【あの人が買ったメイドインニッポン】#35 著作家・山口周さんが“最近買ったもの”

こんにちは。
中川政七商店ラヂオの時間です。

今回からゲストは、著作家の山口周さん。初回は「最近買ったメイドインニッポン」についてのお話です。

それでは早速、聴いてみましょう。

[山口周さんの愛着トーク]

・家事は総合芸術
・家づくりは人生づくりであり、最も楽しい時間の使い方
・家事を他の人に任せて仕事に集中するなんてもったいない
・最近買ったのは、神金自転車商会の自転車
・いま古い自転車が好きな人は日本にオーダーしている
・時間が経つとボロくなるのではなく、渋くなるもの
・変化によって情報量が増えることが愛おしさに繋がる

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山口周さんが最近買ったメイドインニッポン

山口周さんが“最近買った”メイドインニッポンは、「武蔵野のオーダー自転車工房・神金自転車商会の自転車」でした。


ゲストプロフィール

山口周

1970年東京生まれ。電通、ボストン・コンサルティング・グループ、コーン・フェリー等で企業戦略策定、文化政策立案、組織開発等に従事した後に独立。現在、株式会社ライプニッツ代表、世界経済フォーラムGlobal Future Councilメンバーなどの他、複数企業の社外取締役、戦略・組織アドバイザーを務める。中川政七商店の社外取締役も務める。
著書に『ビジネスの未来』『ニュータイプの時代』『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』『武器になる哲学』『クリティカル・ビジネス・パラダイム』など。


MCプロフィール

高倉泰

中川政七商店 ディレクター。
日本各地のつくり手との商品開発・販売・プロモーションに携わる。産地支援事業 合同展示会 大日本市を担当。
古いモノや世界の民芸品が好きで、奈良町で築150年の古民家を改築し、 妻と二人の子どもと暮らす。
山形県出身。日本酒ナビゲーター認定。風呂好き。ほとけ部主催。
最近買ってよかったものは「沖縄の抱瓶」。


番組へのご感想をお寄せください

番組をご視聴いただきありがとうございました。
番組のご感想やゲストに出演してほしい方、皆さまの暮らしの中のこだわりや想いなど、ご自由にご感想をお寄せください。
皆さまからのお便りをお待ちしております。

次回予告

次回のゲストは、著作家の山口周さんです。5/24(金)にお会いしましょう。お楽しみに。

中川政七商店ラヂオのエピソード一覧はこちら

【あの人の贈りかた】季節の巡りや暮らしの時間をより豊かに感じる品(スタッフ村垣)

贈りもの。どんな風に、何を選んでいますか?

誕生日や何かの記念に、またふとした時に気持ちを込めて。何かを贈りたいけれど、どんな視点で何を選ぶかは意外と迷うものです。

そんな悩みの助けになればと、中川政七商店ではたらくスタッフたちに、おすすめの贈りものを聞いてみました。

今回は商品開発担当の村垣がお届けします。


親子で過ごす季節の行事に「きせつのしつらいえほん」

仕事を通して意味を知った、日本で古くから続く季節の行事。
暮らしに取り入れることで、四季の自然の変化に気づいたり、家族の幸せを願って過ごす時間の大切さを知り、私の暮らしを豊かなものにしてくれました。

同世代の友人には小学生の子どもをもつ母親が多く、学校や家庭で年中行事を楽しんでいる様子が伺えます。
節分でお父さん鬼に、子どもたちが力いっぱい豆を投げつける話を聞いたり、一緒に買い物をしている時、ひな祭りの食卓用に器を選ぶ友人の姿を見たりすると、嬉しい気持ちになります。

そんな季節の行事に関心を持つ友人に贈りたいのが、「きせつのしつらいえほん」。

日本の代表的な九つの行事(お正月、七夕、クリスマスなど)について、いわれ(意味)やしつらいを、シンプルでわかりやすい言葉と愛らしいイラストで説明している絵本です。

親子で読んだり内容について話したりしながら、一緒に料理や飾りつけをして、行事を知りながら楽しんでほしい。
次の季節も待ち遠しくなり、より素敵な思い出として記憶に残ったらと思い、贈っています。

<贈りもの>
中川政七商店「きせつのしつらいえほん」

“ほんの気持ち”を気軽に贈る「丈夫でへたりにくいキッチンスポンジ」

ちょっとしたお礼やお返しなど「ほんの気持ち」を伝えたい時は、ふきんや洗剤などの消耗品を贈るのが私の定番。

形が残るものは大げさだし、食べたら無くなるお菓子などは少し寂しい。
しばらくの間、相手の役に立つところに、程よく気持ちが込められる気がして贈っています。

自分も愛用していて、心からおすすめできるのが「丈夫でへたりにくいキッチンスポンジ」です。

一番のポイントは「買い替え時が分からない!」とのお声を多数いただくほど、へたりにくく長持ちするところ。
泡立ち、水切れも抜群で、食器洗いが快適になる、ハイスペックなキッチンスポンジです。

生産地は日本最大規模の家庭用品の産地、和歌山県海南市。
暖かな気候で、もともとは棕櫚(シュロ)がよく採れたことから、箒やたわし作りが盛んになり、家庭用品産業が発展した地域です。

このスポンジは、昔から生活の道具を考えてきた産地の技術の結晶。楽しく家事の時間を過ごしてほしい気持ちも込めて、気軽に贈っています。

<贈りもの>
中川政七商店「丈夫でへたりにくいキッチンスポンジ」

編み物時間の癒しに「編み針キャップ」

郷土玩具や豆皿などの“小さくてかわいいもの”が大好きで、眺めていると心が躍ります。

共感してくれそうな友人に贈るのはもちろん、そんな小さくてかわいいもの。相手の趣味に合わせて選んだあと、一緒になって「かわいいね!素敵だね」と笑い合える時間が大好きです。

最近は編み物仲間の誕生日に、ニット帽モチーフの「編み針キャップ」を贈りました。
こちらは棒網みをする際、網目が外れないように、編み針の先に取り付けて使うもの。
2cmほどの小ささですが、ニット帽の網目まで再現されていて、ずっと眺めていられる愛らしい佇まいをしています。

編み物はだいたい同じ動作の繰り返しで、編み続けるには根気が必要。「もう疲れた~」と思った時に編み棒の先のキャップに目がとまり、かわいらしさに癒されて、「もう少し頑張るぞ!」と励みになることを願いました。

<贈りもの>
・DARUMA「編み針キャップ」
・販売サイト:https://daruma-store.jp/?pid=107368609

※中川政七商店での販売はありません

贈りかたを紹介した人:

中川政七商店 商品開発担当 村垣利枝

【わたしの好きなもの】丈夫でへたりにくいキッチンスポンジ

※商品のリニューアル(「抗菌キッチンスポンジ」→「丈夫でへたりにくいキッチンスポンジ」)に伴い、2024/5/11に読みものを更新しました。

<リニューアルポイント>
お客様の声を参考に、へたりにくい使い心地を重視してリニューアルいたしました。
①これまで使用していた抗菌剤が廃盤になってしまい、他の抗菌剤を使うとスポンジの品質が落ちて使い心地に影響があったため、抗菌加工は廃止しています。
②表面の硬い面の厚みを増し、よりへたりにくい仕様となっています。

新品の使いやすさが続く!スーパーキッチンスポンジ

キッチンスポンジを選ぶポイントって人それぞれあると思うんです。
泡だちの良さ、やわらかさ、価格、素材、サイズ感・・・なんとなくお店においてるものを買うという場合も。
私は、スポンジ素材で弾力がほどよくあって、泡立ちが良いものをと思いながら使っています。
しかし、それも1ヶ月ほど経つと、弾力がなくなってきて、くたくたになって、硬い面がモケモケになってきて、スポンジの間の洗いカスが取れなくなってきたりして・・・残念な気持ちになったら交換する。これをずっと繰り返してきました。
毎日の食事の後片付け、カレーのお鍋も洗うし、焦げ付いたフライパンに、子供のお弁当にと、キッチンスポンジはとってもハードワークに耐えている!と思うと、くたくたになったキッチンスポンジを見て、こういう宿命なんだと思いながら、交換の時期を迎えるのです。

私がキッチンスポンジに求める優先順位は、
1.握りやすさ(弾力性)
2.耐久性(少しでもクタクタにならない方が最後まで泡立ちもよいので)
3.できればモケモケしないと嬉しい(硬い面がだんだんとモケモケしてめくれてきてしまうので)

そこで出会った「丈夫でへたりにくいキッチンスポンジ」。これは、私のために作られたスポンジ?と思うような名前です。
さらに、企画担当者が「すごいんですよ!このスポンジ!!」と言うので、すごさを実感したくて、使い始めました。

結論「すごいですよ!!このスポンジ!スーパーキッチンスポンジですよ!」

1ヶ月ほどで交換される運命と思っていた私の考えを覆してくれました!
この写真の右側のもの、2ヶ月半たっています。私の優先順位を見事クリアして、まだまだ使える状態です。

左が未使用 / 右が2ヶ月半使用

1.握りやすさ(弾力性)
厚みもほとんど変わらず、握っている形に少し変形したかなという状態。
2.耐久性
まったく、クタクタ感がないです。泡立ちも健在です。
3.できればモケモケしないと嬉しい
一番驚いたのが、硬い面がまったくモケモケしてこないんです。だんだんめくれてくることもありません。

何気なく使い始めたので、再度企画担当者に「なぜこんなにすごいの?」とプチインタビューしてみました。

・一番気になっていたモケモケしてこないのはなぜ?
一般的にスポンジの硬い面には、不織布を使用しているそうなのですが、このスポンジには同素材のウレタンをぎゅっと圧縮して硬くしたものを使用しているそうです。不織布には
不織布の汚れを絡め取る良さがあるそうですが、本体と素材が異なるため使い続けると縮む速度が異なり、結果めくれるようになるということでした。
同素材で作ったことで、本体が縮んできても、同じように縮むのでめくれにくいということなんです。
少し難しい話でしたが、とにかく新品と並べても遜色ないこの状態には驚きでした。

未使用の状態
2ヶ月半使用した硬い面

この硬い面ですが、私のお気に入りは弁当箱の油汚れを洗うのに丁度いいんです。
柔らかな面よりも、しっかりと取り去ってくれる感じで、すっきり洗えます。

・クタクタになりにくいのはなぜ?
へたりにくいのは、弾力のある高級ウレタンを使っているから。そして、企画担当者がこだわったスポンジの細かさ。スポンジの目が大きいと柔らかく泡立ちやすいけど、へたりやすかったり、細かすぎると弾力がありすぎて使いづらい。また、洗いカスがスポンジの中に入り込むと、そこから雑菌が増えるし、汚れてくるので、なるべく中に入り込まない細かさを考えつつ弾力のバランスを調整しています。

やわらかなスポンジ側 左が未使用 / 右が2ヶ月半使用

とにかく、くたくたになりにくいし、モケモケしないし、洗いカスで汚れにくいし、結果残念な気持ちになる回数が少なくなったのは、毎日の家事でとても嬉しいこと。
生成りと黒の2色もキッチン雑貨と馴染みが良く、地味な色味もちょうどいい。

ということで私の中では「スーパーキッチンスポンジ」と命名されたのです!

<掲載商品>
丈夫でへたりにくいキッチンスポンジ

担当編集者 平井

【あの人が買ったメイドインニッポン】#34 プロダクトデザイナー・柴田文江さんが“一生手放したくないもの”

こんにちは。
中川政七商店ラヂオの時間です。

ゲストは引き続き、プロダクトデザイナーの柴田文江さん。今回は「一生手放したくないメイドインニッポン」についてのお話です。

それでは早速、聴いてみましょう。

[柴田文江さんの愛着トーク]

・一生手放したくないのは、「森正洋さんのお茶碗」
・使うまでは、大きいんじゃないかと思っていたけど…
・実際には、少しだけ盛ってもごはんが美しく見えた
・作家的でありながら、定番であり続けて買い足せる
・食器を買う時は2個ずつ買うといいよと教わった
・6個揃えるとつまらないから、2個ずつ同じものに。
・日常では3パターン楽しめて、来客時には6枚セットで使える
・心が動いた物だけで環境を作ることで、気持ちのいい空間になる

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柴田文江さんが一生手放したくないメイドインニッポン

柴田文江さんが“一生手放したくない”メイドインニッポンは、「森正洋さんのお茶碗」でした。

柴田文江さんと作った商品①琺瑯の手しごと容器

柴田文江さんと作った「琺瑯の手しごと容器」を6月5日から発売します。梅干しや漬物を漬けたり、味噌を作ったり、さまざまな手仕事に活躍します。

柴田文江さんと作った商品②かきまぜやすい琺瑯のぬか漬け容器

こちらは昨年発売した「かきまぜやすい琺瑯のぬか漬け容器」。時に”柴田アール”とも呼ばれる柔らかい曲線を描いた丸角の形状が特徴です。 和洋を問わず、どんなキッチンにも馴染む、自然な佇まいをもった容器になっています。

柴田文江さんと作った商品③吹きガラスの保存瓶

こちらは、旬の果実酒づくりに活躍する「吹きガラスの保存瓶」。食材が時間をかけて育っていく過程を最大限に楽しむべく、あえて出して飾っておきたくなるような佇まいの保存瓶です。


ゲストプロフィール

柴田文江

武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業後、大手家電メーカーを経てDesign Studio S設立。エレクトロニクス商品から日用雑貨、医療機器、ホテルのトータルディレクションなど、国内外のメーカーとのプロジェクトを進行中。iF金賞(ドイツ)、red dot design award、毎日デザイン賞、Gマーク金賞、アジアデザイン賞大賞・文化特別賞・金賞などの受賞歴がある。武蔵野美術大学教授、2018-2019年度グッドデザイン賞審査委員長を務める。著書『あるカタチの内側にある、もうひとつのカタチ』。


MCプロフィール

高倉泰

中川政七商店 ディレクター。
日本各地のつくり手との商品開発・販売・プロモーションに携わる。産地支援事業 合同展示会 大日本市を担当。
古いモノや世界の民芸品が好きで、奈良町で築150年の古民家を改築し、 妻と二人の子どもと暮らす。
山形県出身。日本酒ナビゲーター認定。風呂好き。ほとけ部主催。
最近買ってよかったものは「沖縄の抱瓶」。


番組へのご感想をお寄せください

番組をご視聴いただきありがとうございました。
番組のご感想やゲストに出演してほしい方、皆さまの暮らしの中のこだわりや想いなど、ご自由にご感想をお寄せください。
皆さまからのお便りをお待ちしております。

次回予告

次回のゲストは、著作家の山口周さんです。5/17(金)にお会いしましょう。お楽しみに。

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【スタッフのコーディネート】草木染めの色かさねスカート

この夏、中川政七商店からお届けするのは、福岡の宝島染工さんと作った草木染めの洋服。手しごとならではの偶然が生んだ生地の表情と、軽やかさと力強さを感じる自然の色が特徴です。

一枚でも主役になる印象的な柄ですが、実は色々な着こなし方もできて、コーディネートの幅が広いのも嬉しいところ。夏の空の下どんなコーディネートで出かけたいか、スタッフ4人に教えてもらいました。

この記事では「草木染めの色かさねスカート」を取り上げます。皆さまのご参考になれば幸いです。

甘さのあるトップスと合わせて

スタッフ身長:159cm

「普段からよくロングスカートを履いていますが、足首くらいまである長めの丈を履くことが多いので、今回のスカートではいつもの私より少し短めの丈に挑戦しています。足さばきがよく、ぽってりしたサンダルとも合わせやすい絶妙な丈感ですね」

「手捺染でつけた不規則で大胆な模様がカモフラージュ柄のような印象も受けるので、甘めのトップスを合わせて、甘さと辛さのバランスを意識したコーディネートにしてみました。カジュアルに着たかったのでインナーにはゆったりめのTシャツを着ています。染めがきれいなのでご近所用というよりも、少し遠くに遊びに行くときに着たいです」

<合わせたアイテム>
草木染めの色かさねスカート 墨
・HEP サンダル DRV BRACK

※上記以外のアイテムはスタッフ私物です

やさしい黄色に黒を合わせて、きりっとかっこよく

スタッフ身長:157cm

「大きめの柄と綿素材でカジュアルさのあるスカートですが、シャツに合わせればきちんとした場にも着て行けそう。短め丈なので、涼しい時期はワンポイントのある靴下を合わせて着るのも可愛いなと思います」

「普段は黒や濃いピンクのようなくっきりした色の服をよく着ます。やさしい黄色のスカートは着方次第では甘い印象になりますが、大人っぽくかっこいいアイテムに見えるようなコーディネートを意識しました。バッグと靴は黒を合わせ、全体をきりっと引き締めています」

<合わせたアイテム>
草木染めの色かさねスカート 黄

※上記以外のアイテムはスタッフ私物です

きちんとした場でも着られるように

スタッフ身長:162cm

「墨色は全体がシックな色なので派手になりすぎず、程よくスタイリングのアクセントになってくれるのがいいですね。アクセサリーなどの小物類に頼らなくても華やかさが出るなと思いました」

「普段のお出かけはもちろんですが、せっかくならたくさん着たいので、職場や子どもの行事にも着ていけるよう少し落ち着いた雰囲気のコーディネートにしました。スカートの柄を活かせるように、他は黒をベースにシンプルにまとめています」

<合わせたアイテム>
草木染めの色かさねスカート 墨
国産牛革のボストンバッグ 黒
強撚綿のプルオーバー 薄グレー
小さな工芸のブローチ 錫

※上記以外のアイテムはスタッフ私物です

爽やかな印象をそのまま楽しむ

スタッフ身長:162cm

「一枚で主役になるスカートは一見少し合わせづらそうですが、着てみると意外とどんな服装にも合うなと思いました!透け感のない綿素材で布幅もあり、すねくらいまで隠れるので使いやすいのもいいところですね」

「シンプルな服装が好きなので、無地のTシャツとフラットシューズを合わせてすっきりしたコーディネートにしました。メインのスカートの爽やかな印象をそのまま楽しめるように、グレーや白色、ナチュラルな素材で全体をなじませています。ちょっとおしゃれした夏のお出かけ着としてたくさん着たいです」

<合わせたアイテム>
草木染めの色かさねスカート 黄 
強撚綿のプルオーバー 薄グレー

※上記以外のアイテムはスタッフ私物です

草木染めの色かさねシリーズご案内

染料について

今回展開する二色はともに、全体をミロバランという木の実で染め上げています。染めの工程で使う材料との反応により、同じミロバランで染めていても異なる発色となるのも草木染めの面白いところ。夏服に広がる柄の染料には、「黄色」は渋木と墨、「墨色」は墨とミロバランを採用しています。

お手入れについて

草木染めの洋服のお洗濯には中性洗剤がおすすめです。一般的な洗剤も使用いただけますが、中性洗剤の方が色落ちがよりゆっくりとなり長く色を楽しめます。
また他の洋服とは一緒に洗わず、単独でのお洗濯をおすすめします。柑橘果汁に反応し色落ちすることがあるため、ついてしまった場合は部分的にでもすぐに洗い流してください。
日焼けにより退色する場合があることから、保管は日陰でお願いいたします。

草木染めは年月とともに、色がゆっくりと変化していきます。時間を共に重ねることにより自分だけの色になる、「育てる服」としてお楽しみください。


※別の記事では「草木染めの色かさねワンピース」を使ったスタッフコーディネートもご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
【スタッフのコーディネート】草木染めの色かさねワンピース

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天然染料・手染めの洋服を、気軽に手に取れる未来へ。宝島染工が臨む「天然染めの中量生産」
【あの人が買ったメイドインニッポン】#29 染め職人・大籠千春さんが“最近買ったもの”

天然染料・手染めの洋服を、気軽に手に取れる未来へ。宝島染工が臨む「天然染めの中量生産」

大人になってから好きになったものって、何がありますか?

食べ物、本、音楽、服‥‥。新しい“好き”が見つかるのはいつでもとても嬉しくて、自分の世界が広がったように、ちょっとだけ誇らしくも感じます。

最近、そんな“好き”に新しく加わったのが天然染料で染めた洋服です。これまでそもそも出会うことが少なく、化学染料との違いを特別に意識したこともなかったのが正直なところなのですが、一つの作り手さんとの出会いが意識を向けるきっかけに。

福岡県三潴郡大木町(みずまぐんおおきまち)で天然染料・手染めのものづくりに取り組む宝島染工さんの仕事に心を奪われ、試しに‥‥とその手から生まれる洋服を暮らしに取り入れてみると、自分だけの静かな幸福感と、それでいて誰かに自慢したくなる晴れやかさに包まれました。

この感動を伝えたくて。今日は宝島染工さんのご紹介をさせてください。

天然染め“らしくない”、ユニークな柄やシルエット

博多市内から熊本方面へと車を走らせること1時間弱。周りを民家と田畑に囲まれたのどかな地に、天然染料・手染めのものづくりを今に引き継ぐ、宝島染工の工場とショールームが点在します。

「宝島倉庫」と名付けられたショールーム兼出荷場は、外から見ると素っ気ない物置場のような印象。ですがその扉を開くと、高い天井からたっぷりとかけられたカーテンが、いきいきと布の表情を変えながら出迎えてくれるのです。

シンプルな室内の中央には、これまた天井から吊られた大きな紙のモビールが。木々が風に葉を鳴らすように、ゆらゆらと揺れています。これらのカーテンやモビールは宝島染工によって染められたもの。無機質な倉庫に植物の息吹を感じられるその美しさに、思わず息をのみました。

「カーテンはシーズンごとにその季節らしい染めに変えています。モビールは藍の染料を使って板締めの技法で染めたもの。藍染めって葉っぱから色素をとるんですよ。それで、木って枝になってるじゃないですか。その理屈で、『葉っぱから作った染料で、もう一度木を作ってみる』というコンセプトで作りました。室内でも植物の美しさを感じられるようにしたいなと思って。

ただ、いろんな場所で取り付けていただけるようにと思って設計したものの、結局組み立ての難易度が高くて、私しか取り付けられなくて。注文いただくこともできるんですけど、私が全国に取り付けに伺うことになっちゃいました(笑)」

あははと笑ってチャーミングに話すのは、宝島染工の代表・大籠千春(おおごもり・ちはる)さん。30歳で宝島染工を立ち上げ、少量生産が当たり前の天然染料・手染めのものづくりの世界で、中量生産に臨む稀有な作り手です。

またその珍しさは洋服のデザインにも。天然染料の洋服と聞くとイメージするのはナチュラルな色とシルエットですが、宝島染工が作るオリジナル商品は、言葉で表すなら“スパイシー”。同社のSNSにはエッジのきいた大胆で繊細な染めの柄と、ユニークなシルエットの洋服の写真がずらりと並んでいます。

一つひとつの洋服は一見「着こなすのが難しそう」と怯むのですが、鏡の前で合わせてみると不思議となじむ。性別も世代も関係なく、着る人の意思を引き立てる服のような印象を受けました。

「藍染めとか草木染めって『ナチュラルで着心地がいい』みたいなイメージがあるじゃないですか。素材も、リネンや綿だけが使われたり。それって間違いじゃないんですけど、宝島染工では少し違うアプローチがしたいなと思ってます。

天然染料のお洋服って価格をそんなに安くはできないので、購買層が比較的お金に余裕のある、30代後半から70代の方になってくるんですね。でもそうなると、自分も年を重ねて味が出ているのに、服も味が出ているみたいになっちゃって。カドが全部とれちゃうんですよ。

だからうちでは柄を大胆にしたり、素材に少しだけキュプラやシルクを入れたり、綿を使うにしても細番手(=細い糸)を使って生地の目を詰めて、纏ったときにしゃんとして見えるような洋服に仕上げているんです」

掲げるのはジェンダーレスでエイジレスなものづくり。先ほどのSNSでは20代から70代までの男女モデルが同じように、同じ服を纏います。年齢も性別も関係なく着られる天然染料の服を作るのも、同社ならではの特徴です。

「年齢や性別を区切ることに私がメリットを感じないというか。天然染料・手染めで作る服を特定の層だけが着るっていうのも、自分がやりたいことと齟齬があるなって。同じ服をご夫婦や親子で着れたりとか、そういう感覚がいいなって思うんです」

事業体さえ健康であれば「どうにでもなる」

大籠さんが宝島染工を起ち上げたのは30歳の頃。高校でデザインを学び、大学では染織を専攻して、卒業後は天然染料を扱う染工房へ就職しました。

「化学染料に興味がないわけではないんです。でも、天然染料の魅力に惹かれちゃって。天然染めのいいところって、思い通りにならないってデメリットもあるんですけど、思い通りにならなくてもきれいなんですよね。化学染料は思い通りに染まらないと『目指すものにそぐわない』って、それがストレスになったりするんですけど、天然染料は100%に仕上がらなくてもきれいだなって思える。そこがいいなと」

婦人服を手がけるその企業で染めのものづくりに没頭した大籠さんですが、天然染料で仕上げた婦人服には、高単価で装飾性の高い商品が多いことに違和感を持ち、自分で着られるような“普通の服”を作りたいと思うように。染めの可能性を探るために経験を積みたいと、化学染料を使って手染めのものづくりを手がける企業へと身を移します。そして5年ほど経験を積み、時代はインターネット普及期へ。買い物や流通に変化の兆しが表れ、さらにはインクジェットプリンターの登場によりものづくりも様変わりしていきました。

自分がこれからやるべきこと、やりたいことを改めて考えたとき、浮かんだのは「やっぱり天然染料・手染めのものづくりがしたい」という想い。ただしどこも小規模の工場ばかりで就職口はなく、色々と考えた末、自分で起ち上げようと決意したといいます。

「閉業された染工房になら設備もあるし、もともとはそんな場所を引き継げないかなって何社か見に行ったんですけど、簡単に言うと女だからダメって言われるんです。会社の信用もないし、大手にいたわけでもないし、地元の事業者さんとのルートもないしで、結構風当たりが厳しくて。だから自分で作るしかないと思って、父が作っていた田んぼを潰して今の工場を作りました。お客さんに来ていただくにはまぁ、便利な場所とは言えないんですけどね(笑)。

でも私、事業体さえ健康であればどうにでもなるという考え方なんです。専門性を高めて特化すべき技術があれば人が集まるから、運送の利便性とWi-Fi環境と空港が近ければ、仕事はできるなって思って」

天然染めが手に取りやすくなるように。中量生産にこだわる理由

OEM(=他企業から依頼を受け、商品を製造すること)とオリジナル商品開発の二軸でものづくりを届ける宝島染工。天然染料・手染めの工房は他にもありますが、やがて宝島染工にはたくさんのOEM依頼が舞い込むようになりました。中川政七商店も同社と共にものづくりに取り組む企業の一社です。

2023年に中川政七商店が宝島染工と作った、藍染めの洋服

多くの企業から支持される理由の一つが、「中量生産」に臨む姿勢。染めの工程を長年の経験と勘に頼って進める事業者も多いなか、同社では工程を全てデータ化し、スケジュールも最初に取り決めたうえで、ものづくりを進めます。誰が、どの工程を、どの程度の時間をかけて作業したのかも全部資料に落としていくそう。

そうやって製造量や納期をきちんとコントロールすることで中量生産を可能にし、特定の層だけでなく、天然染料・手染めの良さを多くの人に届けたい。そんな想いが背景にはあるようです。

「作品を作りたいのか、商品を作りたいのかということだと思うんですよ。少量生産の作り手さんを否定しているわけではなくて、そこでは本当に美しく丁寧なものづくりをされていると思います。

でも商品にできる仕組みを作るのが、自分たちの仕事だなって私は感じてるんですよね。全部データ化するのもそうだし、テキスタイルを開発したり、お取引さんとの窓口に自分が立って、そのブランドのイメージや企業スケールに合う柄や作り方を提案したりするのが自分がやるべき仕事だなって」

この日は2024年の初夏に中川政七商店が発売する商品の染めの最中だった
染め専用の道具もたくさんあるなか、今回の柄入れはあえて“ラップ”で。身近な道具を使い、誰でも、専用道具がなくなっても染められるよう工夫を重ねる

国内を中心に受けるOEMは、生産量では同社の6割程度。一方で売上にすると、オリジナル商品と割合が逆転するのだといいます。けれど、自社商品だけを作る判断はあえてしないそう。その理由を大籠さんはこう話します。

「自社商品だけになると、貴重な無駄がなくなる気がして。各社のデザイナーさんとお仕事をしていると『何でそんなことを思いつくんだろう』って、うちでは思いつかないようなデザインを上げてこられる場合もあるんです。そういう、社外のデザイナーさんとできるスペシャルな仕事に自分は喜びを感じるんですよね。あとはご一緒する企業さんのものづくりを叶えるために、自分たちにできることを考えるのに面白さや意義も感じるし」

経年変化が味を出す。天然染料の魅力

改めて、天然染料・手染めのものづくりの良さとはどこにあるのでしょう。何となく「自然でいいな」というイメージは持つものの、これを機に大籠さんが思う、着る人にとっての魅力を聞いてみました。

「天然染料のほうが洗っていくと風合いが出るってイメージですね。普通はお洋服って、お店で購入したときが“完全な”状態だと思うんですけど、天然染料の洋服って育っていくんです。化学染料だと着る回数を重ねると、完全品からどんどんマイナスになっていくような印象があるかもしれないですけど、藍染めとか草木染めの場合は何年か経ったときのほうがいいってこともあるんですよね。『未使用で無傷の状態よりいい色になってる』ってことがあると、私は思うんです。

ただ化学染料が悪いって言いたいわけでは全然なくて。プラスチックのコップもいいところはあるけど、クリスタルのコップだと透明度が高くてきらきらしてて、食卓に並べると気持ちいい。同じ“コップ”でも、受け取る気持ちが違ったりしますよね」

もう一つ大籠さんに質問です。天然染料の洋服を迎えたい気持ちはあるけれど、お手入れが少し大変なイメージが。どう付き合っていくのが、長く“育てて”いくコツなのでしょう。

「かまってやることですね。忘れないでいるというか。天然染料で染めたものって日焼けもするし、経年変化もするんです。忘れて使わなくなると、日焼けも見過ごしちゃう。例えば藍染めならたまに洗うだけで日焼けはきれいになじむし、そうやってかまってやることでコンディションが長く保ててきれいに着れる。放っておくって、服にとっても寂しいですよね。

うちでは気軽に着られるように、お手入れもできるだけ自宅でできるように作っています。難しくしちゃうと、みんな着ないですよね。例えば私も、全部の服にアイロンをかけて着るかって言われたらかけないですし(笑)。天然染料の洋服を、デイリーユースにしたいから」

会話を重ねるうちに、どんどんハマっていく天然染料の魅力。出会う機会の少なかった洋服も、宝島染工が中量生産に臨むことで、これまでより気軽に迎えられるようになりつつあります。

「ありがたいことに天然染めに興味を持ってくれる方がちょっとずつ増えてきて、私としては『農道を走ってたのに国道に出ちゃった』みたいな感じなんです(笑)。でも『もっともっと大きくしたい』とは思ってなくて、今より少し大きいくらいの規模が自分の望むものづくりを叶えるにも、工場の体力的にも、最適かなって思うんですよね。大きくしたいわけじゃなくて、長く続くのがいいことって感覚で。作る人も着てくれる人も気持ちよくいられるような環境にしないと、お互い結局、長くいられないと思うんですよ。

今の規模をちゃんと保って回して人がしっかり働ける形態を整えていけば、私がいなくても自走できる組織になる。今は私がいないとオリジナル商品の開発はできてない状態ですけど、それが例えば、外部のデザイナーが入っても自走できるような工場になるのが次の形態だと思います。

天然染めって今はまだ特別な洋服だけど、たくさん作って誰でも買えるようにしたくって。安くはできないんだけど、買いたいときに手に入って、『特別だけど特別じゃなくなる』のような感覚までいきたいですね」

やわらかな陽光がさす染め場でたたんだ端切れを藍に染め、ゆらぎあるその模様を見せてくれた大籠さん。染料の発色を確認するためあえて白色を選んでいるという作業着には、藍の色が美しく散らばります。

「天然染料はままならないからこそ、美しい」。大籠さんのその言葉を、宝島染工で染められた洋服を身につけるたびに思い出し、毎回、今日が少し特別な日になるのです。



<関連商品>

中川政七商店では、宝島染工さんと作った「草木染め」シリーズを販売中です。天然の草木を染料に、手捺染で色を重ねた洋服や小物たち。裾をふわりとゆらしながら、夏空のもとのお出かけ着としてお楽しみください。

草木染めの色かさねワンピース
草木染めの色かさねスカート
草木染めの色かさねストール
草木染めのバッグ

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文:谷尻純子
写真:藤本幸一郎