GWは「中川政七商店ラヂオ 暮らしの手ざわり。」を聞いてみませんか

こんにちは。
今年のゴールデンウィークは最大10連休。長期休暇を楽しみにしていらっしゃった方も少なくないと思います。

私も明日から実家の用事で岡山へ。道中「中川政七商店ラヂオ 暮らしの手ざわり。」を改めて聞いてみようと思っています。

モデルのはなさんや浜島直子さんが繰り広げる、暮らしの道具への愛着トーク。思わず「わかる!!」と頷いてしまうような熱量あふれる会話に、わたしたちスタッフも、毎回ワクワクしながら聴き入っていしまいました。

まだ聞いてないという方に、ぜひこの機会におすすめしたいと思い、これまでの放送をまとめてみました。
家事をしながら、移動をしながら、暮らしの合間に、ぜひ気軽にご視聴くださいね。

ラヂオは7つのプラットフォームで配信しています。
お好きなプラットホームでお楽しみください。

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1月からスタートした「中川政七商店ラヂオ 暮らしの手ざわり。」
第1シーズンを終えてしばらくおやすみしていましたが、次回6月末にスタート予定の第2シーズンに向けてコンテンツを準備中です。

そこで、番組を聞いてくださっている方、中川政七商店の商品を愛用いただいている方に、番組で紹介させていただく質問や感想などの投稿を募集しています。

①職人さんへの質問募集

次回からの配信では、中川政七商店と一緒にものづくりをしている日本全国の職人さんの製造現場へ伺い「地域の手ざわり」をお届けするコーナーをスタートします。

最初の訪問先は、福井県鯖江市。
越前漆器のつくり手である漆琳堂の内田徹さんにご案内いただき、漆器づくりの現場を見学させていただきます。

漆琳堂さんは、中川政七商店で販売する「食洗機で洗える漆椀」や「RIN&CO.」、「お椀や うちだ」の商品をつくっている越前漆器の老舗です。

漆器にまつわる質問や、自分が持っている商品についての愛着など、漆琳堂さんにお聞きしたいこと、お伝えしたいことがあれば、お気軽にコメントをお寄せください。
5月15日(日)までの募集となります。

②「中川政七商店のある暮らし」をお話してみませんか

日本の工芸が暮らしの中にあることの豊かさや、心地好さ。季節の移ろいを感じることの小さな幸せ。
わたしたち中川政七商店の暮らしの道具が、「日本の暮らしの心地好さ」をお届けできていれば嬉しく思います。
番組ゲストの皆さまにお話しいただいたように、「中川政七商店のある暮らし」をお話してみませんか。皆さまからのご投稿を、番組内で紹介させていただきたいと思います。

「わたしの心地好い暮らしをつくる道具」をテーマに、お気に入りのアイテムや、しつらいの風景、意外な使いかたなど皆さんの暮らしの中のこだわりや想いをお聞かせください。
見る度に心が和んだり、少し嬉しくなるような普段の愛着をそっと教えていただけたら、とっても嬉しく思います。

皆さまからの「ことつて」をお待ちしています。

【心地好い暮らし】第6話 庭仕事の季節

実家は田舎だったのでそこそこ広い庭があった。祖父が作ったという鯉が泳ぐ小さな堀もあって、その周辺に四季折々の草花が植えてある。主に世話をしていたのは祖母のように記憶している。休みの日には父も加わって、私たち子供も掃除を手伝わされていた。大きな竹箒を使って草刈りの済んだ庭を掃くのが仕事なのだけれど、掃いた後の筋目がきれいになるようにと言われ、えーめんどくさいー…と思いながらも一生懸命掃いた記憶がある。子供ながらにもめんどうくさいが、そういうとこが大事なんだろうなと薄々気がついていた。いや気がつく機会だったのかもしれない。

庭には季節ごとに花が咲くので、祖母や母は時々の花を玄関に飾っていた。春は水仙にはじまり、その後はシャガ、八重山吹、菖蒲、紫陽花、向日葵、カンナ、秋桜、ケイトウ、お正月には松と千両なども活けられていた。そういえば神棚の榊も裏の山に採りに行っていた。スーパーではコンパクトに売られている枝ものだが、山の榊はりっぱな木だった。手が届く範囲のものを頂きますと挨拶してから採るように教えられた。

二人とも流派があるような活け方ではなかったが、聞けば何の花か教えてくれた。ひいおじいさんが好きだったとか、これは外国から来た花だとか、たわいもない話だったけれどどの花もシンプルに美しくて、いつのまにか当たり前に庭の花を自分の部屋にも飾る習慣ができたように思う。
何はともあれ、実家の庭が私の後の感性みたいなものに多分に影響したのは間違いない。

大学時代はまだその感覚を引きずっていてその辺に咲いている雑草を摘んできて飾ったり、バイト代に余裕があれば買ってきたりもしていたが、大阪で就職して忙しい日々が始まると一気に世界が変わってしまった。まず季節ごとにそろそろあの花が咲く時期だと察する感覚も、それを感じる時間の余裕もなくなってしまった。その代わり仕事を覚え、自分の経験が積みあがっていく楽しさに夢中になった。たまに花を買ってもすぐに枯らしてしまう。都会の暮らしもそれなりに楽しくて、そのことを疑問にも思わなかった。「忙しいから仕方ない」と切り替えるスピードがぐんぐん早くなっていったのだなと今振り返ればそう思う。

で、35歳で転職の為に奈良に来た。大阪から電車で1時間程度なのに住環境がぐっと野山に近くなった。それでもまだまだ自分で育てるほどの場所も余裕もなかったが、毎日の自転車通勤で季節ごとの花が咲くことを視覚から取り戻していった。あぁもう梅が咲いた。鈴蘭が咲いた。そういう気づきが体にしみ込んでいくような感覚。別に心身が弱っていたわけではなかったけれど、人間はそういうことに癒されるとこがある。あまりにも自然から切り離されると単純に疲れるんだと思う。

一昨年奈良市内ですぐ裏に雑木林があるようなマンションに引越して、少し広いテラスも使えるようになった。というかテラスに惹かれてその物件に決めた。あぁこれで大きな木も植えれるぞ!(植木鉢だけどね)と思ってからテラスの半分が埋まるまであっという間だった。
暖かくなってきたらプランターに新しい苗を植え、冬の間は控えていた鉢の植え替えを始める。本当は手袋をした方が汚れなくていいのだけれど、根元を押さえたり土を足したりしているとついつい素手になってしまう。その方がダイレクトに土の密度を感じ取れる気がして。爪に入った土を取る時にたいてい後悔するのだけれど…。
ふと見渡すと実家の庭にあった植物ばかりに囲まれている。三つ子の魂というけれど、私の中には確実にあの頃の風景が生きている。


<掲載商品>
信楽丸鉢
近藤製作所 移植ゴテ 小

書き手 千石あや


この連載は、暮らしの中のさまざまな家仕事に向き合いながら「心地好い暮らし」について考えていくエッセイです。
次回もお楽しみに。

佐賀の郷土菓子「丸房露」を、新しい食べ方で。甘酸っぱい提案の誕生秘話

およそ350年前の江戸時代。その素朴でハイカラなお菓子「丸ぼうろ(丸房露・まるぼうろ)」は佐賀の地にやってきました。

頬張るとなぜだか、みな「懐かしい」と口にする。はじめて食べた人も「食べたことのある味」と言う、なんとも不思議なお菓子。驚いたことに、その製法は江戸時代からほぼ変わっていないとか。

ということは、つまり。

江戸時代に暮らした人々と、令和という現代に生きる私たちが、同じ菓子を口にしていることに。こんなにすごいこと、あります?

手仕事が生む、素朴で優しい味

丸ぼうろーー。佐賀県佐賀市を代表する伝統的な銘菓として名高い郷土の味。今では市内の菓子店それぞれが独自の味を生み出していますが、その元祖といわれるのが1639(寛永16)年創業の「鶴屋菓子舗」です。

与賀神社の参道 二の鳥居(重要文化財)のすぐ前に位置する本店

徳川三代目将軍にあたる徳川家光の治世の元、佐賀三十六万石の城下町に鶴屋は誕生。御菓子司(おかしつかさ)として佐賀藩主の鍋島公に菓子を納めてきた歴史をもちます。

鍋島公に菓子を納める際に使用していた木桶の蓋

「丸ぼうろがつくられるようになったのは、二代目・太兵衛の時代です。長崎の出島で、南蛮菓子である丸ぼうろの製法をオランダ人に直接学び、佐賀に持ち帰ったのが350年前と言われています」

そう話すのは、家業に入って11年経つ、営業部長の堤一博さん。

小さい頃から「丸房露」を食べてきた堤さん。ちなみに「丸ぼうろ」「丸芳露」「丸ボーロ」など表記は店によって違うとか。鶴屋菓子舗の商品は「丸房露」。

当初の主な原材料は小麦粉と砂糖と水。「今とは違い、もっと硬いクッキーのようなものだったそうですが、江戸時代後期になるとようやく卵が入手できるようになり、しっとりとして柔らかい『丸房露』ができたとされています」

生地は仕込んでそのまま使うのではなく、一晩寝かせる

小麦粉と卵、砂糖などでつくられる生地は、見るからにトロントロン。水や牛乳などは使わず、卵のもつ水分だけで生地をまとめて練り上げる。生地が硬すぎれば、ふっくらとした食感にはならず、反対に、緩すぎればきれいに成型することさえままならないとか。

まるでキャラメルのような質感。扱いは想像以上に難しい

材料の分量は決まっているものの、その日の温度や湿度によって、生地の配合具合を微妙に変えていく。そのとき一番いい状態の生地になるよう微調整しているそうです。

素早く型抜きしてオーブンの鉄板に

「長年培ってきたデータもありますが、最後はすべて職人の勘や感覚が決め手。手作業でしか、この味わい、この食感は生み出せないものなんです」

焼きたて熱々の「丸房露」

表面はサクッとして、中はふっくら、しっとり。こうばしい風味の中から、なんとも懐かしくやさしい甘味がふわりと広がる。素朴ながらも上品なお菓子です。

古文書から生まれた、「丸房露のためのマーマレード」

そんな伝統の味をもっと多くの人に届けたいという想いから、中川政七商店の経営再生支援を受けた堤さんが、改めて見直したのが同店に残る4冊の古文書。

「250年くらい前から先代が書き記してきたもので『鍋島様の城に丸房露を何十個納品』『値上げのお願いにうかがう』といった日記もありますが、そのうちの1冊が1750年代に記された『菓子仕方控覚(かししかたひかえおぼえ)』。今で言うレシピ帳だったんです」

右頁は古文書の傷みを軽減すべく後から付けた表紙。大事に守り継がれている

「丸房露」に関する表記はもちろん、これまで手がけてきたいろいろなお菓子のいろはがずらりと並びます。そのなかで目に留まったのは、ある三文字。

三柑漬ーー。

左頁の最初のところに「三柑漬(みかんづけ)」の文字が

「三柑とはみかんのこと。これを砂糖漬けしたもののことで、つくり方を見てみると現代でいうところの“マーマレード”だったんです」

温暖な気候に恵まれた佐賀県は、みかんの一大生産地。地元の果物を使って「丸房露」に合う味ができないだろうか……ということで早速、マーマレードづくりに着手しました。

使用したのは日本では佐賀県藤津郡太良町にある数軒の農家でしか栽培されていない希少品種“クレメンティン”。濃厚な甘味とスッキリとした後味が特長の柑橘です。

『丸房露のためのマーマレード』1本540円(税込)

そして試行錯誤の末にできたのが、これ。

ごろりとした果皮が見えます。スプーンですくって頬張ると濃厚な甘さのなかに、やさしい酸味とほのかな苦味。歯応えのある果皮の食感もなかなかにおいしい。

大ぶりにカットした果皮の食感が絶妙です

これを「丸房露」につけてみました。はじめは少しだけ。んん? おお、おお! なるほど。次いでたっぷり添えてみると……んんっ!うん!合いますよ、これ。マーマレードの甘酸っぱい味や香りが、素朴な「丸房露」をより一層引き立てます。個人的には、少し温めた「丸房露」に「丸房露のためのマーマレード」をたっぷりのせるのが好みです。

佐賀っ子ならではの思い出も新製品のヒントに

「丸房露」に“ちょい足し”して楽しめるものは、ほかにも。

実はマーマレードは冬季限定。夏には「丸房露」に合わせる「丸房露のためのアイスクリーム」が販売されます。

「丸房露のためのアイスクリーム」1個 290円(税込)

「子どもの頃、朝ごはんに『丸房露』を牛乳と一緒に食べていたんです。浸して柔らかくしたり、小さく砕いてフレークのようにしたり。『丸房露』にバターを塗って食べるのも好きでした。だから乳製品が合うことは感覚的に分かっていたんです。

で、夏になると『丸房露』の消費量が落ちることもあって、これを打開するためにはどうしようかと考えていたときに思いついたのが、ミルクアイスでした」

こちらは佐賀県唐津にある「村山ミルクプラント」の、コクのあるまろやかな牛乳を採用。さらにここでも“三柑”にこだわり、上品な香り漂う“みかん蜜”で甘味をプラス。

かすかに柑橘の香りのする「丸房露のためのアイスクリーム」を「丸房露」につけると、冷たいアイスクリームが「丸房露」の生地をしっとり柔らかな食感にして、優しい甘さを引き立てます。

丸房露は生きている

最後に堤さんは言います。

佐賀っ子にとってはお中元やお歳暮の定番

「丸房露は生きているお菓子です」

「日に日に表情が変わるんです。焼きたてはこうばしくふっくらとしていて、だんだんサクッとしてきたと思ったら、翌日には水分が戻ってしっとり。それを過ぎると少しずつ硬くなっていく。

僕は意外と硬くなりはじめの頃が好きで(笑)。わざとトースターで焼いてカリカリにしてバターを塗ったり、マーマレードを塗って食べたりしますね。夏場のアイスクリームなら、ちょこっとつけて味わってもいいし、2枚の『丸房露』でサンドしてもおいしい。

そんなふうに多様に楽しめるのが『丸房露』のいいところ。自分の好きな表情や味わい方を見つけて楽しんでほしいですね」

佐賀の窯元がつくる鍋島青磁にのせて

とりあえず。まずはそのまま。お茶の供に、いただこうかな。

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<取材協力>

合資会社鶴屋菓子舗
佐賀県佐賀市西魚町1番地
https://marubouro.co.jp

※この記事で紹介した商品は、鶴屋菓子舗のオンラインショップにてご購入いただけます

文:葛山あかね
写真:藤本幸一郎

<掲載商品>

鍋島虎仙窯 鍋島青磁 煎茶碗

鍋島虎仙窯 鍋島青磁茶托 1個入

ハンバーグがとってもふわっとジューシーに焼ける、鉄のフライパン「FRYING PAN JIU」

日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。

岡本 恭法

語り手:岡本 恭法

中川政七商店主催の展示会「大日本市」の主にPRを担当しています。メディアへの発信が主な担当で、noteやTwitterを主に使いながらみなさまに日本の工芸の楽しさをお伝えしています。趣味は釣りで、最近では渓流釣りにはまっていて、週末になると奈良の大自然を満喫しています。

ブランド:FUJITA KINZOKU
推しの逸品:藤田金属 FRYING PAN JIU 深型Mサイズ

これまで暮らしを豊かにする金属をスローガンに軽い・優しい・便利な金属を考えより快適な道具を作ります。
少し小さめで、しっかり深さのあるフライパンがないかなと探していました。

家族4人暮らしなのですが、まだ子供も小さいためそんなに大きなフライパンがいらず。ただ小さくなりすぎると浅めのものしかみつからず。

そんな時出会ったのが、鉄製フライパン「ジュウ」のM深型。直径は20cmで、深さ3.5cm。探し求めていたぴったりのサイズ感と、鉄製フライパンらしくない優しいデザインに惚れて購入しました。


藤田金属 FRYING PAN JIU 深型Mサイズ/ハンドル ブナ(ビーチ)セット

購入してからよく作っている料理が「煮込みハンバーグ」。
このフライパン最大の特徴が「じっくり弱火で焼ける」ことなのですが、確かに、ハンバーグを焼くととってもふわっとジューシーに焼けます。

しっかり焼けるのにまったく焦げ付かないので料理を始めたばかりの人にもお勧めできます。



藤田金属 FRYING PAN JIU 深型Mサイズ/ハンドル ブナ(ビーチ)セット

さらに、じっくり弱火で煮込めるので旨味をのがさず、型崩れすることもなく美味しい煮込み料理が楽しめます。すり鉢状になっていて、量が多くなくてもしっかり煮込めるのもポイントです。

調理しているときハンドルが簡単に外せます。ちょっと力がいる作業や、持ち運びの際はハンドルを付けて煮込んでいるときなどはハンドルを外して使用しています。
収納するときもハンドルが外せるから他のフライパンとスタッキングもできます。



藤田金属 FRYING PAN JIU 深型Mサイズ/ハンドル ブナ(ビーチ)セット

鉄製のフライパンは、お手入れなど難しそうなイメージでしたが、「ジュウ」の場合はとっても簡単。

まず、独自の加工方法により、使い始めの油ならしが不要です。使用後も、毎回毎回油をひく必要はなく、さっと水で洗ってから火にかけて水分を飛ばすだけ。油は、何度か使用したタイミングでひく程度にしています。

そのほかのお手入れ方法もHPに記載してくれているので安心して購入できました。


藤田金属 FRYING PAN JIU 深型Mサイズ/ハンドル ブナ(ビーチ)セット
子供も大喜びの、ふっくら煮込みハンバーグができました

とっても簡単で手間いらずなのに本格的な鉄のフライパン。
ぜひみなさんも「弱火でじっくり」を体験してみてください。


商品詳細はこちらから

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