「草木っておいしいの?」日本の“可食植物”座談会【奈良の草木研究】

工芸は風土と人が作るもの。中川政七商店では工芸を、そう定義しています。

風土とはつまり、産地の豊かな自然そのもの。例えば土や木、水、空気。工芸はその土地の風土を生かしてうまれてきました。

手仕事の技と豊かな資源を守ることが、工芸を未来に残し伝えることに繋がる。やわらかな質感や産地の景色を思わせる佇まい、心が旅するようなその土地ならではの色や香りが、100年先にもありますように。そんな願いを持って、私たちは日々、日本各地の作り手さんとものを作り、届けています。

このたび中川政七商店では新たなパートナーとして、全国の里山に眠る多様な可食植物を蒐集し、「食」を手がかりに日本の森や林業に新たな価値を創出する、日本草木研究所さんとともにとある商品を作ることになりました。

日本の森にまなざしを向ける日本草木研究所と、工芸にまなざしを向ける中川政七商店。日本草木研究所さんの取り組みは、工芸を未来へ繋ぐことでもあります。

両者が新商品の素材として注目したのは、中川政七商店創業の地である奈良の草木。この「奈良の草木研究」連載では、日本草木研究所さんと奈良の草木を探究し、商品開発を進める様子を、発売まで月に1回程度ご紹介できればと思います。

連載2回目となる今回のテーマは「草木っておいしいの?」。草木“素人”の中川政七商店 編集チーム・上田と白石が、日本草木研究所代表の古谷さんに、草木を食べることについての素朴な疑問をいろいろとぶつけてみました。



普段の暮らしで食べている“日本の草木”

中川政七商店 上田(以下、上田):

今日はよろしくお願いします。座談会のテーマが「草木っておいしいの?」ということで、まずは自分の経験で普段から食べている日本の森の草木を振り返ってみたんですけど、山菜をのぞけば山椒とか桜の花とかくらいで。

日本草木研究所 古谷さん(以下、古谷):

そうですよね、普通はそうだと思います(笑)。山椒は、スパイス類をほぼ輸入している日本が唯一、世界に輸出しているスパイスです。日本草木研究所は山椒のように日常的に食べられる「ネクスト山椒」を探しているといっていいかもしれません。

日本の森のなかって実は、和スパイスや和ハーブといえる食べられる草木が色々あるのに、今は全然知られていません。私たちはそれを多くの方に届けて、日本の森の価値をもっと上げたり、林業従事者の新たな仕事になったりしたらいいなと考えて活動をしています。

日本草木研究所 代表 古谷知華さん

上田:

「日本の草木を食べる」って面白いなとは思うんですけど、具体的に日本の草木ならではの良さってあるのでしょうか?

古谷:

例えば日本のスパイスって和食に合うんですよ。西洋のハーブを和食に加えると、スパイスのパンチが強くて西洋の料理っぽくなりがちなんですけど、和ハーブや和スパイスだと和食に入れても和食のままなんです。和食ならではのやさしい味とかだしの風味が引き立つというか。

上田:

確かに「気候や風土が近い食材は合う」って、普段の自分の暮らしからもイメージできますね。

中川政七商店 上田

中川政七商店 白石(以下、白石):

最近、我が家では草木でお茶を作ることにチャレンジしてます。使うのは松の葉とかねこじゃらしとか。子どもがSNSで見たのがきっかけで作ってみたんですけど、飲んでいると「こんな味あるんだ」とか「こんなすっきり飲めるんだ」とか、意外な発見がたくさんあって面白いですね。

古谷:

そうですよね。草木をそのまま乾燥するだけなのか炒って使うのかでもお茶の味は全然違って、炒るとよりおいしくなると思います。そうやって「食べられないと思っていたけど実はおいしい植物」ってたくさんあって、それを知ったときの皆さんの反応をいつも嬉しく思いながら拝見してるんです。

上田:

偶然なんですけど私も最近、雑草茶に興味があって。去年、弊社の新商品お披露目イベントの企画としてイベント来場者にお茶を振る舞う機会があったんです。そこでは普通のお茶を出すんじゃなくて、雑草をお茶にして飲んだり振る舞ったりしている方に来ていただいて、そのときの商品と関連するエリアである東北の山に育った雑草をお茶にしてもらいました。

それからすごく雑草茶に興味が出て、今年は山に雑草を採りにいきたいなと思ってるんですけど(笑)、そもそも「食べられる・食べられない」ってどうやって見分けてるんですか?

古谷:

何の変哲もない答えで申し訳ないんですけど、味です(笑)。毒があるかないかは足きりラインで、そこからは積極的に食べたいかどうかですね。森に入って、とにかくちぎっては食べを繰り返してます。

あと、例えば香りは良くても繊維質なものは食べにくいとか、そういった「食品としての食べやすさ」は、食べられるかどうかの基準になるとは思います。

白石:

そのまま食べる場合も、調理して食べる場合もあると思うんですけど、定番の調理法ってあるのでしょうか?それぞれの植物ごとに合う調理法についてはどのように探られてるんでしょう。

中川政七商店 白石

古谷:

基本的な調理法は乾燥、塩漬け、発酵、蒸留ですね。例えば、香りはいいけど食べたら苦いヒノキのような植物は、香りだけを抽出したいから蒸留することが多いです。あとは木の実のように普通に食べられるものは乾燥させたり発酵させてみたりして、そのまま食べる選択肢をとることが多いですね。でも、全然難しいことじゃないんですよ。私が特殊な舌を持っているのではなくて、たぶん皆さんも食べてみたら分かると思います。

味も香りも豊かな、日本の森に育つ植物

上田:

今日は目の前にいろいろな日本の草木をご用意いただいてますね。食べてみてもいいですか?

古谷:

ぜひ!食べてみてください。これは沖縄に生えている日本の胡椒。コショウ科コショウ属の植物で、噛んでいくと後からピリッと辛みがきます。

白石:

コショウ科コショウ属。呪文みたいで楽しいですね(笑)。確かにじわじわ辛みが来ます。お酒のアテにも良さそう。

上田:

うん、おいしい。‥‥あっ、辛いです(笑)。

沖縄で採れる日本の胡椒「沖縄胡椒」

古谷:

こっちは本州に生えている胡椒を塩漬けしたもので、さっきの胡椒と違って全然辛みがないんです。日本には二種類の胡椒があって、それがいまご説明した二つ。本州に生えている方は一般的に知られている胡椒の形に近いんですけど、お伝えした通りまったく辛くなくて。だから使われてこなかったのかなと思います。見た目は私たちが知っている胡椒に近いのに、味は違う。面白いですよね。

本州で採れる日本の胡椒「フウトウカズラ」

古谷:

これはアオモリトドマツという青森に生えている木で、「木を食用品にしても面白そうだ」と思ったきっかけになった植物です。ベリーみたいないい香りが特徴で。

上田:

ほんとだ、甘いですね。じゃあ森に行くとベリーの香りがするんですか?

古谷:

乾燥しないとこの香りにはならなくて、最初はかぼすのにおいなんですよ。そこから変化してこの香りになっていくんです。

古谷:

こちらは日本版のシナモンの葉っぱ。だいぶスパイスっぽい香りがすると思います。甘さはあんまりないかな。うちではいま日本のスパイスで作るカレー粉を開発してるんですけど、それにたくさん入れています。あと、こっちはヨモギの花。どこかで香ったことがあるような、海外のハーブっぽい香りがしますよ。

白石:

確かにどこか記憶にある香りですね。よく知ってるヨモギの香りじゃなくて、ハーブ感が強い。

古谷:

これはアブラチャンというクロモジの仲間の実なんですけど、レモングラスみたいな香りなのでトムヤムクンを思い出すかも。

上田:

あぁ~!わかります、おいしそうなにおい。植物の味って、香りで想像できるものですか?

古谷:

それが難しいんですよね。香りと味って全然違っていて、いい香りがしていても食べたら苦い植物もあります。反対に香りも味も良いものもあるし、それがどうしてなのかはわからないんですよ。だから食べてみないとわからなくって、結局、非科学的な説明しかできないんです(笑)。

上田:

今まで食べたなかで一番おいしかった植物は何ですか?

古谷:

選ぶのが難しいですけど、さっきご紹介した沖縄の胡椒かな。ちなみに沖縄の胡椒は、粉末の状態では少しだけ国内で流通しているんですけど、生の状態のままご提供しているのは今のところうちだけだと思います。刻んでオイルパスタに入れたり、ポテトサラダに混ぜたり、いわゆる胡椒の代替として使えますよ。

これまで食べた草木は「100種類ほど」

上田:

これまでにだいたいどのくらいの種類の草木を試されたんですか?

古谷:

どのくらいだろう‥‥。食べようと思って試したのは、100種類くらいかもしれないです。
もちろん植物の種類はもっとたくさんありますが、いい香りのしない植物がすごく多くて。基本的に森のなかに入るとひたすらちぎりながら歩いてるんですけど、だいたいはよくある青い葉っぱの香りで、「なにこれ!」みたいな驚きの香りのものはなかなかないんですよ。

ただ、一つの植物でも花と葉と実では別の香りがするので、一種類から5つの香りがとれることもあります。例えばクロモジは葉の香りがよく知られていますが、3月の後半に咲く花からは杏子と鉄観音茶みたいな香りがして、すごくいい香りなんです。そんな風に、植物って時期によって香りが違って本当に奥深いんですよ。

上田:

日本草木研究所さんが出されている商品には、どんな草木が使われてるのでしょう。

古谷:

先ほどご紹介したカレー粉だと、柑橘系の強い香りが特徴のキハダの実や、シナモンの葉っぱ、あとは月桃も入ってますね。この「草木塩」だとアブラチャンの実の皮とヨモギの花、青りんごやバジルのような香りがする杉の新芽、他には月桃の葉に柚子の皮、山椒の葉も入ってます。

ちなみに草木塩はステーキに添えるとお肉の脂をさっと流してくれて、すごく合うんですよ。ヨモギの苦みとか、柚子や山椒の爽やかさがいい仕事をしてくれます。

白石:

「草木を食べる」と言われたらちょっと驚いちゃいますけど、古谷さんの説明を一つひとつ聞いているとおいしそうだし、身近に感じました。わりと身近なヨモギでも、葉と花で味に違いがあるなど、知れば知るほど興味がわきますね。

古谷:

嬉しいです!ちなみに、実は今まで日本草木研究所ではヨモギをあえて取り扱ってこなかったんですよ。意外性が少ないから、自分たちの取り扱い対象じゃないかなって。でもヨモギについて掘り下げていくと「これは扱わないと」と思うようになり、最近使い始めました。

ヨモギって、思っている以上に日本人の暮らしに密接な植物なんです。殺菌効果があるので、昔は山仕事をしていた人がケガをするとヨモギの葉をちぎって消毒したり、水がない場所ではヨモギをこすって手を洗ったりしたそうで。あと、沖縄では豚肉と一緒に煮込んでくさみをとったり、本州でもお酒と一緒に漬け込んで消毒液を作ったりされてきました。

そんな風に私たちの暮らしのすぐそばにあったのに、最近ではヨモギ餅くらいでしか食べないですよね。なんかおいしくないイメージもあるじゃないですか。でも摘み立てのヨモギってオレンジとローズマリーを合わせたすごくいい香りがするんですよ。

私たちにとって身近だけどポテンシャルが失われているような草木も、日本草木研究所で扱う意義があるなと思うようになって、最近はまっとうに使われてきた植物に、もう一回焦点をあてるようなこともしたいと思ってます。

白石:

今さらそもそものところを伺うんですけど、日本草木研究所さんが言う「草木」は、山や森に生えている植物全部のことを指すんでしょうか?

古谷:

そうですね、山の恵みすべてを対象にしています。ただ、個人的には山菜やたんぽぽのような既に食べられてきたものよりも、今まで食べられてこなかったけど、実は西洋ハーブやスパイスの「代替ができるもの」に興味があって。例えばクミンの代わりになる植物とか。

日本のスパイスの味ってさりげなくてやわらかいので、海外産のハーブより食べたときのインパクトは弱いものが多いんですけど、それらをかけ合わせることですごくおいしい調味料ができたりするんです。だからまずは、皆さんが使っているスパイスやハーブを日本原料のものに代えることに挑戦していけたらなって思ってますね。

上田:

確かに「おいしい」の感覚って、知っている味からの方が想像しやすいというか、受け入れやすいかもしれないです。興味がわきやすいのかな。

古谷:

わかります。まったく新しい植物だと食文化として広めていくのがすごく大変なので、代替の提案でまずは知っていただけたらなと思いますね。

白石:

ちなみに草木を食べることに、林業従事者の方や山主さんはどんな反応ですか?

古谷:

最初は「そんなことするの?」って反応ですね(笑)。でもご一緒しているのは新しい取り組みを応援してくださったり、期待をかけてくださったりする方々ばかりなので、皆さん面白がっていろいろ教えてくださいます。

奈良の草木の特徴

白石:

地域の気象条件や気候によって、育つ草木はわかるものですか?

古谷:

そうですね、わかるものもあります。でも実は本州って7割がた植生が一緒なんですよ。だから例えば奈良と山陰地方でもあまり変わらなくて。そのなかで暖かい場所に生える草木があったり、山のなかに育っているものがあったりといった感じです。

上田:

今回ご一緒する商品では、奈良の草木を使っていただく予定ですよね。奈良ならではの草木の特徴はあるのでしょうか?

古谷:

天然で生えているかはさておき、柑橘類のキハダと橘が奈良にはたくさん生えていますよね。キハダは実は、漢方にも使われるような植物です。もともと日本で多く使っていたのはアイヌ民族と言われていて、アイヌの人たちは煮込んで使っていたそうです。食べるとすごく苦いんですけど、煮込み続けると急に甘くなる瞬間があるんですよ。栄養価が豊富なので、彼らの生活に欠かせなかったと聞きました。

それらの木々って今はもう全国的にあまり見ないんですけど、奈良には今もたくさん育っています。奈良って薬草の産地で、漢方が昔から作られてきたじゃないですか。だから、キハダの実や橘も昔から育てられたり漢方に使われたりしていたといわれてます。

カレー粉やクラフトコーラに隠し味的に入れるといい苦みを出してくれるんですよ。

奈良で育てられている大和橘(橘の別名)の実

上田:

大和橘といえば、日本最古の柑橘ともいわれますよね。準絶滅危惧種になってしまいましたが、奈良でその復活を目指して育てられている取り組みも耳にします。今回の商品にも入るのかな?楽しみです!

古谷:

「日本の草木を食べる」という言葉を聞くとびっくりされてしまうかもしれませんが、日本の森には味も香りも豊かな植物がたくさん眠っています。それらを伝えることが、森の価値を上げることにもなるし、皆さんと日本の森の距離がもっと近づくきっかけになるかもしれません。ぜひ興味を持つ機会になるような商品を作っていけたらと思います!


<次回記事のお知らせ>

中川政七商店と日本草木研究所のコラボレーション商品は、2024年の夏頃発売予定。「奈良の草木研究」連載では、発売までの様子をお届けします。

次回のテーマは「奈良の山探究」。日本草木研究所さんと中川政七商店スタッフが奈良・吉野エリアの山に分け入り、林業の現在や奈良の森が持つ課題、そこで育つ草木について学んできました。ぜひお楽しみに。

<短期連載「奈良の草木研究」>

文:谷尻純子
写真:奥山晴日

【イベントレポート】「職人さんを囲む食事会」~越前和紙「YURAGU」長田泉さん~

日本の各地で作られ続けている工芸の品々。

それらのものづくりを担う職人さんたちは、日頃どんなことを考えているのでしょうか。

実際に各工芸の現場を訪れて話をすると、そのこだわりに驚かされたり、新しい視点に気付かされたり、刺激を受けることがたくさんあります。

どのようにして技術を磨いてきたのか。風土や素材に対する想い。作り手から見た産地や工芸の特徴。なぜ職人を志したのか。

なるほど!と感動することもあれば、親近感を覚えるような場面もあり、気付けばそれまで以上に工芸や職人さんを好きになっている。そんな素敵な経験を、中川政七商店や「さんち商店街」のお客様にもぜひシェアしていきたい。その第一歩として、「職人さんを囲む食事会」イベントを開催しました。

■「職人さんを囲む食事会」~越前和紙「YURAGU」長田泉さん~

記念すべき一回目のゲストは、さんち商店街でも人気を博している越前和紙のアクセサリーブランド「YURAGU」を手がける長田泉さん。和紙の一大産地、福井県越前市で手漉き和紙づくりを続ける長田製紙所の5代目です。

長田製紙所 長田泉さん

会の前半は長田さんのトークセッション。越前和紙の歴史や特徴、長田製紙所やご自身の仕事のこと、YURAGU開発の経緯など、さまざまな内容を語っていただきました。

「この中で紙漉きを体験したことがある方はいらっしゃいますか?」

この問いかけに半数近くの手が上がるほど、和紙や工芸への関心が高い方々が集まった今回のイベント。

紙漉きの具体的な工程の話や、楮(こうぞ)・トロロアオイといった原料の話など、一般的には少しマニアックすぎるかも、といった内容にも、皆さん興味津々です。

和紙と聞くと、一般的には便箋だったり書道の半紙だったり、手元で使う小さなものをイメージするかもしれませんが、長田製紙所が得意とするのは部屋を仕切る襖(ふすま)に使用する襖紙。

最大で2×3mという非常に大きなサイズの紙を漉いているという説明に、和紙好きの方々も驚きを隠せません。

長田製紙所の工房の様子

「とても大きな紙なので、基本的に二人で漉いています」

そう話しながら、実際の写真や動画を交えて説明する長田さん。

ミリ単位の厚みを調整しながら均一に和紙を仕上げていくために、決まったマニュアルなどは存在せず、経験からくる「勘」が必要とのこと。その途方もない繊細さに会場からはため息が漏れていました。

■愛用品の物語を、作り手から聞く体験

その後もトークセッションは続き、和紙好きの皆さんに囲まれて、長田さんの話ぶりも徐々に熱を帯びていきます。

「和紙作りには、紙を漉いている場面以外にも本当にたくさんの工程があるんです!

原料を釜で煮て、ゴミを取って、繊維をほぐして、細かくして。色を付ける場合は染色もします。模様の付け方も様々で………

もっと詳しく喋ってもいいですか?(笑)」

和紙を愛するあまり、話がとめどなく溢れてくる長田さん。とにかく和紙が好きで、その素晴らしさをもっともっと伝えて、広めていきたい、という気持ちが伝わってきます。

長田さんの熱に打たれて会場も盛り上がる中、2023年に立ち上げたアクセサリーブランド「YURAGU」の話題へ。

「無地の襖紙だけを作っていたところから、曾祖父が柄ものを始め、祖母はバッグや雑貨づくりに挑戦し、父も新たな和紙作りを研究してきました。

『誰も作っていない紙をどんどんやろう!』という社風なんですよね。

そんな中で私自身、もっと気軽に和紙を使ってもらいたくて始めたのが『YURAGU』です。余剰の紙や原料を活用したい想いもありました。

砂や珈琲を練り込んだ紙を使ってみたり、色々な挑戦をしながら、凄く楽しんで作っています」

実際にYURAGUを愛用中の参加者も多く、深くうなづきながら話に聞き入っている様子が印象的でした。作り手からものづくりの背景の話を聞くことでより一層愛着が湧く、そんな体験になっていたように思います。

途中、長田さんが持参した新色や新商品の回覧もあり、「かわいい!」「素敵!!」といった声があちこちから聞こえてきました。

■好きなもので、作り手と使い手が繋がる場

トークセッションの後は質疑と懇談の時間。

和やかな雰囲気で会が進行する中で緊張もほぐれたのか、本当にたくさんの質問が投げかけられていました。

「和紙の需要について」

「海外で作られる紙との違い」

「家業を継ごうと決めたタイミング」

「世界に和紙を売っていく可能性」

「和紙の耐久性について」

専門的な質問も多く、その一つひとつにしっかりと答えていく長田さん。

質問も止まらなければ、それに答える長田さんも止まりません。

気付けばあっという間に予定の時間となり、名残を惜しみつつ閉会となりました。

作り手の想いを直接聞くことで、工芸やものづくりを更に好きになる。そんな特別な体験を届けたくて開催した今回のイベント。

その一方で、使い手に想いをぶつけることで、作り手側のモチベーションや自信が高まる機会にもなり得る。和紙という“好きなもの”で繋がった空間だからこそ、作り手・使い手、双方でポジティブな影響を与え合うことができる。そんな可能性を強く感じたイベントとなりました。

今後もさまざまな作り手さんと共に、プログラムなど工夫をしながら継続的に実施していければと考えています。

※さんち商店街「YURAGU」ブランドページはこちら※

【あの人が買ったメイドインニッポン】#32 プロダクトデザイナー・柴田文江さんが“最近買ったもの”

こんにちは。
中川政七商店ラヂオの時間です。

今回からゲストは、プロダクトデザイナーの柴田文江さん。初回は、「最近買ったメイドインニッポン」についてのお話です。

それでは早速、聴いてみましょう。

[柴田文江さんの愛着トーク]
・最近買ったのは、自宅用に買ったダイニングデーブル
・木の存在感によって暮らしの雰囲気が変わった
・気持ちいいから、仕事もここでやるように
・理屈ではなく、感動した時に物を買うようにしている
・買わない後悔はあるけれど、買って後悔したことはない
・感動させようと思って作らないけれど、丁寧に作っている

ラヂオは7つのプラットフォームで配信しています。
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柴田文江さんが最近買ったメイドインニッポン

柴田文江さんが“最近買った”メイドインニッポンは、「浅村家具製作所の桜のダイニングテーブル」でした。

企画展「design by Fumie Shibata」を開催中

5/6まで、東京・丸の内のコンランショップで、「design by Fumie Shibata」を開催中。
柴田文江さんがデザインした物だけでなく、どんな風に考えてデザインしたかを知れるまたとない機会です。

柴田文江さんと作った商品①琺瑯の手しごと容器

柴田文江さんと作った「琺瑯の手しごと容器」を5月中旬から発売します。梅干しや漬物を漬けたり、味噌を作ったり、さまざまな手仕事に活躍します。
琺瑯の手しごと容器で作る大粒梅の梅干しセット」は、ただいま予約受付中です。

柴田文江さんと作った商品②かきまぜやすい琺瑯のぬか漬け容器

こちらは昨年発売した「かきまぜやすい琺瑯のぬか漬け容器」。時に”柴田アール”とも呼ばれる柔らかい曲線を描いた丸角の形状が特徴です。 和洋を問わず、どんなキッチンにも馴染む、自然な佇まいをもった容器になっています。

柴田文江さんと作った商品③吹きガラスの保存瓶

こちらは、旬の果実酒づくりに活躍する「吹きガラスの保存瓶」。食材が時間をかけて育っていく過程を最大限に楽しむべく、あえて出して飾っておきたくなるような佇まいの保存瓶です。


ゲストプロフィール

柴田文江

武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業後、大手家電メーカーを経てDesign Studio S設立。エレクトロニクス商品から日用雑貨、医療機器、ホテルのトータルディレクションなど、国内外のメーカーとのプロジェクトを進行中。iF金賞(ドイツ)、red dot design award、毎日デザイン賞、Gマーク金賞、アジアデザイン賞大賞・文化特別賞・金賞などの受賞歴がある。武蔵野美術大学教授、2018-2019年度グッドデザイン賞審査委員長を務める。著書『あるカタチの内側にある、もうひとつのカタチ』。


MCプロフィール

高倉泰

中川政七商店 ディレクター。
日本各地のつくり手との商品開発・販売・プロモーションに携わる。産地支援事業 合同展示会 大日本市を担当。
古いモノや世界の民芸品が好きで、奈良町で築150年の古民家を改築し、 妻と二人の子どもと暮らす。
山形県出身。日本酒ナビゲーター認定。風呂好き。ほとけ部主催。
最近買ってよかったものは「沖縄の抱瓶」。


番組へのご感想をお寄せください

番組をご視聴いただきありがとうございました。
番組のご感想やゲストに出演してほしい方、皆さまの暮らしの中のこだわりや想いなど、ご自由にご感想をお寄せください。
皆さまからのお便りをお待ちしております。

次回予告

次回も引き続き、プロダクトデザイナーの柴田文江さんにお話を聞いていきます。5/3(金)にお会いしましょう。お楽しみに。

中川政七商店ラヂオのエピソード一覧はこちら

涼しく着られる夏の生地「高島ちぢみ」シリーズをリニューアル

今年も夏がすぐそこに迫ってきました。年々暑さが増す日々にまだ涼しい時期から戦々恐々としてしまいますが、心強いアイテムを迎えることでちょっとだけ、そんな暑さを楽しみにしていたりする自分もいます。

最近はいろいろな知恵の詰まった便利グッズがありますよね。新しい商品を手に取るたびに、その技術の進化に感動してしまうほどです。一方で、日本で昔から夏をのりきる術として愛されてきたものもたくさんあります。素足に気持ちいいゴザや、音色から涼をとる風鈴、火照る肌に風をサッとおくる扇子や団扇、冷たい水に浸して首に巻くてぬぐい‥‥。暑さを感じにくい“布”も、その知恵の一つでした。

今回取り上げるのは、そんな夏の生地の一つ「高島ちぢみ」を使って仕立てたシリーズです。凸凹があって肌離れがよく、涼しく楽に着られる高島ちぢみは、日本の夏の家着として長く愛されてきた布。このたび中川政七商店では、当社の夏の定番商品でもある高島ちぢみシリーズを、より快適にご着用いただけるようリニューアルしました。担当をしたのは中川政七商店デザイナーの星野、製造をお願いしたのは、過去の高島ちぢみシリーズから長くご一緒している木村織物さんです。

この記事では改めて高島ちぢみの魅力をお届けするとともに、新シリーズで工夫したポイントもご紹介させてください。



軽くて涼しい夏の布、高島ちぢみ

滋賀県北西部の高島市を産地とする布・高島ちぢみ。豊かな伏流水に恵まれるこの場所は、水にまつわる独自の文化が今でも残り、その清らかな水を使って伝統産業の高島ちぢみも作られてきました。

ちぢみとは、糸に強い撚りをかけて表面にシボを作った織物のこと。高島ちぢみの特徴の一つに「ちぢみ」の名のとおり伸縮性が挙げられますが、これはその撚りによるもので、緯糸(よこいと)に強撚糸(きょうねんし)と呼ばれるぎゅっとねじった糸を使用することで糸が戻る力がはたらき、生地が縮まって伸縮性が高まるというわけです。

「最初は織り上がり幅が165cmある布も、加工した後は強撚糸が縮まることによって100cmくらいになるんです。もともとの織り上がりはかや生地みたいな粗い密度で織られているんですけど、加工するとそれがグッと縮まって今の生地になります。密度を詰めて織っていないので生地が軽いし、風通しもよくて涼しいのが高島ちぢみの良いところです」(デザイナー・星野)

またもう一つの特徴がシボによりできる凹凸。この凹凸が肌との密着を防ぐため、吸湿性・速乾性に優れ、肌着やパジャマなど夏の家着の生地として重宝されてきた歴史がありました。中川政七商店の高島ちぢみシリーズも夏に登場するたび多くのお客様にご愛用いただいています。

リニューアルのポイント【1】伸縮性はそのままに、形態変化を抑える

ご紹介してきたように、織物ながら高い伸縮性を持つのが特徴の高島ちぢみ。動きをじゃませず快適に着られる一方で、その伸縮性の高さゆえに洗濯で縮みやすい特徴を持つ生地でもありました。リニューアルにあたって最も星野がこだわり、また星野と木村織物さんの頭を悩ませたのもこの点です。

「もともとの高島ちぢみシリーズも伸縮性がよくて着やすかったんですけど、どうしてもお洗濯したときの初回の縮みが大きかったんです。形を整えて干したり、着用したりするなかでまた元のサイズに戻っていくのですが、『思っていたより縮んだ』というお客様のお声もいくつかありました。

生地の特徴とはいえ、知らない方にとってはびっくりされるかもしれないですし、できれば洗いざらしで変化をあまり気にせず着られたら、もっと嬉しいですよね。

なので、涼しさや肌あたりは守りながら、お客様が実際使う時により快適に扱えるように、木村織物さんとお洗濯初回の縮みを抑える方法を探っていきました」

生地の特徴をほどよく活かしながら縮率を抑える方法はないかと、星野は作り手さんと模索を続けます。たどり着いたのは生地の段階で洗い工程を増やすこと。生地を織り上げた後、製品へと縫製する前に湯洗いする方法を採用しました。

「高島地方では縮率の平均が8%前後といわれるなか、最終製品を洗ってテストしてみたところ、中川政七商店で開発したシリーズは5%以内に抑えられました。高島ちぢみならではの良さはそのままに、お洗濯後の大きな縮みは以前より軽減できています」

リニューアルのポイント【2】伸縮しても素敵に見える仕立てとシルエット

伸縮率を軽減できたとはいえ、どうしても多少は縮みが発生する高島ちぢみ。星野がもう一つこだわったのは、縮みが発生しても気にならないシルエットに仕立てることでした。

今回の新シリーズでは生地幅をぜいたくに使い、ワイドシルエットに。ゆったりと着られる他に身体のラインをひろいにくい良さもあり、縮んでもフィットしすぎないのでストレスになりません。

またワンピースとシャツには前部分にタックを入れたことで、生地の形態変化が多少あっても全体のシルエットが損なわれないように工夫。さらには首元にシャツのようなデザインを採用し、前でボタンをとめるタイプにしたため、夏の暑い日もささっとラクに着脱できます。

「他にも、洗うことによって布が伸びたり縮んだりして、首もとや裾がひらひらした形になってしまうことってありますよね。今回のシリーズはそこもできるだけ防げるように意識していて、ステッチの糸には伸縮するミシン糸を採用しました。そうすることで布だけでなく糸も伸縮するので、シルエットが崩れるのを多少は軽減できると思います」

リニューアルのポイント【3】色落ちしにくく、涼やかな色合い

こだわった3つ目は生地の色。シリーズには紺・薄墨・薄緑・薄紫の4色をラインアップし、先染めの糸を採用して立体的な色みに仕上げています。

「布の色は糸の段階で染めるもの(=先染め)と、織り上がった布を染めるもの(=後染め)のどちらでも表現できますが、糸の段階から染めることで、経糸(たていと)と緯糸の組み合わせで色の表現に幅が出せるんです。

今回の商品では紺と薄墨は縦に黒色の糸を使ってスタイリッシュな色合いに、薄緑と薄紫は白色の糸を使って軽やかな色合いにと、夏らしい爽やかな色を選んでみました。シャツとパンツは上下別の色で組み合わせてもすてきに見えるようにトーンを揃えています。

あとは生地が白化(はっか。少し色が白茶ける現象)しにくいのも、先染めのいいところです」

木村織物さんでの製造の様子(撮影:平田尚加)/読みもの「高島ちぢみ」より

涼やかな着心地と色合い、ゆったり着られるシルエットで、夏の暮らしのお供になる服に仕上げた新・高島ちぢみシリーズ。お部屋着はもちろん、ちょっとそこまでのワンマイルウェアとしても着ていただけます。

「夏ってすごく暑くてやる気が起きない日も多いと思うんですけど、涼しくてゆったり着られる服があったら、夏が心地よくなるかな、夏もいいもんだなと思っていただけるかな、と考えて作りました。

きちんと見えつつリラックスできる服で、肩肘はらないアイテムなので、ご自宅でゆっくり過ごすときや、近所へ出かける際の強い味方のように着ていただけたら嬉しいです」

<関連する商品>

高島ちぢみのワイドシャツ
高島ちぢみのワイドワンピース
高島ちぢみのキュロットパンツ

<関連する特集>

文:谷尻純子

【あの人の贈りかた】幸せな時間にひと役買う品を(スタッフ清水)

贈りもの。どんな風に、何を選んでいますか?

誕生日や何かの記念に、またふとした時に気持ちを込めて。何かを贈りたいけれど、どんな視点で何を選ぶかは意外と迷うものです。

そんな悩みの助けになればと、中川政七商店ではたらくスタッフたちに、おすすめの贈りものを聞いてみました。

今回は生産管理担当の清水がお届けします。

ストレスのない使い心地を考えた「割烹着」

贈りものを選ぶ際、相手の日常や暮らしを、少し想像してみることにしています。
「日々どんな暮らしをしているかな?」「憧れているもの、好きなものってどんなイメージだろう?」と、さまざまなことに想いを巡らせます。

先日、毎日忙しく家事をする母に「割烹着」を贈りました。
結婚して妻と子どもと暮らすなかで、料理を作ったり、子どもの面倒を見たり、掃除やごみ捨てなど、いろんなことを手際よく同時に進めている妻の姿を見て、妻にも、そして改めて自分の母にも感謝の気持ちがうまれています。

今も忙しく暮らす母。少しでもストレスなく家事ができればな、と考えて選んだのがこちらの品です。

下に着用している洋服の袖までしっかりと覆い、油や水、ホコリなど、あらゆる汚れから守ってくれるのが、割烹着の最大の魅力。

中川政七商店の割烹着は後首ぐりにゴムが入り、後ウエストには紐付きで脱ぎ着がしやすく、さらに袖にもゴムが入っており、水や汚れが袖口から入ってこない作りになっています。

やや厚手の丈夫な生地のため、しっかり使えて、しっかり洗えるのも特徴の一つ。
家事の時間をより快適にしてくれる割烹着です。

丈の短いタイプもあります

<贈りもの>
・中川政七商店「割烹着 ロング丈

幸せを招く猫「SETOMANEKI」

友人や同僚の転職・引っ越しの際には「新天地でも幸あれ」の想いを込めて、贈りものを選んでいます。

「またご飯いこうね」「必ず一緒に仕事しよう!」と言葉をかけて送り出しつつも、お互いに慌ただしく、次に会うことができたのは数年先ということもしばしば。
毎日会って励ましたり、支え合ったりできない分、何か心に寄り添うようなものが贈れたらなと考えていました。

そんな時に出会ったのが「SETOMANEKI」。
その名のとおり、焼き物の産地・瀬戸で作られた招き猫です。

SETOMANEKIがそっと家のなかに佇み、大切な相手に福を呼んでほしい。
良い出会いを招き、毎日が楽しく、自分らしく前に進んでほしいと願い、送っています。

上品でカジュアルなデザインであり、カラーバリエーションも豊富。
その人らしさを想像しながら、色を選ぶのも楽しい時間です。

とびっきり応援したい方には「金手」のSETOMANEKIもおススメです。

<贈りもの>
・中外陶園「SETOMANEKI

大切な人と一緒に食べたいケーキ「週末シトロン」

友人のおうちに招いていただいた時や、久しぶりに会う知人への手土産には、肩肘を張らず、それでいて可愛く、テンションの上がる贈りものを選びたいと思っています。

そんなシーンにピッタリなのが「週末シトロン」。
フランスで昔から親しまれている伝統焼菓子「ウィークエンドシトロン」から着想し、作られたケーキです。

「週末に大切な人と一緒に食べたいケーキ」という、素敵な意味が込められているのも気に入っている点。
味や見た目はもちろんですが、贈りものに込められた意味も、プレセントを選ぶ際のポイントとして大切にしています。

すべての工程を手作業で行い、製法にこだわり、保存料などの添加物は不使用。
子どもから大人まで味わえるどこか懐かしく、優しい味が楽しめます。

ウキウキするパッケージの可愛さもあいまって、週末に渡せることを楽しみにさせてくれるお菓子です。

<贈りもの>
・「週末シトロン」
・販売サイト:https://shumatsu-citron.com/

※中川政七商店の店舗では、奈良蔦屋書店でのみシリーズ品「奈良シトロン」の販売がございます

贈りかたを紹介した人:

中川政七商店 生産管理担当 清水優也

【暮らすように、本を読む】#10「ゆるめる・温める・巡らせる」

自分を前に進めたいとき。ちょっと一息つきたいとき。冒険の世界へ出たいとき。新しいアイデアを閃きたいとき。暮らしのなかで出会うさまざまな気持ちを助ける存在として、本があります。

ふと手にした本が、自分の大きなきっかけになることもあれば、毎日のお守りになることもある。

長野県上田市に拠点を置き、オンラインでの本の買い取り・販売を中心に事業を展開する、「VALUE BOOKS(バリューブックス)」の北村有沙さんに、心地好い暮らしのお供になるような、本との出会いをお届けしてもらいます。

<お知らせ: 「本だった栞」をプレゼント>

先着50冊限定!ご紹介した書籍をVALUE BOOKSさんでご購入いただくと、同社がつくる「本だった栞」が同封されます。買い取れず、古紙になるはずだった本を再生してつくられた栞を、本と一緒にお楽しみください。詳細は、VALUE BOOKSさんのサイトをご覧ください。



自然に寄り添うセルフケアで、からだの不調をととのえる

頭痛やPMS、肩こり、花粉症、不眠症‥‥。家事や育児、仕事に追われ、日々を忙しなく過ごしているうちに、気づけば体調を崩してしまうことは、現代を生きるわたしたちにとって珍しいことではありません。

慢性的な不調に対処するひとつの選択肢として、植物の力で、からだをととのえることにフォーカスしたのが本書『ゆるめる・温める・巡らせる』です。著者の鈴木七重さんが植物療法士の視点から、3つのケアを通して、からだの不調と向き合う方法を紹介しています。

「ゆるめる」では、からだとこころの緊張をほぐし、穏やかでリラックスした状態に。「温める」では、からだの内と外の両側から温めることで、冷えを解消し、細胞のひとつひとつを元気に。「巡らせる」では、腸内環境を整え、リンパの流れをよくして、デトックスしながら滞りのないからだにする。

自身の体験談を交えた具体的なケアの方法から、おすすめの精油まで、詳しく解説しています。さらに、ハーブティやバーム、調味料など、身近なハーブや精油を使ったレシピや、今すぐ真似できるストレッチやマッサージ、呼吸法など、気軽に試せるセルフケアも満載。自分のからだの状態を確かめ、たのしみながら実践していくことができます。

不調にあわせた「正しいケア」ではなく、一番大切なのは、自分が「心地いい」と感じるからだの声を聴くことだと、鈴木さんは話します。いわく「不調はからだの状態を知るサイン」。無意識に過ごしていた環境を整え、ゆるめる・温める・巡らせるを意識することで、健やかな状態を取り戻せる。

わたしもさっそく植物の力を試してみたいと思い、からだやこころをととのえる手軽な方法として、直接付けられるロールオンタイプの精油を持ち歩くようになりました。緊張を感じる時や疲れた時に、香りを身につける。すると、強張ったからだが少しゆるみ、こころが軽くなるのを感じます。

新年度を迎え、緊張状態が続く人もいることでしょう。そんな時は、仕事の合間に飲む一杯のハーブティで、おおらかな気持ちを取り戻せるかもしれません。疲れたこころを癒すお守りのように、生活に植物の力を取り入れてみませんか?

ご紹介した本

・鈴木七重『ゆるめる・温める・巡らせる』

本が気になった方は、ぜひこちらで:
VALUE BOOKSサイト『ゆるめる・温める・巡らせる』

先着50冊限定!ご紹介した書籍をVALUE BOOKSさんでご購入いただくと、同社がつくる「本だった栞」が同封されます。買い取れず、古紙になるはずだった本を再生してつくられた栞を、本と一緒にお楽しみください。詳細は、VALUE BOOKSさんのサイトをご覧ください。

VALUE BOOKS
長野県上田市に拠点を構え、本の買取・販売を手がける書店。古紙になるはずだった本を活かした「本だったノート」の制作や、本の買取を通じて寄付を行える「チャリボン」など、本屋を軸としながらさまざまな活動を行っている。
https://www.valuebooks.jp

文:北村有沙
1992年、石川県生まれ。
ライフスタイル誌『nice things.』の編集者を経て、長野県上田市の本屋バリューブックスで働きながらライターとしても活動する。
暮らしや食、本に関する記事を執筆。趣味はお酒とラジオ。保護猫2匹と暮らしている。