「さあ、ごはんを作ろう」っと台所に立つとき、まずは割烹着を着て身支度を整えます。
やかんに水をはって火にかけ、まな板と包丁を並べたら準備完了。すると、気持ちがすうっと料理モードに切り替わります。
野菜やお肉などを眺めながら、「何にしよう?」と家族のことや、昨日食べたものなどいろいろなことに思いをめぐらせて、献立を考えます。
それから材料を並べて、やっと調理が始まります。
手になじんだ包丁で、「トントントントントンッ」「ザクッ、ザクッ」と小気味よく切ったり、「すうーっ」ときれいに切れたりすると、それだけで気分が上がって料理の手際までよくなります。
手になじんだ包丁は、よく働いてくれます。
こんな時「素材の細胞を傷つけないようにきれいに切るだけで、味が格段によくなるんだよ。」と、以前一流シェフに教えてもらったことをいつも思い出します。
気がつけは、毎日のように付き合っている包丁。
日本人は手先が器用で、包丁を本当に上手に使いますよね。野菜の皮むきに始まって、千切り、くし形切り、いちょう切りに輪切り。いろいろな切り方があって、飾り切りやかつらむきなどの高度なものは、野菜をまるで芸術作品のように生まれ変わらせます。
お魚だって上手に捌いていきますし、お肉だってきれいに切り分けていきます。様々な料理の素材が並んでいきます。
台所には色々な包丁が並んでいるご家庭も多いと思います。牛刀、菜切り包丁、出刃包丁に刺身包丁、柳刃包丁に果物ナイフ、洋包丁に和包丁。数え上げれば本当にたくさんの包丁があります。
最近ではお持ちの包丁の数も減っているかもしれません。結局はいつも同じ包丁を使っているなんてことも多いのではないかと。
わたしなどは、手に馴染んで使い慣れた包丁が一本で何役もこなしてくれたら、こんなに便利でうれしいことはないなぁと思うのです。
わたしが出会ったこの「最適包丁」は軽くて小ぶり。握り手は角がなくて木製。やさしい握りになっています。
軽いので、動きが軽やか。「トントントントントンッ」と野菜を刻む音も、気持ちよく響きます。切り身のお魚も、身を崩すことなく気持ちよく切り分けられます。
そんな時は、料理が楽しくなります。心なしか盛り付けたお皿さえ、ひときわおいしそうに見えます。
そうだ、最近まめに料理をしている大学生の息子にも、使ってもらわなきゃ。きっと、おいしい料理が作れそう。
そんな「最適包丁」とは、これから長い付き合いになりそうです。
神谷よしえ
大分県宇佐市出身。フードプロデューサー・調味料ソムリエプロ。
大分県宇佐市を基点とし、食のコーディネーターや、調味料ソムリエプロ(日本野菜ソムリエ協会)として活動。九州を始め全国各地で、人と人を繋ぎ、講演、セミナー、催事等を実施。10年以上にわたり大分で厳選した素材でつくり続ける「ゆずごしょう」は全国で大人気。2019年9月に中川政七商店のフードアドバイザーに就任。
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最適包丁
最適包丁 パン切り