【わたしの好きなもの】もんぺパンツ 第2弾

社内で一番の“もんぺ”愛

以前、在宅勤務の際に家でもんぺパンツを履くことをおすすめしたのですが、今回は新作とともに私の歴代もんぺパンツもお見せしつつ、またもんぺ愛を披露させていただこうと思います。

まずはお気に入りをずらりと並べてみました。(実はまだ2本ほどあります。。)
9年選手だった綿麻もんぺパンツは履きに履いて、履きつぶした!というくらいくたくたになったので、昨年さよならしたのですが、白の綿麻もんぺパンツは6年選手で健在です。
色々な生地でつくってきた歴代のもんぺパンツを並べると、同じ形なのに表情がいろいろで面白いなと改めて気づきました。
中にはWEB限定で販売した生地もあるんですよ。

WEB限定でつくってもらったもんぺ。織りでドット柄を表現したもの。あまり他のスタッフは持っていないので羨ましがられます。

ほぼ毎年新しい生地が出てくるので、せっせと買っては家でも会社でも履いています。
特に夏は、もんぺパンツの涼しさとしめつけない楽ちん具合に「今日も、もんぺにしようかな」と、毎日履いて出社してしまいそうなくらいです。
私は社内で一番もんぺ愛があると自負しています。他のスタッフに「その生地懐かしい」「それっていついつのだよね」とか、私の歴代もんぺを愛でてもらえると密かに嬉しかったり。

綺麗めなシャツやカットソーの時は、麻千鳥や今年発売された楊柳を合わせます。
楊柳は今までの中でも生地のしっかり感が一番で、縦のラインがストンと綺麗に見えると思います。
毎年毎年、新しいもんぺパンツを手に入れるたびに「この生地いい!」と感動するのですが、これはくたびれてきた時のために余分にもう一枚置いておこうかと思うくらい、いいです!!

縦のシワが表情豊かで、生地がしっかりしています。
左が麻100%の麻千鳥、右が綿100%の千鳥格子柄。同じ千鳥柄といっても質感も表情も異なります。

Lサイズが登場してからというもの、164cmの私はLを買うことが増えました。
ふくらはぎ丈くらいになるMも涼しげで、それはそれで好きなので、生地感によってサイズを選んでいます。
ちなみにLを買っておくと、170cmの息子も(気づいたら勝手に)履いています。。。
また、生地によって伸縮の感じが異なるので洗っていくと同じサイズでも丈が違ってきます。やわらかく馴染む時間もそれぞれで、生地によってこんなに個性があるのかと楽しんでいます。

左2本がLサイズ、右4本がMサイズ。経過年数と生地感で丈が異なっています。

特に暑くなってくると、もんぺで出社しているスタッフを見かけることが増えます。
男性スタッフも着ていることがあり、パシャリと撮らせてもらいました。
靴もサンダルやスニーカー、みんな着こなしがそれぞれで、こそっと参考にしています。

タイプライター生地の紺色Lサイズを着ていました

ぜひこの偏愛を参考にしていただければ嬉しいです。


<関連特集はこちら>
もんぺパンツくらべ

担当編集者 平井

【わたしの好きなもの】ゆずと花椒のぬか床

ぬか床はじめなら、とりあえずこれで間違いない

まだ6月だというのに暑さが急に襲ってきて、歩いているだけでも体力が奪われます。こんな季節、ひんやりと冷えてちょっぴり塩辛いキュウリのぬか漬けが定番でした。実家ではおばあちゃんが毎年つけていて、何気なく食べていたものですが。毎年この季節になると無性に食べたくなり、市販のぬか漬けを購入していましたが、どうしてもピンときませんでした。

そんな私も昨年からついに一念発起してめでたくぬか床デビュー。でもぬか床って混ぜるの面倒くさい、腐らせてしまいそう・・・と踏み切れませんでしたが、初心者でも簡単に出来ると聞き、ついにゆずと花椒のぬか床を購入。最初はおっかなびっくりでしたが、そんな私でも続けられる簡単なぬか床です。

ぬか床をはじめようか悩んでいる、以前やってみたが続かなかった方へ、無精男のぬか床のある暮らしをレシピや失敗談を交えながら、お伝えできればと思います。

これを機会にぬか床をはじめようかなと思っていただけたら嬉しいです。

昨年夏、初めてのぬか床とぬか漬け容器を両手に持ち、珍しくキッチンにたたずむ私。箱からぬか床を取り出すと密封されたぬか床が姿を現わします。こころなしか大きさの割に重みがある印象です。開封してしまえば、後戻りはできません。

小さな箱に見えますが、ずっしりとぬか床が入っています

一息入れてから開封します。空けるとすぐにゆずの香りと懐かしいぬか床の香りがします。何をつけようか購入前から悩み、やっぱりおばあちゃんのきゅうりが食べたいと事前にスーパーで購入してきました。

ぬか床を容器に入れ、きゅうりを手に取りぬか床へと思いましたが、そもそも切った方が良いのか?そのまま丸ごとか?一時停止。

調べてみると、早く漬かるのは切った方が良いとのこと、半分に切りぬか床にダイブしました。花椒は別袋に入っていて最初に入れようか悩んだのですが、味の違いを楽しみたいと思い最初入れませんでした。混ぜ忘れたと思いましたが、あまり触るのもどうかと思い、そのまま蓋をしめて冷蔵庫へ。かかった時間は約3分、思っていたより手間もかかりません。

半日経過、

冷蔵庫から出し、容器の蓋をあけると結構水が出ています。大丈夫だろうかと不安になりつつ、きゅうりを取り出してみるとサイズが1/3くらいになっています。

見栄えは合格点です。水で洗い流して適当なサイズに切り、盛り付けは益子焼の豆皿に。非常に美味しそうだったので、妻に出来栄えを見せながらふんぞり返る私。ほうじ茶と一緒に食卓に並べます。

香りは良いが、味はどうかなと不安に思いながら、口に運んでみると、丁度良い塩加減とゆずの香りが鼻に抜ける上品な味です。市販のぬか漬けだと割としょっぱいものが多い印象ですが、ゆずと花椒のぬか床は程よい塩味でお茶請けにも良さそうです。

漬けはじめから美味しいのは、奈良で88年続くお漬物屋さんがつくっているからこそ。初心者にとっては最初から美味しく出来ると続ける意欲が湧いてきます。

お気に入りのミョウガ

その後もナスや白菜、ゆで卵や豆腐にもチャレンジしましたが、どれも非常に美味しく頂けました。特にお気に入りは、ミョウガで程よい食感と、香りも良く、単体でも薬味でも万能に使えます。私は冷ややっこに少し長めに漬けたミョウガをかけて醤油無しで夏場に食べます。手間もかからず、冷蔵庫の常備菜になりました。

失敗したのはナスです。きゅうり同様何も考えずいれたら、ほとんど漬からずただの生ナス。ナスの場合は皮を軽く剥くか切れ目を入れると上手に漬かりました。

ぬか床の手入れもほとんど気にすることなく、1日1回ぬか漬けを食卓に出す際に軽く混ぜる程度で簡単。

そんなぬか床のある暮らしで困ったことが2つありました。

ひとつめは、ゆずと花椒のぬか床1袋で野菜900g漬けられますが、白菜100gは大き目の葉2枚分程度、キャベツだと1/8カット、人参3/4本ということで、あっという間に漬け終わっちゃうんです。

簡単で最初から美味しく漬かるゆずと花椒のぬか床ですが、唯一の難点が、あっという間に漬け終わっちゃうということなんです。約900gがつけられますので初心者には充分な量なのですが、気に入って漬けているとあっという間。

どうにかならないか・・・と思っていましたが、このたびたしぬかが誕生しました。ふだんかき混ぜるときにスプーン一杯程入れると、味や風味を維持しながらぬか床の成長を楽しめます。

たしぬかには花椒も入っており、香り豊かなぬかどこが引き続き楽しめます。

ふたつめは、ついつい忘れてしまい、しょっぱい古漬けができあがったときです。慣れるまでは初心者あるあるかもしれませんが、私はたびたびやらかしたので、冷蔵庫を空けたときに目に入る場所をぬか床の定位置と定めました。

古漬けもそれはそれで美味しいのですが、薄味派の我が家ではあまり人気がありません。

しかし古漬けも、美味しい食べ方があるんですがご存じでしょうか?

私のオススメは、味噌汁の具材として古漬けをそのまま投入することです。大丈夫かなと心配になりますが、古漬けの塩味が出るので、味噌を少なめにすると程よい感じです。ぬか漬けの風味や香りが、味噌汁となじみすごく美味しく仕上がります。夏場には冷や汁も良いかもしれません。

気に入ったので、最近は定期的に古漬けにしています。

そんなこんなで1年後の現在、ぬか床のある暮らしは継続中です。実は失敗してぬか床自体は買い足したり、買い替えています。おばあちゃんの味とは違いますが、自分で作ったぬか漬けも甲乙つけがたいです。

ぬか床にチャレンジできないという方も、試してみるならゆずと花椒のぬか床は如何でしょうか?

初心者の方も最初からたしぬかがあった方が、結果的に長持ちするのでオススメです。最近新作のにんにくと唐辛子のぬか床も発売中。こちらはお酒のつまみにぴったりな味になるということで、ひそかに狙っています。
(※ぬか床容器は私物になります)

<関連特集はこちら>
発酵ぬか床ですぐ漬けられる中川政七商店のぬか床

担当編集者 中田

【わたしの好きなもの】sazareの腕時計

シンプルな佇まいの裏に技あり

日本の実直で細やかなものづくりを「さざれ石」に見立てた時計ブランド「sazare」。

僕はいつもラバーやステンレスのベルトの腕時計と何本かを使い分けていて、久々の革ベルトでした。大きめのフェイスで存在感があるんですが、裏蓋まできれいに鏡面仕上げされていて、肌との摩擦がなく、つけているのを忘れるくらいの着用感がすごいなと。

女性スタッフに聞いても、sazareは今まで持っているものと比べると大きめサイズだけど、それがつけてみるとゴツゴツした重たい感じがなくて、使いやすいなという感想でした。

男女問わずシンプルに使える場面が多そうなデザイン。男性ならスーツはもちろん、お休みに半袖短パンでもつけられる。ビジネスでも普段使いでもこれがあると品よくまとめられるなと思います。

クセのないプレーンな感じなんですよね。それが、実はよく見るとフェイスの削り出しのガラスが表面張力のようにぷっくりしていたり、枠との境目がわからないくらいスッとつながっていたり、ディティールを眺め出すと楽しい(笑)。ブランド名も、普通はフェイスに入ってますがsazareは控えめに裏にしか入っていないんです。こういう細かなところの技や佇まいにグッとくる人も多いんじゃないかなと思います。シンプルだけど特別感がある。

さりげなく裏面にだけ刻まれるブランド名。着用感の良さと、使用による傷も経年変化として楽しめるようにと、裏面もピカピカに磨き上げられている

シリアルナンバーが入っているのも「世界に一本だけ」という感じでいいんです。誰でも合わせやすいので、ギフトにも良さそうです。ニュートラルなデザインなので、ご夫婦でお揃いとかも素敵だなと。長年使っても、飽きのこない一本だと思います。

<掲載商品>
sazare 01.01.00 ホワイト/ブラック SILVER MIRROR

担当編集者 吉岡

【わたしの好きなもの】産地の鍋の素

小鍋にもちょこっと使いにも便利な「鍋だけじゃない産地の鍋の素!」

産地のごはんシリーズから登場した「産地の鍋の素」。
産地のお鍋から学んだ味だからですが、名前が変わってるな・・という印象でした。
我が家で作るお鍋は、昆布で出汁をとった水炊きか、寄せ鍋が王道なところ。変わり種でもキムチ鍋、豆乳鍋、トマト鍋。
そずり、山椒香る生姜味噌、飛鳥風、聞いただけではどんな味かわからないですよね。しかしそこがですね、産地シリーズの興味惹くところなんです!自分では作り出せない味わいにワクワクしませんか。

私は奈良出身なので、飛鳥鍋は食べることがあるのと牛乳大好きなので、ダントツ「牛乳で作る飛鳥風鍋の素」をおすすめしたい気持ちでいっぱいです。自分で作る豆乳鍋よりも、鶏ガラダシに白味噌が入ってる分美味しい!!コクと味わいがしっかりしてるといいますか、とりあえず美味しい!!豆乳鍋好きさんには、ぜひ食べていただきたいです!

「牛だしのそずり風鍋の素」は、3種類の中では定番のお鍋な感じがします。しかし寄せ鍋とも違うし、生姜が入ってるからさっぱり感があります。このお鍋でおすすめしたいのが、シメにお蕎麦です。もちろん雑炊にしてもうどんでも美味しいのですが、無性にお蕎麦を入れたくなるんですよね。ぜひいろいろ試してみてください。

「山椒香る生姜味噌鍋の素」は、最初の印象がスパイスカレー?と思ったくらい香りがスパイシー。それもそのはず山椒に八角、シナモン、陳皮、クローブ、とうがらしと、お鍋には珍しい調味料が入っているのです。そしてこの香りがたまらなく食欲をそそるんです。3種類の中で一番個性ある味わいですが、我が家の高校生の息子はこれが一番好きだそうです。味がしっかりしていて、シメにはご飯を入れてチーズに生卵と、がっつり食べています。

左から「牛乳で作る飛鳥風鍋の素」、「牛だしのそずり風鍋の素」、「山椒香る生姜味噌鍋の素」

お鍋のいいところは、だいたいの野菜、お肉、魚介類を受け入れてくれるところ!
我が家の冷蔵庫の余りものも、鍋の素の種類を変えるだけで「今日もお鍋?」と子供に言われることもありません(笑)

この鍋の素の便利なポイントは、キャップが付いたスパウトパウチというところ。1回きりではなく、キャップを締めて冷蔵庫に入れておけば、ちょこちょこっとずつ調味料のように使えるのがとっても便利なんです!
例えば、お鍋をするときも最初は控えめに入れておいて味見しながら足していけるし、出汁が少なくなってきて追い足しする際も、お湯に必要分だけ溶かしたものを足せば水っぽくならない。
さらに我が家の受験生男子の塾帰りのご飯や夜食に一人分の小鍋をさっと作れるし、調味料のように別のアレンジも簡単にできるんです。

子供イチオシ「山椒香る生姜味噌鍋の素」で、いきなりシメご飯は、夜食にがっつり食べたい時にオーダーが入ります(笑)

ちょっとずつ使えるから、冷蔵庫の余りもの鍋にするときも、私はあっさりお魚鍋、子供はしっかりスープ鍋と、お互い好きなものを入れて作ることもできます。

「牛だしのそずり風鍋の素」であっさりタラと根菜鍋
食べざかりの子供は「山椒香る生姜味噌鍋の素」でポトフ風具だくさんスパイススープ鍋

私のイチオシ「牛乳で作る飛鳥風鍋の素」を使えば、クリーム系の一品も簡単です。こういう簡単調味料のいいところは、それだけで美味しい味に出来上がるところ。牛乳にプラスするだけでクリームパスタもムニエルのソースにも!!塩コショウもいらないですよ!
ただ、味変に子供が「国産素材のかける薬味みそ」をかけるのは、私もオススメしたいところです。なんにでも合うのですが、クリーム系との相性は抜群です。

寒くなってきた時の、我が家の朝食はスープが多くなるのですが、ここでも鍋の素はすごく使いやすい。
お湯をわかして、味見しながら鍋の素を入れるだけで、スープベースが出来上がり。あとは適当に野菜やソーセージなどを入れるだけ。お腹の足しになる「トック」(韓国のお餅のようなもの)を足したら、朝食のできあがりです。小さなお鍋ひとつで出来るので、簡単ですよ。

「牛乳で作る飛鳥風鍋の素」を牛乳を使わずお湯に溶かして、つみれ、きのこ類、ニラ、トックを入れたスープ

鍋だけじゃなくて、ちょこちょこっと使える鍋の素は、私の毎日のご飯のお助けアイテムとして大活躍です。

「牛だしのそずり風鍋の素」をめんつゆ代わりに使って休日のお昼のおうどんに

まだまだこれからが冬本番、だんだん外に出たくなくなってきても美味しいお鍋に料理にと、楽しみながら冬を越そうと思います。

<掲載商品>
産地の鍋の素3種はこちら
小鍋にもなる伊賀焼のスープボウルはこちら
小鉢から麺類までサイズが豊富な食洗機で洗える器はこちら

担当編集者 平井

【デザイナーが話したくなる】花ふきんのためのふきん掛け

「花ふきんのためのふきん掛け」は、名前のとおり大判の花ふきんを掛けることのできる、ふきん掛けです。
スタッフみんなが使っている花ふきんですが、デザイナーの大久保さんが花ふきんをどうやって乾かしているか調べたところ、既製のふきん掛けに何回か折って干したり、シンクに広げて干している人がほとんどでした。
乾きやすい花ふきんなので、それでも問題なく乾きやすいのですが、中川政七商店のベストセラーとして沢山の方に使っていただいているのだから、花ふきんのためのふきん掛けがあれば、もっと花ふきんの良さを活かせるはず!と、企画が始まりました。

サイズ感は、花ふきんを掛けるためなので、通常よりは大きく感じてしまう。それをキッチンになるべく馴染むようなデザインにしたいという考えからスタートしました。
掛ける部分はステンレス線材を使用しているので、細くするとふきんがくっつくのと、華奢すぎて強度が弱くなってしまう。デザイン的には、通常より大きなサイズ感になる分、すっきりとさせたい思いで試作しながら線材の太さを決めていきました。
→Φ5mmでは、ごてっとした印象
→Φ3mmとΦ4mmで試作
→Φ3mmだと華奢で弱い印象でふきんを掛けた時の隙間もない
→Φ4mmがすっきりとしたデザインと、ふきんを掛けた時の隙間を確保できる
すっきりとさせながらも、安定感のある仕上がりをめざしました。

1mm違うだけで印象が変わるステンレス線材

枠の2本を中央で合わせる軸部分は、天然木のタモを使用していますが、ここにたどり着くまでも何度も試作を繰り返したそうです。
当初、軸もステンレスで試作してみたそうですが、製造工程やデザイン上、いろいろ調整を繰り返していくうちに、天然木にたどり着いたのです。

天然木は、湿気や乾燥によって収縮・膨張が起こります。そのため、試作品を家に持って帰ってお風呂場の多湿から乾燥させる、という実験を繰り返したそうです。
2本のステンレスを差すための穴の距離をミリ単位で試作してもらっては、実験を繰り返す。2つの穴を離すと軸の太さが太くなり、ごてっとした印象になるし、デザイン優先で細くしすぎると木が割れる。四角形や八角形、強度とデザインのベストを探し続けて出来上がったのです。

形、太さ、さまざまな試作品たち
たどり着いたベストなサイズと形

既製のものでは二つ折り、四つ折りして掛けていたり、広げてシンクに掛けると早く乾くけれど場所をとる。
このふきん掛けなら、広げて掛けて干すのと同等の時間で、場所をとらずに乾かすことができます。
大久保さんがいろいろな畳み方で実験したところ、広げたものと二つ折りを干した時間を比べると、乾くまで約2倍の時間がかかりました。
衛生面からも、ふきんがカラッと早く乾くと気持ちがいいものですよね。

使わない時は、掛けておいたり、食器棚の隙間に収納したり出来ます。

何度も大久保さんがふきんを乾かしたり、ヒアリングしたりしているのを見かけていたのですが、一見、単純な仕組みに見えていたので、話を聞くまではその開発の大変さに気づいていませんでした。キッチンでは主役ではないけれど、毎日使うものだから、これからみなさんに花ふきんと共に愛してもらえる商品になったら嬉しいなと応援したくなりました!

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【デザイナーが話したくなる】7年目の小さなベストセラー

全長1.9cm、フック部分のみで1.1cmという小さなフック画鋲。2015年に生まれた中川政七商店のベストセラーです。

お気に入りのカードや写真に穴をあけたくないなという思いと、暮らしになじんで、そこにあることが自然に思える画鋲をつくりたいという思いから始まった画鋲のデザイン。

画鋲って、よく学校で使った頭が平の丸いものか、掛けるのに便利なプラスチックの頭が付いたものが、それ以上でもそれ以下でもなく生活に馴染んでますよね。

デザイナーの岩井さんも、最初そう思ったそうです。完成された形と用途に違う意味を持たすことができるだろうか。
飾りたいものを引き立てる、できるだけ存在感のないデザインを試行錯誤していたときに昔から日本で使われてきた「役釘」に出会ったそうです。
床の間に掛物を掛けるための「軸釘」、花入れを掛けるための「花入釘」など、役割によって名前と形状が異なる「役釘」ですが、どれも普段はその存在に気づかないくらい暮らしに溶け込み馴染んでいます。
シンプルで品の良い佇まいと、役釘の掛けるから着想を得て生まれたのが「フック画鋲」だったのです。

そこでフック画鋲を作れるところを探したのですが、当初は画鋲や針のメーカーに相談したところフックのL字部分をつくることが難しいということで、なかなか作り手が見つからなかったそうです。
そこでバッグなどの金具でお世話になっていた大阪市の鋳造技術をもつケントクさんに相談したところ、実現に至ったのです。

7年目のベストセラーながら、つくり方を聞いて驚いたのが金型に釘を1本ずつ手作業で置いて、真鍮を鋳造するというのです。

さらに仕上げの工程では、職人が1点1点手で削り上げて角を直角に削り出しているのです。凛とした見た目は、この小さな些細な部分にも妥協なく向き合ってくださるからこそ生まれるもの。
また、壁側部分の面が平らだと壁に刺した際に画鋲が回転しにくくなるという機能面も向上するのだそう。

7年目となると何万個とつくってもらっていますが、それだけの数を1点1点手作業で変わらぬ仕上がりなのは、当然のことではなく真摯にケントクさんが向き合ってくださってるから。ベストセラーというのは、つくり手さんあってのベストセラーなんだと、あらためて実感しました。

「フック画鋲」が生まれてからは、そのデザインを踏襲した「壁掛けフック」「マグネットフック」が増えていき、今年はとうとうタオルなどを掛けられる「マグネットバー」が出来ました。


「マグネットバー」は台座と掛ける部分の角材とのバランスが難しかったと岩井さん。
台座をミニマムにするとバーが掛ける物の重さに耐えれない、大きくすると強度は出るがデザインのバランスと脱着しやすさが悪くなる。このバランスの良い具合を見つけるのに、何度も試行錯誤していろいろな場所に付けながら実験している岩井さんを何度も見かけました。

出来上がった「マグネットバー」に「フック画鋲」、歴代の仲間が並んだ姿は、美しい佇まいはもちろんですが、なんだか家族が揃ったような気持ちになって嬉しくなりました。

そういえば、と思うほど暮らしに馴染むころ、真鍮の経年変化の風合いもいい味わいになっているのではないでしょうか。そんな小さなベストセラーたちを暮らしに取り入れてみませんか。

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