【函館のお土産】函館バウハウスの「五稜郭の鍋敷き」

こんにちは、さんち編集部の山口綾子です。
わたしたちが全国各地で出会った “ちょっといいもの” を読者の皆さんにご紹介する “さんちのお土産”。第7回目は函館の「五稜郭(陶器製)鍋敷き」です。

函館の観光名所として有名な五稜郭。函館山から約6km離れた函館市のほぼ中央にあります。徳川幕府の命を受けた武田斐三郎(たけだ・あやさぶろう)が設計を手掛け、1864年(元治元年)に完成した日本初のフランス築城方式の星型要塞です。稜堡(りょうほ)と呼ばれる5つの角があり、象徴的な星形の5角形をしています。

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この五稜郭をモチーフにした陶器製の鍋敷きが今日のお土産です!ひとつひとつ手作業で作られており、色味も絶妙に違うので2つとして同じものはありません。こちらは「函館バウハウス工房」と、函館の文化・物産を発信するための土産ものづくりを行うコンセプトショップ 「函と館(はことたて)」のオリジナル商品です。パターンは春の桜、夏の深緑、秋の紅葉、冬の白銀、ライトアップされた夜景など、四季によって様々な表情をみせる五稜郭の景観を表現した5パターンを展開しています。

左から「冬の白銀」、「秋の紅葉」、「夏の深緑」、「ライトアップされた夜景」1,500円(税別)
左から「冬の白銀」、「秋の紅葉」、「夏の深緑」、「ライトアップされた夜景」1,500円(税別)
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五稜郭を訪れた季節に合った鍋敷きを購入してみてはいかがでしょうか。使うたびに函館の思い出がよみがえって来るかもしれませんね。

ここで買いました。

函と館
北海道函館市高松町 511 函館空港 国内線旅客ターミナルビル2F
0138-57-8884

文:山口綾子
写真:函と館
photo AC
山口綾子

【金沢のお土産】落雁 諸江屋の「オトギクヅユ」

こんにちは、さんち編集部です。
わたしたちが全国各地で出会った “ちょっといいもの” を読者の皆さんにご紹介する “さんちのお土産”。今回は古都・金沢のお土産です。

加賀百万石の城下町として発展し、藩政時代には江戸や大坂、京都に次ぐ規模の大都市だったという金沢。古くから茶の湯の文化も発達し、同時に茶の湯に欠かせない和菓子の文化も育まれてきました。その中で、金沢和菓子の老舗、落雁 諸江屋(もろえや)のオトギクヅユが今回のお土産です。

左から、桃太郎、金太郎、カチカチ山、花咲か爺さん
左から、桃太郎、金太郎、カチカチ山、花咲か爺さん

落雁 諸江屋は江戸時代末期の嘉永2年(1849年)に創業以来160余年にわたり金沢の菓子文化を守ってきた、落雁を看板商品とする和菓子店。諸江屋の落雁は姿も美しく、古くから金沢の茶席を彩ってきたといわれています。落雁以外にも百万石ゆかりの菓子も多く取りそろえ、昔ながらの製法にこだわっている諸江屋。その一方で、生落雁にチョコレートを合わせたりといった現代にも愛される和菓子作りへの挑戦も忘れないという、古都金沢が誇る存在です。

“オトギクヅユ” という名の通り、箱にはおとぎ話のイラストが版画タッチで描かれています。手のひらにおさまるサイズ感も相まって、なんともレトロな味わいがかわいらしい。

箱の中の包装も愛らしい
箱の中の包装も愛らしい

中に入った粉末状の葛をあらかじめあたためておいたカップに注ぎ、熱々のお湯を少しずつ加え、ていねいに溶かします。溶けきってトロトロになったら、口の中をやけどしないようにそうっと一口。ほんのり甘い、上品な葛の風味におとぎ話のモチーフをかたどったあられがかわいらしいです。もともと落雁がルーツの諸江屋らしく、すっきりとしたシンプルな甘みがおなかにも心にもやさしいお味。

葛湯は栄養価が高く、身体があたたまると言われています。まだまだ寒いこの季節、北国の一杯であたたかく過ごしてください。

ここで買いました

落雁 諸江屋
石川県金沢市野町1-3-59
076-245-2854
moroeya.co.jp

文・写真:井上麻那巳

【平戸のお土産】牛蒡餅本舗 熊屋本店の「牛蒡餅」

こんにちは、さんち編集部の庄司賢吾です。
わたしたちが全国各地で出会った “ちょっといいもの” を読者の皆さんへご紹介する “さんちのお土産”。第5回目はかつて南蛮貿易の先駆けとなった、長崎は平戸のお土産です。江戸時代から伝わる、一風変わった名前の郷土菓子をご紹介します。

寛永18年にオランダ商館が長崎出島に移転されるまでの100年間は、平戸が異国との窓口でした。その後鎖国とともに表舞台からは姿を消しますが、異国から受けた影響を元に、食をはじめとした独自の文化を育て続けてきました。その中の一つに「牛蒡餅(ごぼうもち)」があります。中国から製法が伝えられたと言われていて、平戸藩4代目藩主の松浦鎮信公が起こした茶道「鎮信流」の茶菓子として普及します。また町屋の人たちにとっても、慶事・法事の際のお配り菓子として親しまれていた、平戸を代表する銘菓です。

その変わった名前の由来は、黒砂糖だけでつくられた細長い餅の形と色合いが、牛蒡に似ていたというとってもストレートなもの。そのネーミングと同じように、気取らず飾らずまっすぐな、素朴で飽きのこない郷土菓子です。

今回伺ったのは「牛蒡餅本舗 熊屋」。創業240年余りの歴史の中で、当時のままの牛蒡餅の味わいを守り続けている老舗です。厳選したうるち米を挽いて粉にし、蒸してつき、砂糖を加え、仕上げにケシの実を散らします。それを細長い棒状に伸ばして5センチくらいの長さに切ったら、昔ながらの牛蒡餅の出来上がり。淡白で素朴な味付けなのでお米の味をそのまま感じられ、むちっとした食感がクセになります。くどさの無い上品な甘さで、思わず2つ3つと口に運んでしまいそう。最近では桜や抹茶、塩胡麻と、味のバリエーションも楽しめるので、全部の味を試したくなってしまいます。

お茶菓子からお配り菓子まで、平戸の人々の生活に寄り添ってきた牛蒡餅。お店では相性抜群のお抹茶もいただけますので、ぜひ「鎮信流」のお茶席にお呼ばれしたつもりで、平戸の歴史が育てた味わいをお楽しみください。

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ここで買いました

牛蒡餅本舗 熊屋本店
長崎県平戸市魚ノ棚町324
0950-22-2046
http://www.hirado-kumaya.jp

文:庄司賢吾
写真:菅井俊之

【奈良のお土産】森奈良漬店の壺入り「きざみ奈良漬」

こんにちは、さんち編集部の尾島可奈子です。
わたしたちが全国各地で出会った “ちょっといいもの” をご紹介する “さんちのお土産”。第4回目は清酒発祥の地、奈良のお土産です。

清酒発祥の地と言われる奈良で、酒粕に瓜を漬け込んだお漬物が商品として売られるようになったのは江戸末期のことだそうです。その名も「奈良漬」。奈良のお土産の定番ですね。奈良漬を買えるお店は何軒もありますが、東大寺南大門前にお店を構える森奈良漬店は1869年(明治2年)創業の奈良漬の老舗です。お店の前は東大寺への行き帰りの人と鹿せんべいを追い求める鹿で絶えず賑わいます。

悠然と鹿が通る東大寺南大門前の店構え。
悠然と鹿が通る東大寺南大門前の店構え。

森奈良漬店の奈良漬は、直接もしくは契約栽培の野菜・果物のみを使用。酒粕と天然塩だけという潔い味付けは、お酒の味がしっかりと効いて地元ファンも多いのです。中でもおすすめしたいのは酒粕を洗いおとさずにそのまま食べられる「きざみ奈良漬」。コンパクトな紙袋入りもありますが、どっしりとした丹波立杭焼(たんばたちくいやき)の壺入りは目上の方へのお土産やちょっとしたご挨拶にも喜ばれそうです。お酒好きの方なら奈良の地酒と一緒に晩酌セットで、、なんて楽しい組み合わせかもしれません。定番を押さえながらちょっと話のタネにもなる奈良のお土産に、おすすめです。

パッケージに描かれた壺の姿も愛らしい。230g入り1080円(税込)
パッケージに描かれた壺の姿も愛らしい。230g入り1080円(税込)

ここで買いました。

森奈良漬店
奈良県奈良市春日野町23
0742-26-2063
https://www.naraduke.co.jp/

文:尾島可奈子
写真:木村正史

【堺のお土産】 奥野晴明堂のお香「利休」

こんにちは、さんち編集部の井上麻那巳です。
わたしたちが全国各地で出会った “ちょっといいもの” をご紹介する “さんちのお土産”。第3回目は戦国時代に貿易港として栄えた商いの街、大阪は堺のお土産です。

堺は戦国時代に対明貿易や南蛮貿易など海外との交流拠点として発展、堺の職人・商人が多くのものを全国各地に広げていったと言われており、なんでも堺がはじまりだというのが堺の人たちは自慢だったそうです。その時代、堺はものだけでなく多くの文化も生み、わび茶も堺の地で完成されたとされています。わび茶の父として知られる千利休は、もとは堺の商家の生まれ。小学校の教科書にも載っているその名は、「茶の湯」という言葉とともに誰もが知る名となりました。今回のお土産はその利休の名を冠したお香を選びました。

堺が貿易港として栄えた戦国時代、各国からの珍しい香木も、例にもれず堺の港へやってきました。そうしてお香の文化はお茶文化とともに堺の商人たちにもてはやされ、発展したと言われています。実際に、現在の堺では線香が刃物に次ぐ伝統産業として特産品に。

この「利休」のお香は享保元年(1716年)創業の奥野晴明堂によるもの。堺の地で創業300年を迎えた老舗と、堺の茶人、商人である千利休。沈香の上品で控えめな香りとともに歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
さて、今日はゆっくりお茶でも点ててみましょうかね。

ここで買いました

奥野晴明堂
大阪府堺市堺区市之町東6-2-15
072-232-0405
www.osenkou.com

文・写真:井上麻那巳

【鎌倉のお土産】 鶴岡八幡宮の神鳩笛

こんにちは、さんち編集部の井上麻那巳です。
わたしたちが全国各地で出会った “ちょっといいもの” をご紹介する “さんちのお土産”。第2回目は潮風香る古都、鎌倉のお土産です。

鳩と言えば何を思い出すでしょうか。平和の象徴、伝書鳩、鳩時計、はとバス…。食いしんぼうな私は迷わず鳩サブレーが頭に浮かびます。すっかり鎌倉土産の定番となった鳩サブレー。その鳩モチーフのルーツが鶴岡八幡宮にあり、鳩サブレーの豊島屋本店が参道、若宮大路沿いにあることをどれぐらいの鳩サブレーファンが知っているのでしょう。(北海道で育った私は恥ずかしながら何も知らず、ただただそのおいしさを享受していました…。)

正面に掲げられた「八」の字が向かい合った鳩の姿にて描かれ、「鳩宮」とも呼ばれ親しまれてきた鎌倉を代表する神社、鶴岡八幡宮。今回のお土産はその鶴岡八幡宮の神鳩笛を選びました。人気の鳩守や鳩みくじの陰に隠れ、端にあるものの、そんなことは気にしないといった表情。凛とした空気を持った白くふっくらしたフォルムに思わず手がのびました。津軽をはじめとして各地でつくられている鳩笛ですが、この端正で真っ白な姿は珍しいように思います。

袋には噂の「八」の字が向かい合った鳩の姿が描かれていました。

鳩の鳴き声に似た音を出すという鳩笛。この子はいったいどんな声で鳴くのでしょうね。

ここで買いました。

鶴岡八幡宮
神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31
0467-22-0315
www.hachimangu.or.jp

文:井上麻那巳
写真:後藤洋平