【ヱビスビール×中川政七商店】ヱビスビールに合う、自宅のおもてなし料理

あっという間に12月。忙しなく過ごしつつも、今年1年の頑張りを労いたい季節でもありますよね。お店での飲み会も楽しいものですが、友人を自宅に招いての家飲みも気兼ねなくゆっくり話せて個人的には好きです。

人と食卓を囲む機会が増える季節ということで、本日よりヱビスビールコラボキャンペーン第三弾を実施中です。これから来る一年の締めくくりと新しい年に向けて、おもてなしやハレの日の食卓のお供には、ヱビスビールがぴったりです。
そこで今日は、気軽に作れておいしい「ヱビスビールに合うおもてなし料理」のレシピをお届けします。

中川政七商店の本社のほど近く、奈良で料理教室を営む、料理家のあやかさんに教えてもらいました。

料理家のあやかさん

料理家として活動する前から、毎週末、友人や知人に手料理を振る舞ってきたというあやかさん。常に自宅に人が集まるあやかさんに、おもてなしのメニューを決めるポイントについて聞いてみました。

「どんな方が来るのかによって、料理を決めています。例えば、旦那さんの友達を招待するのであれば、ビールが進むようながっつり系の料理。食材はシンプルで味付けがこってりしたものが多いですね。
女性の友人を招く場合は、旬の野菜と果実を組み合わせたものを作ってみたり。招く方に合わせて、どういう味の方向性がいいか考えながらメニューを決めています」

相手のことを思いやって作るからこそ、ついついお邪魔したくなる食卓が生まれるのですね。今日は、そんなおもてなしのプロである、あやかさんのご自宅にお邪魔して「ヱビスビールに合うおもてなし料理」をテーマに3品のレシピを教えてもらいました。

①かぼちゃの味噌チーズデリ風サラダ
②大和まなと桜エビの中華炒め
③鶏てりたま

①かぼちゃの味噌チーズデリ風サラダ

まず一品目は、デリ風サラダです。
「味噌やチーズなどコク深いものを入れて、ヱビスビールがすすむような味付けにしてます」とあやかさん。

コク深い味わいでありながら、作り方は至ってシンプル。食材と調味料を混ぜ合わせるだけで作れちゃいます。

▪️材料(2人分)
・かぼちゃ     250g(正味)
・ドライ無花果   2個
・クリームチーズ  30g
Aヨーグルト    大さじ2
A味噌       大さじ1/2
A醤油       小さじ1
Aメープルシロップ 小さじ1/2
Aブラックペッパー 適量
・素焼きナッツ   適量
・ミント      適宜

▪下準備
・かぼちゃはひと口大に切る。
・ドライ無花果は粗めに刻む。

1.かぼちゃを耐熱ボウルに入れて、電子レンジ600Wで5分加熱する。マッシャーで軽く潰す。
2.1のボウルにドライ無花果、クリームチーズ、Aを加えて和える。
3.器に盛り、砕いたナッツを散らし、お好みでミントを添える。

2024年開業予定YEBISU BREWERY TOKYOでビール醸造を担当するChief Experience Brewerの有友亮太さんからも、「かぼちゃやイチジクの甘味、味噌とチーズによるうま味とコクがヱビスビールと合う」と太鼓判。

自宅でおもてなしをする際、サラダは出したいものの、ビールに合うものって中々難しいなと思っていたのですが、これなら自信をもって出せそうです。

②大和まなと桜エビの中華炒め

2品目は、炒め物です。
「少しピリ辛な味を入れてパンチを効かせることで、ビールに負けないアクセントを作っています」とあやかさん。

大和まなは奈良の伝統野菜。せっかくなので、地のものや旬のお野菜をとリクエストしましたが、身近で手に入らないという方は、小松菜で代用してみてください。

▪️材料(2人分)
・大和まな      1束(約250g)※小松菜でも可
・桜エビ       7g
A醤油        小さじ1
Aオイスターソース   小さじ1
・豆板醤       小さじ1/4
・ごま油       小さじ1

▪下準備
・大和まなは根元を切り落とし、4cm幅に切る。

1. フライパンにごま油、豆板醤を入れて弱火にかける。
2. 香りが立ったら中火にして、大和まなの茎の部分を入れて、さっと炒める。
3.桜エビ、大和まなの葉の部分、Aを入れて、さっと絡める。

「香ばしいごま油や桜エビの香りと大和まなのうま味に豆板醤のアクセントがヱビスビールに合いますね」と有友さん。
実際に食べてみると、ピリッとした味が効いていて、お箸が止まりません。

③鶏てりたま

ビールと言えば、お肉や揚げ物など、こってりした料理が合いますよね。そこで、最後は肉料理をリクエストしました。
「ヱビスビールに合うというテーマだったので、甘辛なたれを絡めてこってりした味つけで作っています」とあやかさん。料理中から美味しそうな香りが漂います。

▪材料(2人分)
・鶏肉          1枚(約250g)
・卵           2個
・青ねぎ         適量
・塩           小さじ1/4
・こしょう        適量
A醤油、酒、みりん、砂糖 各大さじ1
A豆板醤         小さじ1/4
・片栗粉         大さじ2
・米油          大さじ1

▪下準備
・鶏肉はひと口大に切り、塩、こしょうをふり、片栗粉をまぶす。
・卵を溶く。
・青ねぎは小口切りにしておく。

1. フライパンに米油を入れて中火にかけ、溶き卵を入れて、半熟のうちに一旦取り出す。
2. 同じフライパンに鶏肉を入れ、両面を焼く。
3. 2にAを加え、とろみがつくまで煮詰めながら絡める。1を戻し入れて、さっと全体を混ぜる。
4. 器に盛り、青ねぎを散らす。

有友さんからも、「甘辛な味付けによるコクがヱビスビールとマッチし、こしょうのアクセントが食欲をそそり、ビールが進みます」とお墨付きをもらいました。

自分で料理を作るとついつい味が似ちゃう、ということも多いのですが、それぞれ味の方向性が違いながら、どれを食べてもビールが進む。自宅でのおもてなしにぴったりの3品です。
気軽に作れるレシピばかりなので、ビールで乾杯したい日には、ぜひ作ってみてください。

現在、ヱビスビール×中川政七商店のコラボキャンペーンを実施中です。
日常にハレの気持ちを呼ぶ、ヱビスビールのある食卓。皆さんも取り入れてみてはいかがでしょうか。


<キャンペーンについて>

12/5~発売の「ヱビス缶350ml 24缶」に、ヱビスビール×中川政七商店コラボのふきんとコースターが付いています(なくなり次第終了となります)。

キャンペーンページはこちら

<あやかさんプロフィール>

料理家・フードコーディネーター

「ごはん愛好家」という肩書で、奈良を拠点に料理家として活動。
企業のレシピ開発を手がける他、自宅で開く料理教室は毎回すぐに予約が埋まる人気。


<掲載商品>

食洗機で洗える木皿
美濃焼の中鉢
有田焼の平皿


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【ヱビスビール×中川政七商店】ビール醸造家が語る、ビールとグラスのペアリング

【あの人が買ったメイドインニッポン】#12 バイヤー・山田遊さんが“一生手放したくないもの”

こんにちは。
中川政七商店ラヂオの時間です。

今回からゲストは、バイヤーの山田遊さんです。トークテーマは、「一生手放したくないメイドインニッポン」。

それでは早速、聴いてみましょう。

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山田遊さんが“一生手放したくない”メイドインニッポン

山田遊さんが“一生手放したくない”メイドインニッポンは、「大黒屋 江戸木箸 極上 七角削り箸 縞黒檀」でした。


ゲストプロフィール

山田遊

南青山のIDÉE SHOPのバイヤーを経て、2007年、method(メソッド)を立ち上げ、フリーランスのバイヤーとして活動を始める。現在、株式会社メソッド代表取締役。
これまでの主な仕事に、国立新美術館ミュージアムショップ「スーベニアフロムトーキョー」、「21_21 DESIGN SIGHT SHOP」、「GOOD DESIGN STORE TOKYO by NOHARA」、「made in ピエール・エルメ」、「燕三条 工場の祭典」などがある。
各種コンペティンションの審査員や、教育機関や産地での講演など、多岐に渡り活動を続ける。


MCプロフィール

高倉泰

中川政七商店 ディレクター。
日本各地のつくり手との商品開発・販売・プロモーションに携わる。産地支援事業 合同展示会 大日本市を担当。
古いモノや世界の民芸品が好きで、奈良町で築150年の古民家を改築し、 妻と二人の子どもと暮らす。
山形県出身。日本酒ナビゲーター認定。風呂好き。ほとけ部主催。
最近買ってよかったものは「沖縄の抱瓶」。


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番組のご感想やゲストに出演してほしい方、皆さまの暮らしの中のこだわりや想いなど、ご自由にご感想をお寄せください。
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次回予告

次回は、エッセイストの平松洋子さんに出演いただきます。12/8(金)にお会いしましょう。お楽しみに。

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【あの人が買ったメイドインニッポン】#11 バイヤー・山田遊さんが“ついつい買ってしまうもの”

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山田遊さんが“ついつい買ってしまう”メイドインニッポン

山田遊さんが“ついつい買ってしまう”メイドインニッポンは、「カトラリー」でした。


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次回も引き続き、山田遊さんに出演いただきます。12/1(金)にお会いしましょう。お楽しみに。

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【あの人が買ったメイドインニッポン】#10 バイヤー・山田遊さんが“最近買ったもの”

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山田遊さんが“最近買った”メイドインニッポン

山田遊さんが“最近買った”メイドインニッポンは、「ramgu カッティングプレート」でした。


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各種コンペティンションの審査員や、教育機関や産地での講演など、多岐に渡り活動を続ける。


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高倉泰

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日本各地のつくり手との商品開発・販売・プロモーションに携わる。産地支援事業 合同展示会 大日本市を担当。
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次回も引き続き、山田遊さんに出演いただきます。11/24(金)にお会いしましょう。お楽しみに。

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【あの人が買ったメイドインニッポン】#9 ラジオパーソナリティ・クリス智子さんが“一生手放したくないもの”

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今回からゲストは、ラジオパーソナリティのクリス智子さんです。トークテーマは、「一生手放したくないメイドインニッポン」。

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クリス智子さんが“一生手放したくない”メイドインニッポン

クリス智子さんが“一生手放したくない”メイドインニッポンは、「深川製磁の屠蘇器」でした。


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クリス智子

ハワイ生まれ。大学卒業時に、東京のFMラジオ局 J-WAVE でナビゲーターデビュー。現在は、同局「GOOD NEIGHBORS」(月曜〜木曜13:00〜16:00)を担当。ラジオのパーソナリティのほか、MC、ナレーション、トークイベント出演、また、エッセイ執筆、朗読、音楽、作詞なども行う。得意とするのは、暮らし、デザイン、アートの分野。幼少期より触れてきたアンティークから、最先端のデザインまで興味をもち、生活そのもの、居心地のいい空間にこだわりを持つ。ラジオにおいても、居心地、耳心地の良い時間はもちろん、その中で、常に新しいことへの探究心を共有できる場づくりを心がける。


MCプロフィール

高倉泰

中川政七商店 ディレクター。
日本各地のつくり手との商品開発・販売・プロモーションに携わる。産地支援事業 合同展示会 大日本市を担当。
古いモノや世界の民芸品が好きで、奈良町で築150年の古民家を改築し、 妻と二人の子どもと暮らす。
山形県出身。日本酒ナビゲーター認定。風呂好き。ほとけ部主催。
最近買ってよかったものは「沖縄の抱瓶」。


次回予告

次回のゲストは、バイヤーの山田遊さんです。11/17(金)にお会いしましょう。お楽しみに。

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【くらしの景色をつくる布】#1 中川政七商店・吉岡

皆さんは暮らしを飾るインテリアを、どんなふうに選んでいますか?

いわゆる賃貸のマンションに住んでいると、間取りや壁紙などの躯体はそんなに代わり映えがしません。かく言う我が家も賃貸マンション住まいです。
暮らしを飾る物を上手に取り入れることで、もっと自分らしい心地好い空間をつくっていきたい。個人的にもそう思っていた折に発売したのが、インテリアコレクション「くらしの工藝布」。使い手次第でさまざまな取り入れ方が膨らむ表情豊かな布たちは、暮らしを飾るのにぴったりのアイテムです。
実際に、家に取り入れたらどんな景色が生まれるんだろう?そんな興味が沸いて、心地好い暮らしを実践する皆さんに、取り入れてみてもらいました。

初回は、中川政七商店・吉岡のご自宅。取り入れたのは、こちらのラインナップです。

二重織刺し子の長座布団
二重裂織の飾り布
捨耳のタペストリー
二重裂織の簾
裂織の布籠
二重裂織の敷布

中川政七商店の新規事業や店舗開発の傍ら、その土地土地のものづくりを訪ね歩き、バイヤーの役割も担う吉岡。
パートナーと二人で暮らすマンションには、古今東西のさまざまなオブジェや暮らしの道具など、個性豊かなもの達がずらりと並びます。
「くらしの工藝布」は、そんな吉岡家の暮らしをどのように飾るのでしょうか。

もてあましがちな和室にシーンを作る。「二重織刺し子の長座布団」

二重織刺し子の長座布団 薄茶

まず最初に、これはぜひ使ってみたいと選ばれたのが、「二重織刺し子の長座布団」。和室に置いて使ってみたそうです。

「和室は普段もてあましがちなので、ゆっくりお茶を愉しむ空間として設えるなど、目に入ると使いたくなるシーンをあえて作っておくようにしています。ちょうど少し改まってお茶が飲めるように設えていた場所に、二重織刺し子の長座布団を敷いてみると、色も表情もしっくりと馴染みました。」

「うちでは日常的にお茶を飲みますが、友人やお客さんが来た時などは、ここでお茶を淹れながら四方山話に花を咲かせることも多いです。布団の上に座っているようで気持ちいいから、長話をしてても疲れずに過ごせそうですね。2~3人並んで座れるのも有難いです」

「個人的に一番ハマったのが、三分の一を二重に折り曲げた座椅子のような使い方でした。座っていると、ふかふかした布団に包まれているような安心感があります。生地は厚手で丈夫ですし、腰が沈むこともないので、楽な姿勢で、ずっと座っていられますね。座椅子とソファのいいところを足して割ったような印象でした。長座布団があると、和室にいる時間が増えそうです」

敷いても掛けても愉しめる。「二重裂織の飾り布」

次は、長座布団と一緒に茶席に設えていた「二重裂織の飾り布」について聞いてみました。

二重裂織の飾り布 柿渋染 薄茶 S

「気楽に茶席の雰囲気を楽しみたい時にはもってこいの敷布だと思います。薄手ですがしっかりと柿渋染された生地は丈夫ですし、多少こぼしてもまあいいかって余計な気遣いなしに使えます。
そうやって実用的な用途として使えるのはもちろん、飾って楽しめるのも魅力ですよね」

「敷布として使わない時には、壁に飾りたくなりますね。柿渋の濃淡から生みだされた有機的な表情が、空間にあたたかい空気感を与えてくれるなと思います。

長座布団もそうですが、寄りで見ると一つとして同じものがない個性や味わい深さを持ちつつ、引きで見るとどんな住空間にも馴染みやすい。繊細さと包容力のある布ですよね。」

床の間のはずしに、「捨耳のタペストリー」

触りたくなるような表情豊かな「捨耳のタペストリー」は、床の間に。もともと和すぎる床の間になるのを避けて、グラフィカルな版画とシェーカーボックスを飾っていたそうです。

「捨耳のタペストリーは、布なのに、お軸の絵のような奥行きと存在感があります。いわずもがな、よいですよね。
うちの床の間は昔ながらの和の雰囲気なのですが、それらしい和の室礼には正直あんまり馴染めなくて。とはいえ賃貸では内装を触れないので、クラシックな和の床には、お軸の代わりにモダンなアートを添えてあげるのが、個人的には好みです」

素材自体の表情が豊かな捨耳のタペストリー

空間の間仕切りに。「二重裂織の簾(すだれ)」

二重裂織の簾 白・墨斑染

「この簾は、組み合わせる枚数が自在なので、部屋の間仕切りのような機能をもたせるのが面白そうだなと感じました。扉のように完全に部屋を仕切るのではなくて、ゆるやかな境界として簾を掛けて。
一枚ずつ布を変えられるので、今回みたいに色替えして組み合わせると、季節や気分にあわせて模様替えもできるし、枚数によって仕切りの度合いも調整できますよね。日本人らしい曖昧な境界の作り方だなと思います」

プランターカバーとして暮らしを飾る「裂織の布籠」

裂織の布籠 S 黒
△裂織の布籠 M 黒

「裂織の布籠は、プランターカバーとして使ってみました。
裂織の布自体にゆらぎや個性があるじゃないですか。布の個性と植物の個性がぶつかり合うのが面白そうだなと思って。サボテンもドラセナも、布籠と植物のコントラストが効いているんじゃないでしょうか」

表情のある床が生まれる、「二重裂織の敷布」

二重裂織の敷布 M 墨

「二重裂織の敷布は、見た目にすごく工芸感のあるファブリックですよね。賃貸住宅は床が味気ないので、こういう布を敷くと一気に雰囲気が変わって絵になる風景ができることがあります。
二重裂織の敷布は、表情豊かですが、クセのある模様が入っているわけでもないので、シンプルな家にもいい意味でアクセントになるんじゃないでしょうか。うちみたいにあちこち雑多にものが置いてある家でも、他の物に負けてないですよね」

取り入れて感じる、「くらしの工藝布」の魅力

敷いたり掛けたりしながら、さまざまなアイテムで飾ってもらった吉岡家。最後に、取り入れてみての感想を聞いてみました。

「今回実際に家に取り入れる過程で、古くからある技がもつ、現代に生きる価値を再発見しました。
裂織が盛んだった頃は、今よりもはるかに物資が貴重な時代じゃないですか。そういう時代背景で育まれた日本人のつつましい美意識やもったいない精神が根底にある昔の裂織は、偶然の美や時間の経過がもたらす物としての魅力があると思っています。
それに対して、工藝布は、裂き糸と現代の織り技術、それらの組み合わせなどを掘り下げて、どうすれば暮らしの中で魅力ある布になるかをとても考え抜いてつくられているなと思います。こういったつくり方は、物が豊かになった今じゃないとできないですよね。今回使ってみて、実際の暮らしへの取り入れやすさを肌で感じることができました」

滝織の多様布 本藍染 中藍

「世間では、うちと同じように賃貸のマンション暮らしの人が大半じゃないですか。
インテリアを愉しもうとすると、標準的な間取りやマテリアルの中で、躯体に頼らない部屋作りをせざるを得ないですよね。そんな時、個性的な道具やオブジェも雰囲気を作る一つの要素やアクセントとして重宝しますが、面積の広いファブリックは、それだけで部屋の印象をガラッと変える力があるなと、今回改めて思いました。

そして、用途をもって使うこともできるし、暮らしを飾ることもできる。それが“くらしの工藝布”の魅力ですよね。どう取り入れるかが、こちらに委ねられているというのが、面白いと思います」

暮らしを飾り、家の景色をつくってくれる「くらしの工藝布」。使い方が定まっていないからこそ、さまざまなおうちでの取り入れ方に、より一層興味が沸いてきました。
あの人はどんな風に暮らしを飾るんだろう?そう気になる方々のご自宅におじゃまして、これからも「くらしの工藝布」の愉しみ方とともに、皆さんの暮らしの景色をお届けしていきたいと思います。

次回は、兵庫・丹波篠山の里山でお店を営む、archipelagoの小菅庸喜さんのご自宅にお伺いします。お楽しみに。

<掲載商品>
二重織刺し子の長座布団
二重裂織の飾り布
捨耳のタペストリー
二重裂織の簾
裂織の布籠
二重裂織の敷布

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