大人にぜひ使ってもらいたい、愛着が湧くやさしい風合いの「BLANKED ガーゼケット」

日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。

岡本 恭法

語り手:岡本 恭法

中川政七商店主催の展示会「大日本市」の主にPRを担当しています。メディアへの発信が主な担当で、noteやTwitterを主に使いながらみなさまに日本の工芸の楽しさをお伝えしています。趣味は釣りで、最近では渓流釣りにはまっていて、週末になると奈良の大自然を満喫しています。

ブランド:BLANKED
推しの逸品:ガーゼケット ベビー

BLANKED(ブランケッド)は、綿繊業発祥の地・三河で70年以上、生地づくりを行ってきた工場がお届けする、ガーゼケットのファクトリーブランドです。使えば使うほど、人や暮らしに馴染む一枚になってくれればと、そんな願いを込めてBLANKEDは生まれました。

子供が小さいときによく使っていたガーゼケット。
夏のお昼寝には、特に重宝しました。

ガーゼ生地は目が粗く、ふんわりとした柔らかい肌触りのものが一般的。
肌との摩擦が起こりにくく、敏感な肌に優しいことから、赤ちゃんの服やお口拭きなどに多く使用されています。

吸水性もよく、通気性もいいので、汗をたくさんかく赤ちゃんにはもってこいですよね。

そんなことから、「ガーゼ素材のケットは赤ちゃんや子供のためのもの」というイメージが僕のなかで根付いていました。そう思っている方も多いのでは。

しかし、「BLANKED(ブランケッド)」のガーゼケットに出会ってイメージが一変!
子供や赤ちゃんはもちろんのこと、実は大人にこそ使ってほしい一品でした。

この「BLANKED」を手がけるのは、日本の木綿発祥の地「三河」で70年以上、生地づくりを行なってきた老舗メーカー「ナカモリ」。数百年の時を経て受け継がれてきた「三河木綿」を土台として、「BLANKED」は作られました。
木綿発祥の地の老舗メーカーが作るガーゼケットですから、良いに決まっている!

世の中には様々なガーゼケットがありますが、「BLANKED」ならではの良さがたくさんあり、なかでも僕が惚れ込む理由となったのはこちら。

①もちっとした触感
②特殊な洗い加工による、独特の風合い
③お手入れ簡単!自宅で洗えて乾きやすい
④ありそうでなかった、色とデザイン

機能面はさることながら、使うほどに風合いが増して “自分だけの一枚” に育っていくとのことで、実用面以外でも惹きつけられました。

どこかノスタルジックで、心を穏やかにしてくれる風合い。
そんな、僕が「BLANKED」を推したい理由を詳しくご紹介します。

①もちっとした触感

まず手に取って驚いたのは、表面はさらっとしながらも、ケット全体はほどよく空気を含んでいるかのように、もちっとした触感。
これは、表層には細い糸を、中層には太い糸を使って織られているから。
分厚すぎない4層ガーゼで設計されているので、なんともいえない、ちょうどいい厚みに仕上がっています。

厚みがあるからといっても、ガーゼなので通気性は抜群。さらっとした肌当たりで夏の肌掛けとしても問題ありません。

②特殊な洗い加工による、独特の風合い

「BLANKED」は、1枚ずつ製品洗い(縫い上げて製品になった後に洗うこと)をかけています。

日本名水百選にも選ばれる水、石鎚山(いしづちさん)の伏流水と、2種類の酵素を使って繊維に付いたでんぷん質や糊などの不純物を取り除くというこだわりの方法で洗っています。

乾燥も少し低めの温度で小分けにして行うなど、生地に優しい加工を施すことで、吸水性のみならず独特の優しい風合いを持った仕上がりに。

通常のガーゼケットは、織り上げた後に糸に付着した糊を生地洗い(生地の段階で洗うこと)で落とすのが一般的。それと異なり、製品洗いにかけることで、抜群の吸水性と風合いに違いが出てくるのです。些細な事のように思いますが、こんなこだわりがあるだなんて。

吸水性が高いと、汗をかく季節に嬉しいですよね。
このしわしわっとした独特の風合いにはどこか懐かしさがあり、優しい気持ちになれるというか、そんな不思議な魅力を感じます。

③お手入れ簡単!自宅で洗えて乾きやすい

綿100%素材なので自宅の洗濯機で丸洗いが可能です。
※ネットの使用が必要

汗をよく吸ってくれる分、清潔さが気になるので洗えるのはうれしいポイント。
さらにガーゼ素材なので乾きやすさも◎。
手入れが簡単なのは、家事や子供の世話に時間を取られがちな子育て世代とっては頼れる味方!

④ありそうでなかった、色とデザイン

左から、「TONTON」「SHITOSHITO」「ZAKUZAKU」

今回手に取ったのは、黄色の「TONTON」。
均一に並んだ〇の模様が、かわいらしいです。日常を切り取った柄をモチーフにしているらしく、たしかに!と、子供がハンコやスタンプを押して遊んでいた姿を思い浮かべてしまい、なんだかほっこりした気持ちに。

他にも、しとしとと静かに降る雨を描いたような「SHITOSHITO」や、お菓子をたくさん食べているような「ZAKUZAKU」など、日常がモチーフだからこそ、暮らしに馴染むデザインです。

色味も鮮やかながら主張し過ぎないので、インテリアを邪魔しません。
これならリビングのソファにかけっぱなしでもOK。むしろインテリアのワンポイントに。

女性スタッフにも試してもらいましたが好評でした

サイズはシングル、ベビーサイズ、そしてハンカチもありますが、僕がお勧めするのは「ベビーサイズ」。
大人こそ使ってほしいと言いながらベビーサイズなの?と言われそうですが、ひざ掛けにはちょうどいいし、疲れたときの昼寝のときなんかおなかにかけるのにぴったり。洗濯機にも気兼ねなく入れることができるサイズなので、まずはぜひベビーサイズを手に取っていただきたい!

お気に入りの柄を見つけて、
自分らしく毎日使って、
お手入れをして、
自分の一枚に育てる。

子供のためだけじゃない。大人にこそ使ってほしいガーゼケットがあるとは、意外と盲点というか、新しい出会いでした。

ちなみに、ガーゼケットは通気性が良くて夏は涼しく、冬は暖かく熱を逃がしにくいという、1年を通して使えるうれしい特徴があります。

毎日使って、自分だけのケットにぜひ育ててください。

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ごはんにも冷奴にも、さっとかけるだけで美味しくなる「カネジョウ 板前のまかない飯 昆布かつお」

日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。

松山 千恵

語り手:松山 千恵

中川政七商店主催の展示会「大日本市」の実行委員。 8年間の直営店長を経て、全国の観光地で提携する土産店「仲間見世」 のアドバイザーを務める。 たくさんのモノに触れ合うなかで、それぞれの良さを発見し、自分らしい物と量を整えていく暮らしが好きです。

ブランド:カネジョウ
推しの逸品:板前のまかない飯 昆布かつお

創業八十余年、カネジョウは静岡にある桜えびと削り節の専門店です。創業から続く「そのまま食べて美味しい削り節」を旨味の基本として、無添加の美味しさを追求した商品づくりをしています。「シンプルで素朴、そして味わい深い。」そんな毎日食べても飽きがこないようなふりかけ・スープをご提案します。

私は幼い頃からとても昆布が好きで、昆布そのものもよく食べますし、昆布が混ざっている食品にもついつい手がのびます。
今回、推しの逸品で見つけた「昆布かつお」は、ぜひ試したいと真っ先に手をあげました。

原材料の1番はじめに昆布が!見た目は鰹節が押し出されている感じですが、昆布がしっかり入っていることは確認。封を開けたら、やはり鰹節のいい香りに心奪われそうになりながらも、ひとつまみ口に運んで昆布を確認することに。最初は鰹節が優勢なんですが、昆布の出汁感と少しトロッとした感じを発見。鰹節だけでは出せない美味しいお出汁をぎゅっとしたような味わい。

昆布がちゃんと入っていますが、だし昆布のような固いものではなく、薄く削ったおぼろ昆布なのでスッと溶けていきます。

まかない飯というくらいだから、早速ご飯にのせてみました。いい香りで、それだけでご飯がすすみます。卵かけご飯にも合うだろうなといろいろ美味しい想像がふくらみます。おむすびにもしてみましたが、冷めても美味しかったので、お弁当にもおすすめですよ。

私は昆布の味がうかがえるそのままが好きですが、醤油やポン酢などを少し足して冷奴にのせたり、納豆に混ぜたりすれば、気軽におかずが一品増やせますよ。

きゅうりや白菜などに混ぜて1時間ほどおいておくと、浅漬のようにしんなりして、ごはんのお供にもなります。
鰹節なのでお好み焼きや焼きそばにも使えるし、パスタや焼きうどんにもいいですね。
実はお椀に昆布かつおを入れて、お湯を注いで少し醤油を足せばお吸い物がわりにもなるんです。

ひとつあれば、気軽に海のものを食事に取り入れられるというのは、とってもいいなと思うので、ちょこちょこいつものメニューに足していこうと思います。

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国産ジーンズ発祥の地の、育てる大人のデニム「JAPAN BLUE JEANS CIRCLEのジーンズ・ジャケット」

日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。

福井 隆史

語り手:福井 隆史

中川政七商店主催の展示会「大日本市」の実行委員。長く愛用できるスタンダードなものが好きで、日々使用しお手入れして出てくる表情にグッときます。相棒のように愛用品を身につけ、気持ちよく散歩するのが好きです。

ブランド:JAPAN BLUE JEANS CIRCLE
推しの逸品:ジーンズ・ジャケット

わたしたちの街をハッピーにしたい Make our town more pleasant. 国産ジーンズ発祥の地といわれる岡山県倉敷市児島 私たちはここで、ジーンズ作りを通じて、誰もが住んでみたくなる、そんな街にしたい。みんなが幸せになれるモノづくりを目指して、私たちはジーンズを作り続けます。

若者のデニム離れと言われる時代ですが、僕は今でもデニムに憧れを持っています。

なぜかというと、デニムを愛用する人から、「良い感じに育ってきた」「いい具合に色落ちがしてきた」と、経年変化(エージング)の話をよく聞くからです。
色落ちや擦り傷の跡を自分で育てていると実感できるとは、なんて素敵なんだろうと。
そんな感じで、これだ!と思えるデニムをずっと探しているのです。

ところでみなさん、国産ジーンズはどこが発祥かご存知でしょうか。穏やかな瀬戸内海と島々を臨む、紡績業などが盛んな岡山県倉敷市の児島です。

今回出会ったのは、その児島で作られた“Made in Kojima”の、「JAPAN BLUE JEANS」の「CIRCLE」のジーンズとジャケットです。

「JAPAN BLUE JEANS」とは、海外からも高い評価を受ける国産デニムブランド。
日本の職人による丁寧な仕事に加え、欧米でも定評のあるシルエットを取り入れた、美しい形のジーンズをつくりだしています。
そして、さらに進化を遂げるために、2019年から新シリーズとして始まったのが「CIRCLE」。

「CIRCLE」の名の由来は、曲線を描く「カーブベルト」を採用していること。
最近知ったのですが、ジーンズのウエストには2種類の「ストレートベルト」と「カーブベルト」という形状が存在するそうです。

左が「ストレートベルト」 右が 「カーブベルト」
カーブベルトのほうが、曲線を描いているのがわかります。

一般的なデニムは「ストレートベルト」。
ウエスト部に1枚の生地を直線で裁断し二つ折りに縫製したパーツを使用します。

それと異なり「CIRCLE」は、2枚の生地を貼り合わせた曲線の「カーブベルト」を採用しています。
微妙な違いですが、実はこのつくりがフィット感に影響を与えるのです。

みなさん、長年使っている革ベルトがありましたら、一度机の上か床に伸ばして置いてみてください。

5年ほど使っている僕の私物の革ベルトはこんな感じです。
最初はまっすぐだったはずのベルトが、こんなにも曲線を描いています。

これは、革ベルトが使っていくうちに身体に馴染んでカーブを描くから。
つまり、人間の身体は曲線。

最初から、身体にフィットするようにカーブ状に裁断された「カーブベルト」を採用し、身体に合わせた立体的な構造にすることで、国内生産で妥協のない“本格的なデニム”をより穿きやすく、“新次元のフィットジーンズ”を実現しているのです!

まだまだ紹介したいことがたくさんあります!もう少しお付き合いください。

まず手に取ってみたとき、すぐに感じたのが丈夫なつくりであること。
少々重たくて生地も硬く感じましたが、思わず「おおお。」と声が漏れてしまうほど。

This is Jeans.といえる王道のアメリカ綿を使用した、14.8ozの生地。
「oz」とはオンスと読み、生地の重さを表す単位です。

一般的なデニムは10~15oz未満といわれ、15ozを超えるとヘビーオンスと呼び、やや重みがある生地になります。
14.8ozの生地は、やや重たさを感じる値ですが、でもこの重みが「これぞ本格的なデニムを身に着けている」と気持ちを高揚させてくれるのです。

深い藍の色合いも絶妙で、オレンジ色のステッチがほどよくワンポイントになっている点も、心惹かれます。

と思いきや、よく見ると脚の内側のステッチは鮮やかな青色。
社内でデニム好きのスタッフに見てもらったところ、これはなかなか珍しいステッチだね、と。

それもそのはず、これは「JAPAN BLUE」にちなんでの青色だそうです。
細部にもこんなこだわりがあるとは…。グッときますね。

着用サイズ:30
身長:165cm、体重:56kg

そんなこんなで、着る前からグッときてばかりのジーンズなので、前置きが長くなりました。
30サイズのジーンズを実際に着てみると…

か、硬い。

正直、最初はそう思いました。
それもそのはず、先ほどもお伝えしましたが、このジーンズには硬めの生地が採用されています。

では、なぜ硬い生地を選んでいるのかというと、硬い方がしわ跡や色落ちがつきやすくなるからです。つまり育てやすい。

「カーブベルト」の着心地はというと、腰部分が少し高めになるので、しゃがんだりかがんだ時にズボンが下に引っ張られるような、ずり落ちる感覚がなくて、なんだか安心感があります。これは良い…!

形も秀逸です。
普遍的でありながら、すっきりとした綺麗なフォルム。
ひざから裾に向かって一気に絞ったテーパードモデルなので、フィット感ある着心地ですが、足がすっきり長く見えるのもうれしいポイントです(脚伸びた?と、スタッフに褒められました!笑)。

手持ちの服にも合わせやすいので、着こなしの幅が増えそう!

着用サイズ:38

ジャケットもジーンズと同じく硬めの生地なのですが、着てみると意外と気になりません。38のサイズを着用してみましたが、インナーにパーカーも着れるし、この上にコートも着用できるので、寒い冬にも活躍!

胸ポケットの位置が少し下で不思議に思いましたが、手を伸ばすとちょうどいい場所。ストレスなくスマートフォンなどの小物をさっと取り出せます。

また、深い藍色が顔を引き締めてくれて、カジュアルでありながら大人な雰囲気も演出してくれます。

本格的でフィット感があって、さらに自分らしく育てることができる。ずっと憧れていた、これぞ!と思えるデニムにようやく出会えました。
(ジーンズだけを探していましたが、ジャケットにも心が揺らいでいます…。)

これは、僕の定番中の定番になりそうな予感。
デニムの色褪せを楽しみ、児島に思いを馳せながら育てたいなと思います!


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いつもほっこりとした気持ちにさせてくれる「山から福がおりてくる 森の動物マット」

日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。

梶川 今日子

語り手:梶川 今日子

中川政七商店の企画展の運営と大日本市でバイイングをしています。以前は自分でお店を運営していたこともあり、素敵なものを見たり探したり発見することに「ときめき」ます。陶器の産地「岐阜県土岐市」生まれ。これまで住んだ場所は沖縄・長野(松本)・東京・埼玉・そして奈良と引越しの多い人生です。

ブランド:山から福がおりてくる
推しの逸品:森の動物マット

山があるから水が里に渡り、田畑に流れ、恵がうまれる。「山から福がおりてくる」は、山形に根付いた恵の循環。残しておかなければならない文化や伝承、そこに紐づく手仕事たち。山形にある、残しておくべき魅力的なものを紹介しています。

なんともゆるっとした熊が癒されると思わず笑ってしまった柄のマット。

熊が寝ているといっても、こういう格好で寝ている絵柄というところが、いつもほっこりとした気持ちにさせてくれる「山から福がおりてくる」さんならではだなと思いました。

サンプルを見た瞬間「山形の緞通のマットですね!」と口にしてから、扱ったことのないマットなのになぜ知ってたんだろう・・・と思い返してみたら、このマットを作っている「穂積繊維」さんと、以前コラボ商品として中川政七商店でもスリッパを作っていただいていて、その印象がすごく残っていたのです。
すごくご縁を感じて、さらにマットを紹介したい気持ちでいっぱいになりました。

見た目のインパクトは十分可愛らしいのですが、麻のマットの醍醐味はやはり足触り。このマットは、動物の周りが麻、動物の部分がウールで作られています。そのため、踏んだときの感覚がとても面白いのです。シャリっとした麻と、やわらかくてふかふかなウール。一瞬で通り過ぎるのがもったいないなと思うほど、何度か踏み踏みしてしまう。

お気に入りは「くま ベージュ」で盛り上がった熊のウール部分は、私が普段出会ってきた絨毯よりもギュッと密度があり、もこもこです。足で踏んでも沈み込みがほとんどない密度に織り込まれています。

ハンドブックという機械を使って職人が一目ずつ糸を打ち込んでいくのですが、穂積繊維の麻絨緞の特徴は、打ち込んだ麻がループ状になっていることだそう。繊維に沿って、麻が持つヨリの力を頼りにループ状に打ち込まれ、そうすることで生まれる程好い硬さの触感は、とても心地良いのです。

左:くま ピンク/ベージュ
右:いのしし ベージュ/ブラウン」

3種類あるマットは、よく見ると柄とそれぞれ麻とウールの使われ方が異なります。フラットな仕上がりで熊が麻で周囲がウールの「くま ピンク/ベージュ」。「いのしし ベージュ/ブラウン」はイノシシ部分のウールに麻で柄を表現しています。

玄関マットに調度いいサイズですが、ベッドサイドやキッチンなどにも。とにかく何度も往復したくなる心地よさと、「ふふふっ」と見たら微笑んでしまう愛らしさを暮らしに取り入れてみませんか。新居祝や結婚祝などにも、意外と後回しにしがちな玄関マットって喜ばれる贈りものかもしれませんよ。


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いつものカレーがもっと美味しくなる「YAMACO カレー賢人のカレースプーン」

日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。

高倉 泰

語り手:高倉 泰

中川政七商店主催の展示会「大日本市」のディレクター。 日本各地の作り手と一緒に展示会やイベントを作りあげる。 古いものを生かした生活が好きで、奈良で築150年の古民家を改築し、 妻と2人の子どもと暮らしています。山形県出身。風呂好き。日本酒ナビゲーター認定者。

ブランド:YAMACO
推しの逸品:カレー賢人のカレースプーン

鎚起銅器の技術で手作りからスタート。戦後、機械化を進め、カトラリーのルーツといわれるヨーロッパへ輸出するまでに成長。「付加価値のあるモノづくり=徹底的な品質向上」の考えと高いデザイン要求を形にしてきた実績を基に真摯なモノづくりを世界に発信していきます。

平日はなかなか料理ができませんが、たまの週末はエスニック料理担当としてアジアや中国の料理を作っています。特によく作るのがネパールカレー。チキンやヤギのカレーにダル(豆のスープ)やアチャール(漬物)を作って家族や友人に振る舞っています。
ネパールカレーはチリ(唐辛子)さえ抑えれば辛くないので、子ども達もたくさん食べてくれます。

もちろん日本の定番カレーも好きなのですが、一つだけ気になるのが野菜の大きさです。じゃがいもやにんじんが、少し大きい。どちらの野菜も好きなのですが、大きくカットされていると、野菜の味に対してカレーの味が物足りなく感じてしまう。口の中がじゃがいもでいっぱいになってしまうのがちょっと苦手だったりします。

とはいえ、スプーンで切ろうとすると、するするっとカレーの上を泳いで逃げていく。諦めてそのまま食べることもしばしば。

そんな私が出会った、究極のカレースプーンをご紹介します。
その名も、カレー賢人「サクー」

サクー

本当に具材が切りやすい!じゃがいもが逃げることなく「サクー」と割けてくれます。小さくなったじゃがいもとルーのバランスが絶妙で、いつものカレーをもっと美味しくしてくれます。

聞けばカレーの聖地で有名な神田の「カレーブランプリ」さんと一緒に、使い手目線で作ったそうです。スプーン業界ではタブーとされている、左右非対称に果敢に挑戦しているところにも覚悟が感じられます。

さらに左利き用の「ヒダリー」も揃えているので、左利きのうちの息子も上手に使うことができ、助かっています。

ヒダリー

さてもう一本揃えているのが、究極のカレースプーン カレー賢人「キャリ」。
その名の通りカレーを運ぶのが上手になるスプーンです。

キャリ

こちらは掬う部分の形状が秀逸で、掬ってから口に入れるまでのストレスがありません。ネパールカレーは日本のカレーよりもルーが緩めだし、豆のスープを混ぜて食べたりするので、深さがないとこぼしちゃって危険。それを見事にサポートしてくれます。

先端は薄く磨かれて、口の中でスプーンの存在感を感じさせないので、カレーに集中することができる。結果いつもより美味しく感じるんです。

更に持ち手の部分も研究され、手首と腕に負担のかからない動作で口に入れることができる優れもの。
エスニックカレーにはこちらがお勧めですね。

道具によって料理の美味しさや楽しさが変わることを実感しました。
これからもネパールカレーを追求します!

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大人の心にも響く、心地良くて優しい音色「おきあがり・ムックリ」

日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。

高倉 泰

語り手:高倉 泰

中川政七商店主催の展示会「大日本市」のディレクター。 日本各地の作り手と一緒に展示会やイベントを作りあげる。 古いものを生かした生活が好きで、奈良で築150年の古民家を改築し、 妻と2人の子どもと暮らしています。山形県出身。風呂好き。日本酒ナビゲーター認定者。

ブランド:DADWAY(ダッドウェイ)- Solby(ソルビィ)
推しの逸品:おきあがり・ムックリ

昔からある、おきあがりこぼしを音色はそのままに、現代のお部屋にあっても違和感の無いたまご型にリデザイン、その名も”ムックリ”。まるで飴細工のように透明感のある綺麗な色目や、ゆらゆら揺れるムックリの優しい音色は、昔ながらの技術を使い日本国内の工場で職人が一つ一つ仕上げてます。

カランコロン。
カランコロンカラン。

オフィスのどこからか、懐かしくて優しい音色が聞こえてきました。
余韻が透き通っていて、上品とも言える音。

音の鳴るほうへ近づいていくと、大日本市メンバーが「懐かしいね」「心地良い音がするね」と、あるものを囲んで話しています。

音の鳴る正体は、昔懐かしの「おきあがりこぼし」でした。

※動画のミュートを解除いただくと、音が再生されます

赤ちゃんのおもちゃとして定番ともいえる「おきあがりこぼし」。
自分自身が赤ちゃんのときの記憶はありませんが、でも、なんとなくカランコロンというあの音が耳に残っている気がします。

今回出会った「おきあがり・ムックリ」は、形も従来通りの卵型。懐かしさが増します。
ただ、その音は一味違います。
こんなに透き通った音が鳴ったっけな?
そう思ってしまうほど、驚くほどに心地良い音が鳴るのです。

その秘密は、おきあがりこぼしの心臓部である筒状のオルゴールを、ひとつひとつ職人さんが熟練の技でつくっていること。

長さが異なる7本のピアノ線を鋳物に丁寧に植え込みつくられています。
おきあがりこぼしが傾くと、中に入っている振り子がピアノ線に当たって、音が出るという仕組み。

ゆらゆらと揺れながら鳴る音は、透き通っていて、どこか優しくて懐かしい。
大人もついつい聞き入ってしまいます。

この「おきあがり・ムックリ」にはさらなる秘密が。
オルゴールだけではなく、全ての行程において、日本でひとつひとつ職人の手によって丁寧につくられています。

赤ちゃんが触れるものなので、丁寧に手作業でつくられているのは、なんだか安心でうれしいですよね。

金木犀の香りで、子どもの頃に秋空の下で遊んでいた田舎の風景を思い出す、なんてことはありませんか。
音にも似たような力があると感じています。

きっとこの「おきあがり・ムックリ」も、子どもの豊かな思い出のきっかけになってくれるはず。

僕の子どもはすっかりこのおもちゃを必要としない年齢になりましたが、子どもが生まれたときに出会っていたら、間違いなくプレゼントしていたと思います。

最近、子を持つ世代の社員も増えてきました。
「少しだけど言葉をしゃべるようになりました!」などと子どもの話を聞いたりすると、良いおもちゃがあるよ、とついついこの「おきあがり・ムックリ」を薦めてしまいます。

心地良い音を聞いて、心も豊かになってくれれば。
子供向けのおもちゃながら、そう思える逸品です。

シンプルながら愛らしい佇まいなので、出産祝いなどの贈りものにもおすすめです。

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