【わたしの好きなもの】 番外編:最適包丁 パン切り

奈良の人気のパン屋さんに使ってもらいました

ミアズブレッドは私自身のキッチンから始まったお店なのでスープやサンドイッチ、
注文があればご飯のお弁当だって作ります。



野菜を切る。パンを切る。サンドイッチを切る。と毎日包丁が大活躍!
野菜を切るというのは馴染みのある作業でしょうが、パンやサンドイッチを切るというのは
なかなかハードルが高く、特に野菜たっぷりのサンドイッチに至ってはスタッフの中でも
苦手な人もいるほど。
普段、野菜とサンドイッチは三徳包丁、食パンは大きなブレッドナイフ、小さなパンはフルーツ
ナイフで切ります。

そこへある日、小ぶりでかっこいい「最適包丁パン切り」という新参者がミアズのキッチンに
やってきました。育ちのいいエリートのような面持ちは「見た目だけじゃないの?」と古株たち
の声が聞こえてきそうでした。

まず、サンドイッチを切ってみました。
サンドイッチにパン切り包丁だとギザギザがデリケートなパン生地に引っかかって切り口が荒く
なるので普段はよく研いだ三徳包丁で切るのです。
が、さすが!ギザギザが浅く、それに良く切れるので、パン生地を傷つけることなくスッと入り
ます。



問題はフィニッシュのところ。パン切り包丁のように刃が平でないと切れてない部分が残るのですが
ゆっくり手前にスライドすることによって綺麗に切れました。
動かし方さえ慣れればバッチリ切れます。



次に大型パン、食パンは大きなナイフでスーッと切るのが理想ですが、やや小ぶりなため何回が
前後に動かさなければならないのですが、よく切れるのでこちらも問題なし。
バケット系のハードパンもパンを潰すことなく硬い皮にギザギザがうまくキャッチして綺麗に切
れます。

最後にベーグル。これが一番感動しました!
茹でて皮がしっかり目の生地にギザギザが食いついて後はスーッと切れました。断面の綺麗なこと!
クリームチーズをさっと塗ってかぶりつくイメージが切りながら思い浮かびました。





綺麗にきれるとサンドイッチの出来上がりにも差が出ます。
お店では一度にいろんな作業が重なるので包丁が何本も必要ですが、家庭ではこのパン切り包丁
と最適包丁があればまず問題ないと思います。
やる気が出る包丁。キッチンに立つのが楽しみになりますね!

MIA’S BREAD(ミアズブレッド) 森田三和


奈良の人気店「MIA’S BREAD(ミアズブレッド)」さん。
レシピ本もたくさん出版されていて、全国でファンの多いミアズさん。甘み・塩分・油分
をできるだけ抑えてできたパンは、かみ締めるほどに、良質な材料と天然酵母の味わいの
ある生地のおいしさが口に広がる「くせになるパン」です!

取材に訪れた時は、パン切りでタルトを切り分けられていました。
「いつも表面が少し凹んでしまうのに、このパン切りだと表面も断面もとても綺麗!」
と、嬉しいお声をいただきました。
あまりに美味しそうな断面で、おやつに買って帰りました(笑)



取材中もひっきりなしにパンを買いに来られる地元のお客様。
たくさんのサンドイッチをカゴに入れている姿も。
奈良町という観光地にあるため観光の方も多く、いつ行っても活気あふれる三和さんの笑顔と
いい香りのパンに包まれているお店です。

MIA’S BREAD(ミアズブレッド)
http://miasbread.com/

<掲載商品>
最適包丁 パン切り
最適包丁

4月18日、お香の日。聖徳太子に献上された漂着物とは

淡路島に漂着したものは?

1992年に全国香物線香組合協議会が制定した記念日「お香の日」。なぜ4月18日かというと、時はさかのぼりはるか昔のお話に。

日本書紀によると、推古天皇3年(595年)の4月、「沈水、淡路島に漂着」と記されており、淡路島に大きな大きな香木が漂着したのだそう。

「沈水」というのは、今でいう「沈香(じんこう)」のことで、代表的な香木のひとつ。樹木の樹脂がさまざまな要因で固まり、長年の間に熟成されたもので、清く上品な香りがします。

当時「沈水」と呼ばれていたのは、この香木が樹脂を含むゆえに水に沈む重いものだったからだそうです。

長さ2メートルを超えるこの香木が淡路島に流れついたとき、島民がこの木を燃やしたところ、なんとも芳しい香りが広がって‥‥。あわてて火の中からひきあげて、この木を朝廷に献上したのだそうです。

仏教の普及につとめていた聖徳太子はこの木が沈香だと分かり観音像をつくったといわれており、今もこの香木は淡路島の枯木神社にご神体として祀られています。

この香木伝来の4月と、「香」の漢字を分解した「一十八日」から、4月18日を「お香の日」と定めたのだそうです。

420余年の伝統を誇る、日本最古の御香調進所

安土桃山時代1594年(文禄3年)京都西本願寺前で、薬種商として創業した「薫玉堂(くんぎょくどう)」。薫玉堂に代々伝わる調香帳(レシピ)には、長い年月をかけて自然が熟成させた香木をはじめ、薬種として漢方に使用される植物のことがたくさん記されているといいます。

京都の香老舗として長年の伝統を守りながら、儀式の場だけでなく日常の場でも、その時代時代の香りをつくり続けてきました。

伝統のレシピを基に現代に溶け込む新しい香りを調香
伝統のレシピを基に現代に溶け込む新しい香りを調香

お香は仏事のイメージがある方もいらっしゃると思いますが、今ではリラックスしたいときや、少し気分をかえたいときなど、香りを気軽に楽しめるお香がたくさんありますね。

天然の香料を主とした伝統の調香レシピと現代の香りの融合で、さまざまな香りを楽しめる「薫玉堂」のお香。その豊かな色合いも職人が何ヶ月もかけて色をだしたものだといいます。

京の香りをあらわした、色とりどりの線香。
京の香りをあらわした、色とりどりの線香
香料を押しかためてつくった印香。飾ったり火をつけて使います。
香料を押しかためてつくった印香。飾ったり火をつけて使います

大地の恵みを受けて育った植物には、人をやさしく癒し元気づける力が秘められています。自然の力を借りたお香が、はるか昔から現代に続いてきたのも納得。季節のうつろいとともに、生活にほのかな香りをそえたいものです。

<取材協力>
香老舗 薫玉堂
京都市下京区堀川通西本願寺前

075-371-0162
http://www.kungyokudo.co.jp

文:杉浦葉子
写真:中島光行、杉浦葉子

*こちらは、2017年4月18日の記事を再編集して公開しました。


<掲載商品>

薫玉堂 試香
薫玉堂 線香
薫玉堂 文香 朝顔
薫玉堂 線香 暹羅沈香

【わたしの好きなもの】家の時間を快適にしてくれる靴下

冷え性の私は、お家の中でも常に靴下を履いて過ごします。

でも、靴下を長時間履きっぱなしでいると履き口部分のゴムが窮屈で、無性に脱ぎたくなってくるんです。

どうしても我慢できないときは、足の甲の半分まで脱いで、足先だけを守るというヘンな履き方をしていました。

そんな私ですが、ある靴下に出会ってからというもの、履きっぱなしでも1日中心地よく過ごせるように。

それが靴下ブランド2&9(ニトキュウ)の「しめつけないくつした」です。




名前の通り、履き口部分がしめつけない!
その理由は、ゴムの位置が通常より下がっていることと、ストレッチ性の強い糸を極力使わずに編んでいるから。



しめつけないので、夕方頃に訪れるゴム部分のかゆい感じや、むくんでゴムの跡が刻まれることが少なくなり、心地よく履いて過ごせるようになりました。

さらに!

この商品をつくってくださっている靴下屋さんにお話を伺う機会があったのですが、履いていて心地いい理由がまだまだあったのです!

・靴下のボディ部分(足首あたり)の裏側に使用する糸に、あえて伸縮性の弱い糸を使用することで、やわらかな風合いに。
・ゴアラインと呼ばれる、かかとにある線を長くとることで、より立体的に足の形に添い、履き心地がぐんとアップ。
・足の底部分は2重に編み立てることで、クッション性と強度がアップ。

などなど‥‥

実際にお話を伺って、この履き心地に納得。

また、工夫と技術の詰まったこの靴下が愛おしくてたまらなくなりました!

履き心地はもちろんですが、2&9シリーズは色もカラフルなので、足元を見るたびにテンションが上がります。

お家で過ごすことも多くなった今、
お家で過ごす時間を少しでも快適に、楽しくするために、
これからも「しめつけないくつした」を履いて足元に贅沢をあげたいと思います。



商品課 星野

【わたしの好きなもの】もんぺパンツ

春夏秋冬、家でも会社でも“もんぺ”生活


わたしの日常着に欠かせない「もんぺパンツ」。
デビュー当時から色違いや素材違いなどを買い足していって、
今では何枚ものバリエーションが揃っています。(写真は一部です)
冬用のあたたかいものや、シーズンによっては限定素材のものも。
写真で一番手前に写っているものは6年前のデビュー当時から使っている
綿麻もんぺパンツのグレーです。
ずっと履いているので、くったりしてやわらかい風合いになっていて
結局これの出番が多かったりします。


冬用にはタイツとショートブーツ、暖かくなってきたら綿麻もんぺパンツに
サンダルを合わせて。仕事や買い物、どこへ行くにも1年中お世話になっています。

上に合わせるもの次第で、リラックス風にもおしゃれボトムスにもなってくれるんです。しかも、着心地はいつも楽ちん!!歩きやすいし、しゃがんだり座ったり、
どんな動作にも対応。もんぺのデザインって動きの邪魔をしないんですよね。



家で過ごす時ももんぺパンツは欠かせません。
まだ眠気まなこでゆるりとしている朝のゴミ捨て時にスルンと履いて
パーカーでも羽織ればご近所さんに会ってもOK。

在宅勤務の日にも、気持ちを仕事モードにするために着替えるんですが、やっぱりもんぺ率が高いです。(というか、ほとんどです)
デスクワークで座りっぱなしでも、身体を締め付けないのでとてもいいですよ。



それでいて、見た目はすとんと落ち感がでるので、ぶかぶかに見えない。
運動不足になりがちと言われているので、お昼休憩や仕事終わりに近所を歩いたり、
食材の買い出しにスーパーに行くときも「私ちゃんとしてますよ」という気持ちにさせてくれます。

毎年、生地感や柄が異なる新作が出るので、楽しみにしている シリーズです。
編集担当 平井

【わたしの好きなもの】最適包丁 パン切り

 

ふわふわからハードまで、我が家に「最適」なパン切り

我が家では、休日の楽しみの一つにブランチで焼き立てパンを食べるというイベントがあります。

近くのパン屋さんに行き、好きなおかずパンやデザートパンなどいろいろな種類を購入。
全部をちょこちょこ食べたいので、切り分けてお皿に盛り付け、
まるでパンビュッフェのような気分を楽しんでいます。



このイベントに欠かせない、頼もしい道具が「最適包丁 パン切り」。
実は、この最適包丁のパン切りに出会うまでは、普通の三徳包丁で頑張っていました。

普段の食パンはスライスしたものを買うこともあって、本格的にパンがしっかり切れるようなパン切りが欲しい!
とまでは思いいたらず。それに、パン切りは料理用の三徳包丁よりも「長い」イメージがあり、
「収納に入るのかな?」「なんだか、わざわざ感がある」など購入までにハードルがありました。

そのハードルを取り除いてくれたのが、このパン切りなんです。



取り扱いやすいちょうといいサイズ!三徳包丁とほとんど変わらないサイズ感は、
気軽に使おうかなという気持ちにさせてくれます。



ある友人は、包丁の収納場所に収められず、パン切りだけ別の引き出しに入れているらしいのですが、
そうなると、わざわざ出すのも億劫で、「もう普通の包丁で切ってしまおう」となるそうです。

お気に入りの道具は、サッと手に取れていつでも気軽に使いたい。このパン切りは、
そんな思いに寄り添ってくれる、まさに「最適包丁」だなと思います。



切れ味はというと、おかずパンとデザートパンが潰れずにスパッと切れます!

明太子フランスや、チーズがたっぷりのったパン、野菜がたくさん詰まったサンドイッチ、いちごとクリームが挟まれたふんわりやわらかなパンなどなど、いろいろな種類、硬さがあるのに、どれも潰さずきれいな断面を見せてくれます。

三徳包丁ではツルツルに滑っていたハード系のパンも、波刃がしっかりと切り込みます。



ふわふわ系のデザートパンがクリームを潰さず切れたということは、ロールケーキやお誕生日のホールケーキもきれいに切れるのでは!という期待が高まりました。

切れ味が長持ちする薄刃というのも、長く使いたい道具として、とてもありがたいこと。



さらに、ステンレス製で錆びないことも、お手入れが億劫な私には、気軽に使える後押しになり、しまい込まないパン切り包丁として、我が家の包丁収納に迎えることになりました。

毎週末の我が家のパンビュッフェが、なんだかランクアップした気分です!

編集担当 今井
<掲載商品>
最適包丁
最適包丁 パン切り

毎日、肌が気持ちいい。呼吸する麻のインナー「更麻」はこうして生まれました

日々、自分が心地よくいられる選択肢として、インナーを変えてみる。この春、そんな提案をしてみたくなる、肌に気持ちのいいインナーが誕生しました。

名前は「更麻 (さらさ)」。

中川政七商店がはじめて取り組んだインナーブランドです。





実はもともと、デビュー予定は2019年の春。

しかし発売直前に、1年の延期が決定。この春を迎えるまでは、波乱万丈の一途でした。

「正直不安でいっぱい。だが、やるからにはいいものをつくりたい」

2年前の2018年4月、自社初のインナーブランドの計画が持ち上がった時、担当に抜擢されたデザイナーの河田めぐみさんは、そう思ったと言います。

河田さんはこれまでも麻のデニムパンツなど、中川政七商店のルーツである麻素材を生かしたファッションアイテムを数々手がけてきました。



この春にデビューした「更麻」もやはり、麻素材。しかも麻100%です。

「単に政七らしい素材だから選んだのではなく、インナーに最適な素材を追求したら、麻にたどり着いたんです」

と本人が語るように、更麻の生地には今まで世の中で知られていなかった「インナーとしての麻」の良さがたっぷり。しかし、世の中に前例がなかった分、実現までの苦労もひと塩でした。

今日は中川政七商店初のインナーブランド生みの親・河田さんが語る「更麻」の魅力と誕生までの道のりをお届けします。

自分にとってベストなインナーとは?


企画を始める時、河田さんは二つのことを考えたと言います。

一つは「自分にとってベストなインナーは何か」。

もう一つは、「政七商店がインナーを作る意味は何か」。

大手量販店の機能性インナーは使いやすく値段も手頃。でも「心地よさ」という点ではどうだろうか。自分にとってベストだろうか。

一方で化学繊維を使わない自然素材のインナーは、すでに世の中にある。その大半がオーガニックコットン製で、これならわざわざ中川政七商店で作る必要はないかもしれない。

中川政七商店だから作れる、着ていて気持ちいいインナー。

たくさん買って着回すのではなく、「私はこれ」と選んでもらえるインナー。



そんな視点で会社のルーツである「麻」を見つめ直してみると、思いがけない発見があったそうです。

リサーチで気づいた「麻がインナーに最適」の理由
「まず、麻は綿よりも水分を吸って吐き出すサイクルが早いんです。だから、直接肌に触れる肌着にはぴったり。

もちろん、最近の機能性インナーに使用されているような化学繊維の方が、機能的には優秀ですが、そもそも繊維の成り立ちが違うので、真っ向勝負しても仕方ないと考えました。

それよりも目指したのは、綿のようにやわらかい肌当たりで、伸縮性と機能性のある麻のインナー。



実は麻は、歴史的にもずっと肌着に使われてきた素材だったんです。女性下着を表すランジェリーはもともとフランス語。リネン製品を意味するラーンジェから来ているそうです。ランはフランス語で、麻を意味します。

他にも調べてみると、やわらかくて加工しやすい綿が普及する以前は、寝具や肌着に麻が使われていたこともわかりました。中川政七商店でも、かつて麻で作った汗取りが、天皇に認められたという記録が残っていました」

麻の吸水速乾性はインナーに最適。そして麻の商いで創業した中川政七商店らしさもある。 これで素材は、麻に決まり。

しかし、最適な素材ならなぜ、今まで世の中に麻100%のインナーがなかったのでしょうか?そこに、「更麻」開発の最難関が隠れていました。

世の中にない、麻100%の極上インナーを

「実は、麻は糸自体にハリがあり柔軟性がないので、インナーによく使われるやわらかな二重組織の生地 (フライス編み) が編めないとされていたんです」

この糸の硬さゆえ、麻生地は肌にまとわりつかず、シャリ感のある素材として日本の夏に好まれてきました。一方で肌着としては、加工しやすい綿に押され、扱いの難しい麻のインナーは開発されてこなかったのです。

「でも、ちょうどブランドの計画が持ち上がる少し前、『麻のフライス編みに成功した』というサンプル生地が、あるメーカーさんから届いていたんです」

生地を届けたのは、和歌山のオカザキニットさん。一大ニット産地である和歌山の中でも、麻を得意とする老舗ニットメーカーです。



「繊維が硬いと機械で編んだ時に糸が切れてしまいます。それを、特殊な加工を施すことで糸をやわらかくしたら『たまたま編めた』と仰って。ですが、蓄積された技術や経験がなければこういう発想は出ないだろうと思いました」

早速サンプルを作って着用してみると、しっとりとやわらかく繊細な上質感があり、肌にフィットしてよく伸びる。汗ばむ日も、冷え込む日も、汗や熱がこもらず、肌がさらりとして気持ちいい。




「これなら、1年を通して着心地のいいインナーが作れる」

本来インナーに最適な機能を持つ麻素材。当初描いたやわらかな肌あたりが実現すれば、これまで世の中にない、最高の着心地のインナーが誕生します。



早速サンプルをいくつか用意して、社内モニターを募り、着用テストを開始。縮みや型崩れを考慮して、パターンの改良も行なっていきました。

着用テストの中で、繰り返し洗濯するとやわらかさが増すこともわかり、「文句なしに着心地のいいインナーだった」との嬉しいフィードバックも。

試作を繰り返し、季節は夏、秋を過ぎて冬に。色展開やアイテム数、ブランド名もロゴも決まって、いよいよブランドデビュー目前という2019年4月、河田さんは断腸の思いで発売の延期を決断します。

デビュー目前でまさかの発売延期。ピンチが生んだ「夏限定生産」インナー
「オカザキニットさんから、生地を編んでいる途中で糸がところどころ切れてしまうと連絡が入ったんです。急遽、別の編み方で代替生地を用意してくれましたが、当初のフライス編みの繊細なやわらかさがなく、厚手のしっかりとした生地。

デビュー目前で本当に悩みましたが、社内のみんなにも意見を聞いて、更麻らしさが失われてしまう、と発売延期を決断しました」

オカザキニットさんに再度フライス編みにトライしてもらえないかと相談すると、「もちろん」と即答だったそう。

麻のプロであるオカザキニットさんの見解では、原因は時期。

麻は空気の湿度によって強度に違いが出るため、空気の乾燥している冬季では糸切れが起きやすくなるのではとの仮説を立ててくれたそうです。

「まるで繊細な生き物のようだと思いました」

しかしこの読み通り、長梅雨だった2019年6月に、繊細なフライス編みの麻生地は順調に編み上がりました。

こうして、中川政七商店初のインナーブランドは、湿潤な夏にしか作れない、素材の特性を最大限に生かした麻100%のインナー「更麻」として2020年4月にデビューを迎えました。



「更麻の『更』には、代わる代わる、生まれ変わるという意味があります。めまぐるしく変化していく環境の中でも、素肌で麻の心地よさを味わって、気持ちのいい毎日を送ってもらえたら、嬉しいです」

日々、自分が心地よくいられる選択肢として、インナーを変えてみる。毎日の快適は、そんなところから始まるのかもしれません。


<掲載商品>
更麻 ショートスリーブ
更麻 キャミソール
更麻 ショーツ
更麻 キャミソール レース