【わたしの好きなもの】雪音晒の寝具


睡眠への飽くなき欲求


眠ることが大好きな私。
 
お部屋の中でいちばん好きなエリアはどこか?と問われれば、即「ベッドの上!」と答えます。(笑)
なので、いかに睡眠の時間を良きものにするか?は永遠のテーマでもあるんです。
 
そんな私のことを知ってか知らずか、新商品「雪音晒の寝具カバーシリーズ」を試す機会をいただきました。実はこの商品、以前にお披露目会で説明を聞き、実物を見た時からずっと気になっていたもの。
 

普段の自分はあまり選ばない「白」の寝具。ですが、やはり“晒”といえば白ですよねぇ。なんだか気が引き締まる思いで使用開始。

使ってみた第一印象は、「柔らかいなぁ」でした。
 
晒というとなんだかキリッパリッとした印象が強いのですが、ガーゼ生地を使っている今回の商品は、見た目にも優しい風合いで肌に触れると柔らかく、軽い!!


不純物を99%除去し、究極の晒手法とも呼ばれる「雪音晒」を使用しているため、キュッキュというなんとも不思議な感触があります。この、まるでパウダースノーを踏みしめたような感触が、「雪音晒」という名前の由来なんだそう。
 
「ガーゼ生地で柔らかいのにキュッキュ??」
 
口ではうまく表現できないのですが、でもキュッキュとさせたくなる、やっぱりなんだか不思議な感触。気づくと足でキュッキュさせようとしている自分がいます。(笑)
 
使用を始めたのがちょうど季節の変わり目で、就寝中に沢山汗をかくこともあったのですが、吸水速乾に優れる晒なので、サラサラが続きます。これは嬉しい。
 


さらに、寝具のような大物はお洗濯が大変なイメージですが、ガーゼ生地ということもあり、軽くて洗った後の乾きも早い!!
時間もかからずとっても楽ちん。大物を干さなければ‥‥というネガティブ感も無くなります。
 
洗いを重ねても、「なんだか生地が薄くなったなぁ‥‥」とか、「ほつれてきちゃったなぁ‥‥」とか「色が‥‥風合いが‥‥」といったことがないので心置きなくじゃーぶじゃぶ洗えます。軽いので、物干し竿へもなんのその。
 
使い勝手の良さにヘビロテ真っ最中です。


綺麗になった寝具にまた身を委ね不思議な触感に癒される。気づけばふんわりと包まれながら熟睡をしている。目覚めると晒が朝陽に映えてなんだかとてもいい。さぁ、これから1日が始まるぞ。そんな雰囲気がとっても好きです。
 

 
中川政七商店GINZASIX店 佐藤


<掲載商品>
雪音晒の枕カバー
雪音晒のボックスシーツ シングル
雪音晒の掛けふとんカバー シングル

嫁入り道具から生まれた縁起もの、栃木の「きびがら細工」

嫁入り道具から生まれた、かわいい縁起もの

栃木県鹿沼市の郷土玩具・きびがら細工

栃木県鹿沼市(かぬまし)の郷土玩具、「きびがら細工」は、毎年の干支に合わせて作られている縁起もの。

きびがら細工の材料は、鹿沼市に古くから“嫁入り道具”として伝わる「鹿沼箒(かぬまぼうき)」をつくる時に出るあまり草。箒の中でもつくるのが特に難しいと言われる鹿沼箒の、高度な編みの技術を応用しています。

栃木県鹿沼市 箒草 きびがら細工 戌

華やかな装飾や色付けがしてあることの多い郷土玩具の中でも、とても素朴なきびがら細工。天然素材を使い、ひとつずつ手作業で編まれているからでしょうか。

目も彩色もないのに、じっくり見ていると嬉しそうだったり不思議そうにしていたりと、どこかほのぼのとした表情が見えてくるから不思議です。

鹿沼・きびがら細工・戌

たった一人の職人がつくる「きびがら細工」

栃木県鹿沼市の郷土玩具・きびがら細工の職人、丸山早苗さん

現在きびがら細工を作るのは、鹿沼箒の職人でもある丸山早苗(まるやま・さなえ)さん。きびがら細工の考案者であるおじいさんの技を受け継ぎ、日本でただひとりの「きびがら細工職人」として制作を続けられています。

「天然の素材からつくるきびがら細工は、ほうき草の長さや太さ、曲がり方が違うのできっちりと図面にするのは難しいんです。祖父から学んだことを頭の中に残し、手の感覚を頼りに作っています」

栃木県鹿沼市 きびがら細工 漁網巻きつけ
糸は、水や張りに強い、漁網(漁で使う網)を利用

幸せを願って贈る嫁入り道具である鹿沼箒をつくる丸山さん。「きびがら細工も、手にする人が幸せになりますようにと願いながらひとつひとつ編んでいます」と話されます。

来年は丑年。かわいい縁起ものと一緒に新年を迎えてみてはいかがでしょうか。

ここで買いました

鹿沼箒ときびがら細工のきびがら工房
栃木県鹿沼市村井町229-10
0289-64-7572
http://www.kibigarawork.jp/

きびがら細工 きびがら工房 黒猫 職人 栃木県鹿沼市 鹿沼箒

文・写真:西木戸弓佳*こちらは、2017年11月18日の記事を再編集して公開しました

麻100%のインナーが「ありそうでなかった」理由。老舗ニットメーカー40年の挑戦


着けた瞬間から肌がさらっと気持ちいい。これまでにない麻のインナーが中川政七商店から誕生しました。

名前は「更麻 (さらさ)」。



手がけたのは和歌山にある、とあるニットメーカーです。

「オカザキニットさんがつくるものは他にはない個性があるんです」

工場に向かう道途中、更麻を企画したデザイナーの河田めぐみさんはそう語りました。

麻は本来、吸水速乾性に優れて肌着にぴったりの素材。ですが糸自体にハリがあって柔軟性がないために加工が難しく、これまで麻100%のインナーは世の中にほぼ出てきていませんでした。

それを成し遂げたのが、オカザキニットさん。

しっとりやらわかな質感の生地は、麻特有のカタさがなく、肌にフィットしてよく伸びる。汗ばむ日も冷え込む日も、麻本来の特性が働いて、汗や熱がこもらず肌がさらりと気持ちいい。



毎日変化する環境にもしなやかに応える最高の着心地のインナーは、「更麻」と名付けられました。

今回は、そんな世の中にない麻100%のインナー「更麻」を世に送り出した立役者、オカザキニットさんを訪ねます。

*デザイナー河田さんが企画者視点で語る開発ストーリーも合わせてどうぞ。
「毎日、肌が気持ちいい。呼吸する麻のインナー「更麻」はこうして生まれました」

2019年の夏に起きていたこと


和歌山県和歌山市にある工場を訪れたのは2019年の夏。



2020年春のブランドデビューより半年以上前に、工場はフル稼働で更麻の生地を編んでいました。これには大切な理由があるのですが、それはまた後ほど。

出迎えてくれたのは代表の岡崎明史さんと、息子さんの秀昭さん。

関西有数のニット産地である和歌山市の中でも、オカザキニットさんは麻生地のプロフェッショナルとして知られます。


▲このように筒状に生地を編み立てます


▲代表の岡崎明史さん。ショールームにはこれまで開発してきた生地が所狭しと並びます


「麻をやって来たのは、他がやっていないから。

麻は糸に節があって、伸び縮みしないので編みにくいんです。多くのメーカーは失敗が見えているから手を出しません」

伸縮性の少ない糸を無理に機械にかければすぐに糸が切れてしまう。



ニットの編み方には色々な種類がありますが、中でもインナーによく使われるやわらかな二重組織の生地 (フライス編み) は、麻では編めないとされてきました。

逆に言えば、この難しさを克服できれば、麻本来の給水速乾性を生かした、世の中にない麻のニット生地が生まれる、ということ。

岡崎さんはこの40年、ずっと麻のフライス編みに挑戦し続けてきたそうです。

夢の実現に光が見え始めたのは、2018年、ある糸の加工方法と出会ってから。

「シルクプロテイン加工といって、自然由来の成分を糸に浸透させて、柔軟性を持たせる方法なんです。これをできる会社に出会って、すぐに麻の糸で試そうと思いました」


▲実際の糸


やわらかくなった麻糸を機械に掛け、ずっと成功できなかったフライス編みを試してみたところ…見事に成功。

ちょうどその頃、中川政七商店初のインナーブランド立ち上げを任され、薄手で肌あたりの良い麻のニット生地を探していた河田さんの元に、すぐに生地見本が届けられました。



今度は河田さんがサンプルを作り着用してみると、しっとりとやわらかく繊細な質感。伸びもよく肌がさらりとして気持ちいい。

「これなら、1年を通して着心地のいいインナーが作れる」

こうして、更麻の原型が出来上がりました。

「その時岡崎さんは『たまたまやってみたら編めた』と仰っていましたが、蓄積された技術や経験がなければこういう発想は出ないだろうと思いました」

と河田さんが振り返るように、「できない」とされてきた麻のフライス編みが実現できたのは、岡崎さんの40年間の挑戦があればこそ。


▲実際の更麻の生地


いつも日に1・2回は新しい編み地開発にチャレンジしているそうです。その数、年間400~500にものぼります。

「いま世の中にないもの、よそに編めないものをつくりたいんです。なんでって、“へんこ”だからかな (笑)

特別、機械が変わっているわけじゃないですよ。ただ、新しいものを試したかったら、リスクを全部自分で取る。

例えば染工所に新しいやり方を頼んだら、染めで失敗しても自分で買い取る。それで、なぜ失敗したかを考える。その繰り返しです」

オカザキニットさんのつくるものには他にない個性がある、という河田さんの言葉を思い出しました。

“へんこ”に一途に「できない」に挑み続けてきた姿勢が、つくるものに唯一無二の個性として息づいているのかもしれません。

実は更麻も試作からこの後、新しい困難が待っていました。

試作ではうまくいった編み立てが、量産に入ってみるとうまく行かない。ところどころ糸切れが起きてしまう。


▲このように内側から光を当てて、キズなどがないかチェックします


別の編み方で作った代替生地では、当初のフライス編みの繊細なやわらかさがなく、ついに、2019年春の予定だったブランドデビューは、1年延長することに。

麻のプロであるオカザキニットさんの見解では、原因は時期とのことでした。

試作品はあたたかい季節に編んでいましたが、量産は2019年の春夏のデビューに向け、冬に行っていたのです。

「麻は空気の湿度によって強度に違いが出るため、空気の乾燥している冬季では糸切れが起きやすくなる。湿度の多い時期に編めば、きっとうまくいくはずと考えました」

この読み通り、長梅雨のあけた2019年7月、訪れた工場では繊細なフライス編みの麻生地が順調に編み上がっていました。




「今のうちに、24時間体制で更麻の生地を編んでますよ」

こうして湿潤な夏にしか作れない、素材の特性を最大限に生かした麻100%のインナー「更麻」は、2020年4月にデビューを迎えました。



オカザキニットさんを訪ねてからもうすぐ1年。

また、更麻を編む季節がやって来ます。


<取材協力>
株式会社オカザキニット


<掲載商品>
更麻 ショートスリーブ
更麻 キャミソール
更麻 タンクトップ
更麻 ショーツ

【わたしの好きなもの】家で気分を変えられる、日本の精油


なくても困らないけど、あるといいもの


休日のお散歩のとき、途中にある植物の匂いを嗅ぐことが大好きです。
森の中に入った時なんかがそうですが、いい香りに出会うと大きく深呼吸したくなりませんか?

意識的に呼吸することは自分を癒やすことにもつながります。でも毎日お散歩したりするのは難しいですよね。

そこで!お家で気分を変えられる精油の登場です。


数年前まで、お仕事でもお家でも車の中でも、精油は私にとって生活の一部でした。
「でした」という訳ですっかり遠ざかっていたのですが、中川政七商店から新たに「日本の精油」が発売されることを知り心待ちにしていました!

結論から言いますと、「あるといいというよりも、あった方がいい!」


そもそも精油とは?

ざっくり説明しますと、植物から抽出した芳香成分です。この芳香成分を、あるときはリラックスやリフレッシュ。またあるときは虫除けや抗菌など、多様な目的に利用できるのです。

今回発売された「日本の精油」は6種類。もともと、精油の香りによっては苦手なものもあった私ですが、今回のラインアップはみんな香りに品があって、どれも控えめで使いやすいと思いました。

中でも私のお気に入り3種の使用例をご紹介します。


『ホウショウ』
もともと好きな精油なのです。とてもリラックスできる香りなので夜寝る前にキャンドルに2滴くらい垂らして癒されています。

『ブンタン』
柑橘系の精油は果皮を圧搾しているメーカーが多いのですが、こちらは水蒸気蒸留。とがった香りがなく甘く優しい香りです。お風呂時間に、洗面器にお湯を張って2滴くらい垂らしています。

『ハッカ』
こちらはお掃除の拭き上げの際に垂らすのもいいですが、私はお手洗いに置いておき、流した後に1滴垂らしています。控えめなハッカの香りは次に入った時の気分を少し上げてくれます。


そしてこの3種の精油をブレンドして、無水エタノールと精製水で薄めてリフレッシュスプレーに。
カーテンなどのファブリックやマスクの外側にシュッっとするだけで、いつでもすぐに気分をリフレッシュできます。

他にも、家にいる時間が長くなりダラダラ過ごしがちな1日の中、朝の香り、ヨガをやる時の香り、読書の時の香りなど生活にメリハリをもたらす役割をしてくれます。


部屋ごとに香りを変えるのもオススメです。みんなが集まるリビングにはヒノキチップを窓辺に置いたところ、風とともにほのかな香りが感じられました。もちろんこのチップに精油を垂らして使えます。

こんな感じで、使い始めたら無くてはならないアイテムに。
私の場合、体調や季節によっても香りの好みが変わるので、ヒノキ、ヒバ、クスノキもどうやって使おうか楽しみです。


中川政七商店 ルミネ横浜店 長尾


<掲載商品>
日本の精油 奈良産 ヒノキ
日本の精油 北海道産 ハッカ
吉野ヒノキの芳香チップ
常滑焼のキャンドルディフューザー

わたしの好きなもの「綿麻エコバッグ」

「エコバッグ?いえ、私にとってはメインバッグです(笑)」
 
入社して初めて購入した自社商品が、この「綿麻のエコバッグ」。鮮やかな赤の色に一目惚れしました。
 
綿麻で軽くて、でもしっかりとした生地感。エコバッグとはいっても頼りなさは全くないので、私は普段メインバッグとしてお友達と会う時やお出掛け時に使用しています。
 
色は生成、墨、赤の三色。どの色もベーシックカラーで合わせやすいので悩むところ。実際、色違いで持っている方も多いです。



 


私は赤色を愛用中。意外に合わせやすく、コーディネートのワンポイントになってさりげなく個性も出せる所が気に入っています。
 
デザインはとってもシンプルなのでパンツでもスカートでもなんでもしっくりと合わせやすく、飽きがきません。
 
荷物が少ない時、見た目は三角っぽいおにぎりの様な型になります。お買い物で荷物が増えても大丈夫、今度はマチが広がって四角に!たっぷりの大容量。形が可愛らしく変化するんですね~。
 
 


しかも、持ち手が太くなっているので手に負担が掛かりにくく持ちやすい!持ち心地もいいんです。
 
中にポケットが1つ付いているのも嬉しいポイント。鍵や細かな物を入れるポケットは、絶対に必要です。
 
自宅で洗えるので汚れても安心。洗った後、ノンプレスでくったりした感じで持つのも、また雰囲気が変わっていいですよ。
 
素材が馴染んでいくので愛着も湧きます。
 
レジ袋有料化になるタイミング、どうせ持つならメインにもサブにもどちらでも使えた方が一石二鳥ですよね。
 
気軽にそして末長く使えるお薦めアイテム。私の友人にも愛用者が多いんですよ。

 

福岡パルコ店 柴田
<掲載商品>
綿麻斜子織りのエコバッグ

わたしの好きなもの「食洗機で洗える漆椀」

わたしのお気に入りは、福井県鯖江市にある「漆琳堂」さんの漆器。
 
最初の出会いは、同社が手がける漆器ブランド「aisomocosomo」の湯呑でお茶をいただいた時。
 
塗師であり、漆琳堂の代表である内田さんから「これで飲んでみてください」と出していただいたのですが、それはそれは艶やかでころんと丸く、温かみを感じて「本当にこれが漆器?」と驚きました。

本漆とは思えない軽やかさと可愛らしい色合いも印象的。そして、お茶を飲んでみるととてもまろやかな口当たりで優しくほっこりとした味。
 
漆器でお茶をいただくのは初めてで、器ひとつでこんなにも感じ方が違うのかと感動したのを今でも鮮明に覚えています。
 
それから後に開発された「食洗機で洗える漆椀」。
 
産学官連携にて生まれた耐熱・耐久度の高い漆が施され、食洗機が使えるという画期的な漆椀。
 

サイズは4サイズあり、「小」はお子様にもお使いいただける大きさで、私は「中」と「特大」を使っています。
 
「中」は一般的にお味噌汁など汁物に使える程良い大きさで、頻度高く使用。
 



「特大」はうどんやお雑煮、豚汁、それから親子丼などの丼ものをいただく時にも。
 

 
しっかりと容量はあるけれど平椀になっているため持ちやすく、煮物や和え物を入れるとなんだか上品で美味しそうに見えるのも嬉しい。
 
何度も丁寧に塗りを重ねることでムラの無い美しさと丈夫さを兼ね備えていて、手で塗られているなんて信じられないほどです。使い込む楽しさを感じさせてくれる器だとしみじみ。
 

 
塗師の内田さんは福井県内で最年少の伝統工芸士とのこと。
 
お茶を入れていただいた時のそのお人柄が伝わってくるような、やわらかな漆の器たちです。
 



漆器は特別なものと考えられがちです。実際わたしも漆琳堂さんの漆椀に出会うまではそう思っていました。
 
でも、こちらの漆椀は日々の生活に寄り添ってくれるような椀だと感じます。
 
使い込んで漆が薄くなってきた場合、修理に出すことができるのも、安心してどんどん使えるポイントかも。良いものは長く使える。これも私が大好きなポイントです。
 
先日、インスタライブで漆琳堂さんの工場見学を拝見しました。漆の管理だけでも大変な作業で、さらに、塗られるまでの工程や様々な工夫を見てしまうと、これまで以上に大切に、でもたくさん使いたいという思いでいっぱいになりました。
 
日々の生活に彩を添えてくれる、心のこもったものを使える喜びを感じています。

 

名古屋ゲートタワーモール店  梶川
<掲載商品>
食洗機で洗える漆椀 小
食洗機で洗える漆椀 中