【わたしの好きなもの】蒸留和酒「浄酎」ボンボン

「カリッ、じゅわ」お正月にぴったり。本格的なお酒入りの贅沢なボンボン

私はお酒が大好き!とまではいかないのですが、晩ごはんのメニューに合わせてお酒を嗜む日もしばしばあります。

今日はイカのお刺身があまりにも美味しそうで買っちゃったから日本酒を飲もうとか、仕事頑張ったし餃子もカリカリに焼けたからビールをグラスに注ごうとか、休日にお猪口サイズのグラスでウイスキーを味わいながら読書をしよう…という日もあったり。

そんな、ほどよくお酒好きな私が、なんだこれは美味しい!と感動した、大人向けのお菓子をご紹介します。

その名は、『蒸留和酒「浄酎」ボンボン』。
中にお酒が入った、大人のための飴です。

「ボンボン」と聞くと、チョコレートのウイスキーボンボンを思い浮かべる方が多いのでは。

冬になると、お酒入りのチョコレートがコンビニエンスストアに並び出しますが、実はボンボンは、砂糖の殻で、お酒やアーモンドなどが包まれたお菓子を指します。

この『蒸留和酒「浄酎」ボンボン』もチョコレートではなく、小さな砂糖の殻にお酒が閉じ込められています。

ある日、職場のスタッフからお酒が好きなら一度はこのボンボンを食べてみた方がいいよ、と勧められたので早速買ってみました。

仕事から帰って4歳の娘に見つからないように(何食べてるの?と手に持つお菓子を必ず奪われるので)、こっそりソファの影で一粒食べてみました。

「カリッ」「じゅわ」

砂糖の殻をカリッとかじったその瞬間、じゅわっと今までにないお酒の味わいが口中に広がりました。
まるで日本酒の良いところをぎゅっと凝縮させたような、香り豊かな味わい。

「カリッ」と「じゅわ」の二段階で迫る食感。それに加えて、砂糖の優しい甘さとお酒が絶妙にマッチ。

これは、大人のご褒美のお菓子…!

なんでこんなに美味しいのだろうか。
商品担当に聞いてみたところ、中身のお酒と、砂糖の殻に秘密がありました。

まず、お酒の味わいの正体は、広島でつくられている蒸留和酒「浄酎(じょうちゅう)」です。
「浄酎」とは、有機米を使った日本酒を低温蒸留して生まれた、日本酒でも焼酎でもない、第三の和酒のこと。

簡単に言うと、選び抜かれた日本酒を「低温浄溜」という技術で、水分以外のアルコール分などを抽出し、日本酒が持つ香りや甘みをギュッと凝縮させています。つまり、日本酒の良いとこ取りをした贅沢なお酒。

なるほど、納得。そりゃ美味しいはずです。

左から、「浄酎 白紙垂」「浄酎 金紙垂」「琥珀浄酎 黒紙垂」

その手間ひま掛けてつくられる「浄酎」のラインナップの中から、「浄酎 白紙垂」「浄酎 金紙垂」「琥珀浄酎 黒紙垂」の3つが、ボンボンの中に贅沢にも入っています。

ひと箱にそれぞれのボンボンが7個入っていて、全部で21個。
せっかくなので、ちょっとしかお酒を飲まない妻や、お酒好き仲間の職場の人にも食べてもらいました。

それぞれのボンボンの特徴と、味わった感想を紹介しますね。

【浄酎 白紙垂】

透き通るような白さのボンボン。
日本酒の華やかな香りや甘みをそのまま凝縮。濃いけど優しい、不思議な味わいです。
「浄酎」のなかでもスタンダードなものなので、まずはこれから味わってみてください。僕が最初に口にしたのもこちらです。

  • クセも少なく、あっさりとした味わい
  • 日本酒よりも米感がす少なく、すっきりと甘い
  • 妻曰く、「甘みがあるので、普段あまりお酒を飲まないけどこれなら食べられる」

【浄酎 金紙垂】

ほんのり黄色を帯びたボンボン。
「浄酎 白紙垂」をアメリカンホワイトオーク樽で1年以上熟成。樽由来の香ばしさが特徴です。鼻に抜ける香りはウイスキーに近い香ばしさ、そして口中に優しい 甘さが広がります。

  • とろみが強いため、バニラのような甘味を強く感じる
  • 甘みと香ばしさがマッチ
  • 芳醇な香りで贅沢な余韻を味わえる

【琥珀浄酎 黒紙垂】

黄色を帯びたボンボン。
「浄酎 白紙垂」に瀬戸内で無農薬栽培されたミカドレモンの皮で香りづけ、そしてアメリカンホワイトオーク樽で熟成させたもの。
お酒が好きな方にとっては、これが一番満足感があると思います。僕はウイスキーもレモンも好きなので、これが一番好みでした。

  • 口に入れてからほどなく、爽やかにレモンが香る
  • ウイスキーのような芳醇さで一番強く重厚感があり、余韻が長く残る
  • お酒の余韻が残るので、一粒でも満足感がある



とにかく、それぞれ個性があっておもしろい!
お酒好きの方には、ひとつずつ味わっていただきたいです。

琥珀色が強まっていくにつれて重厚感が増していくので、白から順番に味わっていくのがおすすめ。

お酒は嫌いではないけど少々弱い妻曰く、「“浄酎 白紙垂” が一番食べやすかった。たしかに最初はがつんと日本酒を感じるけど、噛んでいくうちに、口の中で砂糖と日本酒本来の甘さが合わさって、贅沢なお菓子だと感じた。これなら食べられる!」とのことでした。

そして次に、砂糖の殻。

この砂糖の殻の甘さと食感が「浄酎」に絶妙にマッチして、大人のお菓子に仕上がっています。

製造は、東京荒川区で100年以上続く老舗飴屋の、ムラマツ製菓さん。

職人が、ひとつひとつ手作業で作っているのですが、実はなんと、このボンボンの原材料は、砂糖と中身の「浄酎」だけ!
こだわったシンプルな素材を、熟練の職人さんが手間ひまかけて、ひとつずつ作っています。

殻は見た目も透き通っていてとても綺麗。
本当に砂糖だけで作っているのか?と思えるほどです。

最初は、カリッ。あとはシャリシャリざくざくと噛む。
噛むほどに砂糖と「浄酎」が合わさっていき、ついついあともう一個…と、手を伸ばしてしまうほど美味しいのです…。

私のなかでは、友人に勧めたい美味しいお菓子ランキングの上位に食い込みました。

これからの季節、年末年始に友人と久々に会ったり、親戚の集まりでお酒を飲む機会が増えますよね。

そんな集まりや帰省などの手土産に、『蒸留和酒「浄酎」ボンボン』がぴったりだと思います。

友人や家族で味比べをして好みの味を見つけてみたり、利き酒ならぬ利きボンボンも楽しそうです。

お酒が苦手なスタッフ曰く、「お正月でお酒を飲んでわいわい楽しむ人が羨ましかったけど、このボンボンなら1個でもその気分に浸れそう」とのこと。

子どもが寝静まった後、夜のゆったり読書タイムのお供にもちょうどよかったです。みんなでわいわい食べるのも良いですが、ひとりでゆったり香りや甘さを味わうのもいいものです。

ボンボンは紅茶との相性が良いのですが、中川政七商店で扱っている「番茶」との相性も抜群。

特に「雑穀と薪火の香り 茶の木番茶」か、「すっきり爽やか 青柳番茶」のペアリングがおすすめです。

「茶の木番茶」は、番茶自体のスモーキーな香りがボンボンに合わさって、贅沢な余韻を生み出します。

「青柳番茶」と合わせると、爽やかな香りとさっぱりとした味わいで後味すっきり。

飲み物とのペアリングによって、さらに味わいの幅が広がるので、ぜひ番茶とのペアリングも楽しんでみてください。


この年末、お正月を楽しむために私はまたこのボンボンをリピートします。笑
そして、本家の「浄酎」のお酒も探して注文してみようと思いました。

ぜひこのお正月に、大人のための贅沢なボンボンをみなさんで味わってください。


※こちらの『蒸留和酒「浄酎」ボンボン』には、リキュールが含まれております。小さなお子様や妊娠中の方、アルコール制限を受けている方はご注意ください。


<掲載商品>
蒸留和酒「浄酎」ボンボン
番茶 小袋 雑穀と薪火の香り 茶の木番茶 ティーバッグ3包入
・番茶 小袋 すっきり爽やか 青柳番茶 ティーバッグ3包入

編集担当
森田

【わたしの好きなもの】THE のインナーとスウェット

THEのインナーとスウェットのコンビで、あたたかい着こなしを

本当にこれがインナー?
「THE MONSTER SPECⓇ WARM WEAR」を初めて手に取ったときは、正直そう感じました。

「THE MONSTER SPECⓇ」とは、THEの製品群の中でも、オーバースペックと言えるほど充実した仕様のブランドのことです。
かっこいいフォントで「THE MONSTER SPECⓇ」と印刷された、こだわりを感じる真っ黒の箱から取り出したとき、あれ、ニットを買ったっけ?と思いました。それほど想像よりもインナーの生地が肉厚だったのです。

シャツの下に着たらごわごわしそうだな…
でも、触ってみるとふわふわでとても気持ちがいい。確かにこれならあたたかそう。
不安と期待が入り混じりながらも、早速インナーを着てみることに・・・。

おおっ!意外とごわごわしない…!身体が優しくふわふわっと包まれるような、今まで味わったことのない着心地でした。

そして、あたたかさも想像以上でした。
特性の異なる3種類の素材が重ね合わさった生地で、

①1層目:熱を閉じ込める「ダンロンⓇ」
②2層目:暖かい空気を留める「収縮加工ナイロン」
③3層目:寒さから身を守る「ラムウール」

となっており、①体温の熱を閉じ込め、②その熱をしっかり保温し、③外気の寒い空気を寄せ付けないというまさに充実の仕様が施され、究極のあたたかさを実現しています。

でも肉厚なら重ね着をし過ぎると少し窮屈になるのでは…?と思いますよね。いえいえ、このインナーがあれば重ね着の必要がなくなります。

例えば、このインナーとTHEの「THE Sweat Pullover Hoodie」を組み合わせただけで、一番寒い今の時期に、天気がいい日の日中は外でも上着いらずで過ごせます。ちょっとそこまでの買い物なら、わざわざ上着を羽織る必要がありません。

空気が冷え込む朝晩なら、インナーダウンのような薄手の上着を羽織ればOK。
温かい室内なら汗ばむほど。袖まくりをしたくなるくらいで、体感としては暖房要らずで過ごせます。

THE Sweatシリーズも品質が良くて少し肉厚のスウェット生地。僕はこのインナーとスウェットの組み合わせが「究極のあたたかい着こなし」だと発見してしまいました。

身長:約174cm 体重:65kg
WARM WEAR:Mサイズ Pullover Hoodie:XLサイズ

冬の朝、凍てつく空気の中での犬の散歩や、暖房があまり効いていないスーパーでのお買い物など、様々な場面で大いに役に立ってくれています。

体調を崩さないようにするには、身体を冷やさないことが大切だと聞きます。自分のためにこのインナーを買うこともおすすめしますが、身近な大切な人への贈りものにもきっと喜ばれると思います。

僕の親は寒い冬でもせっせと畑仕事に精を出していて、いつもおいしい大根やほうれん草など新鮮な野菜をわけてくれています。その感謝の気持ちを込めて、寒さで体調を崩さないようにと、この圧倒的な暖かさのインナーを贈ろうと思っています。

<掲載商品>
THE MONSTER SPEC WARM WEAR
THE SWEATER V-neck
THE Sweat Pullover Hoodie

編集担当
森田

【わたしの好きなもの】食洗機で洗える、木製のカトラリーシリーズ

食洗機対応でありながら、木目が美しい食の道具

数年前、引っ越しを機に導入した食洗機。
今となっては、家事を助けてくれる欠かせないものとなりました。
でもひとつ残念なのは、木製の食の道具が扱えないこと。

新しいうつわやスプーンを買うとき、「木目が美しく温かみがあって、子どもも安心して使える木製の食器が欲しいなぁ…。」と思っていても結局「食洗機で洗えないよな」と選択肢から外すことになり、悲しい思いをしてきました。

もちろん、ほかにも薄いグラスやアルミの鍋など、食洗機不可なものは我が家にもたくさんあります。
同じように手で洗えばいいだけの話ではあるのですが、やっぱり毎日使う道具だし、なにより食洗機をわざわざ導入したのだから、できれば対応したものがいい…。

と、そんな悩みを抱えていたところに朗報が。
食洗機に対応した木製のカトラリー「食洗機で洗えるシリーズ」が登場したのです。

このシリーズ、先に言ってしまいますが、食洗機が自宅にない方にもおすすめ。なぜかというと、食洗機にも耐えうるコーティングが施されているので、丈夫で扱いやすいからです。

中川政七商店の定番品として、ロングセラーの「食洗機で洗える漆器シリーズ」があります。
こちらも機能的で美しい佇まいなのですが、個人的に木目がはっきりとした食器が好きで、待ち望んでいました。

そんな夢を叶えてくれた「食洗機で洗えるシリーズ」の中から、愛用している道具をひとつひとつ紹介します。

食洗機で洗えるお椀 ハンノキ

まずは、「食洗機で洗えるお椀 ハンノキ」から。
木目がはっきりと見えます。こんなに木目が美しいのに、食洗機対応可能とは、なんとも驚きです。
手に取ってみると、つるんとさらさらな手触り。

そもそも、なぜ食洗機に木製のものがだめなのかというと、高温のお湯で洗い、最後には高温の風で乾燥を行う、木にとって非常に過酷な洗浄環境だからです。

最悪の場合ひび割れてしまう恐れがあります。

一方でこちらのお椀は、食洗機洗浄に強い塗料を施しています。
厚塗りになると天然木の表情を損なうため、耐久性と風合いのどちらも妥協せず、ふたつが共存するバランスでつくられています。

さらに、うれしいひと工夫が。(僕の一番の推しポイントです!)

食洗機の悩みのひとつとして、うつわの凹凸に水がたまり、乾燥しきれずに残ることが挙げられます。

水だけでなく、たまに汚れも残っていたりしてとてつもなくストレスだったのですが、このお椀の高台の内側には浅く曲面に削るという工夫がされており、水がたまりにくいのです!

ただ曲面にしただけではなく、持ち心地にもこだわって削られているため、持った時、手に馴染むような感覚があります。

木は熱伝導が低い性質なので、ごはんを楽しんでいるとき、最後まで汁ものがあたたかいのもうれしいですね。

良いことばかりで、汁ものを口にするたび、なんだか嬉しくなります。

ごはんを食べ終わった後、食洗機にうつわを裏返して並べたときも、曲線の美しさにほれぼれしながら「今日も嬉しい気持ちにしてくれてありがとう」と、心の中で言ってしまいます。

食洗機で洗える木のスプーン

左:食洗機で洗える木のスプーン スープ用
右:食洗機で洗える木のスプーン 小

続いてスプーン。
我が家では、「食洗機で洗える木のスプーン 小」「食洗機で洗える木のスプーン スープ用」をお迎えしました。
こちらは、何度も拭き漆を薄く塗り上げ、木目の表情を活かしながらさらに食洗機に強い仕上げのコーティングを施しています。

スプーンは、主に朝食に使用しています。

最近シリアルが好きな子どもにこの「小」を渡してみたところ、喜んで使ってくれました。3歳児にもちゃんと扱えるちょうどいいサイズです。

大人は「スープ用」を使っています。
女性には少し大きく感じるサイズかもしれませんが、シリアルはもちろんあたたかいスープを飲むときも、深さがあるのでたっぷりすくうことができます。

柄の部分は、横から見ると半円の形をしています。
この形状が、手に気持ちよくフィット。
なので、「スープ用」はメインで使うのはもちろんのこと、晩ご飯時のおかずのとりわけ用としても使い勝手が良く、使用頻度が高めです。

食洗機で洗える木箸

続いてお箸。
こちらもスプーン同様、拭き漆とコーティングで仕上げています。

実は、食洗機対応のお箸を探す旅が一番難航していました。木目の風合いが美しく、すっきりとした形状で食洗機対応のものがなかなか見つからなかったためです。

こちらのお箸は、八角の形状をしていて、箸先にかけてしゅっと細くなっています。
これにより持ちやすさは確保しながら、おかずを口に運んだ時に口の中での箸の存在感があまりなく、味わうことに専念できます。
お豆もすいっとはさみやすく扱いやすいです。

もともと木のお箸には熱や水に弱いという弱点があるのですが、食洗機対応のコーディングをすることによってその弱点を解決。
なので、食洗機を使用されない方にもぜひ使っていただきたいです!

経年変化について

左:新品
右:愛用品(2022年10月~2023年1月頃まで使用)
際の部分が少し剥げてきています。

最後に、食洗機対応とはいえあくまでも天然木でつくられていますので、経年変化や個性はつきもの。
我が家では、2~3ヶ月でこんな感じになりました。
食洗機で「高温モード」を使うことが多かったため、少しダメージがあったようです。
子どももガリガリとスプーン自体を嚙んでいたようで、木が剥げてしまったところも…。

でも、もともと木製は食洗機にはかけられませんから、それを思うとじゅうぶん耐えてくれているように思えます。(本当にありがとうという気持ちでいっぱいです…。)

左:新品
右:愛用品(2022年10月~2023年1月頃まで使用)
こちらも少し剥げてきています。

節があったり木目が詰まっていたり、少し赤みを帯びていたり、個性があるのも良いなと思える魅力のひとつ。
子どもがその違いをわかっているのかどうかはわかりませんが、今日はこれ!とわざわざ木目を見て食器を選んでいる姿も微笑ましいです。

特にお箸は、1本1本それぞれ個性があります。
それゆえ、組み合わせによっては違和感を感じてしまうかもしれません。でも、同じ木材でもここまで個性があるのは、これはこれで面白みを感じます。やっぱり天然の木は生き物だなと。


食洗機対応だから、丈夫で長く愛用できる「食洗機で洗えるシリーズ」。
実はこのほかにも中川政七商店では、漆器のつややかな風合いのもの、手塗りによる刷毛目を活かしたものなどの食洗機対応のシリーズはたくさんあります。

それぞれにしか持ち合わせない個性や良さがありますので、ぜひ、自分のお好みのものを見つけて、食卓にお迎えください。

編集担当 森田



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物語が生まれるピアスと心の旅をして「山から福がおりてくる ine/ピアス」

日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。

塩足 月和子

語り手:塩足 月和子

直営店店長を経て、日本全国の工芸品をお届けする展示会「大日本市」の担当に。 工芸だけでなくアートも好きで、休日は美術館やギャラリー巡りを楽しんでいます。 旅好きでもあり、冬には必ず雪国に行って温泉と日本酒を楽しんでます。

ブランド:山から福がおりてくる
推しの逸品:ine /ピアス

山形の残すべき文化や伝承、そこに農家や職人の紐づく手業。それは「山形のラグジュアリー」

「モノ」を見たり、「モノ」に触れたりすることで、自分の心の中に「物語」が生まれることがあります。

それが意思とは無関係であればあるほど、言葉と離れたものであればあるほど、わたしは「モノ」に出会った喜びを感じます。自分の内側にある、言葉で表現しきれない大切な何かが、「モノ」に触れることで引き出されるからです。

「ineピアス」
それは私にとってまさに「物語」を生む「モノ」との出会いでした。
初めて手に取ったとき、わたしのなかに眠っている風景が呼び覚まされて、いろんな湿度の光を感じました。
朝日を浴びて半透明になった木々の中の、湿り気のある光。風で揺らぐ草の上で、影とともに絵を描く光。ある島で干されていた大根を黄金色に染める、夕日の光。

展示会で出会ったバイヤーさんは、「ineピアス」をみて、自分の生まれ育った新潟の土地の匂いや、根源的な風景に結びついたという体験を話してくださいました。

そこでふと、和辻哲郎さんの「偶像再興」という著作にある一文を思い出しました。

“心と心を触れ合わせるには言葉だけに頼ることはできぬ。言葉は不完全なものである。”

“思うことを単純に言い現わしたつもりでも相手がまるで違った方向に刺激を受けることは珍しくない。触れ合おうとする心はいつまでも言葉の奥に縮こまっていて、中心を離れた枝葉の問題の上に、いら立たしい神経と我執とを衝突させるのである。”

“しかしこの不完全な言葉を使っても心が何のこだわりもなく素直に向こうへ通ずることもある。時にはその言葉の必要さえもない。”

わたしはそのバイヤーさんと同じ風景をみたことはないけれど、語られた体験から私は私の中にある風景を、語られなかった風景を新たに描くことができ、「言葉の奥に縮こまっていた触れ合おうとする心」や「不完全な言葉を使っても心が何のこだわりもなく素直に向こうへ通ずる」体験を「モノ」が導き出してくれた、その感覚はとても貴重なものだと嬉しく思いました。

山形県産の無農薬栽培で育てられた稲を100%使用した、自然からできた耳飾り「ineピアス」。
「稲でできた珍しいピアス」という外側の情報に捕らわれない個々の物語が生まれ、「モノ」を介して人と繋がる。そんな余白と奥行きを感じます。

同じ「ineピアス」を見ながら、語りながら、お互いに心の中に異なる風景を見て、異なる物語を生んでいる。けれど、「モノ」を通じて心を通わせることができた。その体験は、とても豊かで幸せな時間だなと思いました。

その昔、農家は育てた稲の藁などを使用して、生活に必要な道具を自分たちで作っていた中で、ただ作っていただけでなく、生活や季節ごとの環境に合わせた工夫を重ね、その中で遊び心や、お洒落も取り入れた色々な道具を生み出していたそうです。
(※山から福がおりてくるさんHPより抜粋)

そんな作り手さんたちの中にも個々の物語があると思うと、「ineピアス」を通じてそれぞれの心の中に生まれた物語を旅してみたくなります。

「ineピアス」を手に取ったみなさまの心のなかには、どんな物語が生まれるでしょうか?物語を身に着けて、大切な誰かと「モノ」を通じた心の旅に出れる素敵な逸品です。

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松山 千恵

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わざわざエプロンを着るという動作は、どちらかというと家事のスイッチを入れるためのイメージでした。
しかし、このエプロンを見たときは、これを着たいから家事しようかなと思わせるデザインでした。
可愛いというより、こなれた感が出る雰囲気に一目惚れ。

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着た際に、軽いという印象でした。エプロンをつけると肩周りが気になるという方も多いのでは。。腰紐でしっかり着用できることもあり、肩や首が疲れない印象です。

そしてなんといっても、横に大きく入っているスリット!
これのおかげで、窮屈感がなく足さばきがとてもいいんです。家事で歩き回る際に、まとわりつく感じがなくて動きやすい!!
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ついついエプロンで手を拭くことがあると思いますが、ポケットの横にはループがついているので、手を拭くタオルや、ふきんなどを掛けておくことができるのが便利なんです。

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