【身長別着用レビュー】セミフォーマル「尾州ウールと麻のジャケット・パンツ」

特別な日のための服。自分に似合うものを購入して、長く着たいですよね。
そこで今回、少しでも参考になればという思いで、身長別のスタッフの着用レビューをお届けします。

本記事で取り上げるのは、尾州ウールと麻のジャケットとパンツ。
スーツ生地の世界3大産地に数えられる尾州で作られた、ウールと麻を織り交ぜた先染の生地を使用して作りました。ワッシャー加工を施した凹凸のある生地は、シワができにくく、目立ちにくいのが特徴で、清涼感のある肌触りでウール混ながら長いシーズン活躍します。

今回は身長152cm、160cm、164cmのスタッフがそれぞれ着用してみました。
ご参考になれば幸いです。

<合わせたアイテム>
尾州ウールと麻のジャケット 濃紺
尾州ウールと麻のタックワイドパンツ 濃紺
刺繍のかさねブラウス 矢来花飾
しけ絹のコサージュ 花
鹿革のがま口ハンドバッグ アイボリー

身長152cmのスタッフが着用

「少し丈が長いので、今回はウエスト部分を折って着用しています。私は身長が低めのためパンツ丈の調整は必要なのですが、2024年に販売される3つのセミフォーマルシリーズのなかでは一番着やすく、動きやすいと感じました。スーツといえばパリッとしたものばかりを着てきたのですが、こんなにも軽くて着心地がよく、体に馴染むのにちゃんとして見えるスーツがあるなんて嬉しいです。下半身のラインもすっきり見える気がして、着てみて改めてほしくなった一着ですね」

「シンプルなデザインなので、プレーンなカットソーを合わせればオフィスカジュアルとしても使えるし、華やかなブラウスを着れば式典などにも着て行けます。アクセサリーや中に着るもの次第で、いろんなシーンで活躍しそうです。靴はパンツスタイルをきれいに着こなすために、ヒールを合わせたいですね。コサージュなどをつけたら、友人の結婚式に着用するのも合いそう。生地の質感からなのか、カチッとしすぎず、やわらかい雰囲気が出るなと思いました」

※シューズは6cmヒールを着用しました

身長160cmのスタッフが着用

「着心地に感動。スーツなのに肩がこらなくて、ほどよくカジュアルさも出せるので、いつもの自分らしさもちゃんとあります。気に入ったジャケットがなかなか見つからなくてジャケット迷子だったのですが、これならデザインも着用感も好み。初めて『欲しいスーツに出会えた!』と思い、試着後、すぐにジャケットを買いました(笑)。ジャケットはゆとりあるサイズ感なので、中に薄手のニットなどを合わせても着用できそうですね」

「パンツ丈は身長160cmの私が6cmヒールをはいて、ちょうどいいくらいです。もう少し身長が高い方は、フラットシューズで着こなすスタイリングにするのも、個人的には好み。きれいめにも着れるし、靴下やカットソーを合わせれば、ほどよくトレンドっぽい着方もできるかなと思いました」

※シューズは6cmヒールを着用しました

身長164cmのスタッフが着用

「ジャケットもパンツもゆったりした着心地で、動きやすいサイズ感です。袖丈もちょうどよく気になる点がありません。合わせるものでフォーマルにも寄せられたり、普段も着られたりするので、一番着まわせる印象ですね。生地に凹凸があるので皺がつきにくそうなのも嬉しいポイント。普段も使えるデザインで、セミフォーマルと言わず持っておきたい一着です」

「このままプレーンに着るのも素敵だし、シルバーのバックなどデザイン性のある小物と合わせて少しエッジをきかせるのも面白そう。コーディネートの幅を出しやすいシリーズだなと思いました」

※シューズはフラットタイプを着用しました


かっちりした装いからカジュアルな装いまで、様々なパターンで着られるのが尾州ウールシリーズの魅力。パンツをお直しすれば、幅広い身長の方に着ていただけます。今も5年後も、その先も、ぜひ長く着用いただければ幸いです。

※尾州ウールシリーズには、今回着用したタックワイドパンツの他にテーパードパンツも用意があります。過去にスタッフが着比べた記事がありますので、ぜひご参考ください。

お直しについて
お直しできるよう裏地が付いていないので、裾上げしやすい作りになっています。
フォーマルなシーンではヒール部分が少し隠れるくらいを⽬安に、カジュアルシーンでの使⽤であればお好みの丈感でご検討ください。

お手入れについて
ご自宅でも手洗いでお手入れしていただけますが、乾燥機にかけると縮みますので、乾燥機は避けてくださいますようお願いいたします。
シーズンの終わりには、クリーニングに出していただくと⻑くきれいな状態が保てます。

しわが⽬⽴ちにくい凸凹した⼿触りの仕上がりになっていますが、アイロンがけをする場合も、後ろポケットを無くしたのでかけやすい仕様です。もしシワが気になる場合はあて布をしてアイロンがけしてください。


中川政七商店のセミフォーマルは、他のシリーズも身長別の着用レビューをご用意しています。
よろしければこちらもご覧ください。

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【身長別着用レビュー】セミフォーマル「リネンコットンの重ね襞ジャケット・ワンピース」

特別な日のための服。自分に似合うものを購入して、長く着たいですよね。
そこで今回、少しでも参考になればという思いで、身長別のスタッフの着用レビューをお届けします。

本記事で取り上げるのは、リネンコットンの重ね襞ジャケット・ワンピース。
ハレの日の意匠として古くから日本で用いられてきた「襞」をあしらい、特別な日に映える華やかな仕上がりとなっています。
天然素材にプリーツをかける特許技術により、天然の風合いを活かしたまま、しっかりプリーツを保持できて、水洗いをしてもプリーツ性を損なわずに着ていただけます。

今回は身長152cm、160cm、164cmのスタッフがそれぞれ着用してみました。
ご参考になれば幸いです。

<合わせたアイテム>
リネンコットンの重ね襞ジャケット 紺
リネンコットンの重ね襞ワンピース 紺
しけ絹の花飾り 蕾
プリーツリネンの巾着バッグ 黒

※シューズはスタッフ私物です。3人とも、2.5cmヒールを着用しました。

身長152cmのスタッフが着用

「シンプルなセミフォ-マル服は普段着と違って着こなしが少し難しく、体形が気になってしまったり、ワンピースの場合は間延びした感じになることもあるのですが、そんな物足りなさを少しの襞があることで一気におしゃれにしてくれるし、締めてくれる一着だと感じました。アクセサリーをいろいろ着けなくてもこれだけで華やかに見えるし、動くとかわいいのも良いですね」

「襞のあしらいがさりげなくきいていますが、可愛すぎないデザインで、幅広い年齢で着用できそうです。例えば20代の方が着ると大人っぽく見えるし、40代の方が着るとすっきりした可憐さがある。結婚パーティーなどにも合いそうですし、白いコサージュやネックレスをつけると一気に式典っぽい雰囲気になるので便利です」

身長160cmのスタッフが着用

「ワンピースの丈や見た目の印象が、普段自分が好んで着ている洋服と違和感がなく、普段とセミフォーマルの境目が良い意味でなめらかで、手に取りやすい一着でした。かしこまって見えるけど襞にほどよいアクセントがあり、遊び心を忘れずに着られるのがいいですね」

「このジャケットとワンピースなら、ヒールではなくフラットシューズを合わせるのが個人的には好みです。セミフォーマルとしてきちんとしたシーンで着られるんですけど、見た目の印象がきれいめになりすぎず、少し気軽な感じが出るのも自分らしく着られて嬉しいです」

身長164cmのスタッフが着用

「襞が特徴的でかわいいですよね。ジャケットを合わせるとフォーマルに寄せられるんですけど、ワンピース単体だとカジュアルにも着られて、着回しがききそう。ジャケットはジーンズとシャツに合わせたりして、カジュアルに着るのもいいなと思いますし、ワンピースはちょっと思いきって白タイツやカラータイツを合わせるのも素敵。おしゃれが楽しめるシリーズだなと思います」

「丈感は少し長めで、個人的にはこのくらいの丈感が好き。自分が子どもの入学式などに着るならこれを選ぶと思います」


遊び心のあるデザインながらも、リネンコットン生地の上品なつやにより、フォーマルシーンで活躍する一着に。ワンピースは長めの丈で、背が高めの方もすねまで隠れて安心感があります。ワンピースだけで少しカジュアルに着こなしたり、ジャケットを羽織って大切な場に臨んだりと、幅広く着ていただけるリネンコットンの重ね襞シリーズ。しなやかに襞が揺れる姿を、今も5年後も、その先も、長く楽しんでいただければ幸いです。


お手入れについて

⼿洗い(部分洗い)または、ドライクリーニングをおすすめします。
洗った後に形を整えて、雑誌などで重りを乗せたりなどの⼿⼊れが必要になりますので、ご⾃宅の⼿⼊れは部分洗い程度にとどめていただき、全体を洗う時はクリーニング店へ依頼される⽅が、⻑くきれいに着ていただけます。


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【身長別着用レビュー】セミフォーマル「リネンキュプラの波皺ジャケット・ワンピース」

特別な日のための服。自分に似合うものを購入して、長く着たいですよね。
そこで今回、少しでも参考になればという思いで、身長別のスタッフの着用レビューをお届けします。

本記事で取り上げるのは、リネンキュプラの波皺(なみしぼ)ジャケット・ワンピースです。
織物産地・富士吉田で織られた生地は、産地の情景が浮かぶような、やわらかくしなやかな波皺の風合い。シンプルながらも体のラインをきれいに見せる形で、大人の女性を美しく引き立てる一着に仕上げています。

今回は身長152cm、160cm、164cmのスタッフがそれぞれ着用してみました。
ご参考になれば幸いです。

<合わせたアイテム>
リネンキュプラの波皺ジャケット 黒
リネンキュプラの波皺ワンピース 黒
しけ絹の花飾り 蕾
シルク刺繍の重ねネックレス
ラバー帆布のハンドバッグ

※シューズはスタッフ私物です。3人とも、6cmヒールを着用しました。

身長152cmのスタッフが着用

「今回着たセミフォーマルシリーズのなかで、最もかしこまった気持ちになったシリーズでした。自然と落ち着き、品よく振る舞おうという気分にさせてくれます。着用すると改めて生地の光沢感や織りの良さが分かりますし、軽いのでもっと年齢を重ねてからでも自然に着られそうです。セミフォ-マルは普段のお洋服より高価なものを迎えるケースも多いですが、これなら長く大事にできそうだなと思いました」

「ひざ丈のワンピースやきれいめのジャケットが、フォーマル感が強いシーンにとても合いそうです。しっかりした印象に見せられるのに、着心地はやわらかで動きやすいのもいいですね。品よく着られるので、式典や親族の集まりなどに合うと思います」

身長160cmのスタッフが着用

「生地の表情がすごく美しくて、ピンと背筋が伸びます。いつもの自分の洋服とは雰囲気が異なりますが、オケージョンの場面ではちゃんとした服をしっかり着たいという思いもあるので、こんな風に織りに惹かれるものを選ぶのもいいなと思いました。全体的にすっきりとしたデザインで、アクセサリーによって印象をいろいろ変えられるのも楽しいですね」

「すとんと落ちる形が、体のラインをきれいに見せてくれる気がします。私ならデザインの面白いバッグなどや太めのヒール靴でちょっとだけカジュアルダウンしつつも、このお洋服の一番の魅力である織りがちゃんと引き立つコーディネートで着用しますね。目上の方とご一緒する場や、親族でのしっかりした集まりなどは、このシリーズがあれば心強いです」

身長164cmのスタッフが着用

「これまでには持っていなかったデザイン。着てみるとかっちりしている印象でしたが、ゆとりがあるので動きやすいですね。ジャケット、ワンピースともに切り替えがあることで生地の印象が変わり、生地の表情を楽しめますし、おしゃれな感じがします(笑)。

フォーマル服はその場限りというより着まわしたいので、すっきりとしたジャケットは、他の服にも合わせてカジュアルにも着られそうで嬉しいです。“これぞフォーマル”な服なので、子どもの入学式や卒業式に着たいと思いました」

「ワンピースは普段自分が着ている洋服よりも丈感が短めで、足が出るすっきりしたデザインなので、私なら黒いタイツを合わせます。首元の開きが広くなくコンパクトなので、しゃがんだ時などの胸元が気にならないのが嬉しいです」


すっきりと足を出しながらも、身長の低い・高いを問わず膝はしっかり隠れるデザインで、フォーマルな場に活躍する一着。シンプルなデザインにアクセサリーがよく映えます。ワンピースはすとんとしたシルエットながらも身幅にゆとりがあるため、着ていて窮屈さはありません。今も、年を重ねても、長く着用いただければ幸いです。

お手入れについて

生地の特性上、表面に繊細な皺の風合いがございます。アイロンの際は、当て布をご使用いただくか、生地から少し浮かせ、アイロンを生地に直接強く押し当てることのないようご注意ください。
洗濯は洗濯表示に従い、ドライクリーニングをご使用ください。


中川政七商店のセミフォーマルは、他のシリーズも身長別の着用レビューをご用意しています。
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「凛と、装う」。私のお守りになる、自分らしいセミフォーマル服【デザイナーインタビュー】

年を重ねるなかで、少しずつ自分に起きる変化。食べものや本の好みが変わったり、肌や髪に若いころとは違うケアが必要になったり、生き方の優先順位を見つめ直したり。似合う服や着たい服もいつの間にかあの頃とは違ってきて、そんな変化を楽しみながらも、何を着ればいいのか迷うことも多くあります。

特別なシーンで着用する服はことさら。身体のラインをきれいに見せてくれるシルエット、背筋がぴんと伸びる上質なものづくり、動きやすく肌触りの良い着心地、そして、装う自分の姿に自分らしさがあること。大切なハレの日こそ我慢せず、いつもの自分のまま笑えるような、けれどいつもよりちょっとだけ自信が持てるような、とっておきの洋服を身に着けたいなと思うのです。

そんな方々に届けたいと、中川政七商店は「日本各地の技術やものづくり」と「自分らしさ」にこだわって、セミフォーマル服シリーズを作り続けてきました。今回はそのなかでも今年新しく登場した、「リネンキュプラの波皺(なみしぼ)」シリーズをご紹介します。



大人の女性に似合う、上質な一着を作りたい

「年を重ねた今の自分に合うもので、無難すぎなくて、でもちゃんと、きちんとしているセミフォーマル服が着たいなってずっと考えていました」

そう話すのは、今回のシリーズを担当したデザイナーの杉浦。4歳の子を持つ母でもあり、自身もオケージョン利用できるハレの日の服を検討していたと言います。

「30代頃までは結婚式にお呼ばれすることが多かったんですけど、40代に入った今はほとんどなくなって。ドレスの出番が減った代わりに、今は子どもの卒園式、入学式を控えています。若いお母さんたちが周りに多いなか、何を着るかってすごく迷うんですよね。『どういう装いをしようかな』『20代に着ていたような服を着るのはどうなのかな』『どんな服ならハレの日にふさわしくて、でも自分らしいのかな』って、悩んだりして」

せっかくのハレの日に、自信を持って着られる服がクローゼットに一着あったら‥‥。そんな思いから、「年を重ねた大人の女性にも似合うセミフォーマル服を作りたい」と考えた杉浦が訪れたのは、山梨県の富士吉田市でした。

ここは富士山の山麓に広がる織物の一大産地。遡ること平安時代から、絹織物をはじめ高級裏地の産地として歴史が深い場所です。

撮影:渡邊竜康(渡邊織物)

「前提として中川政七商店のセミフォーマル服は、日本各地の技術やものづくりを纏えることをとても大切にしています。もともと展開している尾州ウールシリーズは、世界三大毛織物産地に数えられる尾州の生地を使った、ベーシックでシンプルなデザインのもの。重ね襞シリーズは装飾を折り目で表現する日本ならではのデザインで、華やかな見た目が特長です。それで次は、上質感があって大人っぽいシリーズを作りたくて、上質な素材といえばと富士吉田の布へ至りました」

産地のなかから手を取ったのは、天然素材を原料とする繊維・キュプラを使い、高級裏地を作り続けてきた渡邊織物さん。織物事業者が軒を連ねる同地において、そのご縁はもう、ひとめぼれに近かったようです。

「富士吉田に降り立ったら、富士山が空の半分くらいまでドーンって鎮座していて。それに感激したんです。『ああ、この街では風景のなかに富士山が当たり前にあって、富士山の豊かな湧き水で染織文化が育まれてきたんだろうな』って思いました。中川政七商店は工芸を『風土と人がつくるもの』と定義していますが、その景色を目にしてそれがすごくしっくりきたんですよね」

撮影:渡邊竜康(渡邊織物)

「いくつか織物屋さんを回って、最終的に渡邊織物さんにお願いしようと思ったのは、”風景みたいな布”にグッときたから。家業としてキュプラを使った裏地を長く作られてきた事業者さんで、3代目である渡邊竜康さんが入社してからは、テキスタイルブランドのWatanabe Textileも立ち上げられました。そこでは、経(たて)糸はキュプラだけど、緯(よこ)糸にはリネンや綿などのいろんな素材を使った、新しい生地や商品を作ることに挑戦されています。

伺ったときに布地のかけらをたくさん見せていただいて、すごく心を惹かれて。工房には渡邊織物さんの布地で作られたクッションなどが並んでいて、そこに、プロの写真家という顔も持つ渡邊さんが撮った風景写真が飾ってあるんです。富士山や富士吉田の景色を切り取った写真と、その布たちが自然に溶けあっていて、本当に感動しました。

セミフォーマル服は特別な日に着る服ですよね。だから、ものづくりの良さがちゃんと伝わるような、その土地で作られている息遣いが感じられるようなものにしたいと思っていたので、ああ、こちらにお願いしたいなって」

渡邊織物さんの工房内。撮影:渡邊竜康(渡邊織物)
こちらが渡邊竜康さん。丁寧に織りを確認する

布の素材感が、纏う人の美しさを引き立てる

渡邊織物さんが織りあげる様々な風合いの布から今回採用したのは、経糸に細いキュプラ、緯糸にリネンと綿の糸を使った二重織の布。端正に織られていながら、各素材の縮率の違いによって、布の表面にはなみなみとした揺らぎがあります。その表情から今回のシリーズには「波皺」と名をつけました。

リネンのマットな艶感の隙間から、キュプラの繊細な光沢がのぞく様子は、さながら水面(みなも)にゆらゆらと光が跳ねるよう。自然の景色を写したような布が、纏う人の美しさを引き立てます。

「こだわったのは、この生地を纏うことでその方が凛とできるように、布そのものの素材感や美しさをどれだけ引き出せるかですね。だから妙にデザインを盛るんじゃなくて、着た時にすとんと落ちるシルエットにして、生地の良さを活かしてきれいに着こなせる形にしました。

ワンピースやジャケットの中頃に入ったツートンの切り替えでは、二枚の布を縫製するのではなく、織る段階で糸の色を切り替えることで、切り替え部分の不要な皺を避けたり、縫い目が肌にあたらないのでストレスなく着られたりすることも実現しています。

また、纏ったときに身体のどの部分に切り替えがくるのか、その位置にもこだわっていて。丁寧に縫製を重ねています」

ピッチ(織る際に色を切り替える間隔)を変えることで、一枚の布をツートンに織りあげている

その少し揺れる直線もまた、富士山の裾の尾や、地平線・水平線が描かれているようにも感じます。

もちろん着やすさにも工夫を。

動きやすいよう身幅にゆとりを持たせている他、生地に入った波皺のおかげで、少し皺が入っても気になりません。体のラインを拾わず全体をすっきりと見せてくれるシルエットは、大切な服を長く着たいなかで、体型の変化を気にせず迎えられます。

特別な服でも気を遣わず安心して着られるなんて、心強い限りです。

5年後の自分が着るのも、楽しみになる服

「自分自身も、年齢を重ねて持ちたいと思う服に変化がありました。一回着たら終わりじゃなくて、シンプルではやりすたりのない、上質で長く着れるものを大切に着たいなと思う気持ちが強くなったんです。

そういう服って、持っていると自分の安心感とか自信になるというか。『これがあれば、いざというときや特別な日が来ても大丈夫』って気持ちです。

今回のシリーズが皆さんにとって、今も素敵に着られるし、さらに年を重ねたとき、5年後の自分が着るのも楽しみな服になればいいなって思います」

大人の美しさを引き立てる気のきいたデザインと、日本の技術が織りなす上質な生地。シンプルながら愛着をもって長く着られる服があれば、ハレの日がもっと楽しみになりそうです。

お子さんの卒入園式やご自身の同窓会、素敵なレストランでのお食事会など、特別な日に。背筋を伸ばして凛と装える、ハレの日のお守りのような頼もしい一着となりますように。

文:谷尻純子

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リネンキュプラの波皺ワンピース

【あの人が買ったメイドインニッポン】#17 インテリアデザイナー小林マナさんが“一生手放したくないもの”

こんにちは。
中川政七商店ラヂオの時間です。

ゲストは引き続き、設計事務所ima主宰のインテリアデザイナー・小林恭さん、マナさん。今回は、マナさんが「一生手放したくないメイドインニッポン」についてのお話です。

それでは早速、聴いてみましょう。

[マナさんの愛着トーク]

・鹿児島睦さんのアート作品のような大皿
・展覧会の会場構成をするごとに増えていく…
・アート作品のようにも見えるけど、食事も受け止める器
・準備も、食事中も、食後も、洗い物も楽しい!
・「元気が出そう」な色柄は選ぶポイントに
・居間のガラスケースには二人共気に入ったものだけ
・お買いもので心がけていることとは?

プラットフォーム

ラヂオは7つのプラットフォームで配信しています。
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小林マナさんが「一生手放したくないメイドインニッポン」

小林マナさんが“一生手放したくない”メイドインニッポンは、「鹿児島睦さんのお皿」でした。


ゲストプロフィール

小林恭・マナ

設計事務所ima(イマ)を主宰。
恭さん、マナさんともに前職を1997年に退社後、建築、デザイン、アートの勉強のため半年間のヨーロッパ旅行で17カ国70都市を巡る。帰国後、現在の事務所を共同で設立。
物販、飲食のインテリアデザインを主軸にプロダクトデザイン、住宅建築、住宅リノベ、幼稚園、ホテルや展示会の会場構成など、幅広く空間デザインを手掛けている。


MCプロフィール

高倉泰

中川政七商店 ディレクター。
日本各地のつくり手との商品開発・販売・プロモーションに携わる。産地支援事業 合同展示会 大日本市を担当。
古いモノや世界の民芸品が好きで、奈良町で築150年の古民家を改築し、 妻と二人の子どもと暮らす。
山形県出身。日本酒ナビゲーター認定。風呂好き。ほとけ部主催。
最近買ってよかったものは「沖縄の抱瓶」。


番組へのご感想をお寄せください

番組をご視聴いただきありがとうございました。
番組のご感想やゲストに出演してほしい方、皆さまの暮らしの中のこだわりや想いなど、ご自由にご感想をお寄せください。
皆さまからのお便りをお待ちしております。

次回予告

次回も引き続き、小林恭さん、マナさんに出演いただきます。1/19(金)にお会いしましょう。お楽しみに。

中川政七商店ラヂオのエピソード一覧はこちら

【はたらくをはなそう】小売課 村上正恵

村上正恵
小売課

印刷会社の企画営業や制作サポートなどを経て2013年に入社。
入社後、小売課に所属。直営店に関わるバックオフィス業務を経て現在はスーパーバイザーとして店舗運営に携わるお仕事をしています。



「とんでもないところに来てしまった。」入社当時の中川政七商店の印象です。

中川政七商店に転職しようと思ったきっかけは、「これからは日本のものづくりに関わる仕事をしていきたいなぁ」と漠然と思っていたときに、当社がコンサルティングを手がけた、新潟県三条市の包丁メーカー・タダフサさんや、波佐見焼の陶磁器メーカー・マルヒロさんの事例について紹介された本を読んだこと。面白そうなことをしている会社があると思い、お店に足を運んだのが始まりです。いつ行っても販売員の方が商品のことをとても楽しそうに話しながら接客してくれて、この会社で日本の文化やものづくりを残していく一員になりたいと、入社しました。

入社した頃は、創業300周年に向けたイベントの準備や、展示会の進化に加え、新しい業態を立ち上げたりと、社内が大忙し。世の中にイベント会社がたくさんあるにも関わらず、外部に頼らず、自分たちのやりたいことを自分たちで体現し、やったことがなくても試行錯誤しながらやりきる。制作系の仕事をしていた私にとっては驚きしかありませんでした。

自分たちの力で有言実行していく姿に、「日本の工芸を元気にする!」ことへの情熱、本気度の熱量は今でも鮮明に覚えていて、それが冒頭の「とんでも~」となった理由です。

最初に受けた衝撃は、自分の仕事への向き合い方を見直すこととなり、今の自分の礎となっています。

メーカーさんから産地の現状のお話を聞いたり、イベントで現地の人たちの期待値をヒシヒシと肌身に感じるなかで、本気になる、自分たちでやりきる理由がわかってきました。

それからは「自分事として捉え、真剣に向き合えているか」「丁寧にものづくりをしてくれている人たちに還元できているか」と、迷ったとき自分に問いかけています。

「誠実であること」。

これは10か条からなる中川政七商店の価値基準「こころば」にある言葉の1つで、仕事をするうえでも人としても大切にしている言葉です。

直営店は、お客様と作り手との架け橋であり、双方にとっての代弁者でもあります。
入社当時から変わることなく「接客」を大切にし、お客様の暮らしに寄り添う提案をする。

脈々と受け継がれ磨かれてきたからこそ、お届けできる店舗でのお買い物体験。

10年前、自分が体験した「へぇー、そうなんだ」といった、日本についての新たな発見のお届けを大切にして、興味を持ってくださる方と出会い、「中川政七商店に行って楽しかった!」「こんな面白いお店があるよ!」と伝えてもらえたら。日々の暮らしのなかでホッと一息つける、心地好いお店づくりを目指して、これからも自分の役割の先にいる人のことを思い浮かべながら、真剣に楽しく、情熱を持って仕事と向き合っていきたいと思います。


<愛用している商品>

常滑焼の塩壷

塩さじと一緒に使っており、ストレスなく必要量のお塩を使うことができます。「プラスチックに変わるものがないかなぁ」と探していたときに発売され、すぐに購入したお気に入りのひとつです。

筆ペン

高校生まで書道を習っていて、ほどよい緊張感と集中から表現される筆ペンならではの書体が好きです。お礼や季節のご挨拶など丁寧に文字で伝えたいときに使用しています。

小林製鋏 HARVESTER

おすすめ理由:お花のある生活をはじめよう!と思い至ったときに購入しました。切れ味抜群でコンパクトで軽いので、手が小さな私にとって使い勝手がちょうどいいです。数年たった今でも切れ味が変わらない優れものです。



中川政七商店では、一緒に働く仲間を募集しています。
詳しくは、採用サイトをご覧ください。