辻口博啓さんといえば、スイーツ好きはもちろん、そうでなくても名前を知っている人は多いのでは。そう、洋菓子の世界大会で数々の優勝経験を持つ、日本を代表するパティシエ、ショコラティエです。
その辻口パティシエが手がける店舗のひとつ「コンフィチュールアッシュ」が、2012年、もともと店を構えていた東京・世田谷から三重県菰野町へと移転オープンしました。
世界レベルのスイーツが菰野町で味わえるとは!
さっそく足を運んできました。
代表作の「セラヴィ」のほか、コンフィチュールアッシュオリジナルのケーキ
「コンフィチュールアッシュ」に足を踏み入れると、ショーケースに色とりどりのケーキがずらり。中でも辻口パティシエの代表作といえるのが、1996年のソペクサコンクール(仏大使館主催の仏菓子コンクール)で優勝を勝ち取った「セラヴィ」です。
白い円柱型の上品な佇まい。木苺の上にはしずくをイメージしたジュレが1粒、キラリと輝きます。ホワイトチョコムースのケーキにフォークを入れると、中にはピスタチオの生地に、フランボワーズとショコラのムース。1番下にはチョコレートのサクサクとした生地が食感のアクセントとなり、多彩な味わいが口の中に広がります。
「セラヴィ」とはフランス語で「人生」という意味。
まさに、辻口パティシエが人生を賭けてつくったケーキなのです。
「セラヴィ」以外のケーキは、すべて菰野町の「コンフィチュールアッシュ」オリジナル。果物の生産が盛んな三重県の素材をつかったケーキも季節ごとに揃います。
人気の「セゾンドガトー」 445円(税込)と一緒に注文したのは、「温泉コーヒー」300円(税込)。「アクアイグニス」内に源泉100%掛け流しの片岡温泉があり、その温泉水で淹れたコーヒーは、まろやかな味わいです。
辻口パティシエが菰野を選んだ理由
気になるのが、辻口パティシエがなぜ、菰野町を移転先に選んだのか?ということ。
「コンフィチュールアッシュ」パティシエの谷口伸吾さんが、その理由について話してくれました。
「縁があって訪れたこの場所で、温泉水を使った温室で育つ、甘み深いいちごを食べて温泉に浸かったとき、たぐい稀な幸せを感じ、『この場所だ!』と決めたんだそうです」と、谷口さん。
そう、この店の最大の特徴が、隣にいちごを栽培する「TSUJIGUCHI FARM」があり、収穫シーズンの12月初旬から5月頃は、朝摘みのいちごがケーキに使用されること。
摘みたてのいちごのおいしさは格別!また、源泉100%の片岡温泉の温泉水で土をぽかぽかと温めているため、冬の間もたくさん栄養を吸収し、甘みの強いいちごになるんです。
「コンフィチュールアッシュ」のアッシュ(H)は、辻口パティシエの名前、博啓(ひろのぶ)の頭文字のH。同店の店名は、“博啓(ひろのぶ)のジャム”という意味です。
自慢のコンフィチュールも、お土産に買いたい逸品。季節の味わいから定番商品まで、ずらりと並びます。
辻口パティシエが手がけるほかの店舗でも「セラヴィ」は味わえますが、朝摘みいちごを使うスイーツが食べられるのは菰野町だけ。なんて贅沢すぎるロケーションなんでしょう!
遠方からも訪れる価値のあるスイーツ店です。
<取材協力>
コンフィチュールアッシュ
三重郡菰野町菰野4800-1 アクアイグニス内
059-394-7727
https://aquaignis.jp/
こもガク×大日本市菰野博覧会
工芸、温泉、こもの旅。
10月12日 (金) ~14日 (日) の3日間、「萬古焼」「湯の山温泉」「御在所岳」「里山」など豊かな魅力を持つ町三重県菰野町で「こもガク×大日本市菰野博覧会」が開催されます。
期間中「さんち〜工芸と探訪〜」のスマートフォンアプリ「さんちの手帖」は、 「こもガク×大日本市菰野博覧会」の公式アプリとして見どころや近くのイベント情報を配信します。また、各見どころで「旅印」を集めるとプレゼントがもらえる企画も実施。多彩なコンテンツで“工芸と遊び、体感できる”イベントです。ぜひお越しください!
【開催概要】
開催名:「こもガク×大日本市菰野博覧会」
開催期間:2018年10月12日 (金) ~14日 (日)
開場:三重県三重郡菰野町
主催:こもガク×大日本市菰野博覧会実行委員会
公式サイト
公式Facebookページ
公式ガイドアプリ(さんちの手帖)
文:広瀬良子
写真:西澤智子