120年変わらない「渦巻」に込められた技と想い……金鳥が大切にする「日本のものづくり」

年々長くなっている、日本の夏。

はやばやと6月には猛暑日が訪れて、9月や10月に入っても蒸し暑い日が続いていく。

だんだんと暑い時期が長くなるにつれて、昔から夏に活躍してきたさまざまな暮らしの道具の存在感が高まっているように感じます。

たとえば、澄んだ音色で風の訪れを知らせる風鈴。見た目にも涼やかなガラスのうつわ。通気性や吸水性にすぐれた天然素材の敷物や衣類などの、涼をとるための道具たち。

そして、長らく日本の夏の風物詩として親しまれ、頼りにされてきた、蚊取り線香「金鳥の渦巻」もそんな道具のひとつです。

実は、蚊取り線香は日本で誕生し、日本で大きく発展した商品。製造元である金鳥(大日本除虫菊株式会社)は今も国内の自社工場で、徹底した品質管理のもと「金鳥の渦巻(防除用医薬部外品)」を作り続けています。

同じように「日本のものづくり」をつなぐ企業として、中川政七商店は金鳥に深く共鳴し、2018年からはご縁があって毎年コラボレーションを実施してきました。

2018年に初めてコラボレーションした際に作った金鳥柄のふきん

今回は、金鳥が大切にしているものづくりや中川政七商店とのコラボレーションについて改めてお話を伺うべく、大日本除虫菊株式会社 商品企画担当の中野千恵さん、広報担当の加原朋子さんを訪ねました。

左から、大日本除虫菊株式会社 中野千恵さん/加原朋子さん

100年以上続く金鳥のシンボル「ニワトリ」マークと工芸の出会い

「私たちにとってこの“ニワトリ”の意匠はとても大切なものなので、そのデザインを色々なアイテムに落とし込むということは、過去にはほとんどやってきませんでした。

それがここまで長く続くというのは、当初は想像していなかったですね」

2018年の第一弾以来、中川政七商店とのコラボレーションを担当されている中野さんはそんな風に振り返ります。

コラボがスタートしたばかりの頃は、社内承認を得るのにドキドキしていたと話す中野さん

ひと目見れば誰しもが「金鳥の蚊取り線香!」と思い浮かべるほど、そのイメージが浸透しているニワトリのマーク。

1910年に商標登録されて以降、細かい表現の修正はありつつも、ニワトリ自体を変えることはなく100年以上使用され続けてきた、まさに金鳥のブランディングの根幹とも言えるものです。本来の商品以外での利用に慎重だったという話も頷けます。

それが、気づけば今年でコラボレーションも8年目。作ってきたアイテムは30種類を優に超える人気シリーズになりました。

歴代のコラボ商品の一部

「弊社のマークやデザインを、本当に細かい部分まで丁寧に再現していただいていますし、新たなモチーフを検討する際も、金鳥の歴史や過去の資料を深く読み込んでいただいて、社員よりも詳しいのでは?と思うくらいです(笑)。

データが存在しない過去のパッケージなどは、現物や写真を見ながら新たに描き起こしてもらうこともありました。そしてそれがさまざまな工芸の品に落とし込まれていて、もはやアートの域に入っているというか。御社だからこそなのかなと感じています」(中野さん)

長い歴史の中でさまざまな広告にも使われてきた「ニワトリ」マーク

金鳥のマークやパッケージデザインに敬意を持ちながら、単なるグッズではなくしっかりと工芸のものづくりの面白さも感じられるように。その都度デザインや技法を検討し、丁寧にコラボ商品を作ってきたことで、金鳥社内での評価も固まっていったのだそう。

大きなチャレンジとなった、有田焼でつくる「金鳥の渦巻蓋物」(左)、右が本家本元の「金鳥の渦巻 ミニサイズ(缶)」
蚊取り線香も焼き物で表現。取り組み自体はユニークだが、使用した工芸の技術や素材は本気そのもの

「気づけば社内でも当たり前のものとして毎年楽しみにされていて、社用のギフトや個人用に買っている人も多いですね。自分たちの会社のロゴやデザインのものが普段とは違うお店で売られているというのは、誇らしくもあり、とても嬉しいことだと感じています」(加原さん)

天然成分にこだわり続ける、金鳥のものづくり

金鳥の正式な会社名である大日本除虫菊株式会社。ここにある“除虫菊”とは、殺虫剤の原料として世界各地で栽培されているキク科の植物のこと。

金鳥の創業者である上山英一郎氏が縁あってアメリカの植物会社の人物から種子を譲り受け、日本国内での生産がスタート。そしてその除虫菊を原料として、世界初の蚊取り線香を開発しました。今でも、金鳥の渦巻には除虫菊が用いられ続けています。

「通常の『金鳥の渦巻』にももちろん使用していますし、さらに殺虫成分として100%天然除虫菊にこだわった『天然除虫菊 金鳥の渦巻』という商品も展開しています。

蚊取り線香を発明した会社として、天然成分だけを使っても、蚊に対してきちんとした殺虫効力があるものを作ることができる、という自負もありますね」と、加原さん。

もともと研究所に所属しており、蚊のことや線香の成分についても非常に詳しい加原さん

普段、当たり前のものとして接している渦巻型の蚊取り線香ですが、実はその成形には職人による高度な技術を要するのだそう。確かに言われてみると、絶妙な硬さ、細さで綺麗にくるくると渦巻状になっていて、効き目が長持ちする。無駄のない機能美を感じます。

さまざまなバリエーションがある「金鳥の渦巻」。寝ている間も効果が持続するように、長持ちする形状として渦巻が発明された

「粉状にした除虫菊を、タブノキから取れる糊成分などと混ぜ合わせて固めていくのですが、すべて天然成分なので、毎回状態が微妙に違ってきます。それを、担当者の手の感覚でこねる時間や塩梅を調整して、安定した品質に仕上げているんです。まさに職人技だなと。

渦巻状の蚊取り線香になって120年以上経ちますが、基本的な作り方、形状はずっと変わっていません。最初にどうやって思いついたのかと不思議なくらいです」(加原さん)

調整に失敗すると燃え方に影響が出たり、成分の出方が変わったりしてしまうとのこと。防除用医薬部外品として、一定の成分がしっかり出ることを担保する必要があるため、非常にシビアな調整をおこなっているそうです。

また、金鳥が天然の成分にこだわる背景には、殺虫剤を販売するメーカーではあるものの「むやみやたらに使うのはよろしくない」という考えがあるのだとか。

「必要な時に必要なだけ効くように。虫を全滅させるのではなく、生活空間から除ける、というスタンスで商品を作っています。その方が私たち自身や環境にも安心ですし、ひいては殺虫剤への抵抗性を発達させないことにもつながると考えています」

除虫菊を大切にする意味を込めて、パッケージをリニューアル

自然(虫)に対抗するには自然の力を使おうと、天然成分にこだわっている金鳥。改めて除虫菊をもっと大切にしていく姿勢を打ち出す意味もあり、「天然除虫菊 金鳥の渦巻」のパッケージリニューアルを敢行。そのデザイン監修を担当したのは、なんと中川政七商店でした。

右がリニューアルした「天然除虫菊 金鳥の渦巻」のパッケージ。四隅には、除虫菊をはじめとして、配合されている天然原料のイラストが添えられている。左は、この商品のイメージに合うように菊柄をあしらったコラボアイテムのひとつ「瀬戸焼の線香皿」

「パッケージをどうしようかという話の中で、『中川さんにやってもらうのはどうや?』という声が自然にあがってきたんです。

そもそも、パッケージのデザインというものを受けてもらえるのだろうか?と半信半疑のままお願いしてみたところ、快く引き受けていただけました」(中野さん)

デザイン事務所ではないところにパッケージを依頼するのは初めてとのこと

「『レギュラーの蚊取り線香のパッケージをベースにしましょう』という提案をいただいて、除虫菊やタブノキのイラストも描き起こしてもらって。

コンセプトも伝わるし、100年前からあったような、金鳥らしい自然なデザインに仕上げていただけたと思っています」(中野さん)

「日本のものづくりをつなぐ」企業同士として始まった両社のコラボレーション。取り組みを重ねる内に、思っていたよりも深く共通する部分があり、当初は想像していなかったチャレンジもできる関係となりました。

「今回イラストにも起こしていただいた『タブノキ』という糊の原料も、だんだんと需要が少なくなってきているので、弊社が使い続けることで残っていって欲しいと思っています。

タブノキは、八丈島に伝わる絹織物『黄八丈』の樺色の染料にもなる素材でもあって。そういったものを守る助けにもなれば、御社が取り組む工芸との共通点もより深くなるのではと、そんなことも考えていますね」(加原さん)

「個人的には、最近のコラボのデザインに関して、中川さん独自の解釈を入れていただいている割合が増えてきていると思っています。

除虫菊に合わせて菊染めのてぬぐいを作ってくださったり、原料の絵をオリジナルで起こしていただいたり。そういったことがコラボの醍醐味かなとも思っているので、今後もそういったご提案を楽しみにしています。

結果として、工芸についてももっと若い人たちが興味を持つような、そんな入口になっていけると嬉しいですね」(中野さん)

来年は9年目、そしてその翌年にはいよいよ節目の10年目を迎える金鳥と中川政七商店のコラボレーション。120年変わらぬ渦巻と、次はどんな工芸が出会うのか。これからも両社の取り組みにぜひご期待ください。

<関連商品>
金鳥の夏日本の夏 天然除虫菊 金鳥の渦巻レギュラーサイズ10巻と瀬戸焼の線香皿セット

文:白石雄太
写真:直江泰司

それぞれの関わり方で、しなやかに藍染めをつなぐ。藍産地 徳島のいとなみ【すすむ つなぐ ものづくり展】

私たちの暮らしを支えてきた、日本各地の様々なものづくり。

それらがさらに百年先も続いていくために、何を活かし、何を変化させていくべきなのか。ものづくりの軸にある「素材や技術」に改めて着目し、その可能性を探るため、中川政七商店がスタートさせた試みが「すすむ つなぐ ものづくり展」です。

今回のテーマは「藍」のものづくり。

植物を発酵させることでできる、生きた染料の藍。

日本には江戸時代に広まり庶民の暮らしに根付いて以降、めぐる季節と共に、そして人々のいとなみと共に藍のものづくりはありました。

土からはじまり、また土に戻る。

素朴な自然から生まれた色だからこそ、私たちは心惹かれるのかもしれません。

かつて「ジャパンブルー」と称されたほど各地で親しまれていた藍染めですが、今では暮らしの変化とともに伝統的な植物染料での染めは減りゆき、化学染料を用いた染めが主流となりました。

そんななかでも、過去から続く藍染めの技や産地の景色を未来へつなぐ作り手たちがいます。

挑戦を重ねて”すすむ”ものづくりの現場を取材し、百年先へ藍を”つなぐ”ためのヒントを伺いました。

“生き物”である藍と、人の支援とのつながり

今回訪れたのは、藍染めの染料である「スクモ」の産地として名高い徳島県。高品質な徳島産のスクモは「阿波藍(あわあい)」として全国に知られ、江戸時代以降、日本の藍染め文化を支えてきました。

徳島を東西に流れる吉野川。かつて、吉野川の氾濫が藍の栽培に適した土壌を生み出し、藍の産地として発展した

徳島では今なお、伝統を受け継ぐ藍師(スクモ作りをおこなう職人)や染師、新進気鋭の作り手、地元企業など、様々な人たちが藍に関わり、ものづくりを続けています。

そんな中、障がいのある方たちの「働きたい」という想いを支えながら、徳島ならではの藍を用いたものづくりに取り組んでいるのが、県内の就労支援施設などでつくる特定非営利活動法人「とくしま障がい者就労支援協議会」。

就労支援施設は、障がいのある方が支援を受けながら働く場所で、就労に必要な知識や技能向上のための訓練もおこなわれます。一般的な軽作業などに加えて、同協議会が力を入れているのが藍にまつわる業務や商品の製造です。藍染めや藍染め商品の製造をおこなういくつかの施設に話を聞きました。

指定障がい福祉サービス事業所「ひまわり園」。

「ここは、今は藍染めがメインの施設です。昔は委託の軽作業がほとんどでしたが、協議会が運営する研修会に参加したり、以前の職員から教わったり、文献を参考にしたりして、藍染めについて学びながらスタートしました」

そう話すのは、就労支援協議会に加盟する「ひまわり園」の園長 森洋志さん。委託される作業にはどうしても波があり、安定して施設の利用者の方に仕事をお願いできるように、藍染めによる自主商品の割合を増やしていったとのこと。

「ひまわり園」森洋志さん。「とにかくものづくりが大好き」と言い、その情熱を持って藍染めの商品作りをスタートした

協議会では徳島県からの事業委託を受け、こうした施設に藍染めの技術を学ぶ機会を提供したり、共同受注窓口として藍関連の仕事を受注したりといった活動をしています。

職業指導員の港祐樹さん。「利用者の方と一緒にものづくりができることは楽しい」と話す
藍甕に灰汁を足して染料のph値を調整する。藍の状態が悪く、思うように染められないときは、文献などにあたりながら試行錯誤し、何度も調整を繰り返す
県内の藍師から購入している「スクモ」。藍の葉を発酵させて作られる。近年は需要に対してスクモの生産量が追い付いておらず、藍染めにおける大きな課題のひとつになっている
スクモが納品される袋

「阿波藍というと、濃いブルーをイメージされる方が多いんですが、うちではそこにこだわらず、多様な色味を表現していきたいと考えています。色んな青が出せるんだよって言いたいんです。

藍は生き物だと言われますが、発酵して日々状態が変化する藍と向き合っていると、人の支援にもつながる部分があると感じます。さまざまな色、それぞれの良さを出していくということなのかなと」(森さん)

染めの作業を担当している利用者さん
それぞれの得意なことを活かしてものづくりを進めている
藍染めで表現できるさまざまな”青”

ひまわり園では、分業でおこなわれる藍染めを、個々の利用者さんの個性を活かしながら施設内で完結させられるようにと考えています。比較的、一人で集中して何かに取り組むことが得意な利用者さんが多く、染めの技術も習熟してきているとのことでした。

「青色って、副交感神経に作用してリラックスする色とも言われていて、それも皆が落ち着いて作業できている要因なのかなって思うこともあります。ここは海も近いし、空も、藍染めもあって、青色に囲まれている施設。やっぱり、心が落ち着きますね」(森さん)

福祉の枠を超えて、ブランド力をつける

同じく、協議会に加盟している「グッドジョブセンター(GJC)かのん」の髙橋早苗さんは、自分たちがやっていること、得意なことを発信するように心がけていると話します。

「グッドジョブセンター (GJC)かのん」髙橋早苗さん
「グッドジョブセンター(GJC)かのん」の染め場

同施設は、20年以上前から藍染めの仕事をおこなっている、県内の藍染めをおこなう施設の中では最古参のひとつ。

初期の頃は県内企業からの受託で染めの作業をおこなっており、そこから段々と自社商品を作ろうという機運が高まって、最近では利用者さんの絵を用いたオリジナル商品なども作成しています。

「うちにしかできないものづくりというか。そういったものを発信していって、それを見て『ぜひ作って欲しい』とリクエストをもらえれば対応して。小さい規模の中でうまく続けていければいいなと思っています」(髙橋さん)

利用者の方が描いたイラストから生まれた藍染めのハンカチ
藍染めの生地から部分的に色を落とす「抜染(ばっせん)」という技法で作られています
「グッドジョブセンター(GJC)かのん」の藍甕。こちらも、県内の藍師さんからスクモを購入している
イラストを描いてくれた利用者さん。とにかく猫が大好きで、猫を中心に自分が好きなものを描いているのだとか

「作品を発信して、人気が出て、作家として利用者さんが東京や色々な場所に呼ばれるようになって欲しい。そうすればインプットも増えて、またクリエイティブがどんどん広がっていく。そんな野望を抱いているんです」

と、髙橋さん。障がいの有無は関係なく、その人だからできるデザイン、表現に価値がある。その可能性が藍染めとともに広がる未来を創造するとわくわくしてきます。

協議会 事務局担当として各施設と連携する瀬部さんも、

「福祉の商品という枠を超えて、ブランド化していきたい」

と話します。

「とくしま障がい者就労支援協議会」 瀬部礼子さん

協議会ではそのために、販売会の企画や販売サイトの整備をおこなったり、商品の開発力やクオリティを上げていけるように専門家の指導を仰いだりと、さまざまな取り組みをおこなっているとのこと。

徳島の文化である藍の振興と絡めながら、各施設と協力し、利用者の方々の「働きたい」想いを支え、かつ工賃を向上させることを目指しています。

こちらも、藍染めの商品作りをおこなっている施設のひとつ「ゆいたび」
「ゆいたび」管理者の榎本真大さん。藍染めならではの、価値を感じて選んでもらえる商品作りが大切と話す
ミシンを使った作業ができることが「ゆいたび」の強みのひとつ

一から藍を育て、染めて、販売する。オンリーワンの教育

もうひとつ、藍をつなぐ人々の営みとして紹介したいのが、徳島県立城西高等学校の取り組み。

同校には藍の産地ならではの「阿波藍専攻(植物活用科)」が存在し、藍の栽培から染料(すくも)づくり、染色、そして完成品の販売までを実践しながら藍染めについて学び、広める活動を行っています。

徳島県立城西高等学校

「うちは農業高校なので、自分たちで藍を育てて、すくもを作るところからやっているのが大きな特徴です。100%城西高校産のすくもを使って、染め、加工、販売まで一貫しておこなっています」

城西高等学校で阿波藍を担当する岡本佳晃さんはそんな風に話します。

阿波藍担当 教諭の岡本佳晃さん

現在、城西高校では、水田だった場所を使用して、スクモ用に約6100株の藍を栽培中。乾燥した状態で400kgほどの収穫を目標としています。藍は肥料と水をたくさん必要とする作物のため、土壌のバランスを考えて輪作でやっていく予定とのこと。(毎年藍を植えるのではなく、別の作物と交互に栽培していく)

城西高校でスクモ用に育てている藍。藍染めに適している白花小上粉という品種。この他に、食用として別種の藍も栽培中

阿波藍担当として着任して4年目になる岡本さん。藍染めの経験がある実習助手の方がサポートでつくものの、まったくの門外漢からのスタートで、最初はとにかく見様見真似、必死に文献やインターネットを調べて指導していったと言います。

実習助手の東龍成さんと2人態勢で阿波藍専攻を受け持つ
実習室。「天然灰汁発酵建本藍染」の文字が掲げられている

著名な藍師である同校の卒業生から話を聞いたり、地域おこし協力隊とコラボしたりと、教育機関であることを活かして専門家たちの協力を得ながら、生徒たちとともに藍染めについて実践し、学んできました。

「阿波藍専攻ができて今が16年目くらいで、僕が担当して4年。まだまだ藍について理解できていない部分も多いですが、自分たちで作ることに重きを置いて、なんとかやってこれました。

藍染めという徳島の文化を学んで、継承する。ここだけのオンリーワンの教育になっているのかなと思います」

この日、授業を受けていたのは、阿波藍専攻の3年生たち。植物活用科として2年間を過ごし、専攻として「阿波藍」を選んだ理由を尋ねてみました。

「もともと農業には興味がありました。その中で特に藍が面白かったのが決め手です」

生徒の一人はそんな風に話し、

「染めている時がとにかく楽しくて、染め方・染める人によって世界に一つの柄になるところが、いいなって思います」

と、染めの楽しさについて強調。染めの楽しさを話してくれる生徒は他にも数名いて、自分の手を動かすこと自体の楽しさが、手仕事の大きな魅力のひとつだと再認識できました。

そのほかには、

「藍染めをやっている高校というのは知っていて、やってみたいと思って入学しました」

「入学前は藍染めのことはぜんぜん知らなくて。本当に気軽に、楽しそうだなと思って選びました」

「マルシェでの販売ができるので、人とのコミュニケーションをそこで学びたかった」

という声も。伝統文化だからと構え過ぎず、いい意味で肩の力を抜いて藍作りや販売を楽しんでいる様子がうかがえました。

卒業後の進路について聞いてみると、

「進学して藍をさらに学びたい」「理学療法士の専門学校へ」「歯科衛生士になることが夢なので、コミュニケーション能力をそこで活かしたい」

と、さまざまな答えが。

自分の進路や経験のためのひとつのツールとして、フラットに阿波藍専攻を選択している印象を受け、人それぞれ、多様な藍との関わり方があるんだなと、その柔軟さが頼もしくも感じられました。

生徒たちが染めた作品。さまざまなデザインが楽しい

藍作りや藍染めを専門とし、生業としている作り手たち。そうしたプロフェッショナルとは違った形で、就労支援施設や学校など、地域の中で藍のものづくりに携わっている人たちもいます。

それぞれのタイミングで藍や藍染めと出会い、それぞれの立場で学び、ものづくりを進める。そしてその活動がまた誰かの目にとまり、藍を知る人、関わる人が増えていく。

そんな、藍との関わり方の多様さ、しなやかさに、産地としての底力、藍のものづくりをつなぐヒントがあると感じました。

<関連する特集>

<徳島の人たちが染めた商品>
・藍染ハンカチ
・藍染守り
※藍染め守りには、城西高校の皆さんが収穫した藍の種が封入されています。

<取材協力>
特定非営利活動法人 とくしま障がい者就労支援協議会
徳島県立城西高等学校

文:白石雄太
写真:奥山晴日

手仕事だからできる“いいもの”を作り続ける。伝統の「江戸硝子」を今につなぐ田島硝子

身近な素材として、暮らしのそこかしこで目にする「硝子(ガラス)」。職人の手仕事で作られたガラスのアイテムは、美しさの中に一つひとつ異なるゆらぎや個性を持っており、非常に魅力的です。

その中で、江戸時代からの伝統を継承し、東京や千葉の一部で作られているのが、国の伝統的工芸品にも指定されている「江戸硝子」。今回、その技術を用いて、食卓に涼しさと特別な色どりを与えてくれる足つきグラスとお皿を作りました。

作り手は、1956年に創業し、江戸硝子の伝統を今につなぐ田島硝子さん。江戸川区にある工場を訪問し、同社のものづくりについて聞きました。

異なる専門技術のプロが集う、江戸硝子の現場

約1,400度の熱でガラスを溶かし、成形していく「江戸硝子」づくり。田島硝子では型吹き、細足、モール、被せ、延ばしなどの伝統技法を継承し、その練度を高めながら日々ものづくりに取り組んでいます。

「みんな一流の職人たちですが、得意な技法・技術というものは各々で若干違うんです。それぞれのプロフェッショナルを育てていかないと、商品のクオリティが高められません」

そう話すのは、田島硝子株式会社の代表取締役 田嶌大輔さん。

田島硝子株式会社の代表取締役 田嶌大輔さん

ひと口にガラス職人といっても、たとえば商品の形状が違えば使う技法も異なります。田島硝子では、各職人の得意な分野をうまく活かしながら、商品ごとに4人一組のチームに分かれて製造を進めています。

田島硝子の工場。中央にある硝子窯に、大小10本の「坩堝(るつぼ)」と呼ばれる陶製の壺が入っており、その中で1400度まで熱したガラスが液状に溶けている

田島硝子が得意とする技法のひとつが「型吹き」。その名の通り、作りたいガラスの形状に合わせた“型”を用意し、その中にガラスの生地を入れ、息を吹き込んで成形する方法です。

「型があると言っても、その型通りに吹くこと自体が非常に難しい。型が計算通りにできていても、職人の力量によっては仕上がりが狂ってしまいます」(田嶌さん)

1400度で溶けた液体から個体へと、リアルタイムに変化するガラスの状態を把握しながら成形していく。無駄のない動きと精度の高さに驚かされます。

チームでの作業となるため、ガラスの種を棹に巻きつける職人の技量が低いと型吹き自体が難しくなり、型吹きが綺麗にできていないと、その次の工程の職人にしわ寄せがいってしまう。個人の技量に加えて高度な連携も要求される仕事です。

水をかけることで、型と高温のガラスの間に水蒸気の膜ができる。そのため、ガラスの表面がなめらかに仕上がる
吹き硝子の型

長年の経験と高い技量を要する「足もの」の製造

そんな江戸硝子の中でも特に難しいとされるのが、「足もの」と呼ばれる、足のついたワイングラスなどの製造です。足の部分を成形するために、引き足やつけ足といったテクニックがあり、一定の太さと長さに仕上げるには長年の経験と高い技量が求められます。

吹き硝子の突起部分を引っ張って伸ばしていく「引き足」。グラスのカップ部分と足につなぎ目がなく、美しく仕上がる
型吹きで突起部分を作り、それを引き延ばして足を作る
足が伸ばせたら、追加のガラス種を巻きつけて底の部分を作っていく。タイミングやガラス種の分量など、ペアとなる職人との阿吽の呼吸が必要

「レストランなどの業務用の仕事の場合は特にですが、長さや容量が揃っていないと不良品になってしまいます。狂わずに足をつけられることが職人の力量ですね」

足の長さが少しでも狂うとグラスの容量や口径にも影響が出てしまうため、一握りの工場、職人のみが対応できる特別な成形方法なんだとか。

足の長さが狂うと、グラスの口径や容量も影響を受ける
「切子の足つきグラス」の型(下)。引き延ばすための突起部分がある

ダイヤの円盤でガラスをカットする「江戸切子」

今回、「切子の足つきグラス」では、「江戸切子」の技法を用いて模様をあしらいました。

「江戸切子」は、硝子の表面に‟切子”と呼ばれる加工を施したカットグラスのこと。田島硝子では約15年前から江戸切子の職人も育成し、社内での製造を開始しました。

切子加工の作業場
工業用ダイヤモンドでできた円盤状の研磨機を用いて表面を削る
カットの目安となる印をつけた後は、フリーハンドで繊細な模様を表現していく

「目が粗いダイヤで粗摺りしたあと、細かい番手のダイヤに変えてなめらかにしていきます。最終的に、研磨剤をつけて丁寧に磨くことで光沢が出てきます。

薬品につけて磨く方法もありますが、うちでは手磨きにこだわってやり続けています」

工業用ダイヤモンドの研磨機。職人の技術に加えて、ダイヤの円盤の種類をたくさん持っていることが、表現の幅を広げるためには重要なのだとか
黒色をきれいに出せることは、田島硝子の強みのひとつ

伝統をつなぐことと、仕事を続けていくこと

こうした江戸硝子や江戸切子の技を習得し、繋いでいくためには、長い年月をかける必要があります。そして、長い年月をかけるためには、その技を必要とする‟仕事”があることが前提です。

当然、常に満遍なくあらゆる商品の注文が来るわけではありません。自身の得意とする部分以外の工程に携わることも必要になりますし、逆に言えば、注文があまり来ない商品に使われる技術の習熟や維持は難しくなってきます。

「注文に応じていろいろな商品を作らなければいけない一方で、一つひとつのクオリティは下げられません。専門技術を伸ばすことと、ある程度は網羅的に技術を習得できることを両立させなければいけない。

そんなことを念頭に置きながら、職人の配置を考えたり、新規の仕事を受けたりしています」

最盛期は50社を超えていたという東京のガラス工場も、今では実質3社のみになってしまったといいます。厳しい状況の中で伝統の技法が今に残っている裏側には、現場の人たちの不断の努力があることを改めて強く感じました。

「大変だけど、面白いんですよ。

一個一個、お客さんから宿題を与えられて、それを具現化するうちにやれることが増えていきました。

お客さんからの注文で、自分たちでは考えられないようなものを作れるし。こんなガラス商品が世の中で求められてるんだ!って驚いたりもします。

これからも、人の手だから作れるいいものを作り続けていく。それしかないですね」

<取材協力>
田島硝子株式会社

<関連商品>
切子の足つきグラス
硝子の涼菓皿

文:白石雄太
写真:阿部高之

【わたしの好きなもの】夏の暮らしに涼しさとワクワクを。「硝子の涼菓皿」

気が付けば今年も夏本番が目の前に。ついこの間まで朝晩の冷え込みに悩まされていたような気がするのですが、季節の移ろいは早いものだなとつくづく感じます。

「過ごしやすい期間がもう少し長くてもいいのに…」

そんな風に先回りしてげんなりする大人を横目に、子ども達は「プール楽しみ!」「夏休みはどこ行く?」などと元気そのもの。

その姿勢を見習いつつ、大人らしくあれこれ工夫も凝らしつつ、夏の暮らしを楽しんでいきたいと思う今日この頃です。

夏を快適に過ごすための方法は多々ある中で、今回おすすめしたいのが、見た目にも涼やかなガラスのうつわを取り入れるということ。

足つきで特別感があり、夏の時間を豊かにしてくれる「硝子の涼菓皿」をご紹介します。

好きな果物を載せるだけで、デザートの時間が少し特別なものに

夏を乗り切るうえで、きちんと食事をして十分な栄養を取ることは必須です。でも、暑くてなかなか食欲が出ない時もありますよね。

そんな時に食器やカトラリーに少しだけ変化を加えてみると、日々の食卓に季節感や彩りが増して、メニューを考えることが楽しくなったり、気分が上がって食欲が出てきたり、良い効果があるなと感じています。

この「硝子の涼菓皿」はその名前にもある通り、涼を感じる冷たいデザートに合わせやすいうつわです。ガラスならではの透明感があり、足つきで高さもあるので、シンプルに果物を載せるだけで美しく見栄えがします。

初夏に美味しいビワ

我が家では食後になにかしらの果物を食べることが多く、この季節はみんな大好きなスイカや、旬を迎えるアメリカンチェリーなどが定番。スイカは食べやすくカットして、アメリカンチェリーは洗って載せるだけですが、どちらもガラスのうつわとの相性は抜群です。

好きな果物はあっという間に食べてしまうので、美しさを楽しむ時間は一瞬。食べ終わった後、次はこんな果物も載せてみたいなと、うつわとの相性で色々と考えるのもまた楽しい時間です。

ヨーグルトやプリンなど、いろいろと試してみたくなる。5歳の娘曰く「足の部分を左手で持つと食べやすい!」とのこと

食卓や家の中に涼やかな季節感を

夏野菜のサラダなど、おかずの一品を盛り付ける際に使用すると、それだけでぐっと季節感が出るのもこのお皿の魅力。高さがあることで平皿などとのバランスも良く、食卓が華やぎます。

食事以外の場面でも、たとえば薄く水を張ることでお花や実ものを生ける花器としても存在感を発揮します。

季節の花を浮かべて

買ってきた当初は丈の長い切り花も、茎を少しずつ切っていくうちにだんだんと短くなっていきます。普段はそれに合わせて小さな花器に入れ替えるようにしていますが、花びらが散りはじめたタイミングでこのお皿に移し替えてあげると、さらにしばらくの間、季節のお花の風情を楽しむことが可能です。

透明なガラスはどんなお花とも相性が良く、その魅力を引き立ててくれます。

切り花が散りはじめたら、花びらを浮かべてみる

そのほか、肉厚で丈夫な仕上がりのため、小物置きとして使うのもおすすめ。高さがあることと、インテリアとしては家の中にあまりないガラスの異素材感も相まって、どこに置いたか忘れがちな鍵などの定位置として活躍します。

「これ作ったから飾っておいて!」と、突然やってくる娘の作品置きとしても優秀。特別感があるのか、娘も満足げ。

とりとめもなく「硝子の涼菓皿」の魅力をお伝えしてきましたが、これひとつあるだけで、これからの季節を過ごす心持ちがずいぶん変わってきました。シンプルでさまざまな用途に使える一方で、透明なガラスならではの美しさ、手仕事によるゆらぎと涼やかな存在感を持った少し特別なお皿です。

また季節が変わる頃には「気が付けばもう冬か」と、相変わらずその早さに驚いている自分が想像できますが、その時に「もう少し夏が長くてもいいのに…」と名残惜しく思えるように、夏の暮らしを楽しんでいきたいと思います。

<紹介した商品>
硝子の涼菓皿

<関連する特集>

文:白石雄太

【わたしの産地旅】日本最古の柑橘「大和橘」の産地へ

中川政七商店の制度に2024年度より加わった「産地視察支援金制度」。こちらは日本各地の産地を深く知り、工芸の奥深さを体感できる機会の支援をすることが、ひいてはビジョンの「日本の工芸を元気にする!」につながると考え、はじまったものです。

日本のものづくりへの興味から、日頃からプライベートでも産地へ足を運ぶスタッフが多い当社。この制度を利用しながら産地を訪れたスタッフの声をお届けします。


こんにちは! 

中川政七商店 奈良本店1階にて、奈良の風土を紹介する「奈良風土案内所」を運営している大山と木村です。

突然ですが、みなさんは「大和橘(やまとたちばな)」をご存知でしょうか?

古くから日本に自生していた固有種の柑橘類で、万葉集や古事記にも登場するほど長い歴史を持ち、“日本最古の柑橘”とも言われています。2000年前、不老長寿の妙薬として常世の国から持ち帰られた、なんていう伝説もあるんです。日本のお菓子のルーツとも言われているそう。

雛人形の飾りにある「左近の桜、右近の橘」や、500円玉硬貨にも描かれていたりと、実は意外と身近な存在。でも、実物を見たことがある方は少ないかもしれません。

それもそのはずで、大和橘は現在、準絶滅危惧種に指定されている、とても希少なものなんです。昔は九州から静岡あたりまで、暖かい海流のそばにたくさん生えていたようですが、炭焼きの材料として伐採されたり、食用部分が少ないからと育てる人がいなくなったりと、様々な理由で数が減ってしまったんだとか。

そんな歴史ある大和橘を復活させようと、約14年前に奈良県大和郡山市で立ち上がったのが「なら橘プロジェクト」さん。植樹、育成、収穫を通して、大和橘を守り広める活動をされています。

今回、「なら橘プロジェクト」さんが運営している大和橘の果樹園を訪ねてきました。

果樹園を訪れた5月中旬ごろは、ちょうど大和橘の花が満開の時期。

「柑橘系の花には蜂がたくさん来るから、庭に植えたら大変だよ〜」と母から聞いていたので、ミツバチがたくさん飛んでいるのかな?くらいの気持ちで行ってみたら……なんと! ものすごい数のクマバチが!! 写真だと全然写らないのが残念なのですが、現地ではブーーーーンという羽音が四方八方から聞こえてきて、立っているだけでクマバチとぶつかりそうになるほど。

「なら橘プロジェクト」代表の城さん曰く「原種だからか、とても花の香りが強くて、どこからか虫たちが集まってくるんです」とのこと。クマバチだけでなく、アゲハ蝶やミツバチなど、いろんな虫たちが一生懸命に花粉を集めていました。

クマバチたちにドキドキしながら木に近づくと、爽やかで華やかな香りがふわ〜っと香ってきました(虫さん大量飛来も納得の香り)。

まだ果実は実っていませんが、葉っぱと花弁も食べられるとのことなので、ありがたく試食させていただきました。

葉を噛んでみると、とっても清々しい香り!見た目よりも柔らかく、苦味よりも爽やかさが際立つ感じ。最後にほんのり、ピリッと山椒のような風味がしました。お魚料理と合わせても美味しそうだし、食後にそのまま噛んでリフレッシュするのもいいかも!と思うほど爽やかでした。

大和橘の花弁

花は葉っぱとは違って、口いっぱいに広がる甘いフローラルな香り。少量でも香りが強くて、ジャスミンに似た優しい風味。上品で華やかで、城さん曰く「香水を含んだかのよう」と表現されることが多いんだとか。

これから実になる部分

これから実になる部分もいただきました。小さいのに、噛み締めると香りと味がぎゅっと濃縮されたような、インパクトのある味。苦味が強いのですが、嫌味のない爽やかさと、ほかの柑橘にはないスパイシーさを感じました。

8月ごろに青い実がなり、11月ごろに色づき始め、12月に収穫を迎えます。農薬を使わずに栽培されているため、これからの時期は草刈りが大変なんだとか。

また、カミキリムシの幼虫に幹や根を食われて、木が丸ごと枯れてしまうこともあるそうで…。

収穫量は1本の木からおよそ10キロ前後ですが、年によっては約7キロまで落ち込む時も。同じ柑橘類のミカンの平均が60~70キロ前後と言われており、いかに希少なものかが分かります。

そんな貴重な大和橘を贅沢に使用した大和橘めん、大和橘こしょう、大和橘醤油を、中川政七商店 奈良本店1階の奈良風土案内所にて、6月3日から期間限定で販売いたします。

大和橘醤油
大和橘こしょう
大和橘麺

特におすすめなのは、大和橘麺。袋を開けた瞬間から香りがふわっと漂ってきて、爽やか。茹でてみると麺の黄色がどんどん鮮やかに変化します。

麺のもちもち、つるっとした食感とソースが良く絡み、最後にはふわっと香りを残していく。最初から最後まで香りで楽しませてくれるこちらの麺、ぜひ皆さんにも召し上がっていただきたい1品です。

ジェノベーゼにして食べてみました

このほかにも、奈良エリア限定で、大和橘の葉と果皮を使った「大和橘番茶」も発売中です!ほのかにスパイシーな風味があるのが大和橘ならでは。水だしにするととても美味しいです。

6月からの奈良風土案内所は、大和橘を使った商品のほかにも「涼を感じるうまいもの」をテーマに、奈良の素麺やくずゼリー、シロップなど、夏に食べたくなる奈良の美味しいものをたくさんご用意してお待ちしております。ぜひ奈良にお立ち寄りの際は、中川政七商店 奈良本店へお越しくださいませ。

奈良風土案内所の詳細についてはコチラの記事をご覧ください。
【中川政七商店 奈良本店】中川政七商店による初の観光案内所「奈良風土案内所」がオープン

文:中川政七商店 奈良本店 大山/木村

【はたらくをはなそう】中川政七商店 店長 恒松汐里

恒松汐里
中川政七商店 東京スカイツリータウン・ソラマチ店 店長

2022年 入社 中川政七商店 分店服 グランスタ東京店
2023年 中川政七商店 ルミネ北千住店


大学時代、ずっと好きだった雑貨屋さんでアルバイトとして働いたことで、好きなものに囲まれて仕事をする楽しさを知りました。

就職活動をするにあたり、このまま雑貨に関わるお仕事をするのか、それとも大学で学んだことを活かして別のお仕事をするのか…悩みながら結局、雑貨の販売とはほど遠い職に就きました。

そんな前職でも学びになることはたくさんあり、今の自分の糧になっていますが、働く中でずっと「雑貨を扱うことの楽しさ」「好きなことを仕事にして生きていきたい」という気持ちが消えず、転職を考えるようになりました。

友人へのギフトを探しに立ち寄った中川政七商店のことを思い返したのも、同じころです。

恥ずかしながらそれまでは中川政七商店のことを知らなかったのですが、ふらっと立ち寄ったお店の雰囲気が落ち着き、店員さんの佇まいも素敵だな…と好印象だったことを覚えています。そしてネットで検索してHPにたどりつき採用ページを開き…あれよあれよと「中川政七商店で働きたい!」という気持ちが強くなっていきました。

1番強く惹かれたのは、「日本の工芸を元気にする!」というビジョンが根底にあることです。

学生の頃から漠然と「日本文化」や「祖父母の昔ながらの日本の暮らし」っていいなぁ…と思っていた私にはその言葉がぴたっと嵌まりました。

「ただ物を売る」のではなく、残したい日本の暮らしや文化があり、繋いでいきたい工芸技術があるから、想いを形にしてお客様に届ける。

その会社としての在り方に強く共感し、中川政七商店に転職することを決めました。

入社して4年目になりますが、「日本の工芸を元気にする!」というビジョンが会社全体に染み渡っているのだと、社内の方とお会いするたびに感じます。

店長としての立場を任せていただき、日々の店舗運営は目まぐるしく過ぎ去っていきますが、それでもこのビジョンからぶれずにいられるのは、一緒に働くスタッフさん達、今までお世話になったたくさんの先輩方が真剣にビジョンと向き合われているからです。

日本の工芸の現状や、おひとりおひとりが抱えるビジョンへの想いをお聞きするたびに、自分ももっと真剣に向き合わなければと背筋がすっと伸びます。また、作り手さんやデザイナーさんの想いのこもった商品達に囲まれてお仕事ができるのも、私が中川政七商店で働く理由のひとつです。

新商品が店舗に届くときにはいつもワクワクした気持ちになり、ついスタッフさんと「今回も素敵ですね!」とお話が盛り上がることもあります。

そんな瞬間がとても楽しく、お客様とも商品の素敵さを分かち合えることにやりがいと幸せを感じています。

店長としても一販売員としてもまだまだ半人前で落ち込むこともありますが、日本の工芸への想いが詰まった商品への愛情とビジョンへの想いを持ち合わせ、日々精進していきたいと思います。

<愛用している商品>

波佐見焼の保存の器

おすすめ理由:入社が決まり、少しの間 京都伊勢丹店でお世話になっていたのですが、その際に皆さんからいただき個人的にも思い入れのある商品です。保存容器としても食卓の器としても使えて、なにより佇まいが素敵!油汚れやにおい移りしにくいのも使いやすいポイントです。

更麻

おすすめ理由:母にプレゼントしたのをきっかけに自分も使い始めました。お客様からも驚かれるのですが、この薄さの麻生地で、チクチク感が少ない…!夏場は更麻を着ているほうが涼しく感じるほどです。

丈夫でへたりにくいキッチンスポンジ

おすすめ理由:その名の通り、本当に丈夫でへたりにくいです!それまで使っていたものがすぐにモロモロになってしまい困っていたのですが、このキッチンスポンジに変えたところいつまで経ってもへこたれずストレスフリー!片面は少し密度が高めで力を加えやすくなっているところも使いやすいです。


中川政七商店では、一緒に働く仲間を募集しています。
詳しくは、採用サイトをご覧ください。