線香づくり日本一の淡路島で出会った、知られざる「香りの世界」

香りには気分を変えたり、記憶を呼び覚ます作用があるといわれます。

日本で身近な香りと言えば「線香」。江戸時代から庶民にも広まり愛されてきました。

香りにも様々な種類があり、仏前に供えるだけでなく、暮らしの中で気分転換やもてなしに取り入れる人も増えています。室内でゆったり過ごす時間に良さそうですね。

「線香の香りは3段階で楽しむんです」

そんなことを知ったのは、淡路島でのこと。

実は淡路島は、線香の生産シェアが全国1位。香司 (こうし) という香りのマイスターが日本で唯一存在する、いわば「香りの島」なのです。

淡路島の神社には「香」と刻まれた石碑が建立されています
淡路島の神社には「香」と刻まれた石碑が建立されています

線香メーカーが集まり、人口の4分の1が線香づくりにかかわるという淡路市の江井地区を歩くと、海風に乗って町じゅうにいい香りが漂います。

淡路市の江井地区の街並み
淡路市の江井地区。観光庁の「かおり風景100選」にも認定されているそうです

線香づくりの現場を淡路島に訪ねて、線香の使い方、楽しみ方を教わりました。

日本書紀にも登場する淡路島と香りの物語

淡路島西海岸のドライブコース、淡路サンセットラインを走ると、かわいらしい「枯木神社」があります。

境内からは海が見渡せます
境内からは海が見渡せます

「香木伝来伝承地」として、人の体の大きさほどある枯木をご神体に祀っているそう。実は香り文化と淡路島とのなれそめは、なんと『日本書紀』まで遡ります。そこには、こんなエピソードが。

「推古天皇3年(西暦595年)の夏4月、ひと囲いほどの香木(沈香)が淡路島に漂着した。島民は沈香を知らず、薪と共に竈(かまど)で焼いた。するとその煙は遠くまで類い希なる良い薫りを漂わせた。そこで、これは不思議だと思い朝廷に献上した」
出典:梅薫堂ホームページ

沈香 (じんこう) とは、現在の線香にも好んで使われる香木です。淡路島に流れついたその香木を燃やしたところ、あまりにもよい香りを放つので天皇に献上したとのこと。香りについての記述としては、日本で最も古いのだそうです。

海に囲まれた淡路島の風景
海に囲まれた淡路島ならではのエピソードです

プロに聞く、線香の楽しみ方

淡路サンセットラインを南に進んで、線香メーカーが集まる江井地区に到着。いよいよ線香づくりの本場にやってきました。

「香りを3段階で楽しめるのは、日本の線香ならではです」と教えてくれたのは、慶賀堂の宮脇繁昭さん。淡路島に14人いる香司のひとりで、兵庫県線香協同組合の理事長も務められています。

慶賀堂の宮脇繁昭さん
慶賀堂の宮脇繁昭さん。香司として線香の香りをプロデュースしています

「香りの文化も国や地域によって様々です。インドでは香木そのものを焚きますし、日本の線香も元々は中国から伝わってきたものですが、練った材料すべてをスティック状にして少しずつ燃やすのは、日本独自のスタイルです。

日本では、家のなかにいわばお寺のミニチュアとして仏壇をしつらえ、線香をたむけて手を合わせます。この独特の様式には、かすかな煙で長く一定の香りを保てる線香がぴったりだったのです」

そんな線香の香りづくりには、「3段階」を意識しながらの試行錯誤が欠かせないそうです。

「まずは火をつける前に。点火してからは、たちのぼる香りを。そして火が消えたあとの残り香です」

今度線香を使う時は、この3段階を意識してみると一層香りを味わえそうです。

なぜ淡路島は線香づくりのトップ産地になったのか?ヒントはものづくりの現場に

「仏さまを祀る文化には、花、灯りとともに香りが欠かせません。香りによって、気を捧げるのです」と語るのは、いまも手作業での線香づくりを続ける梅薫堂 (ばいくんどう) の吉井康人さん。

梅薫堂の吉井康人さん
梅薫堂の吉井康人さん。慶賀堂の宮脇繁昭さんと同じく香司のおひとりです

手づくりの線香は手間暇がかかるぶん、その肌に機械では表現できないあじわいが生まれます。それが先祖に捧げる気持ちに響くと、手づくりに値打ちを感じるユーザーも少なくありません。

手づくり工房の見学希望者も多く、外国人からの申し込みもよくあるそう。ものづくりの様子を間近で見せていただきました。

梅薫堂は、淡路島における線香製造の黎明期から続く老舗メーカーです
梅薫堂は1850年創業。淡路島の線香づくりの黎明期から続く老舗メーカーです

線香は、香司のつくるレシピを元に製造されます。まずはレシピどおりに材料を配合した練り玉をつくります。

練り玉づくりに使われる「土練器(どれんき)」
練り玉の製造風景

練り玉づくりに使われる「土練器 (どれんき)」は、淡路島の特産である瓦づくりに使われる器具を応用したもの。職人が手触りを確認しながら水などの配合を調整します。

練り上がった大きな塊は「押し出し器」に入る大きさにカットします
練り上がった大きな塊をカットしているところ

線香の成形に使われているのは、昔ながらの「押し出し器」です。

線香の成形に使われているのは、昔ながらの「押し出し器」です

なかには、この「すがね」がセットされています。この細い穴を通って線香の細さになっていくわけです。

「押し出し器」の中にセットされている「すがね」

「押し出し器」から出てくる線香は、まるで麺のよう。

「押し出し器」から出てくる線香は、まるで麺のようです
まだやわらかい線香を、職人が慣れた手つきで切っていきます

まだやわらかい線香を、職人が慣れた手つきで切っていきます。竹製のヘラ、モミ製の乾燥板など、伝統的な木製道具が使われています。

1本1本を、丁寧に揃えます

1本1本を、丁寧に揃えます。

手作業の製作風景
こうした手づくりは、いまや全国でもほとんど見られないそうです

淡路島ならではの気候が活かされているのが「乾燥」の工程。

乾燥されている線香

乾燥が不十分だと曲がったりカビがはえたりすることから、現代では機械乾燥も採り入れられていますが、手づくりでは「べかこ」と呼ばれる格子窓を工房の一面にずらりとしつらえ、自然の風で乾かします。

窓は全て、西向き。淡路島独特の西から吹く風を乾燥に活かすのです。

「べかこ」と呼ばれる格子窓
乾燥はクオリティの決め手。梅薫堂さんの乾燥場でも、西向きの壁一面に「べかこ」の格子窓がしつらえられていました

淡路島で線香づくりが始まったのは明治維新前夜の江戸後期。海運業で栄えたこの地の新しい産業として取り入れた線香づくりに、この西から吹く風はぴったりでした。

乾燥に向いた土地柄ゆえに高い品質の線香づくりを維持できたことが、淡路島を一大産地に押し上げたといわれています。

手作業の製作風景
自然乾燥に費やされるのは最低でも2週間。湿度によってはそれ以上になります
昔の線香づくりが、絵に残されています
線香づくりが盛んだった堺へ技法を学びに行ったのが産業の始まり。繁忙期にはこうして路地裏に線香を並べた風景が見られるそう

素材とブレンドの組み合わせで、バリエーションは無限に

線香に使われる素材はさまざま。たとえ同じ香木でも産地などによって香りは千差万別です。

さらにブレンドの仕方や製造プロセスを変えることで、無限のバリエーションが生まれます。中には、花粉症に効くというユニークな線香もあるそうです。

梅薫堂の線香
梅薫堂の線香は、クス科のタブなど木の樹皮を粉末にしたものに、ビャクダン(白檀)、ジンコウ(沈香)といった香木をブレンドしてつくられています
吉井さんをはじめ、香司の多くが天然素材による線香づくりに力を入れています
吉井さんをはじめ、香司の多くが天然素材による線香づくりに力を入れています
線香が並ぶ店内
淡路島のお土産店の一角。壁一面を埋め尽くすほど種類豊富に線香が並んでいました

香りのマイスターが考える「いい線香」とは

仏前に供える役割だった線香は、いまではお香との境界が薄れ、好みで香りを選び、仏壇でもリビングでも楽しむ時代になってきています。

「バスルームの灯りを消し、キャンドルとお香をつけてバスタイムを楽しむ女性もおられますし、京都に行った際、お手洗いで奥ゆかしい香りに気づいてふと見ると匂い袋がかけてあったこともありました」と宮脇さん。

掛け香 (匂い袋) をスーツに忍ばせて商談に出向き、香りに気づいた方との会話が弾む体験をしているビジネスマンも。宮脇さん自身、出張で出かける際などには自ら考案した香りを自分のために持ち歩くのだそうです。

「好きな香りは心地よく、気持ちをやわらげます。その人にとって心落ち着く香りを放つのが、いい線香ではないでしょうか」

線香

『線香に火をつけて手を合わせるのは、忘れることのできない人と、心の扉をあけてお話をするひととき。静寂に気づいたり、大切な何かを感じ取ったりできるんですよ』

これは線香を通じて親交の深いお寺の方から、宮脇さんが言われた言葉だそうです。線香づくりを続けるなかで、常に胸に刻んでいると言います。

灰になるまでのわずかな時間、人の心を落ち着かせ、時に追憶にいざなう線香の香り。

それを司る宮脇さんら「香司」の仕事とは、一体どんなものでしょうか?それは後編でご紹介しましょう。

※後編はこちら:“いい香り”をつくるプロ集団。淡路島にだけ存在する「香司」の仕事とは

<掲載商品>
夏の線香 (中川政七商店)

中川政七商店が淡路島の職人とつくった線香。「初夏にみずみずしく咲き誇る薔薇の香り」「さわやかで情熱的な海の香り」「清涼感をもたらす竹林の香り」「やさしく優雅に香り立つ百合の香り」「静かな水面に清らかに咲く睡蓮の香り」と、夏にふさわしい5種類の香りがセットされています
中川政七商店が淡路島の職人とつくった線香。「初夏にみずみずしく咲き誇る薔薇の香り」「さわやかで情熱的な海の香り」「清涼感をもたらす竹林の香り」「やさしく優雅に香り立つ百合の香り」「静かな水面に清らかに咲く睡蓮の香り」と、夏にふさわしい5種類の香りがセットされています

<取材協力>
兵庫県線香協同組合

http://awaji-kohshi.com/top.php

文:久保田説子
写真:兵庫県線香協同組合、山下桂子

*こちらは、2019年6月13日の記事を再編集して公開しました

突然の雨から守ってくれる、超撥水の風呂敷「ながれ」

突然の雨。

しかたなくビニール傘を買いに走る‥‥そんな経験はありませんか?私はもう何度くり返したかわかりません。家にはビニール傘が増える一方。

折りたたみ傘を持っていればよかった!と後悔しつつ、毎日は持ち運びたくないし‥‥。そんな悩みを解決してくれるものに出会いました。

それは、風呂敷。

超撥水風呂敷『ながれ』

一見なんの変哲も無いように見えるこの風呂敷。ただの風呂敷ではありません。強力な撥水力を持っているんです。

超撥水風呂敷『ながれ』
布が水をはじいて、表面をコロコロと転がるほどの撥水力です

その名も、超撥水風呂敷『ながれ』。

超撥水風呂敷『ながれ』
こんな風に広げれば、布の上を水滴が流れて雨から身を守れます
超撥水風呂敷『ながれ』
布バッグなどを包んで水濡れを防ぐことも

小さく折りたためる風呂敷はかさばりません。かばんに1枚入れておけば、急に雨が降っても安心です。

織物の町、桐生市の老舗企業が生んだ「超撥水技術」

この風呂敷を作っているのは、群馬県桐生市のメーカー「朝倉染布」。1892年の創業以来、生地の加工技術で織物の町を支えてきた老舗企業です。

布おむつの全盛期には、赤ちゃんの肌に優しく、撥水力と通気性を兼ね備えたおむつカバーの開発に貢献。近年は、五輪選手も活用する競泳用の素材や、衣料資材の染色加工を行ってきました。

長年培ってきたこの加工技術から生まれた、独自の「超撥水技術」を風呂敷に施しました。

超撥水風呂敷『ながれ』
超撥水性を持たせることで風呂敷そのものの機能性が格段に進歩した点などが高く評価され、グッドデザイン賞 特別賞 (中小企業庁長官賞) も受賞

水が球体になって転がるほどの撥水力

「超撥水」とは、高い撥水性によって「水滴が面に対しておよそ150度を超える接触角で接する現象」のこと。

通常の撥水(接触角:約110度)
通常の撥水(接触角:約110度)
「超撥水」の状態 (接触角:約160度) 。水滴は球体に近くなり、転がりやすくなります
「超撥水」の状態 (接触角:約160度) 。水滴は球体に近くなり、転がりやすくなります

カメラやPCなど、「絶対に濡らしたくない」精密機器などを守るために買い求める人も多いのだとか。

超撥水風呂敷『ながれ』
濡らしたくないものを包めば安心

水が運べる風呂敷

朝倉染布の超撥水加工は、布の表面ではなく、繊維一本ずつに施されています。布を織る繊維そのものが高い撥水性を持っているので、生地の裏表両面が水をはじく上、通気性が保たれています。

そのため、中身を水から守るだけでなく、水を漏らさずに包むこともできるんです。端を結んでバッグ状にすれば、なんと10リットルもの水を運ぶことが可能なのだそう。

バケツ代わりになる風呂敷として、災害などの非常時用にも注目されています
バケツ代わりになる風呂敷として、災害などの非常時用にも注目されています
超撥水風呂敷『ながれ』
布ではなく繊維に加工が施されているので、絞ることで繊維の間から水を出し、シャワーのように使うことも

100回の洗濯でも撥水効果が持続

さらには、耐久性の高さにも驚きます。洗濯を100回以上繰り返しても撥水性能を保持し続けるそう。

汚れたら洗濯できるのは心強いこと。角を結んで水滴のついた食材を運ぶエコバックにしたり、食事がこぼれても良いように子どものいる食卓に敷いたり、レジャーシートとして使ったり、屋外フェスなどアウトドアでも活躍しそうです。

超撥水風呂敷『ながれ』
食事の時に前掛けにすれば、食べこぼしから服を守れます
超撥水風呂敷『ながれ』
通気性がありムレないので、温泉やプールに出かける際に着替えを入れて運ぶのにも最適です

突然の雨や災害時だけでなく、毎日の暮らしでも色々と活用できる風呂敷。お出かけのおともに、かばんに1枚入れておこうと思います。

<取材協力>
朝倉染布株式会社
群馬県桐生市浜松町1丁目13-24
http://www.asakura-senpu.co.jp/

<掲載商品>
超撥水風呂敷『ながれ』

文:小俣荘子

*こちらは、2019年5月29日の記事を再編集して公開しました

結婚のお祝いに有田焼を贈る。実用的で縁起もいい水引タンブラー

お祭や祝い事など特別な「ハレ」の日と、普段の生活を区別して暮らしてきた日本人。

「ハレ」の日にはめいっぱい華やかに、その分「ケ」の日々は質素に。
これがかつてのスタンダードだったようですが、私たちの生活にはなんだかしっくり来ません。

日常の中に「ハレ」の要素があったらきっと楽しいし、逆にハレの日だってそんなに形式張って、しきたりを守らなくてもいいのかもしれない。

私たちの暮らしの中で、ハレとケの境界線は昔よりも曖昧になってきているように思います。

ハレの日

現代の私たちにとっての身近な「ハレ」の日といえば、結婚式もそのひとつ。

おめでたいお知らせを聞くと嬉しいものですよね。でもそんなときに迷うのが、結婚祝いの贈り物。

かつて贈られることが多かったという華美な伝統工芸品は、なかなか普段は使いにくいもの。私たちの世代では、実用的なアイテムを贈るのが主流になりつつあるように思います。

だけどやっぱり、「ハレ」の意味が込められたものを贈りたい。とはいえ、日常使いできるようなデザイン性も捨てがたい‥‥

そこで、こんな素敵な商品がありました。

毎日使いたくなる、水引の有田焼タンブラー

真っ白なボディに華やかな絵付けから「白い金」と呼ばれ愛されてきた有田焼。

華美な美術品といったイメージも強い有田焼は、結婚式のお祝い品や引出物としても用いられてきました。

華やかな絵付けの伝統的な有田焼。有田観光協会提供。

しかしこれらの商品は、現代の私たちの生活に取り入れるのには、少々馴染みにくいつくりであるのも事実。

そこで、有田焼の専門商社であるヤマト陶磁器の山口武之さんが考案したのがこちらです。

有田

焼 タンブラー 水引 ヤマト陶磁器
水引のモチーフがお祝い事にぴったり

お祝いのものに添える「熨斗(のし)」をイメージし、立体的な水引のモチーフが浮かび上がる絵付けがポイントです。

これは「一珍(いっちん)」という有田の伝統技法から生まれたもの。化粧土を細い針穴から絞り出しながら絵を描く、技術が求められる技法です。ひとつひとつが、熟練の職人さんによって手描きされています。

有田焼らしい華やかさと、水引の持つめでたさを持ちながらも、現代のライフスタイルに合ったシンプルなデザインで、日々の暮らしにも取り入れやすそうです。

また、タンブラー型なのもうれしいところ。
なめらかな白磁の飲み口で、冷たいお茶やビールも美味しくいただけます。

夫婦茶碗を贈るような感覚で、2人の「ハレ」の思い出を、日常の「ケ」にもさりげなく肩肘張らずに。

そんな、「これからのハレとケ」のご提案でした。

*こちらは、2018年5月19日の記事を再編集して公開しました

【わたしの好きなもの】家で気分を変えられる、日本の精油


なくても困らないけど、あるといいもの


休日のお散歩のとき、途中にある植物の匂いを嗅ぐことが大好きです。
森の中に入った時なんかがそうですが、いい香りに出会うと大きく深呼吸したくなりませんか?

意識的に呼吸することは自分を癒やすことにもつながります。でも毎日お散歩したりするのは難しいですよね。

そこで!お家で気分を変えられる精油の登場です。


数年前まで、お仕事でもお家でも車の中でも、精油は私にとって生活の一部でした。
「でした」という訳ですっかり遠ざかっていたのですが、中川政七商店から新たに「日本の精油」が発売されることを知り心待ちにしていました!

結論から言いますと、「あるといいというよりも、あった方がいい!」


そもそも精油とは?

ざっくり説明しますと、植物から抽出した芳香成分です。この芳香成分を、あるときはリラックスやリフレッシュ。またあるときは虫除けや抗菌など、多様な目的に利用できるのです。

今回発売された「日本の精油」は6種類。もともと、精油の香りによっては苦手なものもあった私ですが、今回のラインアップはみんな香りに品があって、どれも控えめで使いやすいと思いました。

中でも私のお気に入り3種の使用例をご紹介します。


『ホウショウ』
もともと好きな精油なのです。とてもリラックスできる香りなので夜寝る前にキャンドルに2滴くらい垂らして癒されています。

『ブンタン』
柑橘系の精油は果皮を圧搾しているメーカーが多いのですが、こちらは水蒸気蒸留。とがった香りがなく甘く優しい香りです。お風呂時間に、洗面器にお湯を張って2滴くらい垂らしています。

『ハッカ』
こちらはお掃除の拭き上げの際に垂らすのもいいですが、私はお手洗いに置いておき、流した後に1滴垂らしています。控えめなハッカの香りは次に入った時の気分を少し上げてくれます。


そしてこの3種の精油をブレンドして、無水エタノールと精製水で薄めてリフレッシュスプレーに。
カーテンなどのファブリックやマスクの外側にシュッっとするだけで、いつでもすぐに気分をリフレッシュできます。

他にも、家にいる時間が長くなりダラダラ過ごしがちな1日の中、朝の香り、ヨガをやる時の香り、読書の時の香りなど生活にメリハリをもたらす役割をしてくれます。


部屋ごとに香りを変えるのもオススメです。みんなが集まるリビングにはヒノキチップを窓辺に置いたところ、風とともにほのかな香りが感じられました。もちろんこのチップに精油を垂らして使えます。

こんな感じで、使い始めたら無くてはならないアイテムに。
私の場合、体調や季節によっても香りの好みが変わるので、ヒノキ、ヒバ、クスノキもどうやって使おうか楽しみです。


中川政七商店 ルミネ横浜店 長尾


<掲載商品>
日本の精油 奈良産 ヒノキ
日本の精油 北海道産 ハッカ
吉野ヒノキの芳香チップ
常滑焼のキャンドルディフューザー

わたしの好きなもの「綿麻エコバッグ」

「エコバッグ?いえ、私にとってはメインバッグです(笑)」
 
入社して初めて購入した自社商品が、この「綿麻のエコバッグ」。鮮やかな赤の色に一目惚れしました。
 
綿麻で軽くて、でもしっかりとした生地感。エコバッグとはいっても頼りなさは全くないので、私は普段メインバッグとしてお友達と会う時やお出掛け時に使用しています。
 
色は生成、墨、赤の三色。どの色もベーシックカラーで合わせやすいので悩むところ。実際、色違いで持っている方も多いです。



 


私は赤色を愛用中。意外に合わせやすく、コーディネートのワンポイントになってさりげなく個性も出せる所が気に入っています。
 
デザインはとってもシンプルなのでパンツでもスカートでもなんでもしっくりと合わせやすく、飽きがきません。
 
荷物が少ない時、見た目は三角っぽいおにぎりの様な型になります。お買い物で荷物が増えても大丈夫、今度はマチが広がって四角に!たっぷりの大容量。形が可愛らしく変化するんですね~。
 
 


しかも、持ち手が太くなっているので手に負担が掛かりにくく持ちやすい!持ち心地もいいんです。
 
中にポケットが1つ付いているのも嬉しいポイント。鍵や細かな物を入れるポケットは、絶対に必要です。
 
自宅で洗えるので汚れても安心。洗った後、ノンプレスでくったりした感じで持つのも、また雰囲気が変わっていいですよ。
 
素材が馴染んでいくので愛着も湧きます。
 
レジ袋有料化になるタイミング、どうせ持つならメインにもサブにもどちらでも使えた方が一石二鳥ですよね。
 
気軽にそして末長く使えるお薦めアイテム。私の友人にも愛用者が多いんですよ。

 

福岡パルコ店 柴田
<掲載商品>
綿麻斜子織りのエコバッグ

使いやすさ最高峰。普段使いできる重箱を見つけました

ずっと欲しかった憧れのものがある。

おせち用のお重。

ここ数年、特にお正月の準備をはじめる頃になると、お店を巡ったり検索をしたりしながらいろいろ見てみるものの、「お正月のためだけに買うのもなぁ」とずっとためらっていました。

でもようやく今年これは!というものを見つけ、昨日我が家へ。早速使ってみた嬉しさとともに、その使い勝手をお伝えしようと思います。

お正月も、ふだんも使える重箱

お重のハードル。それは、お正月しか出番がないことでした。

お正月は年に一度のハレの日だから、せっかくなら「ちゃんといいもの」を使いたいけれど、お正月のためだけの買い物にしてはちょっと高い…

ふだん使うにも、うちにある器との組み合わせを考えると食卓で浮きそうだしなぁ‥

そんなモヤモヤを解消してくれたのが、このお重でした。

松屋漆器店さんの白木のお重

映画「めがね」にも登場した松屋漆器店の重箱(お重)

お重は全体が漆仕上げで重厚感のあるものが多いですが、こちらのお重は白木の木目が残されています。

真四角のかたちが醸し出すちょっとかしこまった雰囲気を、木目のナチュラルさが和らげているような。それでいて、凛とした美しさもあります。

作っているのは、漆器の産地である福井県鯖江市の「松屋漆器店」さん。100年以上の歴史を持つ、越前漆器の老舗メーカーさんです。

通常ラインのものは内側が漆塗りですが、こちらは雑貨店「hushykke(ハシュケ)」さんの別注で内側も木目仕様。

映画「めがね」にも登場した松屋漆器店の重箱(お重)
4・6・9つ切の仕切りもあり、お弁当にも使いやすそうです

タモ材の木目を生かし、透明のウレタン塗装が施してあります。コーティングのおかげで耐久・耐水性があり、ふだんから気軽に使えるのも嬉しいところ。油、色移りの心配もなく、洗剤を使って洗えます。

食卓が引き締まる工芸品

映画「めがね」にも登場した松屋漆器店の重箱(お重)

おせちを待たずして、ふだんの食卓で使ってみる。

持ってる器と並べても浮かないけれど、食卓がちょっと引き締まります。料亭とまではいかないけれど、いつもの家庭料理が小料理屋さんぐらいの雰囲気になる感じ。日常で使うにはちょうどいい塩梅です。

映画「めがね」にも登場した松屋漆器店の重箱(お重)

今朝はそのまま朝食に。木のプレートと同じ感覚で使ってみたところ、意外とパンにも合いました。

棚の奥の方へ大事にしまっておいて、特別な日だけ使うイメージだったお重ですが、いつもの食器棚にスタメンとして置いててもいいかも、としまうスペースを考えはじめました。

映画「めがね」にも登場した松屋漆器店の重箱(お重)
ふだんのお皿が丸いものが多いからか、直線で構成された重箱は料理の雰囲気が違って見えます

映画「めがね」にも登場した松屋漆器店の重箱(お重)
晩酌にはおちょこ入れとしても。

ハレの日の工芸を日常に

ハレの日は、めいいっぱいめでたく迎えたいもの。そんな節目の日には、ちょっと背伸びして「いいもの」を揃えたいなと思います。

そうやって何かの機に好きなものを日常に取り入れていくと、ふだんの生活も少しずつ心地よくなっていくから嬉しいものです。

お正月まであと1週間。今年のおせちはどう盛ろうかと今からワクワクしています。ふだん使いすることで、いざという時の使い方も広がるのかもしれません。

年にいちどのハレの日から、ぜひ日常にも工芸品を取り入れてみてください。

<掲載商品>
松屋漆器店 白木塗タモ 二段重箱(ハシュケ別注)

松屋漆器店 白木塗 タモ6.0 二段重

製造 : 松屋漆器

*こちらは、2018年12月26日の記事を再編集して公開いたしました

文・写真:西木戸弓佳