奥深きそうめんの世界…産地が違うと味が違う!?

こんにちは。さんち編集部です。
この時期によく食べるものといえばそうめん。皆さんが普段食べているのはどこの産地のものですか?

一口にそうめんと言っても、実は日本各地にそうめん産地があります。そしてそれぞれに独自の味わいがあるのです。最近ではそうめんの美味しさをさらに引き出す新しい食べ方も登場中。

今日は奥深きそうめんの世界を覗いてみましょう。

近頃はそうめん産地を食べ比べるセットも人気です

誤字から始まった「素麺」

そうめんとは漢字で「素麺」。シンプルな麺、という意味なのかと思いきや、実ははじめ「索麺 (さくめん) 」だったものが、索の字が次第に崩れて「素」麺と誤記したのがそのまま名称となったとのこと。なんだか人間らしくて和むエピソードです。

もともとは中国から伝わったもので、日本伝来はなんと奈良時代。長い長い日本の歴史ともにそうめんあり、ですね。

種類は手延べと機械そうめんの2種類。手延べそうめんは、太い紐状に切った生地に撚 (よ) りをかけ、上下に引き延ばしながら日光で干して乾燥させて作ります。

撚りながら生地を延ばすと、そうめんの中心に細い穴ができます。日本農林規格のJAS(ジャス)ではこうした形状や製法、麺の細さから「そうめん」と「手延べそうめん」に区分し規格化しているそうです。

発祥はあの産地

実はそうめんの産地、西日本に多いのをご存知でしたか?そうめんの原料となる小麦、水、食塩の産地が近くにあることや、そうめん発祥の地とされる奈良の三輪地方も近いことから、近世からそうめんづくりが盛んになったとのこと。

試しに日本三大そうめんを挙げてみると、奈良の三輪(みわ)そうめん、兵庫の揖保(いぼ)の糸、小豆島(しょうどしま)のそうめんと、確かに西日本の名産地が多いですね。

そうめんの生地は小麦粉と水、油と塩で出来ています。素材がシンプルなだけに、土地が変われば選ぶ素材も製法も変わり、産地ごとに独特の味わいが生まれています。

例えば先ほどの三大そうめんのうちソフトなコシでつるんと食べやすいのが中力粉の揖保の糸。強力粉を使う三輪素麺は、極細かつコシが強く、独特ののどごし感が特長。宮内庁御用達品のひとつにも選ばれています。
小豆島の天然の恵みがたっぷりの小豆島そうめんは、ゴマ油が使用されていて独特の風味で長期保存もバッチリです。

そうめん研究家・ソーメン二郎さんに聞く、新しいそうめんの食べ方

こうした産地ごとの味わいを愛し、そうめんの楽しみ方を研究するのがそうめん研究家のソーメン二郎さん。三輪そうめんの里、奈良県桜井市のご出身です。ソーメン二郎さんによると、庶民がそうめんを醤油と共に食べるようになったのは江戸時代の元禄時代からとのこと。

かれこれ300年以上似たような食べ方をしてきたわけですが、ソーメン二郎さんによると今いち押しの食べ方は、オリーブオイルとたっぷりの塩をかけて食べる食べ方だそうです!

実食してみると、お出汁でいただくのとは口に広がる味わいも喉ごしも全く別もの。一気にそうめんが和食の世界から解き放たれました。

他にも夏に合いそうな「カレーにゅうめん」や、人気おかずとのコラボ「冷やしとんかつそうめん」、意外とクセになる?「サバ缶そうめん」などまだまだそうめんには未知の伸び代がありそうです。

ちなみに、茹でた後に急に冷水に入れるビックリ水や、 ボウルに氷水を入れてそうめんを浸すこと、ほぐしたそうめんをぐるぐるとかき混ぜることは味を損ねてしまうそうです!やってしまっていました‥‥。

意外と知らない、知ると楽しいそうめんの世界。いかがでしたでしょうか。お中元でいただくことも多いそうめんですが、理由は形状が細く長く、簡単には麺が切れないために、昔から縁起物として好まれていたためだそうです。

これから帰省シーズンで手土産のやりとりも増える季節。そうめんを手土産に、あちこちの産地を親しい人たちで食べ比べてみるのも、いいかもしれませんね。

<取材協力>
そうめん研究家・ソーメン二郎さん
http://somendo.blogspot.jp/

 

<関連商品>

手延べならではのコシを味わう「奈良吉野 手延べ葛そうめん 5把」

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新しいそうめんの食べ方を楽しむ「素麺のためのレトルトソース」

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定番のめんつゆで。「吉野杉桶造淡色醤油めんつゆ 5倍希釈 360ml」

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贈りものにおすすめ「高橋優製麺所 島原素麺木箱セット」

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贈りものにおすすめ「素麺とソースの詰め合わせ」

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*こちらは、2017年7月25日の記事を再編集して公開しました

【デザイナーが話したくなる】日本の手花火

デザイナーおすすめのお家花火プログラム

毎年、夏の風物詩「花火」を手掛けている村垣さん。
日本の花火の素晴らしさをいつも熱く語ってくれるのが印象的なんです。 花火職人さんと膝を突き合わせながら、みなさんに日本の花火文化を伝えつつも 楽しんでいただける手花火を試行錯誤しながら作っています。

日本には、伝統的な夏の行事がたくさんありますが、その中でも夏を感じるイベントと言えば「花火大会」は、 はずせません。日本の花火は世界一ともいわれるほど、高い技術力を誇ります。
しかしながら、今年は花火大会は中止になってしまった現状。 とはいえ、夏を満喫したいですよね、そこでおすすめなのが、「日本の手花火」。

花火には火の種類や形の種類など違いがたくさんあり、 その美しい火花には、日本の花火文化を絶やすまいと今も伝統的な製法を守る花火職人の熱い思いが宿っています。 どれもおすすめですが、今回は花火大会のプログラムように楽しめるよう、村垣さんにおすすめの順番を 聞いてみました。



●花火大会の始まりにおすすめ!わくわくする花火
1.大輪菊:菊の花のような華やかで、繊細な火花の花火。燃焼時間が長いので、いつまでも楽しみが続きます。


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2.星ススキ:流れ星があふれ出てくるような、キラキラと輝く可愛らしい花火。



●中盤の盛り上がりに!華やかな花火
3.三色柳:それぞれ異なる火花が激しく降り注ぐその姿はまるでナイアガラのようです。



●フィナーレに向けてジーンとする、芸術的な花火
4.錦糸和火:日本ではじめて作られたといわれる元祖花火。「和火」と呼ばれる赤橙色の火花は息をのむ美しさです。



5.藍色涼火:青色の火花は難しいとされる中、最後の一瞬まで美しく、目の覚める藍色の火花を散らす希少な花火。


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●しめといえば!いつまでも心に残る花火
6.大江戸牡丹(線香花火):点火から燃え尽きるまでの様々な表情は起承転結に例えられる、情緒的な花火。


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「それぞれの違いを1本1本見ていただきたいのはもちろんですが、国産花火ならではの繊細で美しい火花が 夏の思い出になったら、もっと嬉しいです。」と村垣さん。


毎年、村垣さんは花火を企画する際にたくさんの花火のサンプルを参考にしています。
今頃になると、そのサンプルを持って「夏の幸せ配ります~」と、にこにこしながらスタッフに 花火のおすそ分けをくれます。
その姿を見ると「夏本番ですね」と思わせてくれる、社内の夏の風物詩になっています。

<関連商品>
日本の手花火


*こちらは、2020年8月6日の記事を再編集して公開しました

自分好みの音色がわかる。素材別「風鈴」音くらべ動画

夏の季語でもある風鈴。

窓を開け、さぁっと入ってくる風に鳴る音が、一時の安らぎをくれます。風鈴は形や材質によって、奏でる音がまちまち。

部屋をお気に入りの音楽で満たすように、風鈴も自分好みの音色を選んでみると、ちいさな安らぎをもっと楽しめる瞬間がふえるかもしれません。

中川政七商店の工芸を活かした風鈴

さて、選べるものも数あれど、どこか「風鈴=ガラス」というイメージをお持ちの方も多いのでは。

もちろん、ガラス風鈴も澄んだ音が素敵なのですが、鋳物や焼き物を胴体に用いると、また異なる趣で楽しめるのです。

まさにそれを感じるのにうってつけの風鈴が、発売しました。

基本の「江戸風鈴」をはじめ、小田原鋳物や有田焼といった6つの工芸産地と手を組んだシリーズです。

いざ、風鈴音くらべ

そこで、今回は下記の風鈴を用意して、それぞれの音を鳴らしてみた様子を動画で収めました。

高岡銅器の風鈴

小田原鋳物の風鈴

江戸風鈴 透明

南部鉄の燕鈴

益子焼の風鈴

有田焼の風鈴

風鈴も部屋の景色のひとつですから、見た目が愛せることも大切。さらに、音まで好みならば、それはまさに「自分のためにあるもの」といってもいいはずです。良い出会いがあると嬉しくおもいます。

<掲載商品>
高岡銅器の風鈴
小田原鋳物の風鈴
江戸風鈴
南部鉄の燕鈴
益子焼の風鈴
有田焼の風鈴
(※すべて中川政七商店)

文・写真:長谷川賢人

*こちらは、2019年4月23日の記事を再編集して公開しました

夏の盛りにそなえて。日本の夏を楽しむ暮らしの道具たち

今年も、夏至がやってきました。
例年通り梅雨の最中ではありますが、今日はこれから来たる夏の盛りを予感させるような晴れ間が広がっています。

夏の暑さを思うと少し気が滅入ってしまいますが、同時に夏の風物詩を思うと心が弾みます。風に鳴る風鈴の涼やかな音色や、夕涼みに浮かぶ線香花火のささやかな灯火。

今日は、日本の夏を楽しむ暮らしの道具たちを紹介します。

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この夏は、涼しげな信楽焼の「線香鉢」を窓際に

夏と言えば、暑さと並んで油断ならないのが、蚊との攻防。
様々な虫除けが開発されていますが、煙をくゆらせる夏の景色を見たくて、我が家ではなんだかんだ蚊取り線香を好んで使っています。

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夏には夏の香りでリフレッシュしてみませんか

好きな香りは心地よく、気持ちをやわらげてくれます。
季節によって食べたいものが変わるように、香りも季節によって変えたいものです。
線香づくり日本一の淡路島の職人がつくる、夏にふさわしい線香でリフレッシュしてみませんか。

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自分好みの音色がわかる、中川政七商店の「風鈴」音くらべ

夏の季語でもある風鈴。
窓を開け、さぁっと入ってくる風に鳴る音が、一時の安らぎをくれます。風鈴は形や材質によって、奏でる音がまちまち。
部屋をお気に入りの音楽で満たすように、風鈴も自分好みの音色を選んでみると、ちいさな安らぎを楽しめる瞬間がふえるかもしれません。

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伝統的な製法でつくられる、日本の手花火で夏を満喫する

日本には、伝統的な夏の行事や風物詩がたくさんありますが、その中でも夏を感じるイベントと言えば、花火ではないでしょうか。
この夏は、伝統的な製法を守る花火職人がつくる「日本の手花火」で夏を満喫してみませんか。

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夏の夜をゆったり楽しむ、和ろうそく

夏至と言えば、短夜。国や地域を超えて、キャンドルナイトが開催される時期ですね。
短いからこそ大切の過ごしたい夏の夜。明かりを灯してゆったりと過ごしてみませんか。

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夏のお出かけの必需品、ミントスプレー

清涼感を与えてくれるミントスプレーは、夏のお出かけの必需品。
腕の内側にかければ、真夏の汗ばむ日中も爽やかな気分に変えてくれます。

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四季のある日本の繊細なうつろいを教えてくれる二十四節気。
自然のリズムを取り入れることで、暮らしに新たなたのしみを発見できるかもしれません。

それでは、次回もお楽しみに。

隈研吾と中川政七商店が考える、建築と工芸の新しい関係

毎日の暮らしは様々なものでできています。

衣服や、ありとあらゆる日用品、食事、そして住まい。

「どうしたら人は心地よく暮らせるか?」を建築の視点から問い続けてきたひとりの建築家と、工芸の視点から向き合ってきたメーカーが出会い、建築と工芸がひとつになるものづくりを、はじめます。

その名も「Kuma to Shika」プロジェクト。

「Kuma」は、その土地の環境や文化に溶けこみ、素材を大切にする、建築家・隈研吾。
「Shika」は、日本各地の素材・技術・風習を活かしたものづくりをする、中川政七商店。

両者が同じ志のもと、建築の発想や素材から生まれる「今の工芸」を提案します。

プロジェクトが進む中で、隈さんはこんなメッセージを発信しました。

「建築デザインというのは建物のデザインのことではないと最近考える様になった。
建築デザインとは生活のデザインでなければならない。
今の建築をめぐる状況は、高度成長下の建築をつくればよい、
大きく高くつくればよいという状況とは全く対照的である。
作ることが目標ではなく、そこでいかに暮らすかを考えることが建築家の目標となったのである。

工芸は暮らしに最も近い。
工芸を変えることで僕は暮らしてについて考え提案したい。
今の工芸を追求する中川政七商店とそんなことを一緒に考えたい。」

建築家の仕事の定義そのものを大きく変えてしまうようなプロジェクトのきっかけは、2011年の東日本大震災に遡ります。

はじまりは東北から

「私たちは、建物をつくる現場や地域に何度も通います。そこで触れた土地のらしさを建築に取り入れたり、設計を進める中で地域の人たちと広く関わっていくことをよしとしている設計事務所ですね」

Kuma to Shikaプロジェクト担当のひとり、隈研吾建築都市設計事務所(以下、隈建築事務所)の宮澤一彦さんは、土地との関わりを誰より楽しみにしている隈さんその人を「好奇心の人だし、ここは好奇心の事務所」と語ります。

それだけ地域とのつながりを大切に設計を続けてきたからこそ、2011年の東日本大震災は、隈さんや宮澤さんら事務所メンバーにとってショックの大きいものでした。

「付き合いのある東北の職人さんたちが被災されて、何かできることがないかと考えました。

そこで立ち上げたのが、東北のものづくりを応援する『East Japan Project(EJP)』です」

East Japan Projectで生み出されたプロダクトのひとつ「NARUCO Kokeshi Bottle Cap」

知り合いのデザイナー数人に声をかけ、地元の職人たちと共にオリジナルアイテムを開発し、特設サイトで販売。しかし、課題も見えてきました。

「私たちには小売業の知識がありません。例えば原価計算をどうやってするか、数をいくつつくるかなど未知なことだらけでした。きちんと利益を出してつくり手に循環していくようなサイクルをどうやったら生み出せるか、手探りが続きました」

模索しながら、プロジェクトは9年間継続。その間に、希望を感じる出来事がありました。

建築事務所が「もの」づくりに携わる意義

「他の案件で手掛けた福祉施設で、地域ゆかりのメーカーさんと施設利用者の方が協業して、オリジナルのプロダクトをつくって販売しようという話が持ち上がったんです。

私たちは設計のプロセスで土地の特徴的な素材や技術にたくさん出会い、建築にも取り入れますが、一度建物が竣工すると、その先に活かす方法を持っていません。

結局そのプロダクトは販売にこぎつけることができなかったのですが、こうした『もの』があれば、竣工した後も建築と地域との関係性は続いていくのだと改めて気づきました」

土地土地の素材や人、技術の素晴らしさは誰よりも知っている。あとは、それを「もの」に変換してきちんと流通させることができればーー。

「建築とものづくりで、東北に限らずお世話になってきた全国各地を元気にすることができるかもしれない」

改めて建築事務所が「もの」づくりに携わる意義を見出したところで、隈建築事務所と中川政七商店は出会いました。

隈建築事務所からは、建築の発想や土地土地の素材を。

中川政七商店からは、素材やアイデアを暮らしの道具に変換するノウハウと流通の仕組みを。

お互いの得意を持ち寄り、ものづくりの対象を東北から全国に拡げ、建築の発想や素材から生まれる「暮らしの道具」が少しずつかたちになっていきました。

デビューするのは6種のアイテム

「素材集めは事務所内のデザイナーを集めて、3つのチームに分かれて行いました。子育て中のお母さんチーム、デジタルに強いチーム、素材の専門家チームです。

建築の現場には本当に様々な素材が転がっているので、できるだけ多様な視点で『こんなの使えそうかな?』を探していきました」

ものづくりのプロセスを明かすのはkuma to shika もうひとりのプロジェクト担当、堀木俊さんです。

今回デビューした6種のアイテムには、建築ならではの素材やアイデアが詰まっています。

丈夫さと透け感を活かした「飛散防止シートのバッグ・ポーチ」

ひとつめは、建築現場で建物の養生に使われる飛散防止用のメッシュシートを使用した、大きな折り目が印象的なトートバッグ。

建築現場で使用されている様子

「お母さんデザイナーチームにファブリックといえばこの人、という布の専門家がいて、彼女から上がってきたのが飛散防止シートです。建築現場では本当によく使われる素材で、その丈夫さや透明感がバッグやポーチに向いているのでは、とアイデアが生まれました」

耐荷重はバッグ中が15kg、大が45kgと業務用素材ならではの丈夫さですが、折りたためばコンパクトに持ち運びでき、広げればたっぷりと荷物が入ります。

ファブリックのプロとして、お母さんとして、両方の視点が生かされています。

同じシリーズのフラットポーチは、飛散防止用のメッシュシートと、奈良の特産品である蚊帳(かや)に使われる目の粗い薄織物「かや織」をビニールコーティングした生地が使われています。メッシュシートの透明感が生かされ、中のものが一目でわかる仕様です。

建築現場らしい草木を活用。「植物で染めた花ふきん・ハンカチ」

「ボタニカル・ダイ」という、植物を使った特殊な染色技法によって染めたふきんとかや織ガーゼハンカチ。染料には草木染めでは珍しい、クマザサとスギが用いられています。

「スギは全国どこでも使われている、とてもメジャーな建材ですし、クマザサも建物の周りに植えたり、私たちには身近な素材です。使い込んでいく中での色合いの変化も楽しんでもらえそう、という生活視点から素材候補に挙がりました」

家が<クマナイズ>される「組み木の飾り棚」

建築の「構造」を生かしたのがこのオブジェのような飾り棚。3D設計を行うデジタルチームからのアイデアだったそうです。

木材を組み上げる組子の手法のひとつ、地獄組。サニーヒルズジャパンの建物全体が地獄組で覆われている。

「日本の木造建築は組木の技法を構造部分はもちろん、建具など装飾部分へも使用することで木という自然素材を面の空間づくりへと昇華させてきました。

その組木の技法を幾何学的なデザインに生かした飾り棚です。ネジを使わず、単純な台形のパーツを組み合わせるだけでだけで面白い表情の棚が立ち現れます。付属のフックで壁にかけて浮かせたり複数の棚を連続させることで複雑な表面起伏を持った壁面を作ることができます。

2個3個と並べて使うと連続性が出て美しさが増します。隈建築事務所の設計の目線が生かされているので、飾ると家がクマナイズされるんじゃないでしょうか(笑)」

複数連続させることで意外な表面起伏の棚が立ち現れる。

まさに建築工芸品。「タイルのマグネット」

建物の外壁や内壁で使用される美濃焼タイルを採用したマグネット。

「建築のパーツを、買って帰れるというこのプロジェクトの醍醐味が詰まったアイテムだなと感じます。タイルはまさに建築工芸品ですね」

表面の荒さも設計された「和紙の折りタペストリー」

手漉きで和紙の中に木チップを漉き込んだタペストリー。部屋の和洋問わずオブジェのように飾れます。紙にランダムに配置された荒々しい木チップは、まるで紙が原料の木に戻ったかのような印象です。

「木チップは吉野ひのきです。私たちは内装材を検討するときに、表面をどれくらいの粗さにするかに気を配ります。周囲の環境に対して、どのような素材をどのくらいの粗さやピッチで用いるか。素材の使い方によって生まれる空間のリズムや表情にこだわり建築を設計しています。」

森の中にある梼原町の「雲の上の図書館 / YURURIゆすはら」。
Photo : Kawasumi Kobayashi Kenji Photograph Office

「例えば梼原町の図書館は、森の中に位置していてまわりが木で囲まれているので、外装材のピッチを粗くつくりました。逆に都会で周りにガラスが多いような環境なら、細かいピッチにしたりすることで、環境に合わせて調整しています。

今回は建築と違い持ち帰った場所によって置く環境が異なるので、家庭内に置くときに違和感のない粗さを意識して企画しました。」

建築的な視点が生きた「銅のはつり折敷」

板の表面に道具の痕跡を残し味わいとみなす技法を「なぐり」といい、江戸時代頃まで建材用の木材加工には欠かせない技術でした。このなぐり加工を写し取り、極薄の銅板に施すことで構造的な強度と意匠性を持たせたのがこの折敷。

飾り板として置くものを引き立てる使い方がおすすめです。

「これは素材の専門家チームから出てきたアイデアです。薄暗い環境の中に置いたときに、素材の表面の揺らめきが見えてきます。建物内外の明るさも織り込んで設計を考える、建築的な視点が再現されています」

ものの見方を揺さぶる、建築的暮らしの道具

こうして建築的な視点と、暮らしの中での見え方・あり方を行き来しながら生み出されたKuma to Shika シリーズ。担当するメンバー達にも新鮮な発見があったそうです。

プロジェクトメンバーが素材やアイデアを持ち寄りMTGする様子

「建築はどんな環境にその建物があるか、わかっていることが大前提で設計が進みますが、暮らしの中のアイテムって、どんな環境で使われるかが見えない状態で相手に手渡すんですよね。これは建築の現場にはない感覚です。

でも一方で、単に設計図で当てはめておしまいでなく、それを受容する人間の体で心地よいかどうかを探求する感じは、建築も工芸も通じるものがあると感じました。目で見て、肌で触れた時の質感を楽しんでもらいたいです」(宮澤さん)

「今回手がけたアイテムはどれも、単に『使える道具』としてではなく、その背景にある土地や素材のストーリーを通じて、ものの見方を揺さぶっていくことを目指して作っています。

アイテムの発売は事務局の他のメンバーにも新鮮に映るはずです。『建築の仕事』の定義そのものも揺さぶっていけたら面白いですね」(堀木さん)

「普段我々が建築の現場で目にする素材を、スケールや解像度を変化させてプロダクトをつくってみました。
プロジェクト当初は建てられた建築をハブとして新しい経済活動が生まれてくることを意識していましたが、これからは色々なメディアを通して人間の生活というものに肉薄したいと思います。」(隈さん)

工芸も建築も揺るがす、Kuma to Shika の物語がいよいよはじまります。

6月18日(金)より、中川政七商店オンラインショップ・一部直営店舗、
東京国立近代美術館「隈研吾展」(6月18日~9月26日)にて販売開始。
中川政七商店 渋谷店では、その開発の過程の資料や素材を公開する企画展『隈研吾と考える、建築と工芸』展を開催。

文:尾島可奈子

【わたしの好きなもの】厚手麻ニットのプルオーバーフレンチ袖

大人のTシャツジプシー、ついに卒業です。

若い頃のようにTシャツを1枚で着ると、「あれ??」と思うことが増えてきました。
 
「これならいいかも!」と直感を信じて買ってみても、いざ着てみると
 
「しっくりこない」
「二の腕が気になる」
「全体的に太って見える」
 
と、がっかりすることばかり。
 
結局は外に着ていく機会もなく、自然と家着になっていく・・・。
これは年齢によるものなのかも・・・

そう気づいたのはごく最近です。
 
40代になってから、どうしてTシャツを着なくなったのかなって、改めて考えてみました。

理由は、
その1.年齢的に、出かける時にTシャツ1枚だとカジュアル過ぎてしまうこと。
その2.二の腕やお腹周りなど、ほんとは隠したい、気になる部分が目立ってしまうこと。
その3.着丈が長すぎても短すぎても野暮ったく見えて、“ちょうどいい”着丈になかなか出会えないこと。
 
これらすべてを叶えてくれるTシャツがずっと見つからず、私はこの状態を「Tシャツジプシー」と呼んでおりました。
 
 

そんな私が今年、ついに出会ったのが「厚手麻ニットのプルオーバー フレンチ袖」です。実はこのTシャツ、Tシャツジプシーの旅路で出会ったのではなく、はじめから家で着るつもりで買いました。

コロナ禍のリモートワークで機会が増えたオンラインミーティング。モニター越しの相手からだらしなく見えないように、でもお家で過ごすのに楽チンなTシャツが欲しい・・・家着だからとりあえず難しいことは言わない、と。
 
つまりこのTシャツにそこまでの期待はしておらず、
「“麻100%素材”ということは、これからのジメジメした季節に気持ちよさそう!」
そんな理由だけで選びました。


 
ところが実際に着てみると、今までTシャツを着た時に気になっていた部分が気にならない!
これはもしかすると、ずっと探してたTシャツかもしれない!
まさかこんな近くで見つかるなんて・・・。
 
「厚手麻ニットのプルオーバー フレンチ袖」は、少し艶感のある麻100%素材のTシャツ。
ハリのある上質な麻のおかげで、Tシャツなのにカジュアルになり過ぎません。
でも、着ごこちはとっても楽チンなまま。
 
裾に向かって少しだけ広がりのあるデザインはお腹周りをスッキリとみせてくれて、気になるぽっこりお腹も目立たなくしてくれます。



フレンチ袖も絶妙なバランスで、一番太く見える部分をちょうど隠してくれる。

 
また、わたしにとってTシャツは着丈が結構大切です。
お尻がスッポリ隠れる丈だと足が短く見えてしまい、残念な後ろ姿になってしまいます。
かといって、短すぎるとしゃがんだ時に背中が出たり・・・。

でもこのTシャツは、身長160cmの私が着ても、長すぎず、短かすぎない絶妙な丈感!


くわえて、お手入れも簡単。
毎日洗っても肉厚な麻素材のため、型崩れも起こしにくく、シワも目立ちにくいという優れもの。
透けないというポイントもあります。暑い時期にあまり重ね着をしたくないですから、透けないのって大事ですよね。
 
いつのまにか、このTシャツ1枚を着て出かけることが増えました。
わたしは今年遂に、Tシャツジプシーから卒業です!

編集担当 北村