【暮らすように、本を読む】#07『フィリップ・ワイズベッカーの郷土玩具十二支めぐり』

自分を前に進めたいとき。ちょっと一息つきたいとき。冒険の世界へ出たいとき。新しいアイデアを閃きたいとき。暮らしのなかで出会うさまざまな気持ちを助ける存在として、本があります。

ふと手にした本が、自分の大きなきっかけになることもあれば、毎日のお守りになることもある。

長野県上田市に拠点を置き、オンラインでの本の買い取り・販売を中心に事業を展開する、「VALUE BOOKS(バリューブックス)」の北村有沙さんに、心地好い暮らしのお供になるような、本との出会いをお届けしてもらいます。

<お知らせ: 「天日干し番茶」をプレゼント>
先着30冊限定!ご紹介した書籍をVALUE BOOKSさんでご購入いただくと、中川政七商店の「天日干し番茶」が書籍と一緒にお手元に届きます。詳細は、VALUE BOOKSさんのサイトをご覧ください。



“描いてみたい”、素朴な玩具に会いにいく。
『フィリップ・ワイズベッカーの郷土玩具十二支めぐり』

フランス人のアーティスト、フィリップ・ワイズベッカー氏が日本の郷土玩具の作り手を訪ねた様子を、デッサンとエッセイ、写真で綴った探訪記です。中川政七商店のウェブメディアと、「芸術新潮(新潮社)」での一年に渡る連載をまとめた本書。「自分が描いてみたいもの」「様々な技法のもの」の2つの基準で選ばれた、十二支の郷土玩具が紹介されています。

福島の「会津張り子の赤べこ」のような有名な玩具から、岡山の「竹工芸の辰」など希少なものまで、魅了された玩具に呼ばれるように各地を巡っていく。職人の人柄まで伝わるようなインタビューでは、製法や、歴史的背景を紐解きながら、現代に受け継がれるまでの物語が語られます。

各旅日記の後には、自ら撮影する写真と共に、遊び心のあるコメントが添えられ、とくに玩具と対峙した時の感想は、毎度愛おしさに溢れています。

「なんて誇らしげで美しいのだろう!」
「眺めていると優しく穏やかな気持ちになる」
「幻のような不思議で小さな生き物」
「美味しいお菓子のようで、食べたくなってしまう!」

取材のかたわら、訪れる先々で壁掛け時計の写真を撮り、街を象徴する建築を見て感動し、日本式のお茶会を堪能するフィリップ氏。彼の興味が赴くままに綴られる言葉から、旅の一片を感じ取ることができて、その奔放さがまた楽しい。

巻末には、本人による貴重な取材ノートが収録されています。そこにはデッサンや手書きのメモだけでなく、地図の切り抜きや蕎麦屋の箸袋、ホテルのWi-Fiが記された紙が、コラージュのように貼り付けられています。なかには文字をびっしりと書き込んだ、処方箋の袋なんてものも。

あとがきによると、描いてみたい郷土玩具を関連書籍やインターネットから見つけだし、いざ問い合わせてみると、デザインが変わっていたり、すでに廃業になったケースが少なくなかったそう。本書を通じて心惹かれた玩具があったなら、早めに「会いにいく」ことをおすすめします。小さな玩具を生活に迎え入れることが、世界に誇る日本のものづくりを支えます。

ご紹介した本

フィリップ・ワイズベッカー 『フィリップ・ワイズベッカーの郷土玩具十二支めぐり』

本が気になった方は、ぜひこちらで:
VALUE BOOKSサイト『フィリップ・ワイズベッカーの郷土玩具十二支めぐり』

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VALUE BOOKS

長野県上田市に拠点を構え、本の買取・販売を手がける書店。古紙になるはずだった本を活かした「本だったノート」の制作や、本の買取を通じて寄付を行える「チャリボン」など、本屋を軸としながらさまざまな活動を行っている。https://www.valuebooks.jp/

文:北村有沙

1992年、石川県生まれ。
ライフスタイル誌『nice things.』の編集者を経て、長野県上田市の本屋バリューブックスで働きながらライターとしても活動する。
暮らしや食、本に関する記事を執筆。趣味はお酒とラジオ。保護猫2匹と暮らしている。


<同じ連載の記事はこちら>
【暮らすように、本を読む】#01『料理と毎日』
【暮らすように、本を読む】#02『おべんとうの時間がきらいだった』
【暮らすように、本を読む】#03『正しい暮し方読本』
【暮らすように、本を読む】#04『なずな』
【暮らすように、本を読む】#05『道具のブツリ』
【暮らすように、本を読む】#06『ぐつぐつ、お鍋』

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スタイリストが教える、オケージョンシーンの装い【卒入学式の服装マナー】

家族の入学式・卒業式や、友人の結婚式。式典・行事などのいわゆる“オケージョン”シーンでは、大切な人のいつもと違う凛々しい表情や、ピンと伸びた背筋に、こちらまできゅっと身が引き締まります。

そんな、普段の自分とは気持ちも装いも異なる、オケージョンの場。自分らしさは忘れたくないけれど、そこに合った服装も意識したいと、何をどう着るかお悩みの方も多いことでしょう。

特別な日こそ我慢せず、けれどその場にはふさわしく、お気に入りの一着を自分らしく着たい。その助けになればと、中川政七商店でいつもお世話になっているスタイリストさんに、最近の傾向も踏まえながら着こなしのマナーについて伺ってみました。

この記事ではオケージョンのなかでも特に、卒入学式に焦点を当てた装いのヒントをご紹介します。

形・丈

卒入学式は正式な式典の場にあたるため、服装は準礼服、つまりジャケットをはおるスタイルが基本。とはいえ、一枚でサマになるブラウスやワンピースの場合は、ジャケットなしで着用する方も多くなっています。

また2月~4月は寒さもまだあり気温の不安定な時期のため、ジャケットとワンピースのセットといったアンサンブルやツーピースを購入し、寒い場ではジャケットをはおり、春の陽気のもとではワンピースだけで着用する手も。

パンツスタイルの場合も同じく、寒い時期はブラウスの上にジャケットをはおり、暖かくなればブラウス一枚でパンツに合わせるスタイルがおすすめです。

中川政七商店「リネンキュプラの波皺ジャケット」を、同シリーズのワンピースの上に着用

「ジャケットが苦手な方なら、式典中だけジャケットをはおり、外での歓談中はブラウスやワンピース一枚で着用するなどでもいいと思います。あとは学校の雰囲気によってもジャケット着用がマストか、あまりこだわらなくて良いかも違うので、そこはTPOの大前提として確認しておけるといいですね。とはいえジャケットは一枚あると何かと安心なので、迷われたら迎えることをおすすめします」

なおジャケットの衿の形に規定はありませんが、重苦しさのないノーカラーのジャケットを着用する方が最近は増えています。カーディガンやストールはカジュアルな印象を与えるため、避けましょう。

スカートを着用する場合は、膝が隠れるミモレ丈を選ぶのが主流。露出の多い短め丈はもちろん、足首が隠れるほどのロング丈も重い雰囲気になるため、卒入学式では控えたほうが良いでしょう。

色・柄

入学式は春らしいパステルカラーが、卒業式は黒や紺・グレーなど、シックな印象で抑えた色目を着用するのが主流。どちらにも対応できる一着を持っておきたい場合は、紺を選ぶと使い回しがききやすいのでおすすめです。

「とはいえ、黒などダークな色目のものを入園・入学式に着用できないわけではありません。コサージュやバッグなどで明るい色や華やかさを取り入れれば、問題なく着ていただけます」

なお生地の柄についてもご注意を。ツイードやレース、スパンコール装飾などの、素材自体に表情がある生地は問題ありませんが、ボーダーや花柄、アニマル柄などの、いわゆるプリント柄は着ないほうが式典の場の装いにふさわしいとされています。

素材

素材に厳密なルールはありませんが、冬はウール、春はシルクなど、季節にあったものを取り入れると場の雰囲気によく合います。とはいえ、主に2月~3月に行われる卒園・卒業式と、4月に行われる入園・入学式では気温も少し異なります。同じものをどちらの場でも着たい場合は、もちろん季節問わず着用しやすい素材のもので問題ありません。

注意したいのは上品さと華やかさ。過度に光沢感のある素材や、カジュアルな印象を与える化繊素材などは控えたほうが良いでしょう。

また、式典の場で着用を迷うのが革素材。殺生を想起させるとして結婚式の場では控えたほうが良いといわれますが、卒入学式の場ではパンプスやバッグなどで、革製品の小物を使う方も多くなりました。

「男性の方がレザーシューズを履かれるのもあり、そのあたりのルールは少し曖昧になってきてますね。もともとおめでたい場では革製品を避ける決まりはあったものの、最近は一般的にもグレーなムードだと思います」

中川政七商店「鹿革のがま口ハンドバッグ

アクセサリー

式典の場でよく身に付けられてきたのは、華やかな雰囲気を出してくれるパールのアクセサリー。一連のものが主ではありますが、ロングで二連のものなども最近はよく着用されています。シルバーやゴールドのアクセサリーをつけてもマナー違反ではありませんが、ハレの場であることを意識し、品よく華やかなものを選びましょう。

また大ぶりのものや揺れるものは、主役のお子さんよりも目立ってしまうことや上品さに欠ける観点から、避けたほうが良いとされます。

その他、コサージュは祝福を表すアイテムとされるため、華やかさとお祝いの気持ちを表現できておすすめです。色目は洋服と同じく卒園・卒業式には色目を控えたものを、入園・入学式にはパステルカラーのものを選ぶと、季節感が合って良いといわれます。

なかでも白やアイボリーは、どちらの場にも使えて便利。特に絹が入った素材のものは上質な印象を与え、式典の場で活躍します。

なお、サイズは5cmから12cmくらいが良いとされています。

「サイズが大きすぎると派手な印象に、また小さすぎると地味ない印象につながりますが、身長や体格によっても印象が変わるので、付けた時のバランスをチェックしてくださいね」

バッグ

サイズは小ぶりなもので、素材はシルクやレースなど上品さのある佇まいのものを選びます。ナイロンのような、カジュアルな印象の素材は避けましょう。綿や麻の素材は単体だとカジュアルな印象となりますが、シルクやウール混のものや、上に装飾のあしらいがあるものなど、華やかさのある素材やデザインであれば問題ありません。

服装がシックな場合は差し色として、例えば春にはライトイエローやパステルピンクを選ぶなど、季節を意識した色を取り入れてみるのもおすすめです。

「基本的にオケージョン服では全身の色のトーンを揃える傾向にあるのですが、最近のトレンドとしては、服装や靴など全体的にはダークにしながら、バッグだけ色を入れるというのもあります。学校側の雰囲気に合うようであれば、バッグだけビビッドカラーやシルバーを取り入れるなど、遊び心を出すのも一つですね」

また荷物が入りきらないことを想定し、サブバッグも持参すると安心。サブバッグの場合も、カジュアルすぎるものよりも無地やレースなど落ち着いたものがおすすめです。

靴・足元

スニーカーやブーツ、サンダルは、カジュアルな印象となるため避け、基本的には3cm以上のヒールの高さがあるパンプスを着用します。ただし、最近ではフラットシューズを着用する方も多くなりました。オープントゥやバックストラップの靴は避けましょう。

「私自身ヒールが苦手なこともあり、子どもの式典ではフラットシューズを着用しました。周りのお母さんを見ていても、最近はヒールの低い靴を履いている方も多いですね。当日動き回ったり、体調が良くない場合もあると思いますので、無理をせず履けるものを選んでくださいね」

また足元は、素足厳禁。ナチュラルなストッキングを履くのが基本です。ただ最近はナチュラルストッキングに抵抗があったり、季節的に寒かったりなどの理由から黒いタイツを履く方も多いよう。

「実は、これが難しくて私も悩むところです。黒は喪を意識するのでハレの日にはよろしくないといわれていますが、トレンドとしては履いている人が増えていて。

黒を控えるべき基本のマナーは理解しつつ、ご自身らしいスタイルの取り入れとして着用のご判断をされるのもいいのかなと、個人的には思います。

あとは靴下を履く方も最近は多いですね。百貨店のフォーマル服売り場ではまだなかなか見かけませんが、お洋服屋さんの提案するコーディネートではデザイン性のある靴下を合わせている場合などもあります。カジュアルな印象になりすぎず、品よく華やかなコーディネートであれば、厳密に考えすぎない傾向になっているように思います」

中川政七商店「リネンコットンの重ね襞ジャケット」を、同シリーズのワンピースと合わせて着用

「いろいろお伝えしましたが、卒入学式のスタイリングで大切なのは、季節感と華やかさ、上品さの3つです。反対に避けたほうが良いのは、カジュアルな装いや露出が多いなど華美過ぎる装い。最近ではマナーの境界線も曖昧になってきているので、マナーは大切にしつつも、ポイントを意識しつつご自身らしい装いを楽しんでくださいね」


教えてくれた方:

スタイリスト 田中ちか
1976年大阪生まれ。アパレル販売スタッフを経て、1997年よりスタイリストアシスタント事務所に所属。2003年にスタイリストとして独立し、2005年~2006年の渡英を経て2006年から関西を中心に活動中。中川政七商店のスタイリングも多く手掛ける。


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【身長別着用レビュー】セミフォーマル「尾州ウールと麻のジャケット・パンツ」

特別な日のための服。自分に似合うものを購入して、長く着たいですよね。
そこで今回、少しでも参考になればという思いで、身長別のスタッフの着用レビューをお届けします。

本記事で取り上げるのは、尾州ウールと麻のジャケットとパンツ。
スーツ生地の世界3大産地に数えられる尾州で作られた、ウールと麻を織り交ぜた先染の生地を使用して作りました。ワッシャー加工を施した凹凸のある生地は、シワができにくく、目立ちにくいのが特徴で、清涼感のある肌触りでウール混ながら長いシーズン活躍します。

今回は身長152cm、160cm、164cmのスタッフがそれぞれ着用してみました。
ご参考になれば幸いです。

<合わせたアイテム>
尾州ウールと麻のジャケット 濃紺
尾州ウールと麻のタックワイドパンツ 濃紺
刺繍のかさねブラウス 矢来花飾
しけ絹のコサージュ 花
鹿革のがま口ハンドバッグ アイボリー

身長152cmのスタッフが着用

「少し丈が長いので、今回はウエスト部分を折って着用しています。私は身長が低めのためパンツ丈の調整は必要なのですが、2024年に販売される3つのセミフォーマルシリーズのなかでは一番着やすく、動きやすいと感じました。スーツといえばパリッとしたものばかりを着てきたのですが、こんなにも軽くて着心地がよく、体に馴染むのにちゃんとして見えるスーツがあるなんて嬉しいです。下半身のラインもすっきり見える気がして、着てみて改めてほしくなった一着ですね」

「シンプルなデザインなので、プレーンなカットソーを合わせればオフィスカジュアルとしても使えるし、華やかなブラウスを着れば式典などにも着て行けます。アクセサリーや中に着るもの次第で、いろんなシーンで活躍しそうです。靴はパンツスタイルをきれいに着こなすために、ヒールを合わせたいですね。コサージュなどをつけたら、友人の結婚式に着用するのも合いそう。生地の質感からなのか、カチッとしすぎず、やわらかい雰囲気が出るなと思いました」

※シューズは6cmヒールを着用しました

身長160cmのスタッフが着用

「着心地に感動。スーツなのに肩がこらなくて、ほどよくカジュアルさも出せるので、いつもの自分らしさもちゃんとあります。気に入ったジャケットがなかなか見つからなくてジャケット迷子だったのですが、これならデザインも着用感も好み。初めて『欲しいスーツに出会えた!』と思い、試着後、すぐにジャケットを買いました(笑)。ジャケットはゆとりあるサイズ感なので、中に薄手のニットなどを合わせても着用できそうですね」

「パンツ丈は身長160cmの私が6cmヒールをはいて、ちょうどいいくらいです。もう少し身長が高い方は、フラットシューズで着こなすスタイリングにするのも、個人的には好み。きれいめにも着れるし、靴下やカットソーを合わせれば、ほどよくトレンドっぽい着方もできるかなと思いました」

※シューズは6cmヒールを着用しました

身長164cmのスタッフが着用

「ジャケットもパンツもゆったりした着心地で、動きやすいサイズ感です。袖丈もちょうどよく気になる点がありません。合わせるものでフォーマルにも寄せられたり、普段も着られたりするので、一番着まわせる印象ですね。生地に凹凸があるので皺がつきにくそうなのも嬉しいポイント。普段も使えるデザインで、セミフォーマルと言わず持っておきたい一着です」

「このままプレーンに着るのも素敵だし、シルバーのバックなどデザイン性のある小物と合わせて少しエッジをきかせるのも面白そう。コーディネートの幅を出しやすいシリーズだなと思いました」

※シューズはフラットタイプを着用しました


かっちりした装いからカジュアルな装いまで、様々なパターンで着られるのが尾州ウールシリーズの魅力。パンツをお直しすれば、幅広い身長の方に着ていただけます。今も5年後も、その先も、ぜひ長く着用いただければ幸いです。

※尾州ウールシリーズには、今回着用したタックワイドパンツの他にテーパードパンツも用意があります。過去にスタッフが着比べた記事がありますので、ぜひご参考ください。

お直しについて
お直しできるよう裏地が付いていないので、裾上げしやすい作りになっています。
フォーマルなシーンではヒール部分が少し隠れるくらいを⽬安に、カジュアルシーンでの使⽤であればお好みの丈感でご検討ください。

お手入れについて
ウォッシャブル加⼯をしている為、ご⾃宅でもポイント洗いしていただくことが可能です。
乾燥機にかけると縮みますので、乾燥機は避けてくださいますようお願いいたします。
シーズンの終わりには、クリーニングに出していただくと⻑くきれいな状態が保てます。

しわが⽬⽴ちにくい凸凹した⼿触りの仕上がりになっていますが、アイロンがけをする場合も、後ろポケットを無くしたのでかけやすい仕様です。
もしシワが気になる場合はあて布をしてください。


中川政七商店のセミフォーマルは、他のシリーズも身長別の着用レビューをご用意しています。
よろしければこちらもご覧ください。

【身長別着用レビュー】セミフォーマル「尾州ウールと麻のワンピース」
【身長別着用レビュー】セミフォーマル「リネンキュプラの波皺ジャケット・ワンピース」
【身長別着用レビュー】セミフォーマル「リネンコットンの重ね襞ジャケット・ワンピース」

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【身長別着用レビュー】セミフォーマル「リネンコットンの重ね襞ジャケット・ワンピース」

特別な日のための服。自分に似合うものを購入して、長く着たいですよね。
そこで今回、少しでも参考になればという思いで、身長別のスタッフの着用レビューをお届けします。

本記事で取り上げるのは、リネンコットンの重ね襞ジャケット・ワンピース。
ハレの日の意匠として古くから日本で用いられてきた「襞」をあしらい、特別な日に映える華やかな仕上がりとなっています。
天然素材にプリーツをかける特許技術により、天然の風合いを活かしたまま、しっかりプリーツを保持できて、水洗いをしてもプリーツ性を損なわずに着ていただけます。

今回は身長152cm、160cm、164cmのスタッフがそれぞれ着用してみました。
ご参考になれば幸いです。

<合わせたアイテム>
リネンコットンの重ね襞ジャケット 紺
リネンコットンの重ね襞ワンピース 紺
しけ絹の花飾り 蕾
プリーツリネンの巾着バッグ 黒

※シューズはスタッフ私物です。3人とも、2.5cmヒールを着用しました。

身長152cmのスタッフが着用

「シンプルなセミフォ-マル服は普段着と違って着こなしが少し難しく、体形が気になってしまったり、ワンピースの場合は間延びした感じになることもあるのですが、そんな物足りなさを少しの襞があることで一気におしゃれにしてくれるし、締めてくれる一着だと感じました。アクセサリーをいろいろ着けなくてもこれだけで華やかに見えるし、動くとかわいいのも良いですね」

「襞のあしらいがさりげなくきいていますが、可愛すぎないデザインで、幅広い年齢で着用できそうです。例えば20代の方が着ると大人っぽく見えるし、40代の方が着るとすっきりした可憐さがある。結婚パーティーなどにも合いそうですし、白いコサージュやネックレスをつけると一気に式典っぽい雰囲気になるので便利です」

身長160cmのスタッフが着用

「ワンピースの丈や見た目の印象が、普段自分が好んで着ている洋服と違和感がなく、普段とセミフォーマルの境目が良い意味でなめらかで、手に取りやすい一着でした。かしこまって見えるけど襞にほどよいアクセントがあり、遊び心を忘れずに着られるのがいいですね」

「このジャケットとワンピースなら、ヒールではなくフラットシューズを合わせるのが個人的には好みです。セミフォーマルとしてきちんとしたシーンで着られるんですけど、見た目の印象がきれいめになりすぎず、少し気軽な感じが出るのも自分らしく着られて嬉しいです」

身長164cmのスタッフが着用

「襞が特徴的でかわいいですよね。ジャケットを合わせるとフォーマルに寄せられるんですけど、ワンピース単体だとカジュアルにも着られて、着回しがききそう。ジャケットはジーンズとシャツに合わせたりして、カジュアルに着るのもいいなと思いますし、ワンピースはちょっと思いきって白タイツやカラータイツを合わせるのも素敵。おしゃれが楽しめるシリーズだなと思います」

「丈感は少し長めで、個人的にはこのくらいの丈感が好き。自分が子どもの入学式などに着るならこれを選ぶと思います」


遊び心のあるデザインながらも、リネンコットン生地の上品なつやにより、フォーマルシーンで活躍する一着に。ワンピースは長めの丈で、背が高めの方もすねまで隠れて安心感があります。ワンピースだけで少しカジュアルに着こなしたり、ジャケットを羽織って大切な場に臨んだりと、幅広く着ていただけるリネンコットンの重ね襞シリーズ。しなやかに襞が揺れる姿を、今も5年後も、その先も、長く楽しんでいただければ幸いです。


お手入れについて

⼿洗い(部分洗い)または、ドライクリーニングをおすすめします。
洗った後に形を整えて、雑誌などで重りを乗せたりなどの⼿⼊れが必要になりますので、ご⾃宅の⼿⼊れは部分洗い程度にとどめていただき、全体を洗う時はクリーニング店へ依頼される⽅が、⻑くきれいに着ていただけます。


中川政七商店のセミフォーマルは、他のシリーズも身長別の着用レビューをご用意しています。
よろしければこちらもご覧ください。

【身長別着用レビュー】セミフォーマル「尾州ウールと麻のジャケット・パンツ」
【身長別着用レビュー】セミフォーマル「尾州ウールと麻のワンピース」
【身長別着用レビュー】セミフォーマル「リネンキュプラの波皺ジャケット・ワンピース」

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【身長別着用レビュー】セミフォーマル「リネンキュプラの波皺ジャケット・ワンピース」

特別な日のための服。自分に似合うものを購入して、長く着たいですよね。
そこで今回、少しでも参考になればという思いで、身長別のスタッフの着用レビューをお届けします。

本記事で取り上げるのは、リネンキュプラの波皺(なみしぼ)ジャケット・ワンピースです。
織物産地・富士吉田で織られた生地は、産地の情景が浮かぶような、やわらかくしなやかな波皺の風合い。シンプルながらも体のラインをきれいに見せる形で、大人の女性を美しく引き立てる一着に仕上げています。

今回は身長152cm、160cm、164cmのスタッフがそれぞれ着用してみました。
ご参考になれば幸いです。

<合わせたアイテム>
リネンキュプラの波皺ジャケット 黒
リネンキュプラの波皺ワンピース 黒
しけ絹の花飾り 蕾
シルク刺繍の重ねネックレス
ラバー帆布のハンドバッグ

※シューズはスタッフ私物です。3人とも、6cmヒールを着用しました。

身長152cmのスタッフが着用

「今回着たセミフォーマルシリーズのなかで、最もかしこまった気持ちになったシリーズでした。自然と落ち着き、品よく振る舞おうという気分にさせてくれます。着用すると改めて生地の光沢感や織りの良さが分かりますし、軽いのでもっと年齢を重ねてからでも自然に着られそうです。セミフォ-マルは普段のお洋服より高価なものを迎えるケースも多いですが、これなら長く大事にできそうだなと思いました」

「ひざ丈のワンピースやきれいめのジャケットが、フォーマル感が強いシーンにとても合いそうです。しっかりした印象に見せられるのに、着心地はやわらかで動きやすいのもいいですね。品よく着られるので、式典や親族の集まりなどに合うと思います」

身長160cmのスタッフが着用

「生地の表情がすごく美しくて、ピンと背筋が伸びます。いつもの自分の洋服とは雰囲気が異なりますが、オケージョンの場面ではちゃんとした服をしっかり着たいという思いもあるので、こんな風に織りに惹かれるものを選ぶのもいいなと思いました。全体的にすっきりとしたデザインで、アクセサリーによって印象をいろいろ変えられるのも楽しいですね」

「すとんと落ちる形が、体のラインをきれいに見せてくれる気がします。私ならデザインの面白いバッグなどや太めのヒール靴でちょっとだけカジュアルダウンしつつも、このお洋服の一番の魅力である織りがちゃんと引き立つコーディネートで着用しますね。目上の方とご一緒する場や、親族でのしっかりした集まりなどは、このシリーズがあれば心強いです」

身長164cmのスタッフが着用

「これまでには持っていなかったデザイン。着てみるとかっちりしている印象でしたが、ゆとりがあるので動きやすいですね。ジャケット、ワンピースともに切り替えがあることで生地の印象が変わり、生地の表情を楽しめますし、おしゃれな感じがします(笑)。

フォーマル服はその場限りというより着まわしたいので、すっきりとしたジャケットは、他の服にも合わせてカジュアルにも着られそうで嬉しいです。“これぞフォーマル”な服なので、子どもの入学式や卒業式に着たいと思いました」

「ワンピースは普段自分が着ている洋服よりも丈感が短めで、足が出るすっきりしたデザインなので、私なら黒いタイツを合わせます。首元の開きが広くなくコンパクトなので、しゃがんだ時などの胸元が気にならないのが嬉しいです」


すっきりと足を出しながらも、身長の低い・高いを問わず膝はしっかり隠れるデザインで、フォーマルな場に活躍する一着。シンプルなデザインにアクセサリーがよく映えます。ワンピースはすとんとしたシルエットながらも身幅にゆとりがあるため、着ていて窮屈さはありません。今も、年を重ねても、長く着用いただければ幸いです。

お手入れについて

生地の特性上、表面に繊細な皺の風合いがございます。アイロンの際は、当て布をご使用いただくか、生地から少し浮かせ、アイロンを生地に直接強く押し当てることのないようご注意ください。
洗濯は洗濯表示に従い、ドライクリーニングをご使用ください。


中川政七商店のセミフォーマルは、他のシリーズも身長別の着用レビューをご用意しています。
よろしければこちらもご覧ください。

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「凛と、装う」。私のお守りになる、自分らしいセミフォーマル服【デザイナーインタビュー】

年を重ねるなかで、少しずつ自分に起きる変化。食べものや本の好みが変わったり、肌や髪に若いころとは違うケアが必要になったり、生き方の優先順位を見つめ直したり。似合う服や着たい服もいつの間にかあの頃とは違ってきて、そんな変化を楽しみながらも、何を着ればいいのか迷うことも多くあります。

特別なシーンで着用する服はことさら。身体のラインをきれいに見せてくれるシルエット、背筋がぴんと伸びる上質なものづくり、動きやすく肌触りの良い着心地、そして、装う自分の姿に自分らしさがあること。大切なハレの日こそ我慢せず、いつもの自分のまま笑えるような、けれどいつもよりちょっとだけ自信が持てるような、とっておきの洋服を身に着けたいなと思うのです。

そんな方々に届けたいと、中川政七商店は「日本各地の技術やものづくり」と「自分らしさ」にこだわって、セミフォーマル服シリーズを作り続けてきました。今回はそのなかでも今年新しく登場した、「リネンキュプラの波皺(なみしぼ)」シリーズをご紹介します。



大人の女性に似合う、上質な一着を作りたい

「年を重ねた今の自分に合うもので、無難すぎなくて、でもちゃんと、きちんとしているセミフォーマル服が着たいなってずっと考えていました」

そう話すのは、今回のシリーズを担当したデザイナーの杉浦。4歳の子を持つ母でもあり、自身もオケージョン利用できるハレの日の服を検討していたと言います。

「30代頃までは結婚式にお呼ばれすることが多かったんですけど、40代に入った今はほとんどなくなって。ドレスの出番が減った代わりに、今は子どもの卒園式、入学式を控えています。若いお母さんたちが周りに多いなか、何を着るかってすごく迷うんですよね。『どういう装いをしようかな』『20代に着ていたような服を着るのはどうなのかな』『どんな服ならハレの日にふさわしくて、でも自分らしいのかな』って、悩んだりして」

せっかくのハレの日に、自信を持って着られる服がクローゼットに一着あったら‥‥。そんな思いから、「年を重ねた大人の女性にも似合うセミフォーマル服を作りたい」と考えた杉浦が訪れたのは、山梨県の富士吉田市でした。

ここは富士山の山麓に広がる織物の一大産地。遡ること平安時代から、絹織物をはじめ高級裏地の産地として歴史が深い場所です。

撮影:渡邊竜康(渡邊織物)

「前提として中川政七商店のセミフォーマル服は、日本各地の技術やものづくりを纏えることをとても大切にしています。もともと展開している尾州ウールシリーズは、世界三大毛織物産地に数えられる尾州の生地を使った、ベーシックでシンプルなデザインのもの。重ね襞シリーズは装飾を折り目で表現する日本ならではのデザインで、華やかな見た目が特長です。それで次は、上質感があって大人っぽいシリーズを作りたくて、上質な素材といえばと富士吉田の布へ至りました」

産地のなかから手を取ったのは、天然素材を原料とする繊維・キュプラを使い、高級裏地を作り続けてきた渡邊織物さん。織物事業者が軒を連ねる同地において、そのご縁はもう、ひとめぼれに近かったようです。

「富士吉田に降り立ったら、富士山が空の半分くらいまでドーンって鎮座していて。それに感激したんです。『ああ、この街では風景のなかに富士山が当たり前にあって、富士山の豊かな湧き水で染織文化が育まれてきたんだろうな』って思いました。中川政七商店は工芸を『風土と人がつくるもの』と定義していますが、その景色を目にしてそれがすごくしっくりきたんですよね」

撮影:渡邊竜康(渡邊織物)

「いくつか織物屋さんを回って、最終的に渡邊織物さんにお願いしようと思ったのは、”風景みたいな布”にグッときたから。家業としてキュプラを使った裏地を長く作られてきた事業者さんで、3代目である渡邊竜康さんが入社してからは、テキスタイルブランドのWatanabe Textileも立ち上げられました。そこでは、経(たて)糸はキュプラだけど、緯(よこ)糸にはリネンや綿などのいろんな素材を使った、新しい生地や商品を作ることに挑戦されています。

伺ったときに布地のかけらをたくさん見せていただいて、すごく心を惹かれて。工房には渡邊織物さんの布地で作られたクッションなどが並んでいて、そこに、プロの写真家という顔も持つ渡邊さんが撮った風景写真が飾ってあるんです。富士山や富士吉田の景色を切り取った写真と、その布たちが自然に溶けあっていて、本当に感動しました。

セミフォーマル服は特別な日に着る服ですよね。だから、ものづくりの良さがちゃんと伝わるような、その土地で作られている息遣いが感じられるようなものにしたいと思っていたので、ああ、こちらにお願いしたいなって」

渡邊織物さんの工房内。撮影:渡邊竜康(渡邊織物)
こちらが渡邊竜康さん。丁寧に織りを確認する

布の素材感が、纏う人の美しさを引き立てる

渡邊織物さんが織りあげる様々な風合いの布から今回採用したのは、経糸に細いキュプラ、緯糸にリネンと綿の糸を使った二重織の布。端正に織られていながら、各素材の縮率の違いによって、布の表面にはなみなみとした揺らぎがあります。その表情から今回のシリーズには「波皺」と名をつけました。

リネンのマットな艶感の隙間から、キュプラの繊細な光沢がのぞく様子は、さながら水面(みなも)にゆらゆらと光が跳ねるよう。自然の景色を写したような布が、纏う人の美しさを引き立てます。

「こだわったのは、この生地を纏うことでその方が凛とできるように、布そのものの素材感や美しさをどれだけ引き出せるかですね。だから妙にデザインを盛るんじゃなくて、着た時にすとんと落ちるシルエットにして、生地の良さを活かしてきれいに着こなせる形にしました。

ワンピースやジャケットの中頃に入ったツートンの切り替えでは、二枚の布を縫製するのではなく、織る段階で糸の色を切り替えることで、切り替え部分の不要な皺を避けたり、縫い目が肌にあたらないのでストレスなく着られたりすることも実現しています。

また、纏ったときに身体のどの部分に切り替えがくるのか、その位置にもこだわっていて。丁寧に縫製を重ねています」

ピッチ(織る際に色を切り替える間隔)を変えることで、一枚の布をツートンに織りあげている

その少し揺れる直線もまた、富士山の裾の尾や、地平線・水平線が描かれているようにも感じます。

もちろん着やすさにも工夫を。

動きやすいよう身幅にゆとりを持たせている他、生地に入った波皺のおかげで、少し皺が入っても気になりません。体のラインを拾わず全体をすっきりと見せてくれるシルエットは、大切な服を長く着たいなかで、体型の変化を気にせず迎えられます。

特別な服でも気を遣わず安心して着られるなんて、心強い限りです。

5年後の自分が着るのも、楽しみになる服

「自分自身も、年齢を重ねて持ちたいと思う服に変化がありました。一回着たら終わりじゃなくて、シンプルではやりすたりのない、上質で長く着れるものを大切に着たいなと思う気持ちが強くなったんです。

そういう服って、持っていると自分の安心感とか自信になるというか。『これがあれば、いざというときや特別な日が来ても大丈夫』って気持ちです。

今回のシリーズが皆さんにとって、今も素敵に着られるし、さらに年を重ねたとき、5年後の自分が着るのも楽しみな服になればいいなって思います」

大人の美しさを引き立てる気のきいたデザインと、日本の技術が織りなす上質な生地。シンプルながら愛着をもって長く着られる服があれば、ハレの日がもっと楽しみになりそうです。

お子さんの卒入園式やご自身の同窓会、素敵なレストランでのお食事会など、特別な日に。背筋を伸ばして凛と装える、ハレの日のお守りのような頼もしい一着となりますように。

文:谷尻純子

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