皆さんは暮らしを飾るインテリアを、どんなふうに選んでいますか?
いわゆる賃貸のマンションに住んでいると、間取りや壁紙などの躯体はそんなに代わり映えがしません。かく言う我が家も賃貸マンション住まいです。
暮らしを飾る物を上手に取り入れることで、もっと自分らしい心地好い空間をつくっていきたい。個人的にもそう思っていた折に発売したのが、インテリアコレクション「くらしの工藝布」。使い手次第でさまざまな取り入れ方が膨らむ表情豊かな布たちは、暮らしを飾るのにぴったりのアイテムです。
この人ならどんな風に取り入れるんだろう?と気になった方にお声がけして、実際に使ってみていただきました。
今回訪ねたのは、InstagramやYouTubeなどでご自身の暮らしを発信されている、「シカとクマ」の鹿熊茉夕さんのご自宅です。
IT系のUIデザイナーとしてお仕事される傍ら発信している、自宅での暮らしの様子が注目を集め、現在15万人ほどのフォロワーがいらっしゃいます。
中古住宅を古民家風のご自宅へとDIYでリノベーションしていく様子には、家づくりのヒントがたくさん散りばめられており、私も発信を楽しみにしている一人です。
「シカとクマ」の屋号は、名字の「鹿熊」からとっているそうで、ご自宅にも、鹿と熊のオブジェがそこかしこに飾られていました。
祖父母から引き継いだ、中古住宅をセルフリノベーション
中古住宅をDIYでセルフリノベーションしたというものの、一体どれくらい手を加えているのか、まずは鹿熊さんの家づくりからお話を聞いていきました。
「夫の祖父母の家を引き継いでいるのですが、もともとはよくある一般的な雰囲気の住宅でした。
ここに引っ越してくる前は、都内の賃貸マンションに住んでいたのですが、もう少し広い部屋でのんびり過ごしたいなという思いがあって。そんなタイミングで、祖父母の家を売りに出すという話があったので、見に来たのがきっかけです。全体的にあんまり好みの雰囲気ではなかったんですけど、和室と味のある古い箪笥があって。この箪笥に似合う空間を作っていこうと決めました」
「古民家巡りが昔から好きだったんですよね。それで、和室のよさを生かしながら、自分好みの空間に近づけるべく少しずつ変化させてきました。すべての部屋をDIYによって手を加えています。
和の雰囲気に合うように、色合いはかなり重要視していて、茶色と白と黒で統一しています。素材も大切で、経年変化が愉しめる味わい深いものを揃えるようにしています。
一つひとつ自分の手で選び作りながら変えていく中で、どんどんこの家に対する愛着が沸いてきました。もともとは受け継いだものですが、今では自分の家という気持ちを持っています」
「発信を始めたのは、この家に引っ越してきてしばらく経ってから、どうせならこの暮らしを記録として残していきたいなと思って、趣味のつもりで始めました。いつの間にか見てくださる方が増えて、自分のモチベーションもあがって、日々の暮らしを愉しみながら、投稿させていただいています」
そんな古民家の佇まいをもつ鹿熊さんのご自宅で、「くらしの工藝布」を取り入れていただきました。取り入れていただいたのは、こちらのラインナップです。
・二重織刺し子の掛敷布 M
・手刺しのタペストリー散し S
・二重織刺し子の長座布団
・二重裂織の飾り布 S
部屋の雰囲気を気軽に変えられる「二重織刺し子の掛敷布」
「布ものって面積が大きいから、物によっては主張が強すぎちゃうこともあるじゃないですか。そういうの結構気になるタイプなんですけど、これはすっと部屋になじんでくれて。主役かのように主張はしてこないけど、個性は出せる。そのバランスがいいなと思いました。今回使った『くらしの工藝布』すべてに言えることだと思います」
「それに、床に敷くものって重厚感あるものが多いので、敷いたら永遠に敷きっぱなしになってしまう印象があるんですよね。
でも私は基本的に在宅で仕事していて自宅にいることが多いので、気分転換にインテリアの雰囲気を変えるのが好きなんです。頻繁に配置を変えるので、軽くて動かしやすいのが魅力的だと思いました。
物自体もリバーシブルで使えるので、その点でも雰囲気を変えやすいですよね」
どんな部屋にもなじむ「手刺しのタペストリー」
「『手刺しのタペストリー』も、主張し過ぎずに個性を出せるのがいいなと思いました。刺繍で模様が描かれているけど、どこに置いてもなじみがいいというか。どんな部屋でも合いそうだなと思いました」
「色合いもすごくいいですよね。
うちは壁も自分で漆喰を塗っているので、白なんですけど少し凹凸があって、影ができて真っ白っていう雰囲気ではないんですよね。壁だけじゃなくて家に取り入れる素材は天然素材のものが多いので、全体的にゆらぎがある。そういう壁や空間のムラ感との相性がすごくいいなと思いました。天然素材との相性がいいですね」
「刺し子の技法で手仕事で作られているのも素敵ですよね。
私も自分で手作りすることが好きなので、手で一つひとつ作る手間や時間、作ることで生まれる物へのこだわりも分かるので、手跡が見えることでより愛着が沸くというか。改めて、手仕事のものを大切に使いたいなという気持ちにさせてくれました」
複数の使い方ができる「二重織刺し子の長座布団」
「『二重織刺し子の長座布団』は、ふかふかしていて、サイズ感もちょうどよくて、本当に気持ちいいですよね。
それに、複数の使い方ができるのもいいなと思いました。座布団として敷くのはもちろん、折って壁に沿わせて座椅子のように使うこともできます。どの商品もそうなんですけど、やっぱり柔軟性の高さは魅力です。
インテリアの雰囲気を変えたり、物をさまざなま使い方で愉しみたい気持ちがあるので、複数の使い道を考えられるのはすごくいいなと思いました」
「色も、少しムラっぽいゆらぎのある風合いになっていてよかったです。
この部屋は、壁をあえてムラっぽく塗っているんですけど、壁との相性もばっちりでした」
古家具のサイズにフィットする「二重裂織の飾り布 」
「古家具が好きなのですが、結構サイズがユニークで、幅が狭い物や小さい物があるんですよね。『二重裂織の飾り布』は細長いので、奥行きが狭いテーブルにぴったり合うサイズ感がまず嬉しくて。絶対ここに使いたい!と思って選びました」
「今日は茶香炉を使いましたが、お茶を淹れる時にもさりげなく道具とマッチしてくれてよかったです。
木の天板に直接温かいものを置くと跡がついてしまうので、お茶を飲む時はとくに敷布がほしくて。サイズが合う好みの布に出会えて嬉しかったです」
自然のものを身の回りに置いて、癒される空間づくりを
「今回取り入れてみて、『くらしの工藝布』は天然素材との相性がいいなと思いました。色合いも素材感も、主張し過ぎずナチュラルに馴染んでくれたので、すごくよかったです。
私は仕事でデジタルな物事に向き合うことが多いので、そこから離れてアナログなもの、自然のものに触れる時間に癒されるというか、惹かれている節があると思います」
「自分の好みを再確認して、無理がない程度に集めていって、ちょっとずつ自分の好きなものを増やしながら、好きな空間を作っていくことで、心地好さが増していくんじゃないかなと思います。
道具はよく使うからこそ、長く使えるものを選んで、暮らしを豊かにできたらいいなと思っています。
使いやすさももちろん大事だけれど、優しさ、味わい深さ、経年変化など、見た目だけではない物の佇まいをすごく重視しているように思います。癒されたいんです(笑)」
祖父母から受け継いだ中古物件を古民家風にセルフリノベーションして暮らす、鹿熊茉夕さんによるSNSアカウントは下記よりご覧ください。
・「シカとクマ」Instagram
・「シカとクマ」YouTube
<掲載商品>
・二重織刺し子の掛敷布 M
・手刺しのタペストリー散し S
・二重織刺し子の長座布団
・二重裂織の飾り布 S
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文:上田恵理子
写真:田ノ岡宏明