ぬか床はじめなら、とりあえずこれで間違いない
まだ6月だというのに暑さが急に襲ってきて、歩いているだけでも体力が奪われます。こんな季節、ひんやりと冷えてちょっぴり塩辛いキュウリのぬか漬けが定番でした。実家ではおばあちゃんが毎年つけていて、何気なく食べていたものですが。毎年この季節になると無性に食べたくなり、市販のぬか漬けを購入していましたが、どうしてもピンときませんでした。
そんな私も昨年からついに一念発起してめでたくぬか床デビュー。でもぬか床って混ぜるの面倒くさい、腐らせてしまいそう・・・と踏み切れませんでしたが、初心者でも簡単に出来ると聞き、ついにゆずと花椒のぬか床を購入。最初はおっかなびっくりでしたが、そんな私でも続けられる簡単なぬか床です。
ぬか床をはじめようか悩んでいる、以前やってみたが続かなかった方へ、無精男のぬか床のある暮らしをレシピや失敗談を交えながら、お伝えできればと思います。
これを機会にぬか床をはじめようかなと思っていただけたら嬉しいです。
昨年夏、初めてのぬか床とぬか漬け容器を両手に持ち、珍しくキッチンにたたずむ私。箱からぬか床を取り出すと密封されたぬか床が姿を現わします。こころなしか大きさの割に重みがある印象です。開封してしまえば、後戻りはできません。
一息入れてから開封します。空けるとすぐにゆずの香りと懐かしいぬか床の香りがします。何をつけようか購入前から悩み、やっぱりおばあちゃんのきゅうりが食べたいと事前にスーパーで購入してきました。
ぬか床を容器に入れ、きゅうりを手に取りぬか床へと思いましたが、そもそも切った方が良いのか?そのまま丸ごとか?一時停止。
調べてみると、早く漬かるのは切った方が良いとのこと、半分に切りぬか床にダイブしました。花椒は別袋に入っていて最初に入れようか悩んだのですが、味の違いを楽しみたいと思い最初入れませんでした。混ぜ忘れたと思いましたが、あまり触るのもどうかと思い、そのまま蓋をしめて冷蔵庫へ。かかった時間は約3分、思っていたより手間もかかりません。
半日経過、
冷蔵庫から出し、容器の蓋をあけると結構水が出ています。大丈夫だろうかと不安になりつつ、きゅうりを取り出してみるとサイズが1/3くらいになっています。
見栄えは合格点です。水で洗い流して適当なサイズに切り、盛り付けは益子焼の豆皿に。非常に美味しそうだったので、妻に出来栄えを見せながらふんぞり返る私。ほうじ茶と一緒に食卓に並べます。
香りは良いが、味はどうかなと不安に思いながら、口に運んでみると、丁度良い塩加減とゆずの香りが鼻に抜ける上品な味です。市販のぬか漬けだと割としょっぱいものが多い印象ですが、ゆずと花椒のぬか床は程よい塩味でお茶請けにも良さそうです。
漬けはじめから美味しいのは、奈良で88年続くお漬物屋さんがつくっているからこそ。初心者にとっては最初から美味しく出来ると続ける意欲が湧いてきます。
その後もナスや白菜、ゆで卵や豆腐にもチャレンジしましたが、どれも非常に美味しく頂けました。特にお気に入りは、ミョウガで程よい食感と、香りも良く、単体でも薬味でも万能に使えます。私は冷ややっこに少し長めに漬けたミョウガをかけて醤油無しで夏場に食べます。手間もかからず、冷蔵庫の常備菜になりました。
失敗したのはナスです。きゅうり同様何も考えずいれたら、ほとんど漬からずただの生ナス。ナスの場合は皮を軽く剥くか切れ目を入れると上手に漬かりました。
ぬか床の手入れもほとんど気にすることなく、1日1回ぬか漬けを食卓に出す際に軽く混ぜる程度で簡単。
そんなぬか床のある暮らしで困ったことが2つありました。
ひとつめは、ゆずと花椒のぬか床1袋で野菜900g漬けられますが、白菜100gは大き目の葉2枚分程度、キャベツだと1/8カット、人参3/4本ということで、あっという間に漬け終わっちゃうんです。
簡単で最初から美味しく漬かるゆずと花椒のぬか床ですが、唯一の難点が、あっという間に漬け終わっちゃうということなんです。約900gがつけられますので初心者には充分な量なのですが、気に入って漬けているとあっという間。
どうにかならないか・・・と思っていましたが、このたびたしぬかが誕生しました。ふだんかき混ぜるときにスプーン一杯程入れると、味や風味を維持しながらぬか床の成長を楽しめます。
たしぬかには花椒も入っており、香り豊かなぬかどこが引き続き楽しめます。
ふたつめは、ついつい忘れてしまい、しょっぱい古漬けができあがったときです。慣れるまでは初心者あるあるかもしれませんが、私はたびたびやらかしたので、冷蔵庫を空けたときに目に入る場所をぬか床の定位置と定めました。
古漬けもそれはそれで美味しいのですが、薄味派の我が家ではあまり人気がありません。
しかし古漬けも、美味しい食べ方があるんですがご存じでしょうか?
私のオススメは、味噌汁の具材として古漬けをそのまま投入することです。大丈夫かなと心配になりますが、古漬けの塩味が出るので、味噌を少なめにすると程よい感じです。ぬか漬けの風味や香りが、味噌汁となじみすごく美味しく仕上がります。夏場には冷や汁も良いかもしれません。
気に入ったので、最近は定期的に古漬けにしています。
そんなこんなで1年後の現在、ぬか床のある暮らしは継続中です。実は失敗してぬか床自体は買い足したり、買い替えています。おばあちゃんの味とは違いますが、自分で作ったぬか漬けも甲乙つけがたいです。
ぬか床にチャレンジできないという方も、試してみるならゆずと花椒のぬか床は如何でしょうか?
初心者の方も最初からたしぬかがあった方が、結果的に長持ちするのでオススメです。最近新作のにんにくと唐辛子のぬか床も発売中。こちらはお酒のつまみにぴったりな味になるということで、ひそかに狙っています。
(※ぬか床容器は私物になります)
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担当編集者 中田