世界のメゾンも愛するニット生地。和歌山のテキスタイルメーカー・A-GIRL’Sのものづくり

「何を基準に服を選ぼう?」
「どんな服を着よう?」

見た目が好みか、自分に似合うか、だけを基準に服を手に取っていた若い頃から、最近は、もう少し別のものさしも持つようになりました。

例えば、着心地。

やわらかで、動きやすく、ストレスなく着られるか。長く大事に着たい服だからこそ、無理なく着られることをとても大事にしています。

また、もう一つ気になるのは、ものづくりの姿勢です。

せっかく迎えるなら、素敵だな、応援したいと感じるつくり手さんのものを手にしたい。最近は、そんなふうにも思うようになりました。

もちろん、纏うことで自分の気持ちが晴れやかになることも大切。なんだかんだ言いつつも、直観的に心を動かされるデザインは服を選ぶうえで譲れない視点です。

そうやって迎え、クローゼットに並んだお気に入りの洋服たち。たくさん持っていたあの頃よりはいささかスッキリしましたが、どれも着るたびに少し強くなれそうな、そして今日も自分らしく過ごせそうな力を、私にくれるのです。

今回ご紹介するのは、中川政七商店の洋服づくりの頼りとなるつくり手の一社・A-GIRL’S(以下、エイガールズ)さん。ニットの生地開発を行うテキスタイルメーカーで、和歌山に拠点を持ちながら、国内はもちろん世界のメゾンからも信頼されるつくり手さんです。

どんなものづくりの矜持があるのか知りたくて、和歌山まで訪ねました。

老舗ファクトリーを背景にテキスタイル開発を行う、和歌山のニッター

JR和歌山駅から電車で2駅。ホームに降りると、木々の緑に染まる山を背景に、小さな工場や民家を抱いた街並みが広がります。穏やかな景色が続く道を、のんびりした気持ちで歩くこと4分。昔ながらの工場や住宅地のなかで、ひときわ目を引くクールな建物に出会ったら、それはきっと、今回ご紹介するエイガールズでしょう。

手前にショールームがあり、奥に見えるのがエイガールズの本社。窓が大きく、コンクリートむき出しの壁に、すっきりと手入れされた庭の植栽が印象的です。清々しい気持ちを受け取りながら扉を押すと、取締役の尾崎孝夫さんと、中川政七商店担当の西秀敏さんが迎えてくださいました。

奥が西さん、手前が尾崎さん

ところで皆さんは、そもそも「ニット」とはどんな生地を指すかご存知でしょうか。多くの方がまず思い浮かべるのは、毛糸で編まれた、冬によく着る暖かいあの生地かもしれません。もちろんそれも間違いではないのですが、ニットというのは、一本の糸で輪を作りながら編まれた生地全般のこと。生地の作り方には主に、経(たて)糸と緯(よこ)糸で構成される「織り」と、一本の糸をループにして絡ませ、布地に仕立てることを基本とする「編み」があり、ニットは編みの技法を使ってつくられます。

伸縮性や着心地が良いのがニット全般の特徴ですが、さらには「経編み」「緯編み」に大別され、緯編みのなかにも「よこ編み」「丸編み」と技法があって、それぞれ仕上がりも異なります。経編みは主に合成繊維を使うことが多く、伸びが少なくしっかりした生地に仕上がるのが特徴。例えばセットアップやパンツ、レギンス、スポーツアイテムなどによく利用される編み方です。

一方よこ編みでつくられた生地は伸縮性があり、主に採用されるのはセーターやマフラー、靴下など。そして丸編みは風合いがやわらかく伸縮性にも富むのが特徴で、ジャケットやパンツ、インナー、Tシャツなどさまざまなアイテムで広く使われます。意外なところだと、スウェットも“ニット”なんですよ。

なかでもここ和歌山は丸編みニットの産地で、1909年にスイスから5台の編み機が入ったことから、編みの生地づくりがスタートしたといわれる地。国内の丸編みニットの40%ほどが和歌山でつくられており、地場産業として知られています。

「ひと口にニットと言っても、編み方も糸もさまざま。産地によって得意とするものづくりも違っていて、例えば北陸はポリエステルやナイロンなどの合成繊維を扱うのが得意です。また尾州(愛知・岐阜エリア)はウールが得意な地。一方で和歌山は綿を得意としています。これは、すぐ近くに流れる紀の川付近で綿花を栽培していたのがはじまりと言われていて、そこからものづくりが広がったそうです。

とは言え、和歌山は世界の丸編み産地と比べても技術力が高く、インナーからアウターまでいろんな生地を編み立てる技を持っているのが強み。例えば綿とポリエステルとか、綿とウールなどの組み合わせでの生地づくりもしています。うちでも綿糸を基本に長く続けていますが、最近では天然繊維全般、例えばウール糸やカシミヤ糸などを使った生地も扱っています」(尾崎さん)

バブル期には150社ほどのニット関連企業があった和歌山ですが、ここ最近では縮小して50社程度に。それでも、市内には今もニット関連企業や染屋さん、縫製屋さんなどが点在し、少し歩いたら編みのものづくりに関わる企業に出会うほど。そんな営みの地で、エイガールズも創業から長く、丸編みニットを専業として事業を展開してきました。

80年以上続く老舗ファクトリーのヤマヨテクスタイルをグループに持ち、創業以来、工場は持たずにテキスタイルの企画・開発を進めてきた同社。今も企画した布の70%ほどは県内のグループ工場でつくり、その他の製造も近隣の工場と取り組むことがほとんどだといいます。

「編み、染め、縫製まで車で40分圏内くらいで完結するので、うちの丸編みニットは完全にメイドイン和歌山。今風に表現すると、サスティナブルですよね」(尾崎さん)

世界のメゾンからも厚い支持

2004年以来、パリで毎年2回開かれる、世界最高峰の国際的なテキスタイルの見本市「プルミエール・ヴィジョン」に出展しているエイガールズでは、売上の40%を海外が占めます。和歌山の本社には、国内のハイブランドや世界的なメゾンなど、さまざまな企業からお客様が訪れるそう。

国内外問わず厚い信頼を集める同社ですが、とはいえ、生地をつくる編み機は国内の他メーカーも、海外のつくり手も、ある程度は共通のもの。何が差別化のポイントとなるのか不思議に思い尋ねると、「編み機を扱う技術が違うんですよね」とのお返事がありました。

「一般的には難しいと言われるような編み機と素材の組み合わせでも、当社の関連工場や、和歌山のつくり手さんは、培ってきた高い調整技術でそれを可能にするんです。例えば同じ編み機でも、使う素材が天然繊維の場合は、合成繊維に比べて編むうちにケバがたつので針が折れやすい。だから、機械を扱うには熟練の技術が必要となるんですよ。他には切れやすくて扱いの難しい極細糸を使った編みにも強いので、さまざまな表情の生地がつくれるんです。

あとは先ほどお話しした通り、染めなどの工場も近隣にあるので、一貫して日本の高い技術で風合いの良い生地を仕上げられる。それらがお取引先さんから支持を頂いている大きな理由ですね」(尾崎さん)

エイガールズの取引先の一社・丸和ニットの編み機。エイガールズで糸の開発やテキスタイルのデザインを行い、協力工場に製造を依頼する

いわく「差別化とこだわりのポイントは風合い」なのだそう。特に、同社が得意とするニットの一つ・カットソー生地は肌に直接あたるもののため、風合いが非常に大切なのだといいます。他には真似ができないような手ざわりや、纏った際に自分の気持ちが上がるラグジュアリーな素材感を目指すのが、エイガールズ流のものづくりです。

「すべての生地の風合いにこだわっていて、他には体感できないようなやわらかさや肌ざわりを追及しています。それはお話ししてきたように、糸の原料から編み方、染めの技術まで一貫してこの地で進めるからこそ実現できること。日本の生地づくりは基本的に分業なんですけど、その分業ならではの良さって、それぞれが“匠”であることなんですよ。それを和歌山で最初から最後まで手がけられるのが、この産地のいいところですね」(尾崎さん)

通常、編みでは難易度の高い柄や風合いの表現も、和歌山の技術がタッグを組み実現する

またそのこだわりは糸にまで及びます。ものづくりに臨む際には糸から開発する場合も多々あるそうで、原料は基本的に別注。つまり、綿(わた)から選んでつくることもよくあるのだと続けます。

「日本はもちろんですが、インドなどの海外からも糸の原料を仕入れ、オリジナルの糸をつくっています。糸も編みも加工も、組み合わせ次第で表現は無限。主には自分たちで開発した生地をお客様に提案していますが、お客様のオリジナル生地づくりもしています。また弊社の生地で製品までつくってから収めることもしていて、ご要望に応じて様々な提案をさせていただいています」(西さん)

他社にはまねできないような表現の幅や、それを可能にする技術を、協力工場と共に叶えるエイガールズ。とはいえ創業当初は他と変わらない、いちテキスタイルメーカーだったと振り返ります。転機は20年ほど前にパリで開かれるプルミエール・ヴィジョンに出展したこと。国際的なテキスタイルの見本市ではありますが、当時はまだ、日本からは4社ほどの参加でした。

「早い時期に海外のお客様とお付き合いをはじめたことで、どんな生地がどんな場所で求められるのか、またどんな技術がそれを可能にするのかの知見が溜まっていったことは大きいですね。国によって求められるものって全然違うんですよ。日本では反応が悪くても、海外では支持されるものもあります(笑)。そうやって続けてきたことが、いろんなご提案をできる基礎になっているんだと思います」(尾崎さん)

そう話す尾崎さんも、実は世界的な賞の受賞歴がある、テキスタイルのプロ中のプロ。2016年には「最も影響力のある6人のテキスタイルデザイナー」の1人に選ばれたほどです。

和歌山ニットを世界へ

そんなエイガールズが旗を振り、2022年から始まったのが「WAKAYAMA KNIT PROJECT(和歌山ニットプロジェクト)」。グループ会社に老舗ファクトリーを持つ同社ではありますが、近年は新たに、産地の別工場とも仕事に取り組んでいます。

「どこの産地も一緒ですが、後継者がいなかったり、若い人が入ってこない問題でシュリンクしているじゃないですか。このままだと、うちのものづくりは続いても、和歌山という産地自体が存在しなくなる。

僕たちは自社工場を持っていないので、ものをつくる実際の工程は(グループの工場はあるものの)他の企業さんにお願いするしかないんですね。でも、このままだと5年後、10年後には産地がなくなってしまう可能性がある。そうなると自分たちのものづくりができなくなると危機感がつのっていました。

最近では海外から輸入されたテキスタイルや製品が、国内市場の多くを占めています。このままだと、どんどん苦しくなっていきますよね。『今のままではマズい、自分たちだけでなく業界を盛り上げなくては』と、和歌山のニッターでやる気のある若手の社長さんたちを誘って、一緒にものづくりをする取り組みを始めたんです。これは単に一緒に生地をつくるだけじゃなくて、それを一つのブランドとして進める試みです。

アプローチ先として国内はもちろんですが、中心に見据えているのは海外市場。売上はあまりないかもしれないけど、まずは和歌山という産地を知ってほしいのが目的です。日本のものづくりは海外で高く評価されているので、海外から発信してこのブランドを知ってもらうことが、産地を知ってもらう近道なのかと思って。

そうしていくことで若い方が、産地を魅力的に感じてくれる可能性があります。私たちは20年前から海外に出ているので、ある程度知識もあるし、これを進めることが産地の存続に繋がるんじゃないかと考えました。

私はアドバイザーという立場で入っていて、プロジェクトに参加する各工場それぞれに、強みのある編み機や技術で生地をつくっていただきます。先日はプロジェクトとしてはじめて、海外でも展示会に出てきたんですよ。とても好評で、次もやっていきたいという声が上がっています」(尾崎さん)

ショールームには、WAKAYAMA KNIT PROJECTで開発された洋服も並ぶ

この日は同プロジェクト参加企業の一社で、エイガールズと中川政七商店による「裏毛ジャカードシリーズ」に使う生地の開発・製造もしていただいた、丸和ニットの代表・辻雄策さんにも話が伺えました。

「弊社の裏毛ジャカード編み機は当初、車のカーシート用の量産生地を編む設備として導入したのですが、時代の移り変わりとともにファッション衣料品用生地を編む設備となり、個性的な技術の生地づくりをしています。

もともとノウハウや技術はあったのですが、お客様のニーズを意識した最終製品に活かす視点が弱くて。それをWAKAYAMA KNIT PROJECTが契機になって、エイガールズさんにアドバイスなども頂きながら、着用されるお客様の反応まで見える生地がつくれました。

いつもは生地の技術や、問題なく完成したかどうかに意識がいきがちだったのですが、お客様が着る服を想像して糸から製品まで考える姿勢はすごく勉強になりました。つくり上げた柄に対するお客様の反応もとても良く、生地をつくるときの視野が広がったように思います。技術だけじゃなくて、デザイン性とか、誰に向けて提案するかとか、その大切さがよくわかりました」(辻さん)

「和歌山のいいところって、最新の技術も取り入れながら、職人の手仕事で今も稼働し続けるヴィンテージの機械を使うこともして、唯一無二の生地づくりを可能にすることなんですよ。それをもっと国内外の多くの方々に知ってもらって、魅力的な商品をつくり続けることが、和歌山ニットをこの先に繋げていく一助になると思うんです」(尾崎さん)

ところで社名の「A-GIRL’S」とは、創業時に代表が「トップ(=A)の女性に支持される、良い素材づくりをしよう」との思いでつけたものだそう。

安きに流れず、価値のわかる企業と質の良いものづくりを続けて、仲間を巻き込んで産地を存続させていく。

纏う人の心地好さ、唯一無二の生地の表情、そして産地の未来を背負ったエイガールズのものづくりには、それを選びたい理由が詰まっていました。


<関連商品>

中川政七商店では、エイガールズさんとつくった「裏毛ジャカード」シリーズを販売中です。袖に入った柄はプリントではなく編みによるもの。軽くてやわらかな生地の風合いに加え、たくさん着て、たくさん洗っても崩れない、その編みの表情もぜひお楽しみください。

裏毛ジャカードのプルオーバー
裏毛ジャカードのジャケット

<関連特集>


取材協力:

株式会社エイガールズ
和歌山県和歌山市三葛3-2
https://www.agirls.co.jp/jp

丸和ニット株式会社
和歌山県和歌山市和田1164
https://maruwa-knit.com/


文:谷尻純子
写真:直江泰治

【あの人の贈りかた】一日の始まりも終わりも、晴れやかな気持ちに(スタッフ福井)

贈りもの。どんな風に、何を選んでいますか?

誕生日や何かの記念に、またふとした時に気持ちを込めて。何かを贈りたいけれど、どんな視点で何を選ぶかは意外と迷うものです。

そんな悩みの助けになればと、中川政七商店ではたらくスタッフたちに、おすすめの贈りものを聞いてみました。

今回は店舗サポート担当の福井がお届けします。



暮らしの心地好さと直結する「雪音晒の四重ガーゼフェイスタオル」

タオルって種類が多すぎて、結局何が自分の好みか決めきれない。どれも良いような気がするし、どれもしっくりきてないような気もする‥‥。

そんな私のタオル難民生活に終止符を打ったのが、この「雪音晒の四重ガーゼタオル」です。

ガーゼの優しい肌触りと、こすらずとも水分がすーーっと吸収されていく心地好さ。
吸水性だけじゃなく、乾きの早さと、薄手で嵩張らないので機能面も◎
毎朝このタオルで顔を拭くと幸せな気持ちになります。

ギフトのザ・定番というイメージもあって、無難すぎるかなと倦厭していたけれど、毎日肌に触れるものが、ストレスなく気持ちよく使えることで、1日のはじまりも、おわりも晴れやかな気持ちになる。毎日の暮らしに直結しているなぁ、とこのタオルで実感して以来、ギフトにもよく利用しています。

「この心地よさを届けたい!」っていう、私のエゴもありますが(笑)、自分が実感しているからこそ、気持ちを込めて自信を持って贈ります。

タオルと入浴剤のセットや、タオルと保湿クリームのセット、タオルとルームソックスのセット‥‥など、贈る相手にあわせて組み合わせを変えながら選べるのも良いところです。

<贈りもの>
・中川政七商店「雪音晒の四重ガーゼフェイスタオル」

相手の暮らしや好みをイメージして味を選べる「番茶 小袋」

贈りものって悩むけれど、相手を想いながら選んでる時間が楽しくて、ギフト選びは結構好きな時間です。

中でもよく贈っているのが、この番茶シリーズ。
種類も豊富で、一年を通じて定番の4種がありつつ、季節ごとに新作がでるのも魅力的です。

ティーパック3袋入りなので、誰でも淹れやすく、特別な茶器も要りません。

友人の家にお呼ばれしたときに2、3種類くらい持って行き、一緒に何を飲むか選んだり、ギフトに+αで添えることもよくあります。

例えば、出産祝いには、頑張った友人に向けてカフェインの少ない「茶の木番茶」を添えたり、仕事が忙しそうな友人には、リフレッシュできるように香り豊かなハーブ系を選んだり‥‥。
いろんな種類があるからこそ、手紙を添えるような気持ちで、相手の好みや暮らしをイメージして選んでいます。

個人的には珈琲や紅茶も好きだけど、最近は、どんな場面でも、誰とでも、長くゆったり過ごせるお茶の魅力を実感しています。

<贈りもの>
・中川政七商店「番茶 小袋」各種

手のひらに広がるやさしい香りで、ほっと一息「kiu祈雨 出雲和漢 ×やまもも 化粧石鹸 『縁』

外出先で手作り石鹸や、釜炊き石鹸を見つけると、ついつい吸い寄せられてしまう私。
優しい香りとコロンとした見た目、手仕事という魅力も相まって、つい手に取ってしまいます。

今は液体ソープを使う人が多いだろうし、私も普段は泡立ちが早くて、保管も楽ちんな液体タイプを使うことが多いですが、はじめて手作り石鹸を使ったとき、湯上り後のしっとり感や、肌にしっくりくる感じに驚きました。

kiuの「やまもも化粧石鹸」は、保存料や着色料は使わず厳選された素材だけを使った手作り石鹸。
島根県・出雲の玉造温泉水と、植物エキスでできたしっとりマイルドな使い心地で、もっちりとした泡が顔を包んでくれるのも気持ちがいいです。透き通った桃色も綺麗で大好きな石鹸です。

固形だからこそ、泡を丁寧に立てたり、手のひらに広がる香りをゆっくり楽しんだり、忙しい毎日だからほっと一息つける時間を過ごしてほしいな、という気持ちを込めて贈っています。

お世話になった方や、友人の節目の時に、手紙を書くのは気恥ずかしいけど、感謝やエールの気持ちが伝わるように選んでます。

<贈りもの>
・「kiu祈雨 出雲和漢 ×やまもも 化粧石鹸 『縁』」
・ブランドサイト:https://kiu-izumo.com/

※こちらの品は中川政七商店でも販売中。時期により在庫状況が異なりますので、ご了承ください。


贈りかたを紹介した人:

中川政七商店 小売課 店舗サポートグループ 福井雅奈子

【あの人が買ったメイドインニッポン】#19 インテリアデザイナー小林恭さんが“一生手放したくないもの”

こんにちは。
中川政七商店ラヂオの時間です。

ゲストは引き続き、設計事務所ima主宰のインテリアデザイナー・小林恭さん、マナさん。今回は、恭さんが「一生手放したくないメイドインニッポン」についてのお話です。

それでは早速、聴いてみましょう。

[恭さんの愛着トーク]

・元マリメッコのテキスタイルデザイナー、石本藤雄さん壁掛け作品
・フィンランドで購入し、飛行機で手持ちで持って帰ってきた
・何とも言えない微笑ましさのある、癒しのオブジェ
・石本さんとの仕事でフィンランドに赴くように…
・フィンランドの身近に自然がある暮らしに影響を受けて
・緑の豊かな公園を借景に、都市でも四季を感じる暮らしを大切に

プラットフォーム

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小林恭さんが「一生手放したくないメイドインニッポン」

小林恭さんが“一生手放したくない”メイドインニッポンは、「石本藤雄さんの陶器の壁掛け作品」でした。


ゲストプロフィール

小林恭・マナ

設計事務所ima(イマ)を主宰。
恭さん、マナさんともに前職を1997年に退社後、建築、デザイン、アートの勉強のため半年間のヨーロッパ旅行で17カ国70都市を巡る。帰国後、現在の事務所を共同で設立。
物販、飲食のインテリアデザインを主軸にプロダクトデザイン、住宅建築、住宅リノベ、幼稚園、ホテルや展示会の会場構成など、幅広く空間デザインを手掛けている。


MCプロフィール

高倉泰

中川政七商店 ディレクター。
日本各地のつくり手との商品開発・販売・プロモーションに携わる。産地支援事業 合同展示会 大日本市を担当。
古いモノや世界の民芸品が好きで、奈良町で築150年の古民家を改築し、 妻と二人の子どもと暮らす。
山形県出身。日本酒ナビゲーター認定。風呂好き。ほとけ部主催。
最近買ってよかったものは「沖縄の抱瓶」。


番組へのご感想をお寄せください

番組をご視聴いただきありがとうございました。
番組のご感想やゲストに出演してほしい方、皆さまの暮らしの中のこだわりや想いなど、ご自由にご感想をお寄せください。
皆さまからのお便りをお待ちしております。

次回予告

次回のゲストは、映画監督の河瀨直美さんに出演いただきます。2/2(金)にお会いしましょう。お楽しみに。

中川政七商店ラヂオのエピソード一覧はこちら

【暮らすように、本を読む】#07『フィリップ・ワイズベッカーの郷土玩具十二支めぐり』

自分を前に進めたいとき。ちょっと一息つきたいとき。冒険の世界へ出たいとき。新しいアイデアを閃きたいとき。暮らしのなかで出会うさまざまな気持ちを助ける存在として、本があります。

ふと手にした本が、自分の大きなきっかけになることもあれば、毎日のお守りになることもある。

長野県上田市に拠点を置き、オンラインでの本の買い取り・販売を中心に事業を展開する、「VALUE BOOKS(バリューブックス)」の北村有沙さんに、心地好い暮らしのお供になるような、本との出会いをお届けしてもらいます。

<お知らせ: 「天日干し番茶」をプレゼント>
先着30冊限定!ご紹介した書籍をVALUE BOOKSさんでご購入いただくと、中川政七商店の「天日干し番茶」が書籍と一緒にお手元に届きます。詳細は、VALUE BOOKSさんのサイトをご覧ください。



“描いてみたい”、素朴な玩具に会いにいく。
『フィリップ・ワイズベッカーの郷土玩具十二支めぐり』

フランス人のアーティスト、フィリップ・ワイズベッカー氏が日本の郷土玩具の作り手を訪ねた様子を、デッサンとエッセイ、写真で綴った探訪記です。中川政七商店のウェブメディアと、「芸術新潮(新潮社)」での一年に渡る連載をまとめた本書。「自分が描いてみたいもの」「様々な技法のもの」の2つの基準で選ばれた、十二支の郷土玩具が紹介されています。

福島の「会津張り子の赤べこ」のような有名な玩具から、岡山の「竹工芸の辰」など希少なものまで、魅了された玩具に呼ばれるように各地を巡っていく。職人の人柄まで伝わるようなインタビューでは、製法や、歴史的背景を紐解きながら、現代に受け継がれるまでの物語が語られます。

各旅日記の後には、自ら撮影する写真と共に、遊び心のあるコメントが添えられ、とくに玩具と対峙した時の感想は、毎度愛おしさに溢れています。

「なんて誇らしげで美しいのだろう!」
「眺めていると優しく穏やかな気持ちになる」
「幻のような不思議で小さな生き物」
「美味しいお菓子のようで、食べたくなってしまう!」

取材のかたわら、訪れる先々で壁掛け時計の写真を撮り、街を象徴する建築を見て感動し、日本式のお茶会を堪能するフィリップ氏。彼の興味が赴くままに綴られる言葉から、旅の一片を感じ取ることができて、その奔放さがまた楽しい。

巻末には、本人による貴重な取材ノートが収録されています。そこにはデッサンや手書きのメモだけでなく、地図の切り抜きや蕎麦屋の箸袋、ホテルのWi-Fiが記された紙が、コラージュのように貼り付けられています。なかには文字をびっしりと書き込んだ、処方箋の袋なんてものも。

あとがきによると、描いてみたい郷土玩具を関連書籍やインターネットから見つけだし、いざ問い合わせてみると、デザインが変わっていたり、すでに廃業になったケースが少なくなかったそう。本書を通じて心惹かれた玩具があったなら、早めに「会いにいく」ことをおすすめします。小さな玩具を生活に迎え入れることが、世界に誇る日本のものづくりを支えます。

ご紹介した本

フィリップ・ワイズベッカー 『フィリップ・ワイズベッカーの郷土玩具十二支めぐり』

本が気になった方は、ぜひこちらで:
VALUE BOOKSサイト『フィリップ・ワイズベッカーの郷土玩具十二支めぐり』

先着30冊限定!ご紹介した書籍をVALUE BOOKSさんでご購入いただくと、中川政七商店の「天日干し番茶」が書籍と一緒にお手元に届きます。詳細は、VALUE BOOKSさんのサイトをご覧ください。


VALUE BOOKS

長野県上田市に拠点を構え、本の買取・販売を手がける書店。古紙になるはずだった本を活かした「本だったノート」の制作や、本の買取を通じて寄付を行える「チャリボン」など、本屋を軸としながらさまざまな活動を行っている。https://www.valuebooks.jp/

文:北村有沙

1992年、石川県生まれ。
ライフスタイル誌『nice things.』の編集者を経て、長野県上田市の本屋バリューブックスで働きながらライターとしても活動する。
暮らしや食、本に関する記事を執筆。趣味はお酒とラジオ。保護猫2匹と暮らしている。


<同じ連載の記事はこちら>
【暮らすように、本を読む】#01『料理と毎日』
【暮らすように、本を読む】#02『おべんとうの時間がきらいだった』
【暮らすように、本を読む】#03『正しい暮し方読本』
【暮らすように、本を読む】#04『なずな』
【暮らすように、本を読む】#05『道具のブツリ』
【暮らすように、本を読む】#06『ぐつぐつ、お鍋』

<関連する特集>

【あの人が買ったメイドインニッポン】#18 インテリアデザイナー小林恭さんの“私が作るおすすめのもの”

こんにちは。
中川政七商店ラヂオの時間です。

ゲストは引き続き、設計事務所ima主宰のインテリアデザイナー・小林恭さん、マナさん。今回は、恭さんの「私が作るおすすめメイドインニッポン」についてのお話です。

それでは早速、聴いてみましょう。

[恭さんの愛着トーク]

・シリーズ初「私が作る」テーマが登場!
・飛騨産業と作った「猫を愛でる」台
・なによりも「うちの猫」のために設計!
・引っ越しの段ボールに登る猫に着目して…
・1階は犬、2階は猫が住む、自宅兼事務所
・ペットは、「笑いを届けてくれる」存在
・空間デザイナーならでは、ペットとの空間づくりの工夫は?

プラットフォーム

ラヂオは7つのプラットフォームで配信しています。
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小林恭さんの「私が作るおすすめメイドインニッポン」

小林恭さんが作るおすすめのメイドインニッポンは、「飛騨産業のMedel (猫を愛でる台)」でした。


ゲストプロフィール

小林恭・マナ

設計事務所ima(イマ)を主宰。
恭さん、マナさんともに前職を1997年に退社後、建築、デザイン、アートの勉強のため半年間のヨーロッパ旅行で17カ国70都市を巡る。帰国後、現在の事務所を共同で設立。
物販、飲食のインテリアデザインを主軸にプロダクトデザイン、住宅建築、住宅リノベ、幼稚園、ホテルや展示会の会場構成など、幅広く空間デザインを手掛けている。


MCプロフィール

高倉泰

中川政七商店 ディレクター。
日本各地のつくり手との商品開発・販売・プロモーションに携わる。産地支援事業 合同展示会 大日本市を担当。
古いモノや世界の民芸品が好きで、奈良町で築150年の古民家を改築し、 妻と二人の子どもと暮らす。
山形県出身。日本酒ナビゲーター認定。風呂好き。ほとけ部主催。
最近買ってよかったものは「沖縄の抱瓶」。


番組へのご感想をお寄せください

番組をご視聴いただきありがとうございました。
番組のご感想やゲストに出演してほしい方、皆さまの暮らしの中のこだわりや想いなど、ご自由にご感想をお寄せください。
皆さまからのお便りをお待ちしております。

次回予告

次回も引き続き、小林恭さん、マナさんに出演いただきます。1/26(金)にお会いしましょう。お楽しみに。

中川政七商店ラヂオのエピソード一覧はこちら

【わたしの好きなもの】“じんわりあたたか”が続く「起毛キルトカバーのステンレス湯たんぽ」

自他ともに認める寒がりの私。

「今年も乗り越えられるだろうか‥‥」。そう身構えるところから、私の冬は始まります。(幸い今年は暖冬で嬉しい限りです)

私の冬の必需品たち。※一部完売商品もございます

寒い季節、そんな私のマストアイテムのひとつになっているのが、「湯たんぽ」です。

末端冷え性なので、どれだけ長い時間お風呂に浸かっても、靴下とルームソックスを重ね履きしても、冷たい布団に潜り込んだら最後、足先があっという間にキンキンに冷えてしまいます。

湯たんぽには子どもの頃から助けられてきました。これさえあれば布団の中で凍えることも、夜中に寒さで目が覚めることもないという信頼から、今でも冬は毎日使っています。

今回はそんな湯たんぽヘビーユーザーの私が特に気に入っている「ステンレス湯たんぽ」の良さをお伝えしたいと思います。


昨年まではプラスチックやゴム製の湯たんぽを使っていました。
取り扱いがしやすく気軽に使えるので便利なのですが、熱くなりすぎないようお湯の温度に気をつける必要があったり、夜中に目が覚めた時には冷めてしまっていたり、私の場合はいくつか気になる点もありました。

そんな中、「これ試してみたい!」と思ったのが「起毛キルトカバーのステンレス湯たんぽ」。
湯たんぽと専用のカバー、お湯を注ぐためのじょうごがセットになっていて、すぐに使い始めることができます。

まず惹かれたのが、ステンレスの美しい見た目です。

表面の凹凸は、熱による変形を防ぐためのものだそう。お湯を捨てるときにこの凹凸が手に引っかかって持ちやすいんです!

小ぶりな丸い形はどこか可愛らしく、シンプルですっきりとしながらも丈夫な「日本の道具」という感じがして。とにかく理想のデザインでした。

カバーは手洗いすることが可能。衛生的に使えるのは嬉しいポイントです。

専用のキルトカバーは起毛素材で温かみがあり、カバーをつけると小さなクッションのよう。
ころんとした姿はインテリアに馴染んでくれて、部屋に置きっぱなしにしていても違和感がありません。

また、この湯たんぽは金物の産地・新潟県燕市で作られています。日本製という安心感や丈夫で長く使い続けられるところも、購入の決め手になりました。

そんなわけで、この冬、ステンレスの湯たんぽデビューを果たしたのです。
そして実際に使ってみると、これを選んでよかったと思えるポイントがいくつかありました。

“じんわりあたたか”が長続き

抱きかかえるのにも丁度良いサイズ感です。

まず実感したのが、ステンレスならではの保温性の高さ。
休みの日には朝一番で湯たんぽにお湯を入れて、共に1日過ごすことも多いのですが、夕方頃まで温かいままだったので驚きました。

※低温やけど防止のために、長時間使用される際はブランケット等の上からお使いください。

もちろん就寝時も大活躍。朝にかけてゆっくりと温度が下がっていくので、寒さで夜中に目が覚めることもありません。
ステンレス素材のおかげか、熱の伝わり方も“じんわり”という感じで、毎日気持ちよく眠りについています。

※カバーをしていても長時間肌に触れていると低温やけどの危険性があります。布団が温まったら取り出すか、肌に当たらない位置にずらして使用しています。


最近は朝起きたらほんのり温かい湯たんぽを抱えてキッチンに向かうのが日課になりました。

中のお湯はシンクの桶に入れてお茶碗をすすいだり、ぞうきんを濡らしてお掃除に使っています。

手に触れるのになんとも心地よい温かさ。
「そういえば子どもの頃、朝は湯たんぽのお湯で家族みんなで手を温めていたなあ」と懐かしい気持ちも相まって、朝の家事がほっとする時間になっています。

熱湯を注ぐときも安心!

実用的で使い勝手が良いところも、買ってよかったと思えるポイントのひとつ。
毎日使う中で一番ありがたいのが、お湯を入れやすいところです。

不器用な私は、湯たんぽに熱々のお湯を注ぐ際も、カバーに入れる際もかなり慎重になります。
前に使っていたものは自立しなかったので片手で持ってお湯を入れていました。注ぎ口からこぼれたお湯が手に触れたり、片手で持ったポットの蓋が外れて落ちてしまったり、何度かそんな危ない経験も‥‥。

金属の湯たんぽの保温性の高さを知りながらなんとなく避けてきたのも、カバーに入れる際のやけどが怖いからでした。

こちらの湯たんぽは手で持たなくても、どしっと安定します。さらにキルトカバーをぱたんと半分に折り返すことで、カバーをしたままお湯を注ぐことができるんです!

付属のじょうごを使えば、より安心です。
こちらのじょうごは、湯たんぽに合わせて特注で作ったつくったもの。だから湯たんぽの口にぴったりなんですね。
小さくて可愛らしい見た目も気に入っています。

さらにさらに、蓋には持ち手としてワイヤーがついています。
蓋を閉めるときも持ち上げる時も、この持ち手のおかげで安全に作業できます。

このようなたくさんの工夫によって、以前のような熱い思いをせずに湯たんぽを準備できるようになりました。(デザイナー、生産者さん、本当にありがとうございます)

デザインも実用性も兼ね備えた、お気に入りの「ステンレス湯たんぽ」。
布団の中でじんわり包まれるような温かさが本当に心地よく、早くも手放せない存在になりました。

これからいよいよ寒さ本番ですが、おかげさまで今年も冬を乗り越えられそうです。


<掲載商品>
起毛キルトカバーのステンレス湯たんぽ
ウールキュプラのふんわり軽いブランケット 真鍮のキルトピン付き

編集担当
岩井