【身長別着用レビュー】セミフォーマル「リネンコットンの重ね襞ジャケット・ワンピース」

特別な日のための服。自分に似合うものを購入して、長く着たいですよね。
そこで今回、少しでも参考になればという思いで、身長別のスタッフの着用レビューをお届けします。

本記事で取り上げるのは、リネンコットンの重ね襞ジャケット・ワンピース。
ハレの日の意匠として古くから日本で用いられてきた「襞」をあしらい、特別な日に映える華やかな仕上がりとなっています。
天然素材にプリーツをかける特許技術により、天然の風合いを活かしたまま、しっかりプリーツを保持できて、水洗いをしてもプリーツ性を損なわずに着ていただけます。

今回は身長152cm、160cm、164cmのスタッフがそれぞれ着用してみました。
ご参考になれば幸いです。

<合わせたアイテム>
リネンコットンの重ね襞ジャケット 紺
リネンコットンの重ね襞ワンピース 紺
しけ絹の花飾り 蕾
プリーツリネンの巾着バッグ 黒

※シューズはスタッフ私物です。3人とも、2.5cmヒールを着用しました。

身長152cmのスタッフが着用

「シンプルなセミフォ-マル服は普段着と違って着こなしが少し難しく、体形が気になってしまったり、ワンピースの場合は間延びした感じになることもあるのですが、そんな物足りなさを少しの襞があることで一気におしゃれにしてくれるし、締めてくれる一着だと感じました。アクセサリーをいろいろ着けなくてもこれだけで華やかに見えるし、動くとかわいいのも良いですね」

「襞のあしらいがさりげなくきいていますが、可愛すぎないデザインで、幅広い年齢で着用できそうです。例えば20代の方が着ると大人っぽく見えるし、40代の方が着るとすっきりした可憐さがある。結婚パーティーなどにも合いそうですし、白いコサージュやネックレスをつけると一気に式典っぽい雰囲気になるので便利です」

身長160cmのスタッフが着用

「ワンピースの丈や見た目の印象が、普段自分が好んで着ている洋服と違和感がなく、普段とセミフォーマルの境目が良い意味でなめらかで、手に取りやすい一着でした。かしこまって見えるけど襞にほどよいアクセントがあり、遊び心を忘れずに着られるのがいいですね」

「このジャケットとワンピースなら、ヒールではなくフラットシューズを合わせるのが個人的には好みです。セミフォーマルとしてきちんとしたシーンで着られるんですけど、見た目の印象がきれいめになりすぎず、少し気軽な感じが出るのも自分らしく着られて嬉しいです」

身長164cmのスタッフが着用

「襞が特徴的でかわいいですよね。ジャケットを合わせるとフォーマルに寄せられるんですけど、ワンピース単体だとカジュアルにも着られて、着回しがききそう。ジャケットはジーンズとシャツに合わせたりして、カジュアルに着るのもいいなと思いますし、ワンピースはちょっと思いきって白タイツやカラータイツを合わせるのも素敵。おしゃれが楽しめるシリーズだなと思います」

「丈感は少し長めで、個人的にはこのくらいの丈感が好き。自分が子どもの入学式などに着るならこれを選ぶと思います」


遊び心のあるデザインながらも、リネンコットン生地の上品なつやにより、フォーマルシーンで活躍する一着に。ワンピースは長めの丈で、背が高めの方もすねまで隠れて安心感があります。ワンピースだけで少しカジュアルに着こなしたり、ジャケットを羽織って大切な場に臨んだりと、幅広く着ていただけるリネンコットンの重ね襞シリーズ。しなやかに襞が揺れる姿を、今も5年後も、その先も、長く楽しんでいただければ幸いです。


お手入れについて

⼿洗い(部分洗い)または、ドライクリーニングをおすすめします。
洗った後に形を整えて、雑誌などで重りを乗せたりなどの⼿⼊れが必要になりますので、ご⾃宅の⼿⼊れは部分洗い程度にとどめていただき、全体を洗う時はクリーニング店へ依頼される⽅が、⻑くきれいに着ていただけます。


中川政七商店のセミフォーマルは、他のシリーズも身長別の着用レビューをご用意しています。
よろしければこちらもご覧ください。

【身長別着用レビュー】セミフォーマル「尾州ウールと麻のジャケット・パンツ」
【身長別着用レビュー】セミフォーマル「尾州ウールと麻のワンピース」
【身長別着用レビュー】セミフォーマル「リネンキュプラの波皺ジャケット・ワンピース」

<関連特集>

【身長別着用レビュー】セミフォーマル「リネンキュプラの波皺ジャケット・ワンピース」

特別な日のための服。自分に似合うものを購入して、長く着たいですよね。
そこで今回、少しでも参考になればという思いで、身長別のスタッフの着用レビューをお届けします。

本記事で取り上げるのは、リネンキュプラの波皺(なみしぼ)ジャケット・ワンピースです。
織物産地・富士吉田で織られた生地は、産地の情景が浮かぶような、やわらかくしなやかな波皺の風合い。シンプルながらも体のラインをきれいに見せる形で、大人の女性を美しく引き立てる一着に仕上げています。

今回は身長152cm、160cm、164cmのスタッフがそれぞれ着用してみました。
ご参考になれば幸いです。

<合わせたアイテム>
リネンキュプラの波皺ジャケット 黒
リネンキュプラの波皺ワンピース 黒
しけ絹の花飾り 蕾
シルク刺繍の重ねネックレス
ラバー帆布のハンドバッグ

※シューズはスタッフ私物です。3人とも、6cmヒールを着用しました。

身長152cmのスタッフが着用

「今回着たセミフォーマルシリーズのなかで、最もかしこまった気持ちになったシリーズでした。自然と落ち着き、品よく振る舞おうという気分にさせてくれます。着用すると改めて生地の光沢感や織りの良さが分かりますし、軽いのでもっと年齢を重ねてからでも自然に着られそうです。セミフォ-マルは普段のお洋服より高価なものを迎えるケースも多いですが、これなら長く大事にできそうだなと思いました」

「ひざ丈のワンピースやきれいめのジャケットが、フォーマル感が強いシーンにとても合いそうです。しっかりした印象に見せられるのに、着心地はやわらかで動きやすいのもいいですね。品よく着られるので、式典や親族の集まりなどに合うと思います」

身長160cmのスタッフが着用

「生地の表情がすごく美しくて、ピンと背筋が伸びます。いつもの自分の洋服とは雰囲気が異なりますが、オケージョンの場面ではちゃんとした服をしっかり着たいという思いもあるので、こんな風に織りに惹かれるものを選ぶのもいいなと思いました。全体的にすっきりとしたデザインで、アクセサリーによって印象をいろいろ変えられるのも楽しいですね」

「すとんと落ちる形が、体のラインをきれいに見せてくれる気がします。私ならデザインの面白いバッグなどや太めのヒール靴でちょっとだけカジュアルダウンしつつも、このお洋服の一番の魅力である織りがちゃんと引き立つコーディネートで着用しますね。目上の方とご一緒する場や、親族でのしっかりした集まりなどは、このシリーズがあれば心強いです」

身長164cmのスタッフが着用

「これまでには持っていなかったデザイン。着てみるとかっちりしている印象でしたが、ゆとりがあるので動きやすいですね。ジャケット、ワンピースともに切り替えがあることで生地の印象が変わり、生地の表情を楽しめますし、おしゃれな感じがします(笑)。

フォーマル服はその場限りというより着まわしたいので、すっきりとしたジャケットは、他の服にも合わせてカジュアルにも着られそうで嬉しいです。“これぞフォーマル”な服なので、子どもの入学式や卒業式に着たいと思いました」

「ワンピースは普段自分が着ている洋服よりも丈感が短めで、足が出るすっきりしたデザインなので、私なら黒いタイツを合わせます。首元の開きが広くなくコンパクトなので、しゃがんだ時などの胸元が気にならないのが嬉しいです」


すっきりと足を出しながらも、身長の低い・高いを問わず膝はしっかり隠れるデザインで、フォーマルな場に活躍する一着。シンプルなデザインにアクセサリーがよく映えます。ワンピースはすとんとしたシルエットながらも身幅にゆとりがあるため、着ていて窮屈さはありません。今も、年を重ねても、長く着用いただければ幸いです。

お手入れについて

生地の特性上、表面に繊細な皺の風合いがございます。アイロンの際は、当て布をご使用いただくか、生地から少し浮かせ、アイロンを生地に直接強く押し当てることのないようご注意ください。
洗濯は洗濯表示に従い、ドライクリーニングをご使用ください。


中川政七商店のセミフォーマルは、他のシリーズも身長別の着用レビューをご用意しています。
よろしければこちらもご覧ください。

【身長別着用レビュー】セミフォーマル「尾州ウールと麻のジャケット・パンツ」
【身長別着用レビュー】セミフォーマル「尾州ウールと麻のワンピース」
【身長別着用レビュー】セミフォーマル「リネンコットンの重ね襞ジャケット・ワンピース」

<関連特集>

「凛と、装う」。私のお守りになる、自分らしいセミフォーマル服【デザイナーインタビュー】

年を重ねるなかで、少しずつ自分に起きる変化。食べものや本の好みが変わったり、肌や髪に若いころとは違うケアが必要になったり、生き方の優先順位を見つめ直したり。似合う服や着たい服もいつの間にかあの頃とは違ってきて、そんな変化を楽しみながらも、何を着ればいいのか迷うことも多くあります。

特別なシーンで着用する服はことさら。身体のラインをきれいに見せてくれるシルエット、背筋がぴんと伸びる上質なものづくり、動きやすく肌触りの良い着心地、そして、装う自分の姿に自分らしさがあること。大切なハレの日こそ我慢せず、いつもの自分のまま笑えるような、けれどいつもよりちょっとだけ自信が持てるような、とっておきの洋服を身に着けたいなと思うのです。

そんな方々に届けたいと、中川政七商店は「日本各地の技術やものづくり」と「自分らしさ」にこだわって、セミフォーマル服シリーズを作り続けてきました。今回はそのなかでも今年新しく登場した、「リネンキュプラの波皺(なみしぼ)」シリーズをご紹介します。



大人の女性に似合う、上質な一着を作りたい

「年を重ねた今の自分に合うもので、無難すぎなくて、でもちゃんと、きちんとしているセミフォーマル服が着たいなってずっと考えていました」

そう話すのは、今回のシリーズを担当したデザイナーの杉浦。4歳の子を持つ母でもあり、自身もオケージョン利用できるハレの日の服を検討していたと言います。

「30代頃までは結婚式にお呼ばれすることが多かったんですけど、40代に入った今はほとんどなくなって。ドレスの出番が減った代わりに、今は子どもの卒園式、入学式を控えています。若いお母さんたちが周りに多いなか、何を着るかってすごく迷うんですよね。『どういう装いをしようかな』『20代に着ていたような服を着るのはどうなのかな』『どんな服ならハレの日にふさわしくて、でも自分らしいのかな』って、悩んだりして」

せっかくのハレの日に、自信を持って着られる服がクローゼットに一着あったら‥‥。そんな思いから、「年を重ねた大人の女性にも似合うセミフォーマル服を作りたい」と考えた杉浦が訪れたのは、山梨県の富士吉田市でした。

ここは富士山の山麓に広がる織物の一大産地。遡ること平安時代から、絹織物をはじめ高級裏地の産地として歴史が深い場所です。

撮影:渡邊竜康(渡邊織物)

「前提として中川政七商店のセミフォーマル服は、日本各地の技術やものづくりを纏えることをとても大切にしています。もともと展開している尾州ウールシリーズは、世界三大毛織物産地に数えられる尾州の生地を使った、ベーシックでシンプルなデザインのもの。重ね襞シリーズは装飾を折り目で表現する日本ならではのデザインで、華やかな見た目が特長です。それで次は、上質感があって大人っぽいシリーズを作りたくて、上質な素材といえばと富士吉田の布へ至りました」

産地のなかから手を取ったのは、天然素材を原料とする繊維・キュプラを使い、高級裏地を作り続けてきた渡邊織物さん。織物事業者が軒を連ねる同地において、そのご縁はもう、ひとめぼれに近かったようです。

「富士吉田に降り立ったら、富士山が空の半分くらいまでドーンって鎮座していて。それに感激したんです。『ああ、この街では風景のなかに富士山が当たり前にあって、富士山の豊かな湧き水で染織文化が育まれてきたんだろうな』って思いました。中川政七商店は工芸を『風土と人がつくるもの』と定義していますが、その景色を目にしてそれがすごくしっくりきたんですよね」

撮影:渡邊竜康(渡邊織物)

「いくつか織物屋さんを回って、最終的に渡邊織物さんにお願いしようと思ったのは、”風景みたいな布”にグッときたから。家業としてキュプラを使った裏地を長く作られてきた事業者さんで、3代目である渡邊竜康さんが入社してからは、テキスタイルブランドのWatanabe Textileも立ち上げられました。そこでは、経(たて)糸はキュプラだけど、緯(よこ)糸にはリネンや綿などのいろんな素材を使った、新しい生地や商品を作ることに挑戦されています。

伺ったときに布地のかけらをたくさん見せていただいて、すごく心を惹かれて。工房には渡邊織物さんの布地で作られたクッションなどが並んでいて、そこに、プロの写真家という顔も持つ渡邊さんが撮った風景写真が飾ってあるんです。富士山や富士吉田の景色を切り取った写真と、その布たちが自然に溶けあっていて、本当に感動しました。

セミフォーマル服は特別な日に着る服ですよね。だから、ものづくりの良さがちゃんと伝わるような、その土地で作られている息遣いが感じられるようなものにしたいと思っていたので、ああ、こちらにお願いしたいなって」

渡邊織物さんの工房内。撮影:渡邊竜康(渡邊織物)
こちらが渡邊竜康さん。丁寧に織りを確認する

布の素材感が、纏う人の美しさを引き立てる

渡邊織物さんが織りあげる様々な風合いの布から今回採用したのは、経糸に細いキュプラ、緯糸にリネンと綿の糸を使った二重織の布。端正に織られていながら、各素材の縮率の違いによって、布の表面にはなみなみとした揺らぎがあります。その表情から今回のシリーズには「波皺」と名をつけました。

リネンのマットな艶感の隙間から、キュプラの繊細な光沢がのぞく様子は、さながら水面(みなも)にゆらゆらと光が跳ねるよう。自然の景色を写したような布が、纏う人の美しさを引き立てます。

「こだわったのは、この生地を纏うことでその方が凛とできるように、布そのものの素材感や美しさをどれだけ引き出せるかですね。だから妙にデザインを盛るんじゃなくて、着た時にすとんと落ちるシルエットにして、生地の良さを活かしてきれいに着こなせる形にしました。

ワンピースやジャケットの中頃に入ったツートンの切り替えでは、二枚の布を縫製するのではなく、織る段階で糸の色を切り替えることで、切り替え部分の不要な皺を避けたり、縫い目が肌にあたらないのでストレスなく着られたりすることも実現しています。

また、纏ったときに身体のどの部分に切り替えがくるのか、その位置にもこだわっていて。丁寧に縫製を重ねています」

ピッチ(織る際に色を切り替える間隔)を変えることで、一枚の布をツートンに織りあげている

その少し揺れる直線もまた、富士山の裾の尾や、地平線・水平線が描かれているようにも感じます。

もちろん着やすさにも工夫を。

動きやすいよう身幅にゆとりを持たせている他、生地に入った波皺のおかげで、少し皺が入っても気になりません。体のラインを拾わず全体をすっきりと見せてくれるシルエットは、大切な服を長く着たいなかで、体型の変化を気にせず迎えられます。

特別な服でも気を遣わず安心して着られるなんて、心強い限りです。

5年後の自分が着るのも、楽しみになる服

「自分自身も、年齢を重ねて持ちたいと思う服に変化がありました。一回着たら終わりじゃなくて、シンプルではやりすたりのない、上質で長く着れるものを大切に着たいなと思う気持ちが強くなったんです。

そういう服って、持っていると自分の安心感とか自信になるというか。『これがあれば、いざというときや特別な日が来ても大丈夫』って気持ちです。

今回のシリーズが皆さんにとって、今も素敵に着られるし、さらに年を重ねたとき、5年後の自分が着るのも楽しみな服になればいいなって思います」

大人の美しさを引き立てる気のきいたデザインと、日本の技術が織りなす上質な生地。シンプルながら愛着をもって長く着られる服があれば、ハレの日がもっと楽しみになりそうです。

お子さんの卒入園式やご自身の同窓会、素敵なレストランでのお食事会など、特別な日に。背筋を伸ばして凛と装える、ハレの日のお守りのような頼もしい一着となりますように。

文:谷尻純子

<関連特集>

<関連商品>
リネンキュプラの波皺ジャケット
リネンキュプラの波皺ワンピース

【はたらくをはなそう】小売課 村上正恵

村上正恵
小売課

印刷会社の企画営業や制作サポートなどを経て2013年に入社。
入社後、小売課に所属。直営店に関わるバックオフィス業務を経て現在はスーパーバイザーとして店舗運営に携わるお仕事をしています。



「とんでもないところに来てしまった。」入社当時の中川政七商店の印象です。

中川政七商店に転職しようと思ったきっかけは、「これからは日本のものづくりに関わる仕事をしていきたいなぁ」と漠然と思っていたときに、当社がコンサルティングを手がけた、新潟県三条市の包丁メーカー・タダフサさんや、波佐見焼の陶磁器メーカー・マルヒロさんの事例について紹介された本を読んだこと。面白そうなことをしている会社があると思い、お店に足を運んだのが始まりです。いつ行っても販売員の方が商品のことをとても楽しそうに話しながら接客してくれて、この会社で日本の文化やものづくりを残していく一員になりたいと、入社しました。

入社した頃は、創業300周年に向けたイベントの準備や、展示会の進化に加え、新しい業態を立ち上げたりと、社内が大忙し。世の中にイベント会社がたくさんあるにも関わらず、外部に頼らず、自分たちのやりたいことを自分たちで体現し、やったことがなくても試行錯誤しながらやりきる。制作系の仕事をしていた私にとっては驚きしかありませんでした。

自分たちの力で有言実行していく姿に、「日本の工芸を元気にする!」ことへの情熱、本気度の熱量は今でも鮮明に覚えていて、それが冒頭の「とんでも~」となった理由です。

最初に受けた衝撃は、自分の仕事への向き合い方を見直すこととなり、今の自分の礎となっています。

メーカーさんから産地の現状のお話を聞いたり、イベントで現地の人たちの期待値をヒシヒシと肌身に感じるなかで、本気になる、自分たちでやりきる理由がわかってきました。

それからは「自分事として捉え、真剣に向き合えているか」「丁寧にものづくりをしてくれている人たちに還元できているか」と、迷ったとき自分に問いかけています。

「誠実であること」。

これは10か条からなる中川政七商店の価値基準「こころば」にある言葉の1つで、仕事をするうえでも人としても大切にしている言葉です。

直営店は、お客様と作り手との架け橋であり、双方にとっての代弁者でもあります。
入社当時から変わることなく「接客」を大切にし、お客様の暮らしに寄り添う提案をする。

脈々と受け継がれ磨かれてきたからこそ、お届けできる店舗でのお買い物体験。

10年前、自分が体験した「へぇー、そうなんだ」といった、日本についての新たな発見のお届けを大切にして、興味を持ってくださる方と出会い、「中川政七商店に行って楽しかった!」「こんな面白いお店があるよ!」と伝えてもらえたら。日々の暮らしのなかでホッと一息つける、心地好いお店づくりを目指して、これからも自分の役割の先にいる人のことを思い浮かべながら、真剣に楽しく、情熱を持って仕事と向き合っていきたいと思います。


<愛用している商品>

常滑焼の塩壷

塩さじと一緒に使っており、ストレスなく必要量のお塩を使うことができます。「プラスチックに変わるものがないかなぁ」と探していたときに発売され、すぐに購入したお気に入りのひとつです。

筆ペン

高校生まで書道を習っていて、ほどよい緊張感と集中から表現される筆ペンならではの書体が好きです。お礼や季節のご挨拶など丁寧に文字で伝えたいときに使用しています。

小林製鋏 HARVESTER

おすすめ理由:お花のある生活をはじめよう!と思い至ったときに購入しました。切れ味抜群でコンパクトで軽いので、手が小さな私にとって使い勝手がちょうどいいです。数年たった今でも切れ味が変わらない優れものです。



中川政七商店では、一緒に働く仲間を募集しています。
詳しくは、採用サイトをご覧ください。

【ハレの日の食卓】奈良のお茶農家・嘉兵衛本舗さんの「番茶ぜんざい」

季節の行事や家族の誕生日、人生の節目になるようなタイミング。
ハレの日は、食卓もいつもより少し特別です。

この記事はそんなハレの日の過ごし方が気になって企画した、この時期だけの短期連載。
暮らしを楽しむ作り手さんに、どんな料理でハレの日の食卓を囲んでいるのか教えていただきました。

今回は、奈良県吉野郡にて、江戸時代から伝わる天日干しのかへえ番茶を中心に製造販売する、嘉兵衛本舗さんの「ハレの日の食卓」を訪ねます。

今回の取材先:

嘉兵衛本舗
長女・上野知佳さん(左)、次女・堤有佳さん(中央)、三女・井川恵里佳さん(右)

奈良県吉野郡大淀町にて、江戸時代から伝わる天日干しのかへえ番茶を中心に製造販売する他、中川政七商店の番茶シリーズでは「天日干し番茶」や季節限定の「ゆず番茶」を手がける。



有佳さん:

嘉兵衛本舗は江戸時代からお茶にまつわる商いをしており、厳密な記録は残っていないのですが、私たちで恐らく14~15代目になると思います。加工場に隣接しているこの場所は、私たちの実家であり、今は両親と三女が同居している家。三人とも結婚しているので、長女の知佳と次女の私は、それぞれ自宅から出勤してるんです。普段は畑や加工場に出勤してお昼休憩にここ(自宅)に来てお茶を飲み、また畑や加工場に出るというスケジュールが多いですね。

知佳さん:

うちをご紹介いただくときによく「老舗」って言っていただくんですけど、もともとのルーツは兼業農家なんですよ。お茶の他には野菜も作っていれば林業もやっていたし、おばあちゃんは養鶏もしていたし。2代前までは基本的に兼業で、そのうちの一つとしてお茶を作っていた歴史があります。その後、父の代からお茶だけに取り組むようになり、私たちもそれを受け継いで六次産業としてお茶の生産から加工、販売までしています。

有佳さん:

看板商品である「かへえ番茶」は、昔ながらの天日干しで製造しています。昔は三姉妹ともお茶業を継ぐつもりはなかったので、それぞれ会社員になったり専業主婦になったりとまったく違う道を歩んでいたのですが、大人になり仕事休みのタイミングなどで事業を手伝ううちに、うちのお茶の特殊性や良さがわかるようになって。

天日干しは外に干すので、雨が降っていたら作業が出来なくて、仕事は天気に左右されるんです。そういった大変さもあるし、手作業なので手間もかかる。子どもの頃は「どうして天日干しなんて面倒なことをするんやろ?機械でやればいいのに」って思っていましたが、手作業で天日干しをするのとしないのとでは、味はまったく違う。携わるほど父の代で嘉兵衛本舗を終わらせたくないと思うようになり、姉と妹を誘って、自分たちが継ぐことの覚悟を決めました。

知佳さん:

私も「うちのお茶をなくしたくない」とはずっと思っていたんですけど、最初は(自分たちで続けることが)出来ると思ってなかったんです。やりたくても私一人では難しいし、妹2人はそれぞれ家庭を持っていて子育てもしているので、誘えずにいました。だから、妹が「一緒に継ごう」って声をかけてくれたときは嬉しかったですね。

恵里佳さん:

普段は畑に出たり加工や出荷作業をしたりしているほかに、手づくり市とか番茶フェアとか、それぞれが気になるイベントを見つけてきては、出展することもあります。父も昔、お客さんと対話をしながらお茶を提案したい気持ちから、そごう百貨店さんのイベントでお茶の販売をしていたことがあったんです。その気持ちは、私たちも大事にしていますね。

有佳さん:

うちではもちろん煎茶なども作っているんですけど、人気なのはやっぱり番茶。父の代では煎茶を強い柱にしようと頑張ったみたいなんですけど、それでも番茶の人気は根強かったみたいです。その理由、つまり天日干しならではの良さを紐解いたのが、私たちという感じですね。色んな方とのご縁も番茶(の製造や販売)から生まれることが多いですし、嘉兵衛本舗にとっては本当に欠かせない、大切なお茶です。

恵里佳さん:

今はうちの要である天日干し作業は三人でやっていますが、その他にそれぞれ役割分担をしていて。長女はブランディングや全体の統括、加工場での作業を担当していて、次女は社外対応や新規お取引の契約まわり、私は通信販売の出荷作業や経理を主に担当しています。

有佳さん:

そうですね、でも一番大事な三女の役割は、長女と次女の緩衝材になることかもしれません(笑)。

知佳さん:

姉妹でやっているとどうしても、ストレートな物言いになってしまいがちですからね(笑)。そうやって三人のバランスがとれて、うまくやれている。姉妹で事業をやってるってなかなか珍しいとは思うのですが、私は子育ても落ち着いて、これからの生きがいをお茶に注げるのがすごく嬉しいし、ありがたいし、何より楽しいんです。これも妹が誘ってくれたからですよね。小競り合いはありますが(笑)、それぞれの存在にすごく助けられています。

嘉兵衛本舗さんの、ハレの日の食卓

知佳さん:

父から言われた言葉に「農業は待ってくれない」というものがあって。どうしても天候で動き方が決まるので、雨の日が続くと天日干しが出来なくて、その後のスケジュールがすごくタイトになる、みたいなこともよくあるんです。だから私たちのハレはお正月だけ(笑)。番茶作りがずっと続くので、皆さんが長期休暇を取られるようなお盆も、ご先祖様を迎える数日だけ少し休むくらいです。

恵里佳さん:

お正月は元日に絶対、三姉妹の家族がみんなここに集まるんです。全員で20人くらいになりますね。

母もおせち料理を作ってくれるし、私たちも各家庭で作った料理を持ち寄って、和洋中すごくたくさんの料理が並んで、もう大パーティー。しかもそれぞれの夫がよく飲む人たちなので、朝からずっと宴会みたいな感じで(笑)。でも私たち姉妹はあまりお酒が飲めないので、代わりに空いた時間に甘いものを食べたりしています。

有佳さん:

嘉兵衛本舗の「天日干し番茶」を使ったおぜんざいは、そのときに食べている定番のおやつ。いつものぜんざいを番茶で炊くと香ばしさが出て、あっさりしているのにコクや風味が増すんですよ。

使った小餅は、懇意にしている近所のお餅屋さんのもの。嘉兵衛本舗さんの天日干し番茶を練り込んだ番茶餅(手前)も

有佳さん:

そんな風にワイワイしている様子を父が嬉しそうに見ていたりして。休みこそなかなかゆっくりはとれないんですけど、うちは昔から七夕には父が竹を切ってきて流しそうめんをしたり、クリスマスになったら裏山からモミの木を切ってきたりして、行事を全力で楽しんでいました。そうやって、ハレの日や食べることを楽しんでいた父の精神が、思えば私たちにも受け継がれているかもしれませんね。

嘉兵衛本舗さんの「番茶ぜんざい」

材料(作りやすい量 ※5人分程度):

・番茶…1L(濃さは好みで調整)
・餅…適量
・小豆…200g
・砂糖…120g~200g(好みで調整) ※今回は120gで甘さ控えめにしました
・塩…ひとつまみ

作り方:

1. 番茶はあらかじめ作り、冷ましておく。

2. 洗った小豆を鍋に入れ、たっぷりの水を加えて強火にかける。

3. 沸騰したら5分煮立たせる。火を止めて蓋をし、30分ほど置いてアク抜きをする。

4. 小豆をザルにあげて湯を切り、番茶と一緒に鍋に入れる。

5. 火にかけ、沸騰したらとろ火で1時間煮る。

 ※40分ほど煮たら一度かたさを確認し、好みのかたさに煮えていたら次の工程へ。

6. 5に砂糖を加えて混ぜ、最後に塩を入れる。

7. うつわによそい、焼いた餅を入れたら完成。

使った商品はこちら:

漆林堂 真塗り椀 赤
拭き漆のお箸 削り 茶 細め
菓子木型の福よせ箸置き 鶴赤

※その他は取材先私物

文:谷尻純子
写真:奥山晴日

【あの人の贈りかた】新しい生活の幸せを願う、お祝いの品(スタッフ内山)

贈りもの。どんな風に、何を選んでいますか?

誕生日や何かの記念に、またふとした時に気持ちを込めて。何かを贈りたいけれど、どんな視点で何を選ぶかは意外と迷うものです。

そんな悩みの助けになればと、中川政七商店ではたらくスタッフたちに、おすすめの贈りものを聞いてみました。

今回は商品企画担当の内山がお届けします。

用途さまざまで修理もできる「RIN&CO. 越前硬漆 椀」

我が家の普段のおくりものは、いわゆる消えもの、季節のおいしい何か、が定番です。

それでも、特別な節目の贈りものには、長く使えて、ずっと気持ちが残るものを贈りたい。

例えば、2人目以降の出産祝いによく選ぶのが、RIN&CO.の越前硬漆のお椀です。

初めての子育てには思い描く風景があるだろうから、1人目のときは欲しいものを聞きますが、2人目からは、ソレドコロジャナイ‥‥みたいな返事が本当に多い(笑)ので、この食洗器対応のお椀を贈ります。

おかゆに取り分けのうどん、おやつのぼうろ、デザートのイチゴ‥‥、飯椀とも汁椀とも断言しがたいこのフォルムが何を入れても受け止めてくれて、違和感がありません。もうお茶碗があるなら汁椀に、汁椀も持っていたらおかずの小鉢に、と、何らか使い道が見つかりそうなところも、このお椀を選ぶ理由の一つです。

カラフルな色展開もポイント。このお椀を贈るときは、色違いで上の子にも一緒に贈ることにしています。赤系・青系それぞれ3種類ずつあるので、同性の兄弟でも色違いで選べるのが心強い。

小さな子どもに漆の器は難しそう、と思われるかもしれないけれど、刷毛目の硬漆は傷が目立ちにくいこと、子どものカトラリーは樹脂製や木製が多いため漆を傷つけにくいこと、いざとなったら修理ができるので、思い切って使ってみてほしいことも一緒に伝えます。

漆の食器は傷がついても、お願いすれば、直してもらえることがほとんどです。これから先、その子が傷つくことがあったとき、助けてが言える子でありますように、応えてくれる人に恵まれますように。カードに書く、「たくさんごはんを食べて元気いっぱいに大きくなりますように」の願いの後ろに、そんな願いも込めて選んでいます。

<贈りもの>
RIN&CO. 「越前硬漆 椀」

新しい名前が手になじむことを願って「筆ペン 鹿紋」

幼いころ習字に通わせてもらったはずなのに、毛筆が得意ではありません。

できるだけ避けてきたのに、結婚したらぐんとお付き合いの頻度が増えて、筆ペンで名前を書かなくてはいけない場面も増えました。

この筆ペンは、奈良筆にも使われる天然の破竹を使っています。書道教室は遠い記憶でも、太さや感触を手はちゃんと覚えているもので、この筆ペンだと「手になじむ」感じがして、習った角度ですっと持て、少しだけ上手に書きやすいような気がします。

こちらは、習い事のお友達や仕事で知り合った方の結婚のお祝いに選ぶことが多いです。

お互いに負担にならない価格ながら、桐箱入りで少しかしこまった風情のあるところ、まず誰のお祝いともかぶらない(笑)という安心感、毎日使うものではないけれど、あるといいよね、というところが、友達ほど親しくないけれどお祝いはさせてほしいな、という距離感の方にぴったりかな、と思って選んでいます。

結婚をして姓が変わる方は、最初は書きなれない名字に戸惑うことも多いもの。

わたしは、たった七画のシンプルな苗字になって、はじめはどうにも字のバランスが取れなくて困りました。

ちょっと練習してみようかな、と思わせる、懐かしさのある筆ペンで、早く新しいお名前がその手になじみますように、と願って贈ります。

<贈りもの>
・中川政七商店「筆ペン 鹿紋」

目に入るたび気持ちが晴れやかに「Sghr ミニベース」

ちょっとかたまり感のあるガラス製品が好きなのです。

Sghrさんのミニベースは5つの形がありますが、もう断然、この三角形のフォルムが、手に包んだ時の重量感が、ぶち抜けて好みです。

転職したとか、資格が取れたとか、ちょっとしたお祝いごとがあった友人へ、箱をきれいに包んでリボンをかけて、庭のユーカリや、季節がよければ山藤や山帰来(さんきらい)の小枝、何もないときは、よくできた造花を挟んで、花束代わりに贈ります。

どんな住まいでも置き場所が見つかるサイズ感、お花屋さんでわざわざ買ってきた花よりも、こぼれた花や、折れてしまった小枝が似合う、いじらしさ。

生ける花がなくても、オブジェのようなたたずまいに光が透けるだけで、ああ、なんかもう、きれい、と気持ちがさーっと晴れやかになります。

出しっぱなしで日々の暮らしに置いてこそ、心地よくなじんで、ますます好きになる。そんなアイテムです。

展開は何色かありますが、目に入るたびに、小さなハレの日を思い出して、まっさらな気分になってほしいと思って、選ぶのはいつも透明です。

<贈りもの>
・Sghr「ミニベース 三角形 」
・販売サイト:https://shop.sugahara.com/collection/minivase

※中川政七商店での販売はありません

贈りかたを紹介した人:

中川政七商店 商品企画担当 内山恭子