【わたしの好きなもの】スタッフおすすめ「年末年始のご挨拶」編

ついこの間、年が明けたばかりの気持ちでいたのに、あっという間に2024年も残り1か月となりました。私はというと、友人から年末の都合について確認のメールが来たことを機に、あわてて年末年始の予定を立て始めたところです。

地元に帰省して親戚や友人と集まったり、改まった場でご挨拶をしたりと、何かと人と会う機会の多い年末年始。気を遣わせない程度の手土産が何かあれば心強いな‥‥と思い、社内のスタッフたちに、「いつも利用しているもの」「今年利用予定のもの」を聞いてみました。

普段から贈りもの上手の、中川政七商店のスタッフたち。私も聞きながら「真似してみよう!」と思う贈りかたがたくさんありました。ぜひ、年末年始のご挨拶の参考にしていただけると嬉しいです。

※「お正月を愉しむ」ページ:「干支づくし編」「お飾り編」

「干支ふきん 巳」

毎年お正月シーズンに大人気の「ふきん」。色やサイズ、厚さなどたくさん種類があるなかで、こちらは干支の刺繍が入った正方形の小さなふきんです。
ヘビをモチーフにした郷土玩具の絵柄は、手にとるたびに和むやさしい表情。うつわや台ふき、おてふきなどにもおすすめです。

詳細はこちら:「干支ふきん 巳」

スタッフのコメント

「定番中の定番。特に年末年始にはせっかくなので干支の柄を。毎年どんな柄が登場するかが楽しみのひとつです」

「白色を選び、めでたもなか(後ほど紹介)と合わせて紅白に。干支のモチーフは縁起がよくてお年賀にぴったりです」

「かや織ふきん 巳」

干支ふきんと同じく、奈良の工芸「かや織」の生地を用いたふきん。干支ふきんより少し厚手で、サイズも大きめ。中川政七商店の定番ふきんのひとつです。

かや織ふきんは一年を通じてさまざまな柄をご提案していますが、このシーズンになると登場するのが干支の柄。こちらには、全国各地の郷土玩具に着想を得た干支のモチーフと、縁起物である松竹梅を散りばめた絵柄を描いています。

詳細はこちら:「かや織ふきん 巳」

スタッフのコメント

「毎年、夫の実家でおせちを振る舞っていただくので、お礼にとお渡ししています。いつもかわいいと喜ばれます」

「一緒に働くスタッフさんへ、毎年かや織ふきんをプレゼントしています。感謝の気持ちと、新しいふきんで気持ちも新たに、心地好く新年を迎えていただきたい気持ちを添えてお渡ししています」

「招福干支みくじ 巳」

新年の運試しにと、会話に花が咲く「干支みくじ」。こちらも中川政七商店で毎年人気のシリーズです。にっこりと、前を向き進んでいくヘビの姿をイメージし、躍動感を表現した陶製の干支のなかに、小さく折りたたんだおみくじが入っています。

詳細はこちら:「招福干支みくじ 巳」

スタッフのコメント

「お正月のしつらいに無頓着な母ですが、ささやかなお正月感の出る干支みくじは気に入って飾ってくれます。入社してから毎年贈っていたら、渡すことが年末の恒例行事になりました」

「干支の勝わら細工」

干支のお飾りをお渡しするというスタッフも。こちらは「勝藁(かちわら)」と呼ばれる、嵐が来ても倒れにくい縁起物の藁を用いて、来年の干支・ヘビを表現したお飾りです。

詳細はこちら:「干支の勝わら細工」

スタッフのコメント

「一番の推しポイントは、しめ縄のような雰囲気がありながら、室内で楽しめるところ。狭い空間でも正月花や鏡餅飾りと合わせて、飾りものコーナーを作りやすいコンパクトさが絶妙です。

始末のしやすさも好みで、パーツをあれこれ分別しなくても地域のどんど焼きや燃えるゴミに出せるところが、現代の生活に合っているなぁと思います。お正月飾りや干支飾りは住まいによってはハードルが高いですが、これなら飾りやすいので親しい仲の友人に贈っています」

「めでたもなか」

趣味を問わずに渡しやすい、食べものを選ぶスタッフも多くいました。こちらは自分で餡をはさんで食べる手作りタイプのもなか。おめでたい縁起物の鯛、梅、瓢箪、招き猫をかたどっています。

詳細はこちら:「めでたもなか」

スタッフのコメント

「義実家へご挨拶の際に持っていこうと思っています。まだ結婚して日が浅く、相手の好みが分からないため、間違いなく使ってもらえたり楽しんでもらえたりするものをと、選びました。
お正月に渡したくなるようなおめでたいパッケージと、ご自身のタイミングで楽しんでいただけると思うので渡しやすいです」

「そばチョコぼうろ」

そば猪口にちなんだチョコ味のそばぼうろ。4つのパッケージにはそれぞれ、愛らしい鹿や犬などの動物と一緒に、お花や文様が描かれています。

詳細はこちら:「そばチョコぼうろ」
※オンラインショップでは4柄セットで販売。直営店では1個からご購入いただけます。

スタッフのコメント

「学生時代の友人と久々に会う際は、お菓子を手土産にするのが定番です。今年は新作のそばチョコぼうろを選ぶつもり。集まる友人たちのイメージに合わせてパッケージの柄を選び、その場で柄を見せ合って愉しみたいです」

「奈良産富有柿 黒糖きな粉」

あえて干支やお正月のモチーフから離れ、ほっと休まる時間のお供を選ぶというスタッフも。奈良県産の富有柿を乾燥させ、黒糖ときな粉を合わせたおやつは、お茶請けにぴったりです。

詳細はこちら:「奈良産富有柿 黒糖きな粉」

スタッフのコメント

「お正月は豪華でボリュームのある食事を食べることが多いので、素朴でやさしい味わいのお菓子でほっこりしてもらいたくてプレゼントしています」

「産地のごはん 冷めてもおいしい炊き込みご飯の素」

華やかな食事の時間にもぴったりの「炊き込みご飯の素」。ひとつあれば、忙しい年末年始の助けにもなりそうです。

詳細はこちら:「産地のごはん 冷めてもおいしい炊き込みご飯の素」

スタッフのコメント

「入れて普通に炊くだけで炊き込みご飯ができる優れもの。年末年始は家族も集まるし、ちょっと華やかなごはんを食べたいけど、他の準備もあるし大変‥‥という方に喜ばれます。1つで2合分なので、家族が多い方には2種類×各3個ずつくらいをセットにして贈るとちょうどよいです」



以上、【わたしの好きなもの】の「年末年始のご挨拶」編をお届けしました。
お渡しする相手によりお好みも異なりますが、ぴったりのものを見つける機会になれば幸いです。

今回ご紹介したほかにも現在公開中の「お正月を愉しむ」特集ページや店頭では、年末のご挨拶やお年賀におすすめの品をたくさんご用意していますので、ぜひご覧ください。

2025年が皆さまにとって、よい年となりますように。

文:谷尻純子

スタイリスト・菅野有希子さんに聞く、お正月飾りの飾り方のコツ

12月に入り、いよいよ次の年がもうすぐそこに。これまでお正月には、鏡餅を飾るのみでしたが、もう少し素敵なしつらいを考えたい。何より、今年引っ越した家にはニッチ(飾り棚)があって、そのスペース、鏡餅だけではちょっと寂しいのです。

そんな個人的な願望もあいまって、スタイリストの菅野有希子さんに、お正月飾りのスタイリングを教えてもらいました。

菅野有希子さん

テーブルコーディネーター /プロップスタイリスト
会社員を経て2016年独立。雑誌・書籍・WEBメディア等で、食からインテリアまでライフスタイル提案のスタイリングを幅広く手がける。
”暮らしを楽しむ”をテーマに小規模な撮影ではフォトグラファーを兼ねることも。
リノベーションしたマンションで一人暮らしするうつわ愛好家。

季節の景色を家に取り入れる魅力とは?

まずは、菅野さんがどんな風に、季節ごとのしつらいを楽しんでいるか聞いてみました。

秋のお花やキャンドルを飾って少し雰囲気を変えた様子

「私の家は飾る場所が豊富にあるわけではないのですが、キッチンの隅や洗面所の棚の一部など、ささやかな場所で季節ごとの模様替えを楽しんでいます。

家づくりって、1回インテリアが決まると大体フィックスしてしまって、変化させにくいと思います。そういう時に1コーナーだけでも、季節ごとに変えてみることで、フレッシュな気持ちになるのがいいところですね」

お正月の鏡餅に見立ててスツールの上に飾った様子

「新鮮な景色になることに加えて、暮らしに句読点を打つ意味もあると思います。忙しく過ごしていると、なんとなくバタバタと過ぎていってしまって、いつの間にか1年が終わっている、なんてこともあると思うんですけど…
季節の変わり目に少しずつフレッシュな景色を作ることで、流れていってしまう日常に、きちんと自分の中で区切りをつけて次に進んでいけるように思います」

中川政七商店のお正月飾りをスタイリング

たしかに、大人になると学期や学年の区切りはなく、日々は連続的に続いていくもの。季節を取り入れることで、自分でリズムを作るというのは、大切にしたい考え方です。
中でもお正月は1年の区切りとして、大切にしたいですよね。そこで、自宅で取り入れやすいお正月飾りをテーマに、3パターンのスタイリングを作っていただきました。

「お正月の飾りものは、赤や金銀の色味が多いと思いますが、この招福干支みくじと迎春置き飾りはどちらもポップで可愛いカラーですよね。そのポップさを活かしつつ、日常に溶け込む感じにするにはどうしたらいいかなと考えて、手軽に取り入れられるようなアイテムを添えてみました。

枡は、お正月に皆が集ってお酒を飲む景色から連想して。重ねて置くことで動きが出て、にぎやかしにもなるし可愛いと思います。こんな風に、必ずしも飾りものではなくても、置いてみて可愛いものがないかなと考えて組み合わせています。一般的な生活雑貨や食器など、暮らしの景色に溶け込んでいるものを使う方が、生活空間に馴染みやすいというメリットも。

背景に貼っているカードは、あえて英語の文字でハッピーニューイヤーと書きました。ちょうどいいデザインのものがない時には手作りして、自分なりの遊び心をいれるのも楽しいと思います」

「こちらは、巳の張子飾りの表情がユーモラスで可愛かったので、そこを中心に考えました。
私自身、仕事でスタイリングする時にも使っているのですが、飾る時に主役と脇役を作ると考えやすいです。これを飾りたいというものがあったら、それを主役だと仮定して、主役に花を添えるような小物を足しながらバランスを取るように考えてもらうといいのかなと思います。

あとは、お正月の飾りとして分かりやすい印象を作るために、それぞれのモチーフの色を赤でリンクさせているのも特徴です。迷ったら色を統一するというのも飾り方のコツの1つです。

底面に散らせた小さな組紐は、椿の花が少し散っているように見立てています。すべてが大きいものになるとバランスが悪いと思ったので、小さなものを追加してバランスを整えました。
家だったら、壁面のつるかめ注連縄飾りはなくても十分ですが、今回は、もともとイベント用に作ったスタイリング。空間が広かったので、寂しく見えないように、相性のよさそうなつるかめ注連縄飾りを添えてまとめました」

「最後は、鏡餅から考えたスタイリング。お正月ということで、鏡餅は絶対に使いたいと思って選びました。そのまま飾ってももちろん素敵なんですけど、ちょっとアレンジしてケーキのように見立てるのも面白いかなと思って、ガラスのケーキスタンドの上に置いてみました。
鏡餅ってわりと和の印象が強いので、洋風の空間にも馴染みやすいように土台の部分をケーキスタンドに変えて、ポップな雰囲気にしてみました。

干支の鈴飾りもユーモラスで可愛いかったので、蛇がケーキを食べたいと思って見ているような感じで置いています。

あとは背景に何かあった方が寂しくないと思ったので、フレームにちりめんの布を入れて立て掛けて置いてみました。背景に飾るものってちょうどいいものがないことも結構あると思うんですけど、布を飾るのは色んなシーンで取り入れやすいと思います。

ケーキスタンドの上にあるカラフルなものは、羽子板の羽根の小さいものです。カラフル可愛かったので、差し色みたいな感じでケーキスタンドに添えてました。あえて可愛らしい感じに振り切るならこういうのも面白いのかなと思います」

「今回のスタイリングは、家に取り入れたくなるような愛嬌や取り入れやすさをテーマに作ってみました。どういうテーマや雰囲気で飾るかが決まるとスタイリングしやすいと思います。

実際、飾り方のHow toよりも、そもそもどう飾りたいのかが分からないとご質問いただくことも多いんですよね。
まずは、誰かのsnsで見た飾りかたが素敵だったなとか、人の家に遊びに行った時のあれが可愛かったなみたいな、自分がいいと思ったものをある程度自分の中に溜めていくことが大切かなと思います。
人のスタイリングを見ることが自分の基準を作る参考になると思うので、今回のスタイリングが皆さんの参考になれば嬉しいです」

<関連特集>

<掲載商品>
招福干支みくじ
迎春置き飾り
張子飾り 首ふり巳
つるかめ注連縄飾り
鏡餅飾り 小
干支の鈴飾り 巳

写真:菅野有希子
文:上田恵理子

【四季折々の麻】12月:あたたかいのに軽く、やわらかな生地感「麻とウールツイード」

「四季折々の麻」をコンセプトに、暮らしに寄り添う麻の衣を毎月展開している中川政七商店。

麻といえば、夏のイメージ?いえいえ、実は冬のコートに春のワンピースにと、通年楽しめる素材なんです。

麻好きの人にもビギナーの人にもおすすめしたい、進化を遂げる麻の魅力とは。毎月、四季折々のアイテムとともにご紹介します。

※この記事は2024年11月1日公開の記事を再編集して掲載しました。

あたたかいのに軽く、やわらかな生地感「麻とウールツイード」

12月の麻は、11月から継続の「麻とウールツイード」シリーズをお届けします。

寒さが深まり、いよいよ本格的に冬を感じる12月。ふんわりとした風合いの服が恋しい時季に着ていただける服を、麻とウールの糸を合わせて織り上げたツイード生地で仕立てました。両者ともに天然素材で相性も良く、ウールの保温性に麻の吸湿発散性が加わることで、あたたかなのに蒸れにくく、心地好く着られます。重い衣類が多い時期に、ふんわりと軽やかな着心地もおすすめしたいポイントです。

ラインアップは4種類。気温の差が激しい時期に心強い「かぶりベスト」や、ラクに履けつつ形のきれいな「テーパードパンツ」と「ワイドパンツ」、また冬の着こなしで活躍する「ワンピース」を揃えました。

【12月】麻とウールツイードシリーズ:

麻とウールツイード かぶりベスト
麻とウールツイード ワンピース
麻とウールツイード テーパードパンツ
麻とウールツイード ワイドパンツ

今月の「麻」生地

素材に使った麻は、衣類によく採用されるリネン。やわらかな風合いのシェットランドウールとリネンを合わせた混紡糸を用いて、密度を詰めすぎないよう、甘くやわらかに織り上げました。シワにもなりにくく、寒い冬も気持ちよく着られる生地となっています。

シェットランドウールはスコットランドの北にある、寒さや湿度が厳しいシェットランド諸島に生息する羊の毛を用いた糸。海草などを食べて育つため、やわらかい毛質が特徴です。

嵩の高いシェットランドウールから作られるふんわりした糸は、生地を織り上げる際に空気を含み、軽くあたたかな素材感に仕上がります。そこにリネンを混ぜることで、ウールだけで織り上げるよりも耐久性を増して、生地にしなやかさを加えました。

またウールの保温性にリネンの吸湿発散性が加わることで、あたたかなのに蒸れにくい生地となるのも特徴の一つ。屋外ではあたたかく身体を包み、暖房で汗をかいても湿気を逃がしてくれる、この時期に心強い組み合わせの素材です。

素材製造や生地加工は、一つひとつの工程を日本各地の得意な作り手に依頼しました。糸づくりは広島、糸の糊付けは和歌山、織りは岐阜、加工は愛知と、プロの集大成のような生地です。

お手入れのポイント

ウールを多く含むのでドライクリーニングがおすすめ。シワはつきにくいものの、たたみジワなどが気になりアイロンをかける際は、必ずあて布をしてください。

また毎日着たくなる軽やかさではありますが、長く着ていただくために毎日連続しての着用はお避けください。

ざっくりと織られたツイードは糸と糸の隙間にホコリが入り込みやすいため、着用した日は軽くブラッシングをしておき、シーズン終わりにはドライクリーニングに出して保管すると、長くきれいに着ていただけます。

気負わず上品に着られる4アイテム

カジュアルにもきれいにも着られる、冬のお出かけに使いやすい4つのアイテムを揃えました。色展開は生成、グレー、チャコールのナチュラルな3色。ウールの素材感を活かした、自然で上質な印象の色合いに仕上げています。

「かぶりベスト」はその名のとおり、かぶって着られるベスト。後ろの襟元にボタンを一つつけてかぶりやすいよう調整し、パンツにもスカートにも合わせやすい絶妙な丈感に仕上げました。

軽やかな着心地ではありますが、布帛(ふはく:織物のこと)のためニットベストよりもきちんと感を出せるのも嬉しい点。カットソーやタートルネックのセーターなどと合わせて、秋から冬まで長く着ていただけると嬉しいです。

パンツは、足さばきのよい「テーパードパンツ」と、ロングスカートのようにも見える「ワイドパンツ」の2種類。

どちらもウエストはゆったり履けるゴム仕様ですが、麻とウールの上質さがあるため、上品に着られると思います。先にご説明したベストとセットアップで着こなしていただくのもおすすめです。

「ワンピース」は袖なしのゆるやかなAライン。身幅をゆったりととっていますが、広がり過ぎず、かわいらしさはやや抑えた形に仕上げています。こちらもカットソーやタートルネックに合わせて、冬の装いを楽しんでいただければと思います。

素材自体が呼吸をしているような、気持ちの良さがある麻のお洋服。たくさん着ると風合いが育っていくので、ぜひ着まわしながら愛用いただけると嬉しいです。

「中川政七商店の麻」シリーズ:

江戸時代に麻の商いからはじまり、300余年、麻とともに歩んできた中川政七商店。私たちだからこそ伝えられる麻の魅力を届けたいと、麻の魅力を活かして作るアパレルシリーズ「中川政七商店の麻」を展開しています。本記事ではその中でも、「四季折々の麻」をコンセプトに、毎月、その時季にぴったりな素材を選んで展開している洋服をご紹介します。

ご紹介した人:

中川政七商店 デザイナー 杉浦葉子

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