だった栞」が同封されます。買い取れず、古紙になるはずだった本を再生してつくられた栞を、本と一緒にお楽しみください。詳細は、VALUE BOOKSさんのサイトをご覧ください。

VALUE BOOKS
長野県上田市に拠点を構え、本の買取・販売を手がける書店。古紙になるはずだった本を活かした「本だったノート」の制作や、本の買取を通じて寄付を行える「チャリボン」など、本屋を軸としながらさまざまな活動を行っている。
https://www.valuebooks.jp/


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