土鍋でことこと七草粥。お正月気分が落ち着いたら七草の節句です

「せりなずな ごぎょうはこべら ほとけのざ すずなすずしろ これぞ七草」

5・7・5・7・7のリズムで詠う「春の七草」は、声に出してみるだけで何だか気持ちがすっきりします。1月7日は七草粥をいただく日。

五節句の最初に当たる「人日 (じんじつ) の節句」の日で、新年の1日から6日まで獣畜をあてはめて、7日に人の運勢を占うという中国の年中行事に由来します。

日本では「七草の節句」として、おなじみですね。

かつては、春のはじめに生える若草を摘み、6日の夜に『七草囃子』を歌いながら包丁とまな板でトントンと大きな音で刻むことで、邪気が祓われるといわれてきました。

そうして刻んだ七草を7日の朝にいただくという習わしです。

残りご飯でも簡単につくれますが、時間があるならば火のあたりがゆっくりと伝わる土鍋を使ってお米から炊くと、ふっくら美味しく炊きあがります。

「松山陶工場」の「あたためなべ」はお粥にぴったり
「松山陶工場」の「あたためなべ」はお粥にぴったり。三重県伊賀の耐熱土を使ってつくられた丸みのある土鍋は、万能な調理道具の行平鍋をベースにデザインされたもの。調理後、鍋ごと食卓へ出せるのもうれしい

白いお米に鮮やかな緑がうつくしく、体にも優しい七草粥は、お正月のごちそうでちょっと疲れてしまった胃を休めてくれるちょうどよい食べもの。

節句や歳時記でいわれのある習わしは、その季節を暮らす人々の身体のリズムにもつながっているものですね。

毎年、あれよあれよとあっという間に春夏秋冬が過ぎてしまいますが、今年はもう少し季節を感じながら、この1年をていねいに過ごしてみたいな、と思います。

<掲載商品>
松山陶工場 あたためなべ ※中川政七商店直営店にて販売
庖丁 万能170mm 三徳(庖丁工房タダフサ)

<参考文献>
中川政七商店編著(2016)『中川政七商店が伝えたい、日本の暮らしの豆知識』PHP研究所.

文:杉浦葉子
写真:木村正史

※この記事は2017年1月7日公開の記事を、再編集して掲載しました。

【わたしの好きなもの】萬古焼の耐熱土瓶


こぽこぽと沸く音が、くつろぎ時間のはじまり

冬本番を迎えて、温かいお茶が欠かせない日々をおくっています。
今までは電気ケトルでお湯を沸かしていましたが、この土瓶が来てからは、断然土瓶派に!
もちろん、買うまで迷いました。。電気ケトルは便利です。湧いたら勝手に電源が切れるし、料理の時は絶対使うからいらないなんてことはない。
それに、常に出しておく道具をもう一つ買って邪魔にならないか‥‥。

結論、買いました。
なくてもいいかもしれないけれど、あると幸せな気持ちになる。
飲む分量しか入れないのと、土瓶の保温性のおかげで意外と早くお湯が沸くので、カップやおやつを用意していると、こぽこぽとお湯の沸く音が。

夜の少し暗いキッチンで、ガスの火とこの音の雰囲気が、「さて、ゆっくりしますか」という気持ちにさせてくれます。このひとときがたまりません。




やかんほど大きくないので、キッチンを圧迫することなく、ちょこんとそこにいる感じです。
私はたっぷり飲むのでマグカップ派です。さらに2杯は欲しいので、多めに沸かします。
マグカップでたっぷり、2杯は飲みたいので、少し多めに沸かしていますが、保温性が高いおかげで2杯目も温かさが残っています。仮に冷めてしまっても、そのままコンロで温め直しができるので、とても気軽です。




夜は、ほうじ茶や番茶をよく飲んでいて、どちらも土瓶にバサッと入れてちょっと待ったら出来上がりという感じで、気軽に淹れています。
目盛りが付いているおかげで、お湯の量に関しては今までよりもちゃんと淹れることができているはず‥‥。




帰宅後の時間は1分でももったいないと、毎日がバタバタです。でも、便利な家電の中にこういうちょっと手がかかるけど、それ以上にほっとさせてくれる道具があってもいいなと、毎晩こぽこぽお湯が沸く様子を眺めています。


編集担当 今井

<掲載商品>
萬古焼の耐熱土瓶 飴
小鹿田焼のマグカップ
番茶 大袋 深く濃い 天日干し番茶 ティーバッグ15包入

【わたしの好きなもの】綿シルクのネックウォーマー

首元を守ってくれる綿&シルクコンビ!


私は冬の寒さが大の苦手で、冬になるといち早く冬用の靴下やインナーを着込みます。もちろん出かける時の首元もあったかくして出かけたい。

ということで、私が出勤中のリュックに常に入れているのが、綿シルクのネックウォーマー。2015年から販売している冬の定番品。
もちろんマフラーやスヌードなど服装に合わせて使うものも、いろいろ持ってるんですよ。しかし、このネックウォーマーはお守りみたいなもので、寒くてしょうがない時にどうにかしてくれるアイテムなんです。




ネックウォーマーのいいところは、マフラーやスヌードよりも首にぴったりしてて、ずれないし、なんといっても風が入ってこない!この隙間風みたいなのが、意外と寒さを感じやすくするといいますか、マフラーだとつい首全体を覆えるように手で持ってしまいます。しかし、これだとずれないし、あご辺りまで覆えるし、かさばらないので分厚いダウンだったら内側にすっきりと収まります。
自転車でも万全の防御で風から守ってくれます。




商品名にもあるように、素材には綿とシルクが使われています。あれ?ウールじゃない?ってなりませんか。しかし、冷え取り靴下など「冷え」に詳しい方ならご存知の綿&シルクの最強コンビ!
肌にあたる内側(絹)は通気性によって蒸れにくく、保温性にも優れ、外側(綿)が温かさを包み込んで、ふんわりと柔らかい仕上がりになっています。ちくちくしないし、着脱するときの静電気もないので、髪の毛がぼさぼさになりません。
着けて少し経っただけで、じんわりとあったかくなって、それからは首元が一番あったかいんじゃないかと思うくらいぽかぽかしています。冷えた指先もずぼっと入れて温めたりしています。




私のお気に入りは、家でも着けれるところ。
マフラーはもちろん邪魔になるし、スヌードも家の中ではもこもこしすぎて、ウールだと顔に当たったりすると気になる。この装飾がなくスッキリした形だと、邪魔にならないし、金具が付いていないので、ハイネックを着ているような感覚で、つけてることを忘れるくらい。寒がりなので、すぐに暖房に頼るところ、あったか小物でちょっとエコに、暖房のつけすぎにも貢献してくれます。
私は着けて就寝することはないのですが、うたた寝することはしばしば(笑)。朝のゴミ捨てや洗濯干しなど、寒さに耐え忍ぶ時も、ずぼっとかぶって装着。なかなか温まらない冷えた部屋でも万全です!




軽くてかさばらないし、締め付けないので、ピッタリとしたハイネックが苦手な私には、冬の救世主ということで、今年もお世話になっております。
今年は、学生服にもちょうどいいと息子に取られがちだったので、、、もう1枚追加しました!

編集担当 宮浦


<掲載商品>
綿シルクのネックウォーマー

【わたしの好きなもの】益子のビルマ汁

簡単にできる!酸味と辛味であったか鍋


「ビルマ汁」って何?
ほとんどの方は、そう思われるのでは。
栃木県益子町田町でもごく一部の地域で、家庭料理として親しまれている「ビルマ汁」。
トマトの酸味に唐辛子のピリ辛、カレーの風味が効いた旨みたっぷりのスープです。



クセになるおいしさで、夏はさっぱりと食べやすく、我が家のやみつき料理に仲間入り。
夏野菜を足して栄養アップしたスープは、何度も食卓に登場しました。
肌寒くなってきたこの頃は、さらにバージョンアップして「ビルマ汁鍋」に!



すごく簡単で、カレーのスパイスとピリ辛で身体がホカホカにあったまります。
レシピというほどではないですが、作り方のご紹介。

1. 「益子のビルマ汁」1袋と同量の水を鍋に入れる
2. 1を火にかけて温まってきたら、固形スープの素を1つ入れて溶かす
3. お好みの野菜を入れて火が通ったら出来上がり
※これで2、3人分くらい。お鍋として主役の料理にするなら2袋分で作るのがおすすめです



冷蔵庫の余り物の野菜で、だいたいのものが合います。
我が家は、キャベツ、かぼちゃ、玉ねぎ、きのこなどに鶏肉or豚肉、ソーセージがよく登場。
もともとゴロっとしたじゃがいもが入ってるので、それも具材の一つになります。。

この美味しさ、なかなかうまく伝えられないのですが、スパイシーなトマト鍋、という感じでしょうか。
とにかく会社でスタッフに実演アピールするくらい、私はビルマ汁鍋を推しています(笑)。

夕食にビルマ汁鍋を作って、朝に残りのスープをパンと一緒に食べても美味しいし、
シメにうどんを入れて夜食にしたら、テスト前の子供も満足。
いろんなタイミングでアレンジが効きます。
自分では難しい味付けをすっ飛ばして、ささっと迷わず美味しくできるのがレトルトのいいところですよね。
本場・益子でも食べてみたいなと思いを馳せながら、ぬくぬくとおうち時間を過ごしております。


<掲載商品>
益子のビルマ汁

編集担当 平井

【わたしの好きなもの】Fabrico NEKO

猫アレルギーな私に幸せをくれたネコクッション


私は大の「生きもの」好き。
それは、共にはたらく中川政七商店の皆には周知の事実。
哺乳類・爬虫類・昆虫…  本当に、生きているものすべて愛しいのですが
特に好きなのが「もふもふ」のもの。
ふんわりとした毛並みに、やわらかな抱き心地…
そう、特に猫なんか飼えたら最高なのですがー…

悲しいかな、何と私は猫アレルギー。

直接抱っこしようものなら、目が充血し、くしゃみが出て、のども痛くなります。
それでもやはり大好きで、猫がいるお家に行く際には、事前に薬を飲んで 覚悟をして(笑)臨みます。


そんな悲しい運命を背負った私が巡り合ったのが、fabricoのNEKOクッションでした。



初見。形は、確かに可愛い。いわゆるデフォルメした猫ではなく
そこに本当に佇んでいるかのような自然なシルエットが好感的。



「でも、要するに猫型のクッションでしょう…?」とあまり期待せず触れてみると、その手触りに驚きました。
世界に誇るパイルファブリックの産地、和歌山県 高野口で作られたフェイクファー生地は
なめらかに吸い付くような触感で、大げさではなく本物の猫を撫でているよう。
裏面もしっとりとしたモケット生地で、思わずずっと触れていたくなる気持ちよさ。
「心地いい」という質感への尋常ならざるこだわりと、産地の確かな技術力を感じます。



私は家と会社にも置いてるのですが、休憩中、膝の上に乗せて撫でていると何とも幸せ。
打ち合わせなどで席を外して戻ってきたときに、
ちょこんと椅子にいるのを見ると、思わず顔がほころぶような存在感。
使っている時だけでなく 使っていない時も、それがあるという風景がまた愛らしいのです。



「いつかは猫が飼いたいけれど、今は当分これでいいかも…」
なんて思いながら、今日もひと撫で、一日を過ごしています。


<掲載商品>
「ふわふわの猫型クッション」
「本物のような猫型クッション」

編集担当 宮原

【わたしの好きなもの】季節のしつらい便 お月見


家族で歳時記を楽しむキット


 
節分、ひな祭り、端午の節句、七夕など、日本に古くから伝わる年中行事の数々。
 
季節の移ろいを感じたり、伝統文化に触れるきっかけになったり、日々の生活に節目をつけてくれる素敵な風習だなと、最近はしみじみ感じています。
 
伝統的な行事でありつつ、子どもから大人まで、家族みんなで気軽に参加できるのもいいですよね。我が家も上の子がもうすぐ5歳。一緒にやれることもいろいろと増えてきました。
 
そんな中、これからの季節、夏の終わりから秋にかけて何か楽しめる行事はないかなと考えていたところ、親子で手軽に楽しめる「お月見飾りセット」なるものが登場。


お月見といえば、あの白くて丸いお団子が美味しそうだし、なにより最近宇宙にハマっている息子は「月を見る」という行為に興味を持つはず。さっそく、やってみることに。
 


水をいれてこねるだけ。簡単につくれるお月見団子


 
いきなりお月見と言ってもよくわからないと思うので、まずは「一緒にお団子つくってみる?」と問いかけてみると、「うん!」と即答。幸先の良いスタートです。
 
特別な準備は不要で、「飾る」「つくる」「食べる」が揃ったこのキット。お団子づくりはキットに入っているお団子の粉と水を混ぜてこねるだけ。息子も意気揚々とつくりはじめます。


生地をこねるだけ、といっても、その変化が彼には新鮮だったようで「なんかぬるぬる!」「粘土みたいになってきた!」と興奮気味。少しこねては様子を見て、またこねて。


最初は2重にしたビニール袋に入れて、まとまり始めたらボウルに移します。途中、やや疲れて「まだ子どもだから時間かかるよー。大人だったらもうできてるかな?」と弱音も出ましたが、「完成したらアイスかけて食べようね」と励まし、生地がまとまるまでやり切りました。




生地ができたら、飾るサイズにちぎって手のひらで丸めます。こちらも初めてにしてはなかなか上手。不器用な親と違って意外と器用なのかもしれません。


自分でつくるから興味が湧く


 
宇宙にハマってからというもの、丸い形状のものを見ると「木星だ!」とか「大きい!アルデバランだ!(※:おうし座の恒星)」とか、星に見立てて盛り上がる癖がついた息子。今回はそれを自分で、たくさんつくれるとあって非常に楽しそう。「これは地球。こっちが海王星!」と絶好調です。(月なんだけど、ということは一旦置いておいて)
 




丸めて並べたお団子を茹でていく工程は親にバトンタッチ。「危ないから離れてて」と言っても、「(茹でているところを)見てみたい!」と前のめりにぐんぐん来ます。普段、親が料理中にキッチンの様子を気にすることはないのに、自分が手塩にかけた星たちの様子がよほど気になるのでしょうか。

十分に気を付けつつ、お鍋を上から見せてあげると「すごいねー、泡がぶくぶくしてるねー」と感心しきり。これをきっかけに、料理にも挑戦し始めたりしないかなと、密かに期待しています。


添付のしおりでお勉強



茹でたお団子はうちわで乾かして、そのあと冷蔵庫で15~30分ほど冷やします。後で飾りやすいように、キットについている竹串をあらかじめ刺しておいた方が良さそうです。


この時間を利用して、「今日作っているのはお月見団子といって、お月様にお供えするものなんだよ」とお月見情報を軽く伝えてみました。すると少し考えた後、「月はムーン。地球の衛星だよ!」というマイペースな回答が。“お供え“がピンとこなかったのかな‥‥。
 
そこで、キットに入っている「歳時記のしおり」の出番。イラストを見ながら、月の満ち欠けに応じて色々な名前がついていること、お月見のうさぎのこと、お団子は月のすがたを模していることなんかを説明していきます。


宇宙ブーム到来中で、月の形がいろいろ変わることはぼんやり知っていましたが、それぞれに名前があるのには驚いた様子。
 
「この時は?」
「新月(しんげつ)だよ」
「これは?」
「十六夜(いざよい)だって」
「こっちは?この漢字は?」
 
と興味津々。目論み通りです。あっという間に名前を覚えていくので、子どもの集中力って凄いなと思います。かく言う自分も、パッと分かるのは三日月と満月くらい。昔の人はこんなに細かく名前をつけて変化を楽しんでいたんだなと、勉強になりました。
 

お団子の完成。お月見とは?


 
そうこうしている内に30分経過。お団子を取り出して、残すは飾り付け。吉野檜の三宝に懐紙をひいて、お団子を並べます。


と、息子は瀬戸焼で作られたうさぎのお飾りで遊び始めました。陶器の人形は珍しいのか、感触を確かめるように触っています。
 
そのうさぎに、水引のすすき飾りを挿して飾り付けは完成。「すごいねー、きれいだねー」と本人も仕上がりに満足気。まだ満月ではない時期でしたが、なんとなく、窓の外に向けて飾っておきました。


飾りつけていないお団子は、約束通りアイスを載せてデザートに。できたてのお団子はかなりもちもちで、大人であれば何もつけなくても素朴でとても美味しく感じると思います。
 
最後に、「お月見のこと、すこし分かった?」と聞いてみると、「お団子をつくって、お団子の月(三宝に飾ったもの)を見ながら、お団子を食べること!」との答え。うーん、ややこしい!(笑)。やっぱり、お祈り・お供えみたいな概念はまだ難しかったようです。


でも、月の名前を覚えたり、自分でお団子をつくったり、楽しくいろいろな経験ができました。子どもの年齢やタイミングによって、感じること、学べることもそれぞれ変わってくると思います。
 
親子でつくるお月見、ぜひ皆さんも楽しんでみてください。
 

<掲載商品>
季節のしつらい便 お月見

こちらは、2020年9月1日の記事を再編集して掲載いたしました。