マンションで「お正月を楽しむ」ための工芸を集めました

12月に入り、いよいよ年末年始の色が濃くなってきましたね。
クリスマスが過ぎるとあっという間にお正月なので、毎年お正月準備がバタバタしてしまう方も多いのでは。

お正月をしっかり楽しむための工芸記事を集めたので、ぜひ準備にお役立てください。

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室町時代から愛でられてきた小さな器、おてしょ皿

 

“おてしょ”とは直径11センチ以内の小皿のこと。室町時代に貴族の器として使われたことが始まりだそうで、その頃からすでに蒐集家がいたとか‥‥!思わず集めたくなるおてしょ皿たちをご紹介します。

2018年2月14日公開
産地:肥前

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プチ書道セット

来年の書き初めは、手のひらサイズの書道セットで

 

とってもカワイイ、コンパクトな書道具セットを見つけました!可愛いだけではなく、白地に鮮やかな絵付けの有田焼の硯、化粧筆としても有名な熊野筆が揃う本格派なんです。新年に向けて、年賀状や書き初めにいかがですか?

2017年12月4日公開
産地:肥前

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大成紙器製作所 POCHI-PON

めでたく「ポン!」と鳴る、新しいぽち袋 POCHI-PON(ポチポン)

 

ZIP!でも紹介されました、今までにないぽち袋 POCHI-PON(ポチポン)。ふたを開けると「ポン!」っという気持ちのよい音が。新年をめでたく迎えられそうです。

2017年11月23日公開
産地:大阪

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中川政七商店のお正月飾り2019年

マンションで楽しめるお正月飾り。小ぶりがちょうどいい、現代の縁起もの

 

中川政七商店の しつらいはじめ・お正月

今年もあっという間に師走です。年末年始の準備はできていますか?年神様をお迎えすべく、気軽に取り入れることのできるお正月飾りをご紹介します。

2018年11月23日公開
産地:読みもの

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ハレの日を祝うもの 古くて新しい縁起物 めでた玩具 土人形

 

まんまるなフォルムに柔らかな色合いが愛らしい郷土玩具たち。見た目の可愛いらしさだけではなく、それぞれに縁起の良いいわれがあるんです。お祝い事や、大切な人を元気付けるちょっとした贈りものに。ここぞというときの自分自身への験担ぎにもおすすめです!

2017年7月8日公開
産地:山口

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気になる記事はありましたか?読み返してみると、また新しい発見があるかもしれません。

それでは、次回もお楽しみに。

「付喪神絵巻」に見る室町時代の大掃除

今年もあっという間に12月。今日は大掃除にまつわる「付喪神 (つくもがみ) 」のお話。

今は年末に行われることの多い大掃除ですが、もともとは「煤払い」といって、12月13日と日を決めて行われていました。

昔の煤払いの様子。みんな忙しそうです
昔の煤払いの様子。みんな忙しそうです

煤払いは単なる大掃除ではなく、年神さまを迎えられるよう家の中をきれいにするという、信仰的な意味も持っていました。

と、ここまではさんちの記事「12月13日、すす払いの日。熟練職人がていねいに編み上げた、掃除道具」でもご紹介したところ。

実はこの煤払いを終えると、路地にうち捨てられていたのが古い道具類。彼らこそ、今日のお話の主人公です。

彼が担いでいるのは、何でしょうか‥‥?
彼が担いでいるのは、何でしょうか‥‥?

「陰陽雑記云、器物百年を経て、化して精霊を得てより、人の心を誑す、これを付喪神と号すといへり。

これによりて世俗、毎年立春に先立ちて人家の古道具を払い出だして、路次に捨つる事侍 (ことはべ) り。これ煤払いと云ふ。

これすなわち百年の一年たらぬ付喪神の災難にあはじとなり」

室町時代に物語が成立したとされる『付喪神絵巻』は、このような一文で始まります。

作られてから100年をすぎた道具には魂が宿り、人を惑わす「付喪神」となる。そんな言い伝えを嫌って、人々は旧暦の新年にあたる立春より前、年の瀬の煤払いの際にこぞって古い道具を捨てていた、とあります。

路地に捨てられた古道具たちの様子
路地に捨てられた古道具たちの様子

「室町時代って、日本で最初の大量生産・大量消費の時代であったという見方があります。その時代の精神性を反映して、こうした付喪神の物語も伝承されたのではないでしょうか」

そう語られるのは民俗学者の小泉凡 (こいずみ・ぼん) さん。

ひいおじい様は「耳なし芳一」などの民間伝承をまとめた『怪談』の著者、ラフガディオ・ハーン、のちの小泉八雲です。

小泉凡 (こいずみ・ぼん) さん。島根県立大学短期大学部教授、小泉八雲記念館館長、焼津小泉八雲記念館名誉館長でもいらっしゃいます。専攻は民俗学。主な著書に『怪談四代記 八雲のいたずら』 (講談社) ほか多数。
小泉凡 (こいずみ・ぼん) さん。島根県立大学短期大学部教授、小泉八雲記念館館長、焼津小泉八雲記念館名誉館長でもいらっしゃいます。専攻は民俗学。主な著書に『怪談四代記 八雲のいたずら』 (講談社) ほか多数。

現在、凡さんは小泉八雲が暮らした「怪談のふるさと」こと島根県・松江で大学教授を務められています。

10月の出雲・松江特集では、松江で人気の観光プログラム「松江ゴーストツアー」の生みの親としてお話を伺っていました。


>>『怪談は負の遺産?小泉凡さんに聞く、城下町とゴーストのいい関係』はこちら

「地理学者のイーフー・トゥアンの学説が有名ですが、妖怪伝承や怪談が生まれる根本には必ずふたつの要素があると考えられています。

ひとつは人間の恐怖に対する想像、負の想像力。例えば闇で足音が聞こえてきてドキッとする。そういう人間の、恐怖に対する想像力がないと発生しません。

もうひとつにはアニミズムの土壌がないと発生しにくい。アニミズムとは、万物には目に見えない霊魂や精霊などの霊的存在があるとする信仰のことです。

早くに一神教になった国というのはそれが衰退しやすいですね。例えばイスラム圏にはあまり妖怪や精霊といったイメージがないと思います。

一方で日本には、その両方が残されてきました。

八雲が記録した伝承の中にも『ちんちん小袴』という民話があります。不精なお姫様が捨てためた爪楊枝が、たくさんの武士姿の妖精に化けて現れる、というお話なんですよ」

古道具にさえ、霊的な「何か」を感じおそれた日本人。

実は『付喪神絵巻』に登場する古道具たちも、お話が進むごとに「生き物」化していきます。

目や足が付いているのが、わかりますか?
目や足が付いているのが、わかりますか?

実は彼ら、「長年お仕えしてきたのに道端にこんな風に捨てるなんて、ひどい‥‥!」と、人間への仕返しを企てているところなのです。

節分の日の夜、彼らはとうとう妖怪に姿を変えます。さて、それぞれどの道具がどんな姿に変身するのでしょうか。

お話の続きは、また節分の頃に。


文:尾島可奈子
出典:国立国会図書館デジタルコレクション「付喪神記」

※こちらは、2017年12月30日の記事を再編集して公開しました