【あの人が買ったメイドインニッポン】#37 著作家・山口周さんが“一生手放したくないもの”

こんにちは。
中川政七商店ラヂオの時間です。

ゲストは引き続き、著作家の山口周さん。今回は「一生手放したくないメイドインニッポン」についてのお話です。

それでは早速、聴いてみましょう。

[山口周さんの愛着トーク]
・一生手放したくないのは、「鉄工職人の田ケ原弘さんが作るステンドグラス」
・ギリシャ語で「ΙΧΘΥΣ(イクトゥス)」と書かれている
・光があたると、空間を浄化するような美しさ
・家に置くもので気を付けているのは、全体の調和
・物として素敵かどうか以上に、家にある物と仲良くなれるかどうか
・心地好い暮らしは、身の丈に合ってること
・言葉を変えて言うと、心地好さと規律のバランスが取れていること

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山口周さんが一生手放したくないメイドインニッポン

山口周さんが“一生手放したくない”メイドインニッポンは、「鉄工職人の田ケ原弘さんが作るステンドグラス」でした。


ゲストプロフィール

山口周

1970年東京生まれ。電通、ボストン・コンサルティング・グループ、コーン・フェリー等で企業戦略策定、文化政策立案、組織開発等に従事した後に独立。現在、株式会社ライプニッツ代表、世界経済フォーラムGlobal Future Councilメンバーなどの他、複数企業の社外取締役、戦略・組織アドバイザーを務める。中川政七商店の社外取締役も務める。
著書に『ビジネスの未来』『ニュータイプの時代』『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』『武器になる哲学』『クリティカル・ビジネス・パラダイム』など。


MCプロフィール

高倉泰

中川政七商店 ディレクター。
日本各地のつくり手との商品開発・販売・プロモーションに携わる。産地支援事業 合同展示会 大日本市を担当。
古いモノや世界の民芸品が好きで、奈良町で築150年の古民家を改築し、 妻と二人の子どもと暮らす。
山形県出身。日本酒ナビゲーター認定。風呂好き。ほとけ部主催。
最近買ってよかったものは「沖縄の抱瓶」。


番組へのご感想をお寄せください

番組をご視聴いただきありがとうございました。
番組のご感想やゲストに出演してほしい方、皆さまの暮らしの中のこだわりや想いなど、ご自由にご感想をお寄せください。
皆さまからのお便りをお待ちしております。

次回予告

次回も引き続き、著作家の山口周さんにお話いただきます。6/7(金)にお会いしましょう。お楽しみに。

中川政七商店ラヂオのエピソード一覧はこちら

奈良・吉野の山歩き。森と林業の現在を知る【奈良の草木研究】

工芸は風土と人が作るもの。中川政七商店では工芸を、そう定義しています。

風土とはつまり、産地の豊かな自然そのもの。例えば土や木、水、空気。工芸はその土地の風土を生かしてうまれてきました。

手仕事の技と豊かな資源を守ることが、工芸を未来に残し伝えることに繋がる。やわらかな質感や産地の景色を思わせる佇まい、心が旅するようなその土地ならではの色や香りが、100年先にもありますように。そんな願いを持って、私たちは日々、日本各地の作り手さんとものを作り、届けています。

このたび中川政七商店では新たなパートナーとして、全国の里山に眠る多様な可食植物を蒐集し、「食」を手がかりに日本の森や林業に新たな価値を創出する、日本草木研究所さんとともにとある商品を作ることになりました。

日本の森にまなざしを向ける日本草木研究所と、工芸にまなざしを向ける中川政七商店。日本草木研究所さんの取り組みは、工芸を未来へ繋ぐことでもあります。

両者が新商品の素材として注目したのは、中川政七商店創業の地である奈良の草木。この「奈良の草木研究」連載では、日本草木研究所さんと奈良の草木を探究し、商品開発を進める様子を、発売まで月に1回程度ご紹介できればと思います。

連載3回目となる今回のテーマは「奈良の山探究」。日本草木研究所さんと中川政七商店スタッフが奈良・吉野エリアの山に分け入り、林業の現在や奈良の森が持つ課題、そこで育つ草木について学んできました。



吉野の山の特徴

日本一の多雨地域とされる紀伊半島の、ほぼ中央に位置する吉野の森。森林面積は79,223haと広く、そのうち民有林(※国有林以外の森林)が97%ほどを占めるといいます。雨によって豊かな森が育まれてきたこの地域では、木々の根が土の急激な動きを抑えることで災害を防止してきたとともに、豊かな土壌が育まれてきました。そこで育つ杉やヒノキは多くの方がご存じのとおり、「吉野杉」「吉野桧」と呼ばれるブランド木材として建材などに重宝されています。

その歴史は古く、実は日本最古の人工林とされるのが吉野の森。特徴の一つである密植多間伐の育林方法で育てられた木は、大阪城や伏見桃山城など、関西圏域を中心とした神社仏閣の普請材として使われてきました。

「法隆寺のような昔の神社仏閣は基本的には天然林で造られてるんですよ。見てもらったらわかるけど、天然林ってすごく年輪が細かい。あれはいろんな時間を経て最後まで残った強い木なんです。それで、人工の木で同じくらいの強度のものをつくろうとしたのが吉野の森というわけやね。

吉野では木と木の間隔を密にして植えていく“密植”をするんです。こうすると陽が入らないので枝が横に伸びずに、上に伸びていく。他にも若いうちに木の枝を切る“枝打ち”をして、横へ木が伸びていくことをさらに防ぎます。そうすると細かくて均一した年輪ができるんですよ」

そう話すのは今回、山の案内人としてお世話になった中井章太さん。吉野の山の管理をする山守(やまもり)であるとともに、今は吉野町の町長も務めておられます。

中井さん:

「吉野杉や吉野桧の良さは何と言っても品質やね。さっきもお話しした通り、吉野の木は年輪が均一で幅が狭いから強度があるんです。吉野杉って実は、昔から醸造の樽材として重宝されてきたんですよ。密度が高いから酒漏れをおこさないし、他にも木の香りや色艶に優れているのも選ばれてきた理由の一つです。この品質の高さには土壌の良さも影響しているやろうね」

そうして吉野で生まれた育林方法はその後日本各地や海外にまで広がり、今では全国の林業に採用されているそう。日本の森の礎を築いたともいえる山の今に、ますます興味が募ります。

さあ、いざ森へ。

林業関係の仕事に従事されている皆さまにもサポートに加わっていただき、中川政七商店スタッフ6人と日本草木研究所の代表・古谷さんに、中井さんが山守として管理されている山をご案内いただきました。

山と生きてきた人の営みを感じる

取材に入ったのは小雨が降る初春のとある日。雨粒の不規則なリズムと川の音が耳に心地よく響きます。見上げれば、吉野の美林。木々のたくましさに、自然への畏敬の念を抱かずにはいられません。湿気をはらんだ風が頬をなで、自分が森に包み込まれるような、不思議な感覚が身体にしみこんできました。

中井さん:

「ここの山の土はふっくらしてるでしょ。だから滑りにくいんですよ。僕はこの山の7代目の山守で、山の所有者である山主とは別にその家から山の管理を任されてる、いわば山のお世話をする立場やね。

昔は我々の先祖が山奥に住んでて、吉野の地域には山守がたくさんいたんですよ。山主と山守が一緒になって山を守ってきたのが吉野の特徴です。その制度が300年ほど前から続いてたんやけど、今はこういう時代になってきて、地方の人が減っていくと同時に山守も減ってきています。だからこれからの課題は、今まで受け継がれてきた山をどうやって次の世代に繋いでいくかやね。

僕が中学生の頃は村の半分くらいが山行き(やまいき。山で仕事をする人のこと)さんで、歩いてたら仕事してはるところに出会うのが日常やった。そうやって山の仕事を見てきたんやけど、今はもうその景色もないからね。

そういう理由で今日見てもらう山は荒れてる場所もあるんやけど、荒れているところも含めて吉野の山の特徴を知ってもらえたら嬉しいです」

中井さんのお話に耳をすませながら、一歩ずつ土を踏みしめ、濃く茂る木々の隙間を息をきらして歩きます。ふかふかとした土の踏み心地が足裏に心地よく、土壌がよく育っているのが伝わってきました。

歩いていくと、山と生きてきた人々の息遣いがそこここに。

枝打ちされ、下部がすっきりとした木々、

苔むした切り株、

夏の下草刈りの際、休憩するために使用したという山小屋。

全てを飲み込む大きな自然のなかに人の営みが小さく宿ります。私たちが普段何気なく消費している、木を原料とする数々の“もの”は、悠久の歴史が育んだ自然とそこから積み上げられた人の技があってのことだと改めて深い感謝の気持ちを抱きました。

中井さん:

「この山には杉もヒノキも生えてるんやけど、育つ場所はその場所の持つ特性によってちょっと違うんです。山の上のほうは風が強いんやけど、中腹から下は風が弱くて土壌も良くなる。ヒノキは風に強いから尾根の方に植えて、土壌がいい中腹は杉とヒノキが混合してます。下の方は杉やね。

ちなみに皆さん、杉とヒノキの見分けはつきますか?葉っぱを見たら分かりやすいけど幹だけやとちょっと難しいよね。木肌を見てもらったら違いが分かるんですよ。荒いのがヒノキです」

左が杉、右がヒノキ

知っているようで知らない、自分たちの暮らしを支える草木のこと。一つひとつ丁寧に教えてくださる中井さんや皆さまのもと、土に足を沈め、木肌をなで、葉をちぎって香りをかぎながら、1時間ほどかけて山を歩きました。

奈良の森を学ぶ

山道を歩き終えた後は、中井さんに改めて吉野の森と林業についてお話を伺います。

中井さん:

「最盛期は集落のうち半分くらいが林業従事者やったんですけど、今は一つの集落に3人とか。日本全体でも、漁業従事者数が13万人くらいなのに対して、林業従事者数は4.5万人ほどと言われてます。第一次産業のなかでも特に少ないのが林業従事者やね。

山守も少なくなってきて、今は一人あたり150から200haくらいを見とるんですよ。でも現実的には(そんな広範囲を)世話できひんよね。山守の他に、どれだけ仕事師(=山の仕事をする人)さんがいるかも山の循環に関わります。

あとは、昔やったら山の間伐と植林の仕事のどちらもしてたんやけど、今の林業は間伐がメインになってて。それも危惧していることの一つです。木の蓄積量が増えてきてまずは間伐せなあかんから、新しく林業に就く人は『伐る』っていう概念からしか山に関われへんのです。

植林をして草刈りをして、そして伐採してっていうサイクルができる山がほんまに減ってきた。そうやって伐ることばかりになってしまうと、木のありがたみとか怖さが感じられにくくなるんちゃうかなって思うんですよ」

育てることなく、“商品”としての最後の工程だけに携わる。そのことで林業の楽しさも、木への愛情も減ってしまうと中井さんは懸念します。加えて目下の課題は、林業に興味を持つ人自体が減少していること。中井さんのお話にもあった通り、日本では国土の約7割を森林が占めるにも拘らず、その仕事に就く人の数は他の第一次産業よりも圧倒的に少なく、また想像に違わず高齢化も進んでいます。

そこで新たに取り組み始めていると話すのが、今回のように吉野の森林の散策ツアーを催すこと。山行きたちが案内人となり、木々を素材にモノやサービスを作る方、一般の方と共に吉野の山に入る機会も設けているようです。

「今は町長としての職務を果たさなければならないので、以前のように多くはできひんのですけど、課題感を持って山のツアーなどをやってきました。

山について知る機会が少ないと、当たり前やけど山への関心も低くなってしまいますよね。ただ、山に一回でも入ったら、言葉にしがたい気持ちを受け取れて興味も高まると思うんですよ。そうやって新しく関わってくれる人たちが、林業の課題に何か新しいアイデアを発見してくれるかもしれへん、と思ってね。

でもやっぱり企画力とか上手に案内する力とか、僕たちに足りてへん部分もあると思うんです。だから森や林業に興味を持ってくれるきっかけとして、今回の商品みたいな新しい機会があるのは嬉しいですね」

深い緑と森の香りに包まれる心地よさ。湿った土が足裏を受け止めてくれる安心感。心に滞った澱に風が抜けるような、静謐な時間。私たちがそこで受け取れるものは、決して物質的なものだけではありません。その形のないものを、今回の商品からも受け取っていただけたなら。吉野の山歩きを通じ、私たちは改めてそんな想いを抱いたのでした。

森の魅力を詰め込んだ品が心穏やかに過ごす時間のお供となり、森を繋ぐ一つの機会となるようにと、プロジェクトは引き続き歩みを進めてまいります。


<次回記事のお知らせ>

中川政七商店と日本草木研究所のコラボレーション商品は、2024年の夏頃発売予定。「奈良の草木研究」連載では、発売までの様子をお届けします。
次回のテーマは「草木を守り、繋ぐ人」。商品に使用予定の草木を守り、そして繋ぐ活動をする2つの事業者にお話を伺います。ぜひお楽しみに。

<短期連載「奈良の草木研究」>

文:谷尻純子
写真:奥山晴日

【くらしの景色をつくる布】#3 CIRCUS・鈴木善雄さん引田舞さん

皆さんは暮らしを飾るインテリアを、どんなふうに選んでいますか?

いわゆる賃貸のマンションに住んでいると、間取りや壁紙などの躯体はそんなに代わり映えがしません。かく言う我が家も賃貸マンション住まいです。
暮らしを飾る物を上手に取り入れることで、もっと自分らしい心地好い空間をつくっていきたい。個人的にもそう思っていた折に発売したのが、インテリアコレクション「くらしの工藝布」。使い手次第でさまざまな取り入れ方が膨らむ表情豊かな布たちは、暮らしを飾るのにぴったりのアイテムです。
この人の家で使ってるところを見てみたい!と思った方にお声がけして、実際に使ってみていただきました。

鈴木善雄さん、引田舞さんご夫妻

今回訪ねたのは、店舗の内装設計やディレクションを行い、古今東西の古道具や作家作品の買い付けもするユニット「CIRCUS(サーカス)」の鈴木善雄さん、引田舞さん。東京・新木場にあるショップ、カフェ、スタジオなどが集まった複合施設「CASICA」のディレクションだけでなく、渋谷PARCO内のショップ「Archives」を運営したり、子ども服ブランド「tapis」を手がけるなど、幅広く活動されています。

キッチンの壁面

家族4人で暮らす家の玄関を開けると、大きなダイニングテーブルと、キッチンの壁面にずらりと並ぶ棚の数々が目に入ります。キッチンの壁面に設置された古家具は、家をリノベーションした際に、自分達でパズルのように組み合わせていったそうです。

そんな古今東西のものが入り混じる空間で、「くらしの工藝布」を取り入れていただきました。取り入れていただいたのは、こちらのラインナップです。

手刺しのタペストリー(曲尺)M
滝織の多様布 本藍染 濃藍

壁を飾るハードルを下げてくれる「手刺しのタペストリー」

「壁面って何もないと寂しいけど、絵を飾るのは少しハードルがあるじゃないですか。
単純に高額ですし、僕は飽きっぽいので、この値段をかけて飽きちゃったらどうしようっていうためらいもあります。でも布であれば、ぐるぐるローテーションさせやすいですよね。
それこそ手刺しのタペストリーは主張が強いわけでもないし、壁面を飾るハードルを下げてくれると思います」(鈴木さん)

壁面に合わせて、吊り方を変えられるよう真鍮のバーが2種類と紐が同封されている

「具象のモチーフではなく模様になっているのも、家の中になじみやすいですよね。
それに、このタペストリーは、壁に掛ける際の仕様もきちんと考えて作られているので、その点でも取り入れやすいと思います」(引田さん)

布だからこそ、さまざまに使える「滝織の多様布」

「滝織の多様布は、ソファの横にくるくるっと丸めて置いておくだけで、ちょっと雰囲気を変えてくれます。見せたくないものの上にぱさっと掛けて、隠すのにもいいですよね。
他にも、防寒のためではなくて、なにか体に掛けたい時ってありません?生地がやわらかくて適度に重みがあるので、そういう時にもいいと思います」(鈴木さん)

「これからの時期は子ども達がお布団を掛けてくれないので、子どもが寝る時にもよさそうです。爆睡してても掛けた瞬間蹴っちゃうのですが、お腹にはなにか掛けておきたくて。お布団より通気性もいいし、子どもに掛けるのにちょうどいいサイズだと思います」(引田さん)

「テレビを見ない時に掛けておくのもいいですね。テレビって埃がすごく目立ちやすいじゃないですか。そういえば実家でもテレビには布を掛けていて、試しにかけてみたら我が家のテレビにはぴったりでした」(引田さん)

経年変化して味わいが出るものを、大切に長く使う

「自宅に取り入れるものも、CASICAで扱うものも、幅の違いはありますが、基本的な考え方は一緒です。すぐだめになってしまったり、経年変化が愉しめないようなものはなるべく置きたくないなと思っています。やっぱり古いものを扱っているので、経年変化して味わいがどんどん出てくるようなものを取り入れたいですね」(鈴木さん)

ものを大切にというのは、伝え手としても大切にしていて、暮らしの道具は長く愛用してもらえるよう、自分達が使っていいと思ったものを販売している

「基本的に手仕事のものが好きなんですよね。買う時の値段は少し高くなるかもしれないけど、長い年月使えばいいと思っていて。手仕事のものの方が、なんかやっぱり飽きないんです。
10年後20年後に、趣味は変わっているかもしれないけど、ベースの軸は変わらないと思うんですよね。何年経っても手仕事は好きだろうなと思います。
くらしの工藝布も、そういった工芸品ならではの魅力をもっていますよね」(鈴木さん)

未来のアンティークを育てるために、今のものづくりを大切に

「それに、古いものを扱うからこそ、現行のものづくりを大切にしないといけないとも思っています。
CASICAを始めた頃に、『古いものだけでいいのに、なんで新しいものを扱うんですか』って聞かれたことがあるんですけど…
僕らがいいなと思う古いものって、作られた当時は新しい工芸品だったわけじゃないですか。時間が経ってアンティークになっていったものなので、今度は僕らが新しいものを守らなければ、未来のアンティークは生まれないですよね。
過去のものが好きだからこそ、未来のアンティークを育てないといけない。そのためには、現行のすばらしい産業を維持しないといけないし、そこに対して敬意をもたないといけないとも思っています」(鈴木さん)

「くらしの工藝布でテーマにされていた裂織や刺し子の技術も、放っておいたら失われてしまうかもしれない。ちゃんと作る人がいて、産業を守っていくのは大事なことだと思うので、こういう取り組みは必要なことだなと思います。
もしかしたら、100年後に誰かが競り落としてるかもしれないですよね。『オールド中川』って呼ばれて売られているかもしれない。なんかそういうことを想像するのも面白いなと思います」(鈴木さん)


<掲載商品>
手刺しのタペストリー(曲尺)M
滝織の多様布 本藍染 濃藍


鈴木善雄さん、引田舞さん

アートディレクションやブランディング、古家具の卸、商品セレクト、ギャラリー企画などを行うユニット「CIRCUS」を主宰。
東京・新木場の「CASICA」や子供服「tapis」のディレクションに加え、「TAKIBI BAKERY」や渋谷PARCO 4Fにある「Archives」も手がけている。

そんなお二人のまなざしで選ばれたものが気になった方は、ぜひ下記の店舗に足を運んでみてください。

CASICA
東京・新木場で展開する、ショップやカフェ、ギャラリーなどがある複合施設。ショップでは、時代や価格、国や民族にとらわれず、ものの魅力を再考し再構築している。
今年4月には食料品庫「CASICA PANTRY」も新設された。

Archives

渋谷PARCOの4階で展開するショップ。博物館のバックヤードをコンセプトとし、膨大なストックの一部と思考回路を覗くようなアーカイヴが積み上げられている。


<関連特集>

<関連記事>
くらしの景色をつくる布

文:上田恵理子
写真:田ノ岡宏明

【わたしの好きなもの】2&9 しめつけないフットカバー

「フットカバーのよくある悩み」を解決してくれました

パンツにスニーカーで、足首を出したファッションが楽しみたい季節。

世の中にはたくさんのフットカバーがありますが、これぞというフットカバーにまだ出会っていないなら、心からおすすめしたいのが、「しめつけないフットカバー」です。

足に合わないフットカバーしか持っていなかったときは、靴の中で脱げるので何度もかかとに引っ掛け直したり、ゴムがきついと、脱げはしなくても、むくみの出てくる夕方には足に食い込んで痛々しい跡が残っていました。はくときはいつも、「仕方なし」。玄関を出た瞬間から脱げたりして、一日中ストレス・・・。

「しめつけないフットカバー」は、そんなストレスを全部なくしてくれた、救世主のような商品です。

しめつけないフットカバーDip Marble / グレー

中はパイル地で、肌ざわりがすごくいいので、はくとふかふか。生地が肉厚でクッション性も高いので、家の中ではいているとスリッパをはいているような感触です。

クッション性が高いことで、一番いいなと思ったのが、底の薄い靴をはくとき。
ダンスシューズをはくときに、薄いフットカバーだと地面の硬さがそのまま足に伝わって、すぐに足が疲れていました。

それが、このフットカバーをはくと、一日中地面の硬さから足を守ってくれてとっても快適なんです。これがあるおかげで、自然とダンスシューズの出番も増えているように思います。

しめつけないフットカバー / ブラック

商品名で、「しめつけない」とうたっている通り、ゴムでしめつけるのではなく生地全体でホールドしてくれるので、しめつけ感はまったくありません。かかとの内側の滑り止めのゴムもいい働きをしてくれて、靴の中で脱げてしまうこともなくなりました。

しめつけないフットカバーMarble / ネイビー

これからの季節、スニーカーやサンダルと合わせるのにずっと重宝すること間違いなし。同じ悩みを持っておられる方、ぜひお試しください。

<掲載商品>
しめつけないフットカバー

担当編集者 森下

【あの人が買ったメイドインニッポン】#36 著作家・山口周さんが“ついつい買ってしまうもの”

こんにちは。
中川政七商店ラヂオの時間です。

ゲストは引き続き、著作家の山口周さん。今回は、「ついつい買ってしまうメイドインニッポン」についてのお話です。

それでは早速、聴いてみましょう。

[山口周さんの愛着トーク]
・目に心地の好いもの、人の叡智を感じるものが心を豊かにしてくれる
・ついつい買ってしまうのは、「古いぐい吞みや薩摩切子のグラス」
・際限がないので、月に1つまでと決めて購入している
・生活の中で使える、手で愛でることができるのが魅力
・目で見ても美しく、手にもった質感や重量感、口あたりの違いを愉しめる
・古くから残っているものは、時代の風雪に削られない強度がある
・人類がずっと受け継いできた文化は、人が幸せになるのに必要なこと

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山口周さんがついつい買ってしまうメイドインニッポン

山口周さんが“ついつい買ってしまう”メイドインニッポンは、「古いぐい吞みや薩摩切子のグラス」でした。


ゲストプロフィール

山口周

1970年東京生まれ。電通、ボストン・コンサルティング・グループ、コーン・フェリー等で企業戦略策定、文化政策立案、組織開発等に従事した後に独立。現在、株式会社ライプニッツ代表、世界経済フォーラムGlobal Future Councilメンバーなどの他、複数企業の社外取締役、戦略・組織アドバイザーを務める。中川政七商店の社外取締役も務める。
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番組をご視聴いただきありがとうございました。
番組のご感想やゲストに出演してほしい方、皆さまの暮らしの中のこだわりや想いなど、ご自由にご感想をお寄せください。
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次回も引き続き、著作家の山口周さんにお話いただきます。5/31(金)にお会いしましょう。お楽しみに。

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【暮らすように、本を読む】#11「丁寧に暮らしている暇はないけれど。」

自分を前に進めたいとき。ちょっと一息つきたいとき。冒険の世界へ出たいとき。新しいアイデアを閃きたいとき。暮らしのなかで出会うさまざまな気持ちを助ける存在として、本があります。

ふと手にした本が、自分の大きなきっかけになることもあれば、毎日のお守りになることもある。

長野県上田市に拠点を置き、オンラインでの本の買い取り・販売を中心に事業を展開する、「VALUE BOOKS(バリューブックス)」の北村有沙さんに、心地好い暮らしのお供になるような、本との出会いをお届けしてもらいます。

<お知らせ: 「本だった栞」をプレゼント>

先着50冊限定!ご紹介した書籍をVALUE BOOKSさんでご購入いただくと、同社がつくる「本だった栞」が同封されます。買い取れず、古紙になるはずだった本を再生してつくられた栞を、本と一緒にお楽しみください。詳細は、VALUE BOOKSさんのサイトをご覧ください。



忙しくても、ズボラでも。無理せず整う暮らしのコツ。

『暮らしのおへそ』(主婦と生活社)をはじめ、フリーの編集者・ライターとして、さまざまな女性誌や書籍を手がける一田憲子さん。これまで取材先で出会った人やその暮らしから持ち帰ったアイデアを、自分なりに咀嚼して暮らしに落とし込むことで、時間をかけずに豊かに過ごすコツを見つけてこられました。本書では、その具体的な方法や考え方を、愛用する日用品と共に衣食住のそれぞれのシーンごとに紹介しています。

「丁寧な暮らし」という言葉を耳にする機会も増え、手間暇かけて育む豊かな生活に憧れを持つ人は少なくないことでしょう。私もその一人です。しかし、ズボラな自分にそれを叶えるのは到底無理だと諦めていました。

著者もまた忙しい日々を送り、掃除も片付けも苦手な「面倒くさがり」であると語ります。「同時進行で二つのことをするのが苦手」「疲れがたまってくると、次々に毎日やることのシャッター閉まっていく」など、人間味溢れる一面はどれも私の身にも覚えのあるものばかり。丁寧に暮らす暇はない、「それでも」、心地よく過ごすため、ほんの少しの時間でも日々工夫を繰り返す。何より励まされるのは、できないことは認めながらも自分にフィットする暮らしを見つける、そのプロセスを楽しんでいること。

ゴミ捨てついでにゴミ箱の中まで拭く。洋服は畳まず吊るし、下着は引き出しに投げ込むだけ。キッチンクロスは洗わず10分火にかける。忙しい日こそ揚げ物をつくる。

なにげない工夫から思いがけないことまで。ズボラだからこそ、日常のルーティンのなかに「ついでの掃除」を組み込んだり、行動パターンに沿った「収納場所」をつくるのだそう。それでも気分がのらない時は、無理せず自分を休めるのも大事だとも。「これならできるかも」と思える気軽なアイデアを、一つ二つと実践していくうち、ズボラでも自然と暮らしが整う仕組みになっているのが、本書のすごいところ。

なるべく頑張りたくないけど、健やかに、自分らしく暮らしを楽しみたい。そんなわがままを叶えてくれる一冊です。

ご紹介した本

一田憲子『丁寧に暮らしている暇はないけれど。』

本が気になった方は、ぜひこちらで:
VALUE BOOKSサイト『丁寧に暮らしている暇はないけれど。』

先着50冊限定!ご紹介した書籍をVALUE BOOKSさんでご購入いただくと、同社がつくる「本だった栞」が同封されます。買い取れず、古紙になるはずだった本を再生してつくられた栞を、本と一緒にお楽しみください。詳細は、VALUE BOOKSさんのサイトをご覧ください。

VALUE BOOKS

長野県上田市に拠点を構え、本の買取・販売を手がける書店。古紙になるはずだった本を活かした「本だったノート」の制作や、本の買取を通じて寄付を行える「チャリボン」など、本屋を軸としながらさまざまな活動を行っている。
https://www.valuebooks.jp

文:北村有沙

1992年、石川県生まれ。
ライフスタイル誌『nice things.』の編集者を経て、長野県上田市の本屋バリューブックスで働きながらライターとしても活動する。
暮らしや食、本に関する記事を執筆。趣味はお酒とラジオ。保護猫2匹と暮らしている。