【はたらくをはなそう】茶論 店長 西優太廊

西 優太廊
茶論 奈良町店

2015年 遊中川 奈良町本店 配属
2017年 遊中川 奈良近鉄店 店長
2018年 茶論 奈良町店 店長



高校生の頃、通っていた商業施設に「遊中川」がありました。当時は店名を知らなかったのですが、店舗の入口にかかっていた麻の暖簾がとても印象的で、お店の前を通るたびにその暖簾を眺めていた記憶があります。

入社のきっかけは大学在学中に日本のものづくりに興味を持ち、中川政七商店を知ったこと。

あとから、高校時代に見かけていたあの麻の暖簾のお店も「中川政七商店」のお店だったと知り、この会社で働いてみたいと思い、店舗スタッフとして入社しました。

日本の工芸をベースにした生活雑貨の企画・製造小売とともに、茶道具関連の事業も展開する中川政七商店。私自身も入社して間もなく、社内で行われた茶道研修に参加したことがきっかけで、「茶道」を学び始めました。

現在は中川政七商店の茶道ブランドである「茶論」奈良町店の店長として、喫茶・稽古・見世を運営しながら、季節の茶会やイベントの企画、企業への茶道研修、出張稽古などを行っています。

仕事をする上で大切にしていることは「向き合うこと」です。

忙しくなり、つい、いろんなものを蔑ろにしてしまうとき、あえて一つ一つと向き合っていこうと意識します。

目の前の相手のために様々な準備を重ね、一つ一つの所作を丁寧にして一服のお茶を点てるように、仕事も一つ一つの積み重ねを大切にしていきたいと思います。

この仕事をしていて本当によかったと心から思う瞬間は、茶論を通じて「お客様に茶道の魅力が伝わった」と感じたとき。

最近は一緒に働くスタッフが同じようにお茶の魅力を語り、活躍する姿を見ると嬉しい気持ちになります。

これからもお茶での一服の価値を、多くの人に届けていきたいと思います。



<愛用している商品>

「油汚れも落ちやすい」ごはん粒のつきにくい弁当箱 大

サイズ感がちょうどよく、食べ終わった後もごはん粒がつきにくいので洗いやすい。見た目や質感も手作業ならではの風合いが感じられて嬉しい。そんな愛用品です。

筆ペン

日頃お世話になっている方へ宛てた手紙、年賀状、冠婚葬祭、少しあらたまって文字を書く際にはいつも使っています。

ビールのための純銅カップ

使えば使うほど銅の味わいも愉しめるカップ。サイズ感もお気に入りです。

【はたらくをはなそう】物流課 梅本洋平

梅本洋平
物流課


2014年 直営店の販売スタッフとして入社
2015年 通販課配属
2017年 物流課兼任



入社したきっかけは、初めて訪れた表参道ヒルズにあったお店で、手しごとを感じる商品の佇まいや、お店のスタッフがとても丁寧に商品を扱っている様子を見て、他の雑貨店とは違う空気感に感動したことです。

その前から中川政七商店の本を読んでいて、会社のことに関心はあったのですが、このお店での体験を通して自分も働いてみたいと思いました。

現在は通販のお客様からの受注と出荷を行うチーム、直営店の物流に関わる支援を行うチーム、障がいをもつスタッフのマネジメント、物流の業務改善を担当しています。

仕事をする上で大切にしている姿勢は”協働”です。

私が考える協働は、

・それぞれの強みを活かし、弱みを補い合える
・一人で問題解決するよりも、高いレベルでの問題解決ができる

の2つ。

そのために、実践しているのは、『話しにくい環境をなくすこと』です。

私には”話しやすい環境を作る”は仰々しく、
少し構えてしまうので、”なくすこと”を意識しています。

多様性のあるメンバーの力を最大限発揮できるよう、一人ひとりの意見を積極的に聞くように心がけていると、自分の発想には無いアイディアが生まれることも。
前向きなディスカッションは、仕事をする上でもっとも楽しい時間です。

協働は社内だけにとどまらず、取引会社の方、障がい者就労支援機関の方など、皆さんとの協働なくしては成り立たないものです。

まだまだ、力不足な部分もありますが、より良い環境作り、良い仕事が出来るよう、今後も取り組んでいきたいです。

店舗のように相手の顔が見えるわけではないですが、
スタッフの心配りや、どこか手の温もりが感じていただけるような物流、購買体験をお届けできるように努めます。


<愛用している商品>

ソフトパックティッシュのカバー

ソフトパック専用のティッシュケースで気に入るデザインのものを見つけることが出来ず、箱ティッシュを使い続けていましたが、これに出合ってからはシンプルなデザインと質感が気に入り愛用しています。

乾きやすいハンガー

厚手のパーカーなどを干す時に重宝しています。使わない時は、折りたためるため嵩張らず保管のストレスもありません。


「彩り豊かな」花ふきん 3枚セット(箱入り)

友人への贈り物やちょっとしたお返しの際によく利用しています。
贈る人に合わせて柄入りのふきん、季節のふきんを選ぶのも◎

【あの人の贈りかた】台所道具に、料理へのエールを込めて(スタッフ谷尻)

贈りもの。どんな風に、何を選んでいますか?

誕生日や何かの記念に、またふとした時に気持ちを込めて。何かを贈りたいけれど、どんな視点で何を選ぶかは意外と迷うものです。

そんな悩みの助けになればと、中川政七商店ではたらくスタッフたちに、おすすめの贈りものを聞いてみました。

今回は編集チームの谷尻がお届けします。

料理がグンと楽しくなる「食洗機で洗えるひのきのまな板」

食べるのが大好きな私ですが、作るのはそこまで得意なわけでもなく、気分がのらない日もたくさん(いや、毎日‥‥?)。とはいえ疲れて料理をしたくない日も生活は続くので、少しでも作る気持ちを楽しくしたいと思い、一人暮らしを始めてから10年以上、台所周りの道具や、料理を格上げしてくれそうな調味料の収集を、もはや趣味のように続けています。

料理をするなかで、自分の食卓事情をグッと豊かにしてくれたのは、木のまな板と土鍋の存在。すいすいストレスなく食材が切れて、ふわふわもっちりのごはんが炊ければ、それだけで料理はこんなに心嬉しく、食事も美味しくなるのかと、それぞれ気付いた日には本当に感動しました。

台所道具って意外と、料理を始めた頃に何となく買ったもののまま、ということが多かったりしませんか?「とりあえず使えるから」と思って使用を続けてきたけれど、よい道具を迎えるとやっぱりウキウキするし、料理がラクになる。「家しごとのストレスが減り、少しでも楽しい時間になれば」。そう考えて、台所道具を人にあげることがままあります。

とはいえ土鍋は嵩張りますし、何よりデザインも大切な“好き”の一つなので、人に贈るには少し勇気が必要。一方、まな板はそれほどハードルが高くないのでは‥‥と思ってから、時々、友人を中心に暮らしに合いそうなものを贈っています。

木のまな板のよいところは包丁をしっかりと受け止めてくれるところ。プラスチックのまな板と違い刃が滑らないので、みじん切りや千切りもストレスなく捗ります。

けれど、少し気になるのはその重さ。まな板に厚みがあれば安定して切れるのですが、その分重さも出てしまい、片手でひょいっと持ち上げられず、作業がスムーズにいかないこともあるので要注意です。サイズとともに重さは大切な確認ポイントだと思います。

私のお気に入りは当社の「食洗器で洗えるひのきのまな板」。会社のキッチンスペースに置いてあったものを使った際に、そのよさに気付き、これは!と嬉しくなりました。

一般的な木のまな板に比べると薄いのですが、包丁をおろしたときに刃がストンととまる感覚があり、何より軽い!おまけに食洗機に対応とは、推しポイントしかありません‥‥。

夫が一人暮らし時代にマルシェで迎えたという我が家の木のまな板は、もう10年選手。そろそろ買い替え時なので、こちらを自分にも贈りたいなと企んでいます。

<贈りもの>

中川政七商店「食洗機で洗えるひのきのまな板 小」
※大サイズもあります

ちょっと添えるのに便利で重宝「植物由来のにごり湯の素」

「仰々しくない程度に、気のきいたものを渡したい」
「プレゼントの予算まであと少しだけ余裕がある」

そんなときによくお世話になっているのが、「植物由来のにごり湯の素」です。ユズ・スダチ・ショウガと3つの香りがあり、それぞれ、その植物と米ぬかのみで作られた、香料・着色料不使用の浴用パックです。

家に残る物だと趣味があるし、食べ物も好き嫌いがあるし‥‥と悩むなか、入浴剤なら貰っても困らないし、いつもの暮らしにちょっとだけ幸せな時間が生まれる。何より、植物の香りでリラックスしてほしいという想いも込められるので、とても重宝しています。

自分自身もそうなのですが、忙しいとついついお風呂に入る時間を疎かにしてしまう方は多いもの。でもやっぱり、熱いお湯に浸かって一日の疲れをとってほしいなと思うわけです。

こちらの品は米ぬかのとろみが肌にやわらかくあたり、香りもくどくなく、さっぱり爽やかなので、しっかり長風呂を楽しんでいただけると思います。

いきいきと植物が描かれたパッケージもとっても可憐で、「あの人にプレゼントしよう」と手に取るとき、ついつい「自分の分も‥‥」と買ってしまう大好きな商品です。

<贈りもの>

中川政七商店「植物由来のにごり湯の素」

【番外編】季節の景色を贈る「季節の花束」

中川政七商店の品以外からも、一つ。

私はお花が大好きで、まちのお店に通うことはもちろん、サブスクリプションのサービスを利用したり、旅先のお花屋さんをめぐったりしながら、普段の暮らしのなかによく迎えています。

気軽に旬や色を取り入れて自宅の印象を変えられるところや、暮らしのなかに自然のものがある景色が好きなのだと思います。

なくても困らないけれど、あるのとないのとでは、明らかに心持ちが違う。もらったら、気分が明るくなる。自分では意外と買わない。ちょっと派手な色も、冒険して贈れる。相手の負担にならないような、予算の調整も意外としやすい。

「花を贈る」と聞くと、たいそうなことに感じる人も多いようですが、私はこんな風に考えながら、気軽に贈っています。

近くのお花屋さんでお願いすることもあれば、全国に“推し”のお店もあり、贈りたい相手のイメージに合わせて毎回お店は変えています。

ご紹介している写真は、東京に暮らしていた時代に足しげく通っていたmalta(マルタ)さんの花束。庭から摘んできたようなグリーンの使い方と、一癖ある花の合わせ方が絶妙に好みで、はじまりの機会をお祝いしたいとき、力強い草花の姿を応援に変えて届けたいと、よくお願いしています。

その人のイメージや贈りたい気持ちを言葉にしながら、花束をオーダーする時間も、またとても楽しいものです。

<贈りもの>

malta「季節の花束」
https://maison-malta.com/


贈りかたを紹介した人

中川政七商店 編集担当 谷尻純子

【暮らすように、本を読む】#01『料理と毎日』

自分を前に進めたいとき。ちょっと一息つきたいとき。冒険の世界へ出たいとき。新しいアイデアを閃きたいとき。暮らしのなかで出合うさまざまな気持ちを助ける存在として、本があります。

ふと手にした本が、自分の大きなきっかけになることもあれば、毎日のお守りになることもある。

長野県上田市に拠点を置き、オンラインでの本の買い取り・販売を中心に事業を展開する、「VALUE BOOKS(バリューブックス)」の飯田光平さんに、心地好い暮らしのお供になるような、本との出合いをお届けしてもらいます。

忘れたくない日々を、食卓に書き連ねて。『料理と毎日』

日々、目の前を流れていく景色を、大切に受け止める。

それは、今が盛りの食材を活かした料理を食すのと同じくらい、「旬を味わう」ことなのだと、本書を読んで思い至りました。

『料理と毎日』は、料理家である今井真実さんによる、1年間のキッチンメモをまとめたもの。単なるレシピ集ではなく、その題のとおり、毎日の出来事や家族とのやりとりが、献立に添えられています。

体操教室の体験に行くも、不安になって抱きつく息子。でも、最後には楽しんで笑顔で帰路につく。そんな日の、「トマトのねぎ味噌あえ、パルメザンチーズ」。

節分の日。鬼に扮した夫に容赦なく豆が飛び、最終的には家から締め出されてチェーンまでかけられてしまう。そんな日の、「トマトハンバーグ」。

日記も、レシピも、自然体の短い言葉でまとめられていて、その肩の力が抜けた構成の読み心地がなんとも気持ちよくて。「自由なおでん」と書かれた日の翌日の献立が「おでん2日目」となっているところにも、思わず頬が緩みます。

幼稚園の送り迎えをすること、夫と映画を見に行くこと、ひとりお風呂で読書をすること。その1日の中では確かなイベントも、時が経つにつれ彩りは薄れ、忘れたことさえ忘れてしまいがちです。昨日食べたものさえ、頭をひねらないと思い出せないように。

今しか出合えないものを、日記で、食卓で、丁寧にすくいあげていく。旬を味わうために必要なのは、技術ではなく、「気がつくこと」なのかも知れません。

さて、肩の力の抜けた本、と書いたものの、巻末には素材別・料理別の索引がしっかりと添えられています。押さえるべきところは、押さえる。プロのこだわりが垣間見れる心づかいによって、ますます本書が好きになってしまいました。

ご紹介した本

・今井真実『料理と毎日』

本が気になった方はぜひ、VALUE BOOKSさんで:
VALUE BOOKSサイト『料理と毎日』

※先着50冊限定!ご紹介した書籍をVALUE BOOKSさんでご購入いただくと、中川政七商店の「レモン番茶」が書籍と一緒にお手元に届きます。詳細は、VALUE BOOKSさんのページをご覧ください。


VALUE BOOKS

長野県上田市に拠点を構え、本の買取・販売を手がける書店。古紙になるはずだった本を活かした「本だったノート」の制作や、本の買取を通じて寄付を行える「チャリボン」など、本屋を軸としながらさまざまな活動を行っている。
https://www.valuebooks.jp/


<同じ連載の記事はこちら>
・【暮らすように、本を読む】#02『おべんとうの時間がきらいだった』

<台所、料理に関する特集ページはこちら>
佇まいと勝手のいい台所道具
中川政七商店の調味料
毎日使いたい定番のうつわ
旬の手しごと

【はたらくをはなそう】中川政七商店 店長 芦田陽香

芦田陽香
中川政七商店コレド室町店 店長


2015年 中川政七商店みなとみらい店 入社前アルバイト
2016年 入社 
     遊中川 ルクア店 配属 
2017年 遊中川 ルクア店 店長
2017年 中川政七商店 ジェイアール名古屋タカシマヤ店 店長
2019年 中川政七商店 大名古屋ビルヂング店 店長
2021年 日本市 エキュート東京店 エキスパート
2021年 中川政七商店 コレド室町店 店長



中川政七商店を知ったきっかけは、就活を控えた2014年に放映されたカンブリア宮殿でした。

仕事について考えるときに、「将来何がしたいか」「どうなりたいか」という軸ではなかなか考えられなかった私ですが、おじいちゃんやおばあちゃんの家が好きで、田舎で育ったのもあり、古いものやものづくり、伝統的な文化や風習に対しては、「なんか好き」という気持ちや「こういうのがなくなってしまったら悲しい‥‥」という思いを持っていました。

番組を見て、中川政七商店が「日本の工芸を元気にする!」というビジョンに向かい事業を進めていることを知り、「そんな気持ちと仕事が結びつくなんて!」「会社のビジョンが意思を持っているなんて!」と驚き、この会社で同じ価値観を持って同じ方向を向いている人たちと一緒に働きたいと思い、ご縁あって300周年という節目の年に入社しました。

現在は都内の店舗で店長として、とても頼もしいメンバーと一緒にお店に立っています。

日々のお仕事のなかで、大事にしていることは「正しくあること」と「気持ちよくいる(ある)こと」です。

前者は、当社ではたらくうえでの心構え10か条が書かれた「こころば」にも含まれる言葉で、会長や社長からのメッセージでもあります。

自分に対して、お客さんに対して、同僚に対して‥‥人として正しくあるか。

直感的に思う「正しい」を大切にできているか。

いろいろな理由をつけてそれを後回しにしたり、曲げてしまうこともありますが、ふっとこの言葉を思い返しては「あかんあかん!」と自分に喝を入れて背筋を伸ばすようにしています。

後者は接客のなかで大事にしている言葉です。お店は、いろいろな人の手を経てできあがった商品を最終的にお客様にお届けする場所であり、会社や商品、作り手さんとお客様との接点でもあります。

そんなお店で、お客様を気持ちのよい笑顔でお出迎えし、気持ちのよい空間で気持ちのよい時間を過ごしていただけるよう、そして自分たち自身も気持ちよく働けるように整えることを意識しています。

なかでも嬉しいのは、やっぱりお客様からのお言葉です。「これ使ってるの!」と教えてくださったり、「いい商品に出合えた」「気持ちのよい買い物ができた」などと言ってくださったりすると、心のなかでは小躍りするくらい喜んでしまいますし、こちらこそ商品を手にとっていただいてありがたく、作り手さんからお客様への橋渡しができたことが嬉しい限りです。

中川政七商店には暮らしのなかで使う商品が並んでいます。各商品の”推しポイント”をしっかりとお伝えし、愛着を持って使っていただけたら嬉しいです。

お客様それぞれにご来店の目的も気持ちのよいお買い物の仕方も違うと思いますが、私たちのお店や接客を通じてよい出合いを見つけていただけるよう、力を尽くしていきたいです。


<愛用している商品>

夏の麻スリッパ

先輩に、「芝生の上を裸足で歩いてるみたいだよ!」とおすすめされて試すと、まさにその通りの爽快感に感動し、数年愛用中。べたつかず、裸足で履いて気持ちがよい、汗っかきな私の夏のマストアイテムです。

植物由来の保湿化粧水 

シンプルに丁寧に保湿をしてくれる化粧水で、季節を問わず肌のうるおいを保ってくれている感じがします。柚子の香りも心地よいので、癒されながらこれまでよりもゆっくりと肌をケアするようになりました。

常滑焼きの塩壷常滑焼きの砂糖壷

塩壷と砂糖壷をセットで使っています。陶器の調湿機能を利用して塩や砂糖を固まりにくくしているのが面白く、またふたつ並んでいる姿が可愛らしいのもあって愛用中。使い勝手もよく、これからも使い続けたい商品です。

2&9シリーズ

「しめつけないくつした」、「さらっとするくつした」など、各靴下の特徴をストレートに表現したネーミングに加えて、何より奈良でつくられたこの2&9(ニトキュウと呼びます!)は、機能性もデザインもとてもいいんです。季節ごとにシリーズを変えながらほぼ毎日履いていて、足元からその日の私を支えてくれる心強い相棒たちです。

【旬のひと皿】トマトのはちみつマリネ

みずみずしい旬を、食卓へ。

この連載「旬のひと皿」では、奈良で創作料理と玄挽きの蕎麦の店「だんだん」を営む店主の新田奈々さんに、季節を味わうエッセイとひと皿をお届けしてもらいます。



もうすぐ夏。たっぷり太陽の光を浴びた夏野菜が美味しい季節です。毎年、桜の咲く頃に「今年こそは畑をやりたい」と張りきるのですが、いざシーズンに突入すると夏の暑さに手入れをめげてしまうこと、数回‥‥。今年は、収穫は期待せず成長観察と思って見てみようと、春に数種類の野菜の種を買ってきて、我が家の小さな畑に撒きました。

なんとか育ってくれたのがミニトマト。他の野菜は発芽しなかったり、発芽はしたものの大きくなる前に元気がなくなったり。こうして小さな家庭菜園をしていると、さまざまな天候のなかでもコツコツ育ててくださる方のおかげで、毎日新鮮なお野菜を食べることができているのだなと改めて感じます。本当にありがたいことです。今あるものを大事に工夫して、美味しく食事できたらなと思います。

家庭菜園より

さて、ここ奈良でもだんだん暑くなってきて、スーパーや産直市場の売り場には夏野菜がたくさん並ぶようになりました。少し前まで筍だ!いちごだ!と喜んでいたのに、季節が変わるのは一瞬ですね。過ぎ去っていく季節のスピードに負けないよう、彩り豊かな夏野菜を楽しみながら食卓も賑やかにしたいものです。

この「旬のひと皿」の連載、初めてのひと皿で扱う食材は「トマト」にしました。そのままでも食べられるし、焼いても煮ても万能!優秀〜!なトマト。記憶に残るトマト料理は、ご近所にある美味しいスペイン料理のお店で食べたひと皿です。パエリアに魚介と半分に割ったトマトがどーんと入っていて、熱々のトマトがじゅわっと口の中で溢れだす夏の味は忘れられません。トマトを見るたびに楽しい時間を思い出します。

今回ご紹介するひと皿は、気負わず作れてほぼ火も使わない、あっという間にできる「トマトのはちみつマリネ」です。レシピでは大玉トマトを使っていますが、ミニトマトもおすすめです。さっぱりしているので、食欲のない日でもパクパク食べられそうです。

トマトのマリネ液は、はちみつと赤ワインビネガー(もしくは、りんご酢)、オリーブオイルを「1:1:2」程度の割合で作っていますが、お好みやトマトの量によって調整してください。ほんのりとした酸味が夏にぴったりなので、ぜひお気に入りのお酢で作ってみてほしいです。

最近、保育園に通う小さな友達ができました。まだ緑色のトマトを一緒に見て、真っ赤になったら食べにきてねと話していたら、保育園でも作っているから交換しようという話になりました。

この夏は暑さに負けず、かわいい友達との約束を守りたいなと思っています。

<トマトのはちみつマリネ>

材料(2人分):

トマト…2個(お好きなトマトと、お好きな量で)

◆基本のはちみつマリネ液
はちみつ…大さじ1杯
塩…2つまみ
赤ワインビネガー(または、りんご酢でも)…大さじ1杯
オリーブオイル…大さじ2杯

つくり方:

大きな鍋にたっぷりの湯をわかす。トマトのおしりに十字に切り目を入れる。鍋のお湯がぐつぐつと沸騰したらトマトを10秒ほど鍋に入れる。皮が剥がれてきたらおたまですくい冷水に落とし、冷めたら皮をむく。大玉トマトを使う場合は、ここでくし切りにする。

小さめのボウルに、はちみつと塩、赤ワインビネガーを加え、よく混ぜ合わせる。オリーブオイルを入れたら再度混ぜ合わせ、トマトを漬け込む。冷蔵庫で数時間置いたら、できあがり。

【ひとこと】
・時間がない場合はトマトを湯むきせず、包丁でむいても大丈夫。
・ミニトマトを使用するとひと口でマリネされたトマトを味わえて、これもまたおすすめ。

アレンジ編:<夏野菜のきまぐれサラダ


お好みの野菜(今回はきゅうりと蒸したトウモロコシ)を食べやすい大きさに切る。パセリ(または青じそなどのお好みのハーブ)を粗みじん切りにする。フライパンに卵を割り入れ、クミン(なくてもOK)と塩をぱらぱらと振り、半熟の目玉焼きを作る。トマトのマリネ、きゅうり、トウモロコシをお皿に盛り付け、目玉焼きをのせる。上からパルメザンチーズをふりかけ、パセリを散らしたら完成。


【ひとこと】

たくさん作ったトマトのマリネ。一日目はそのまま食べて、2日目はたっぷりの野菜と一緒にサラダにしました。目玉焼きをのせてチーズを振れば、ボリュームとコクが出て満足のひと皿に。夏野菜の鮮やかな色合いが、食卓を夏の装いにしてくれます。

さらにこの他にも、食欲のない暑い日は、お肉やお魚をさっと焼いて付け合わせにしたり、小さく切ったトマトマリネをぎゅぎゅっと絞ったレモンと和えてソースにしたりと、いろんなアレンジでさっぱり食事をいただけます。

うつわ紹介

・基本のひと皿:RIN&CO. 越前硬漆 平椀(INDIGO 02)

・アレンジのひと皿:小鹿田焼の平皿(白刷毛目 浩二窯)

写真:奥山晴日



料理・執筆

だんだん店主・新田奈々

島根県生まれ。 調理師学校卒業後都内のレストランで働く。 両親が母の故郷である奈良へ移住することを決め、3人で出雲そばの店を開業する。  
野に咲く花を生けれるようになりたいと大和未生流のお稽古に通い、師範のお免状を頂く。 父の他界後、季節の花や食材を楽しみながら母と二人三脚でお店を守っている。