【季節のしつらい便】楽しみながらも伝統文化に触れる 端午の節句

5月5日はこどもの日ですね。
こどもの日といえば、鯉のぼりを飾ったり、柏餅を食べたり、菖蒲の湯に入ったり。
でも、何故鯉のぼりを飾り、かしわ餅を食べるのか・・実は詳しく知らずに風習として行っていることではないでしょうか。

実際、私自身も親になって初めて気づくことがとても多いです。
今年5歳になった息子に、日本の伝統文化について話したいけれど、子どもでもわかりやすく伝える・・となると自分の知識のなさに気づかされます。

季節のしつらい便 端午の節句の内容物

楽しみながらも伝統文化に触れるきっかけとして何かないかと考えていたところ、「親子でつくる端午の節句 季節のしつらい便」が登場。
そこで、早速子どもとやってみました。

「鯉のぼり一緒につくってみる?」と聞いたところ、

「やってみたい!」と即答。

「なんで鯉のぼりを飾るかわかる?」「柏餅食べたの覚えてる?」など、始める前に少し質問してみました。

まだ先の行事ではありますが、分かりやすく書かれている冊子を先読みして子どもに分かりやすいような言い回しで伝え、興味を持ったところで作業スタート!

3種類の鱗の形のプレートが入っている

最初はドキドキしながら、慎重に鱗の模様をスタンプしていきます。
鱗の形のプレートが3種類入っているので、子どもでも自分でプレートを押さえながら簡単にスタンプを押すことができました。

慣れてきたら自分でスタンプ台紙の形を選んで、得意げにポンポンと言いながらリズムを打つように進めていきます。

「こういう風にするともっとお魚のうろこみたい!」
「今度は反対向きでやってみる!」

スタンプを押すごとに段々と出来上がってくるのが楽しくなったようで、あっという間にスタンプが押された鯉のぼりが完成しました。

目を入れる作業は、自分で完成させたい子どもの気持ちを優先して、少しはらはらしながらも見守ります。
自分なりのこだわりをもって最後まで描ききってくれました。
最後に、ひれをのり付けし、紐を通すのは私と一緒に‥

「やったー完成!」

自分でつくった鯉のぼりは特別のようで、中を覗いてみたり高く掲げてみたりして喜んでいました。

出来上がった鯉のぼりを前に、付属の冊子をもう一度読み聞かせ。

「こどもの日は鯉のぼりを飾って神様に僕の場所を知らせないと!」
と、子どもなりに鯉のぼりを飾る意味や行事を行う大切さを理解してくれているように感じました。

伝統文化を伝える!と固く考えすぎずに、子どもの成長を感じながら一緒に楽しむことで、自分自身改めて日本の伝統文化の意味を深められるとてもいい時間になりました。

今年はお家で過ごす時間も増えていることと思います。
子どもと行事を楽しみながら、家にいる貴重な時間が有意義なものとなりますように。

なぜ、中川政七商店が奈良のまちづくりを?ー工芸再生とまちづくりの関係とはー

中川政七商店創業の地、奈良。1716年に奈良晒の問屋業を始めて以来300有余年、私たちはこの場所で商いを続けています。

中川政七商店ではこれまで、全国各地のつくり手と工芸をベースにしたものづくりに取り組む傍ら、工芸メーカーの再生支援や合同展示会を開催するなど、あらゆる方面から工芸に携わってきました。

1985年ならまちにオープンした「遊 中川 本店」の様子

そんな中川政七商店はいま、「N.PARK PROJECT(エヌパークプロジェクト)」と名付けた奈良のまちづくりに取り組んでいます。

これは、2021年4月に開業の複合商業施設「鹿猿狐ビルヂング」を拠点とし、経営講座や事業支援、コワーキングスペースの運営などを通じて、改めて奈良に向き合い、まちをよりよいものにするためのプロジェクト。

なぜ、いちメーカーがまちづくりを?
なぜ、誰の頼みでもないのに?

そこには、工芸衰退への大きな危機感がありました。

1社だけの経営再建では、産地の衰退がとめられない

中川政七商店ではこれまで「日本の工芸を元気にする!」というビジョンのもと、全国各地のつくり手とともに、さまざまな暮らしの道具をつくってきました。

また、産地の盛り上がりを牽引する「産地の一番星」をつくるために、波佐見の「マルヒロ」や燕三条の「庖丁工房タダフサ」をはじめとして、工芸メーカーの再生支援にも何十社と携わっています。

初の経営再生・マルヒロによる「HASAMI」

しかし1社の経営再建はうまくいっても、工芸全体で見ると、つくり手の減少や経営難による事業縮小は、予想以上に早いスピードで進んでいます。産地全体としての出荷額は、今もなお下降の一途をたどっているのが現実です。

産地の衰退には、工芸が分業で成り立っていることにも原因があります。

例えば焼き物の場合、生地をつくる「生地屋」、成形に必要な型をつくる「型屋」、陶磁器を焼く「窯元」は、それぞれにわかれています。

そのため、たとえ窯元だけを経営再建しても、生地屋や型屋が廃業となると、その工芸品自体がつくれなくなり、産地全体が打撃を受けてしまうのです。

キーワードは「産業革命」と「産業観光」

そんな中、私たちは「すべての工程が1か所で完結すれば、その産地の衰退を防げるのでは」と考えるようになりました。

先ほど例に挙げた焼き物であれば、産地の一番星である窯元が、自分たちで生地屋や型屋までやってしまおう、ということです。製造工程を統合する新しい産業が実現できれば、工芸の世界に「産業革命」が生まれるはず。

ただし分業をやめ、ものづくりの工程を集約するためには、膨大な投資額も必要。産地の衰退を防ぐためとはいえ、なかなか儲からない工芸の世界では、投資をしても見合わない現実があるのもまた事実です。

では成立させるためにどうするか。
そこで行きついたコンセプトが「産業観光」でした。

これまでは産地に小さな企業が点在していたため、観光に訪れたお客さまがものづくりの現場を一貫して見ることは、なかなか叶いませんでした。

その散り散りになっているものづくりの現場を1か所に集めて、お客さまがいつでも来られるように場を整えておけば、その地のものづくりに触れやすくなり、産業観光が成り立ちます。

つまり製造工程を1つの場に集めることは、その一部の工程が欠けてしまうのを防げるだけでなく、お客さまも招きやすくなります。

2017年に中川政七商店も共同開催した産業観光イベント(福井県鯖江市「RENEW」の様子)

百聞は一見に如かず。
普段知ることのないものづくりの様子を覗くことで、さらに愛着が沸いたり、使うたびにその土地の空気や景色を思い返したりと、ものづくりへの興味が一層増していくはず。こうした産業観光がもたらしてくれる、ものづくりへの共感は、私たちにとっても、産地のつくり手にとっても、これ以上なく嬉しいことです。

中川政七商店流「奈良のまちづくり」とは

一方で、ものづくりの場所を1か所にまとめるだけでは、人はわざわざその地に足を運びません。まちを訪れたいと思ってもらうためには、おいしい飲食店や心地よい宿など複数の魅力あるコンテンツがあること、つまりはまちづくりが必要です。

では、それをどのように増やしていくのか。

中川政七商店は、かつて自分たちの経験を活かして各企業の経営再生をしたように、まちづくりにおいても、まずは本拠地である奈良で自分たちがそのモデルケースをつくろうと決意しました。

その拠点として、中川政七商店にとって初となる複合商業施設を2021年4月に開業します。

2021年4月に奈良に開業の複合商業施設「鹿猿狐ビルヂング

奈良には千年以上続く伝統工芸「一刀彫」や「奈良筆」をはじめ、中川政七商店でもロングセラーを誇る「かや織」のふきんなど、数多くのものづくりがあります。

そうした工芸とともに個性あふれるお店が集い、その地に行かないと体験できない魅力がたっぷりと詰まったまちをつくりたい。
古の歴史の深さと、おおらかな新しさ。奈良に住まう人も訪れる人も、足を踏みいれた先々で、そこにしかない出会いを楽しめるようなまちになればと思います。

スモールビジネスで奈良を元気にする!

目指すのは、「スモールビジネスで奈良を元気にする!」こと。

スモールビジネスとは、お店や事業を無理に拡大することなく、店主とお客さまが顔を合わせて会話を楽しめるような、昔ながらの小商いのイメージです。

たとえば、2020年に奈良にオープンしたスパイスカレー店「菩薩咖喱」では、奈良でカレー店を営みたい若い店主を、中川政七商店がサポート。経営にまつわる計画書や会計の仕組み、ブランディングに関するアドバイスや広報サポートを提供しました。

オープン後は3年で目指した売上目標を2か月で達成し、順調な滑り出しとなりました。

2020年に奈良の川東履物商店からデビューしたヘップサンダルブランド「HEP」。こちらは、熱い志をもつ跡継ぎが、中川政七商店の主催する経営講座を受講したことがきっかけで誕生しました。講座を通じて経営のノウハウやブランドの組み立て方などへの理解を深め、発売後は全国のセレクトショップを中心に人気を博しています。

このような奈良のまちづくりの拠点として、中川政七商店では、初のコワーキングスペース「JIRIN」をならまちにオープン。菩薩咖喱やHEPのように「お店を開きたい」「ブランドを立ち上げたい」と考えている方々に、これまで私たちが積み重ねてきた事業のノウハウを提供し、こうしたスモールビジネスがたくさん生まれる環境づくりを目指しています。

奈良には工芸のみならず、人々から愛される奈良公園の鹿や、千年以上昔からこの地を見守ってきた大仏さまなど、長い歴史の中で紡がれてきた魅力がたくさんあります。

そこへさらに、いいお店やいいものが増えていったら、奈良はもっと魅力ある場所に変わるはず。私たちがこれまで取り組んできた経験が、きっと活かせると思うのです。

一見すると全く関係がないように思える、工芸と奈良のまちづくり。
しかしそこには、あらゆる方面から工芸を元気にしたいという、私たちの想いがこもっています。

これまでにない方法で、奈良を魅力ある都市にしていきたい。
中川政七商店は、新たな一歩を踏み出しました。

<施設情報>
鹿猿狐ビルヂング
〒630-8221 奈良県奈良市元林院町22番
0742-25-2188

産地から学んだ日本の食を、食卓で。「産地のごはん」シリーズのすすめ

日本各地に工芸と並んで受け継がれているもの。

それが、土地の風土が育んだ、食文化や郷土料理です。

そこから学んだおいしさを家でかんたんに味わえる「産地のごはん」シリーズをつくりました。

産地のカレーに始まり、今回新たに「産地のおかず」と「産地のおかずソース」がデビュー。中川政七商店が考える日本の「おいしい」魅力をご紹介します。

まだ知らない日本の食を、食卓で味わう。「産地のカレー」

産地のごはんとして真っ先につくろうと決まったのが、日本の国民食ともいえるカレー。各地の郷土食をヒントに、自宅で気軽に楽しめるレトルトカレーをつくりました。

現在のラインアップは佐賀・有田から「根菜の煮ごみカレー」、栃木から「益子のビルマ汁」、岐阜・白川郷の「牛すじすったてカレー」に、滋賀「近江黒鶏の黒カレー」、大分の「ねり胡麻と鯖のカレー」、愛知から「手羽先の八丁味噌カレー」と全6種類。
今後も続々新作が登場する予定です。

後引くおいしさ、「益子のビルマ汁」 

関東屈指の焼き物産地として知られる栃木県益子。そのご当地名物である「益子のビルマ汁」は、かつてビルマ (現ミャンマー) に出征した兵士が、現地で食べたスープを戦後に手に入るもので再現したのが始まりです。

豚バラ肉と夏野菜を煮込み、トマトとカレー粉、唐辛子で風味を加えた、後引くおいしさのスープ。ごはんだけでなく、うどんやパンとの相性も抜群です。

甘さとスパイシーさを兼ね備えた「根菜の煮ごみカレー」

佐賀の郷土料理「煮ごみ」をもとに、鶏肉と根菜を煮込み、トマトの酸味とスパイスをきかせたカレーをつくりました。根菜のほっこりした食感、煮物のほっとする甘さの後にくるスパイシーさが特長です。

「産地のおかず」で、いつもの食卓にご当地の彩りを。

各地の郷土料理や食文化からヒントを得てつくった「産地のおかず」シリーズ。ちょっと材料を足すだけで簡単におかずが一品完成します。アイデア次第でアレンジレシピも自由自在。岐阜の「赤味噌の鶏ちゃん」、愛知の「牛すじと蒟蒻八丁味噌のどて煮」、福井県鯖江の「根菜と厚揚げのぼっかけ」など、いつもの食卓にご当地の彩りを添えます。

赤味噌の鶏ちゃん

岐阜のご当地グルメ「鶏ちゃん(ケイチャン)」は、鶏肉と野菜の味噌炒めのこと。鉄板などで自分で焼くスタイルが基本で、炒められた味噌の香りが食欲をそそります。パウチの中には濃いめの赤味噌で味付けされた鶏肉が入っているので、キャベツやもやしなどを加えて加熱すれば、あっという間に鶏ちゃん風炒めの出来上がり。しっかりとした味のおかげでたくさんの野菜と共に食べられます。ごはんがすすむ一品です。

牛すじと蒟蒻八丁味噌のどて煮

愛知の郷土料理「どて煮」風に八丁味噌と三温糖で牛スジとこんにゃくをじっくりと煮込みました。仕上げには刻んだネギをたっぷりのせてどうぞ。豆腐やゆで卵と一緒に煮込んでもおいしい一品に仕上がります。

これひとつで味が決まる「産地のおかずソース」

山椒にかぼす、味噌など、各地の郷土料理にはその土地ならではの食材や調味料がアクセントとして使われています。そんな地域の食文化をベースにお肉、お魚、野菜、麺など様々な料理に使える「産地のおかずソース」をつくりました。

他の調味料を加えなくても、ひと手間かけたような味わいに。使いやすいスパウトパウチで、スプーンいらずで料理の味付けにさっと使えます。

【愛知】八丁味噌と無花果のソース

愛知の特産品である無花果と八丁味噌にアイデアを得て、洋食に合うフルーツのソースをつくりました。こってりとしたコクと甘さのある果実の味わいは、お肉や根菜を使った料理におすすめです。

ご当地の味を、ご当地のうつわで。産地のうつわシリーズ

実はこうした「産地のごはん」シリーズは、日本各地のうつわを揃えた「産地のうつわ きほんの一式」をヒントに誕生しました。

益子に有田、岐阜の美濃焼など。産地ごとに特徴の違ううつわを暮らしの中で気負わず使えるよう、マグカップや飯碗、プレートなど、一式あれば三度の食事をまかなえる、最小限で最大限活躍するうつわを揃えています。

こちらは益子焼の「きほんの一式」。他に有田焼、美濃焼、信楽焼、瀬戸焼、小鹿田焼の全6産地を揃える
こんな各地の豆皿シリーズも。写真は有田焼

例えば益子のビルマ汁を益子焼のうつわに盛り付けてみる。有田焼の豆皿に産地のおかずを添える。そんなちょっとした取り合わせで、日本各地を旅するような気持ちが家の中で味わえるかもしれません。

食も工芸も、風土と人がつくるもの。

おうち時間に、まだ知らない日本の食を食卓でお楽しみください。

特集「産地のごはん」はこちら

工芸を中心としたものづくりメーカーが集う展示会「大日本市」出展者募集のご案内

全国のものづくりメーカーの皆さまへ展示会の出展のご案内です。

中川政七商店が主催する、工芸を中心としたものづくりメーカー(工芸・食品・化粧品等)が集う合同展示会「大日本市」の出展者を募集いたします。

前回2020年3月の開催時には出展者54ブランド、バイヤーの来場3,000名を突破しました。次回は更に規模を拡大して出展者80社を募集し、2021年6月23日~25日5月19日~21日(新型コロナウイルスの影響により延期)、WHAT CAFE/E Hall(東京・天王洲アイル駅)での開催を予定しています。

そこで、今日は全国のものづくりメーカーの皆さまに向けて、合同展示会「大日本市」の特徴をお届けしたいと思います。

中川政七商店が全力でサポート。合同展示会「大日本市」の特徴とは

合同展示会「大日本市」は、“つくり手と伝え手をつなぐ”をミッションに、全国の工芸メーカーと小売店バイヤーが集う場として、約3,000名のバイヤーが訪れる展示会です。
主催の中川政七商店が、メーカー目線で商談性の高い展示会を目指し、出展者を全力でサポートします。

特徴①高い商談性
出展者は地域のものづくりメーカーに限定しています。
日本のものづくりが好き、仕入れたい、という共感度が高いバイヤーが多く来場されます。

特徴②出展サポートの充実
什器の貸出と造作工事の代行を行っている為、出展コストが抑えられます。
また、出展者への説明会や接客勉強会を開催するなど、出展サポートも充実しています。

特徴③複動的なプロモーション
展示会のPRはもちろん、メディアや一般消費者向けの情報発信も充実しています。
・SNS、noteへの掲載
・メディア向けの発信と来場促進
・一般消費者向けのEC販売


2011年の初開催以来、出展者・来場者ともに「学び・教育」をキーワードに、接客勉強会やトークイベント等を開催し、「大日本市」を通じてメーカー・バイヤーがともに成長できる環境をつくってきました。
展示会の場だけではなく、工芸メーカーが集うプラットフォームの仲間としてともに成長し、工芸産地の未来を切り開いていくことを目指します。

これまでの実績についてはこちらをご覧ください。

リアルの場を活かす。2021年6月の「大日本市」目玉企画

前回2020年2月に開催以降、新型コロナウイルスによる影響で1年以上リアルの場での展示会開催は見合わせることになりました。オンラインでの展示会は開催しましたが、リアルの場で得られる体験は替えがたいものであることを実感しました。
そこで、次回の展示会は「ものづくりに触れる体験」「人と人のつながり」に重きをおいた企画を進めています。

目玉企画①試して、納得して、選ぶ。まるごと試せる展示会

工芸は、見た目の美しさや言葉だけでは、その魅力のすべてを伝えきることが難しいものです。百聞は一体験に如かず。実際に試してみることで、思わぬ使い心地のよさや、機能性に気づいてほしい。そんな思いで、体験コーナーを設置し、バイヤーが調理器具や食器などを試せるようにします。

目玉企画②第三者の声をお届けする「語り部大日本市」

実際に商品を使っている人の言葉には説得力があります。
ものづくりが好きで、つくり手に共感のある「語り部」を増やすことも私たちのミッションだと考えます。
「我こそはこの商品の語り部だ」という情熱を持った方を集め、語ってもらうことで、バイヤーにその熱意が伝わるようなイベントを目指します。
一般生活者に使ってもらい記事にしたり、バイヤーやプロの料理家の皆さまにレビューいただく予定です。

開催概要

日時:2021年6月23日~25日5月19~21日 
※新型コロナウィルスの影響により延期となりました。

場所:東京都品川区東品川2丁目1番地 WHAT CAFE/E Hall
(東京モノレール/りんかい線 天王洲アイル駅 徒歩5~6分程度)

出展社数:80社程度

出展対象者:日本各地のものづくりメーカー(工芸・食品・化粧品等)

※新型コロナウイルスによる社会情勢により、開催中止、もしくは開催形態を変更する可能性がございます。決定後速やかにご連絡させていただきます。ご了承ください。



中川政七商店が合同展示会を主催する理由

最後に、いちメーカーである中川政七商店が合同展示会を主催する理由を少しだけお話します。
それは、私たちが掲げる「日本の工芸を元気にする!」というビジョンにつながっていることに他なりません。

つくり手が元気になるためには、「欲しい」と思う人にしっかり届く、流通の出口が大切です。
かつて中川政七商店が販路を開拓しようと考えたとき、出展したいと思える展示会になかなか出会えませんでした。ないなら、自らつくる。本当の意味で全国の工芸メーカーが自立し、事業を継続していくために、つくり手それぞれが意思をもって売り手や使い手と向き合う場をつくりたい。
そんな思いから大日本市構想ははじまりました。

大日本市に集うつくり手は、自らの意思と価値観を大切に、日々ものづくりに精進しているメーカーを選んでいます。出展メーカー同士がお互いに高めあい、一緒に成長することを目指します。


中川政七商店初の複合商業施設・まちづくりの拠点 「鹿猿狐ビルヂング」4月14日グランドオープン

路地を巡り出会う、触れ、学び、味わう奈良。

猿沢の池越しに興福寺の五重塔を望み、少し坂を登れば春日大社、鹿がのんびり草を食むその奥には大仏様のいらっしゃる東大寺という、古き良き古都奈良の風景。
そのほど近く、細い路地が入り組んだ迷路のようなならまち元林院町にて、中川政七商店は300有余年商いを続けてまいりました。

その創業の地に2021年春、新しい集いの場が生まれます。
中川政七商店の鹿、猿田彦珈琲の猿、きつねの狐。
3匹が集うこの建物を我々は「鹿猿狐ビルヂング」と名付けました。
我々が共に志すのは、古きを学び進化し続けること。
ふと気がつけばこの奈良という街もそうした進化を繰り返してきた場所です。

古の歴史の深さを垣間見せながら、同時におおらかで新しい。
奈良に住まう人も訪れる人も、足を踏み入れた路地の先々で、そんな今の奈良に出会っていただけると思います。

1716年創業の奈良の老舗・株式会社中川政七商店は、2021年4月14日(水)、同社初の複合商業施設「鹿猿狐ビルヂング(しかさるきつねびるぢんぐ)」を奈良市元林院町(ならまちエリア)に開業いたします。

約126坪の敷地面積に3階建ての同施設を設計するのは、日本を代表する建築家の一人、内藤廣氏。
施設内には、創業の地に満を持して構える旗艦店「中川政七商店 奈良本店」、関西初出店となるスペシャルティコーヒー店「猿田彦珈琲」、ミシュラン一つ星掲載店による初のすき焼き店「きつね(きつね)」、まちづくりの拠点となるコワーキングスペース「JIRIN(じりん)」を展開します。
また同施設とともに巡っていただけるよう、近隣の「遊 中川 本店」「茶論 奈良町店」もリニューアル。築100余年の町家の貯蔵庫を改装した「時蔵」や「布蔵」とともに、中川政七商店の歴史を辿っていただけます。

中川政七商店がつくる、新しい奈良の拠点

江戸時代中期、中川政七商店は麻織物「奈良晒」の問屋として奈良に創業し、日本の工芸をベースにした生活雑貨をつくり続けてきました。
その中で、近年進めてまいりました産業観光の取り組みを、創業の地である奈良で実現すべく、まちづくりの拠点となる複合商業施設をオープンいたします。


コンセプトは、“路地を巡り出会う、触れ、学び、味わう奈良”。
この場所でしかできない買い物や飲食、ワークショップなど様々な体験型コンテンツをご用意し、奈良に暮らす方および国内外から訪れる方が、より一層奈良の魅力を感じていただける拠点を目指します。

街並・伝統・現代・近未来を建築として表現

約126坪の敷地面積に3階建ての同施設を設計するのは、日本を代表する建築家の一人、内藤廣氏。開放的なガラ
ス窓と周囲の街並みを活かした瓦屋根が特徴の建物の中央には、中庭とそこにつながる新たな路地が創られ、古き
よき趣が残る「ならまち」の風景に溶け込んだ新たな空間が生まれます。

【中川政七商店】創業の地 奈良で、原点、軌跡、今を巡る

創業の地に満を持して構える旗艦店は、中川政七商店の原点、軌跡、今を巡っていただける場所。創業の商いである
手績み手織り麻のものづくりに触れられる「布蔵」や、300余年の歴史をアーカイブ展示する「時蔵」、そして800を超えるつくり手と生み出す約3000点の商品に出会える「中川政七商店 奈良本店」。
300年の歴史が紡いできた、いまの暮らしに寄り添う暮らしの道具を手に取っていただけるとともに、本店でしか購入できない限定品など奈良を訪れる記念となるような商品をご用意しています。施設全体を通して、中川政七商店がつくる暮らしの道具の根底にある、奈良という土地から生まれた価値観や美意識を感じていただけます。

【猿田彦珈琲】歴史的街並みの中で、究極の一杯を楽しむ

「たった一杯で、幸せになるコーヒー屋」をモットーに、東京・恵比寿にて創業したスペシャルティコーヒー専門店。創業者である大塚朝之氏が自ら厳選した高品質のコーヒー生豆を、独自の知見と技術を生かし、焙煎から抽出までこだわりと誇りをもって提供しています。関西初出店となる同店は、開放的なガラス窓に面した空間が特徴。古きよき趣が残る街並みの中で、究極の一杯をお楽しみください。

【きつね】温故知新のすき焼きと弁当を味わう

東京・代々木上原にあるミシュラン一つ星掲載店「sio」による初の、すき焼きをメインにコースでお召し上がりいただくレストラン。これまでのすき焼きをアップデートする温故知新の料理をはじめ、食を通じて奈良で過ごすひとときに感動をお届けします。観光の合間やランチ代わりに気軽に楽しんでいただけるよう、お弁当のテイクアウトもご用意しています。

【布蔵】奈良の工芸に触れる体験

手績み手織り麻の絵はがきを制作するワークショップや、麻生地づくりの道具に触れられるツアーなど、奈良の工芸や歴史、文化に触れる体験型コンテンツをご用意しています。

<コンテンツ例>
・麻生地にステンシルを施し、オリジナルはがきを制作
・麻生地づくりの道具を実際に触り、使うことでものづくりの工程や奥深さを体験

【JIRIN】まちづくりの礎になる学びの場

3階の「JIRIN」は、中川政七商店による初のコワーキングスペース。奈良に魅力的なスモールビジネスを生み出す「N.PARKPROJECT」の拠点として誕生した、共に働き、共に学ぶ場です。
興福寺の五重塔を臨む窓が広く心地よい空間には、BACH・幅允孝氏が選書したライブラリも用意。中川政七商店が企画する経営講座やトークイベントなど、奈良での創造的な活動を支援するプログラムを開催予定です。

近隣施設

鹿猿狐ビルヂングとともに巡っていただけるよう、築100余年の町家を活かした近隣施設も店内をリニューアル。「遊 中川 本店」では日本の染織技術に支えられた服や服飾小物などが四季折々に並びます。「茶論 奈良町店」では観光の合間にほっと一息過ごせる喫茶を、また貯蔵庫を改装した「時蔵」「布蔵」では、中川政七商店の歴史を体験いただけるコンテンツをご用意しています。

遊 中川 本店

中川政七商店初の直営店として1985年にオープンした空間は、「中川政七商店 奈良本店」の一部としてリニューアルします。

茶論 奈良町店

茶道の新しい楽しみ方・学び方を提案する「茶論」は、季節の美味しいお菓子・選りすぐりのお茶をご提供します。

時蔵・布蔵

中川政七商店の300年の歴史がアーカイブされる「時蔵」と、手績み手織り麻の道具に触れられる「布蔵」を公開します。

施設概要:鹿猿狐ビルヂング
施設名:2021年4月14日(水)グランドオープン
開業日:4店舗(中川政七商店 奈良本店、猿田彦珈琲、きつね、JIRIN)
    ※近隣に「遊 中川 本店」「茶論 奈良町店」「時蔵」「布蔵」あり
テナント数:奈良県奈良市元林院町22番(近鉄奈良駅より徒歩7分)
所在地:奈良県奈良市元林院町22番(近鉄奈良駅より徒歩7分)
設計:内藤廣建築設計事務所
敷地面積:126.98坪(419.06㎡)
延床面積:241.16坪(795.84㎡)
施設U R L:https://nakagawa-masashichi.jp/shikasarukitsune/

【季節のしつらい便】娘の成長を感じながらつくる雛人形

華やかで厳かな桃の節句の雛人形。私も娘もとても好きなしつらいです。
毎年この時期になると部屋の中だけは一足早く春になったかのようで、ウキウキします。
大切なお飾りを娘に受け継いでいってほしいと願いながらも、よくよく考えてみればどうして人形を飾るのか、桃の節句にどのような歴史や意味が込められているのかなど、これまできちんと話すタイミングはありませんでした。

そんな時に、雛人形をつくりながら自然と行事を学べる「季節のしつらい便」が発売。早速、娘と一緒に体験してみました。

はじめに、しおりにある『桃の節句とおひなさま』を、娘が朗読してくれるところから始まりました。「厄を払うってなに?」など疑問に思ったことを質問する中で、「女の子の成長を願う気持ちを込めるんだね」と、節句の意味を理解できた様子。
一緒に載っている日本各地の雛飾りのイラストに思いを馳せていよいよ雛人形づくりのスタートです。

まずは紙に下書き。お絵描き大好きな娘が、顔や髪形、どんな色にするかなど描き進めます。細かい塗りになるので、筆の使い方や顔の書き方など何度も練習。筆で描くのが難しいところは、絵具の上から塗ることができるペンを使うことにしました。

次に下書きの絵を見ながら、着物選びです。
「おひなさまはピンクの桜!」「隣にくるお内裏様はどんなのが合うと思う?」などコーディネートを考える楽しい時間。人形の顔にも鉛筆で薄く下書きしました。

失敗できない色塗りの工程。私が細い筆で髪の毛の輪郭をとり、娘が塗っていきます。思っていたよりスイスイ上手に塗っていてびっくり。
髪の毛が乾いたら顔を描きこみます。立体物に描くのは難しいのですが、今日一番の集中で上手にできました。髪飾りや烏帽子も装飾しておしゃれを楽しんでいる様子。

娘が顔を描いている間、私の方では着物の工程を進めます。端を折りながら両面テープで貼っていくだけなので簡単。ワイヤーは少し硬めなのでラジオペンチなどがあると便利です。
顔部分が乾いたら、綿を詰めた本体にセットし形を整えます。二人で協力しながら着物を着せたり腕の形をつくりました。

最後に、笏と扇を持たせて、完成です!
並べる時に「どっちが右?左?」と、ナイスな質問をくれた娘にしおりを見ながら説明。チェストに置くと、とてもいい出来栄えに感激。
「すごく素敵にできたね~!いい顔してる!」「着物のあわせもかわいいよ!」
と、盛り上がりました。

いつもは飾るだけですが、こうしてつくってみると雛人形に願いを込めた気持ちがより分かった気がします。制作中は娘と褒めちぎり合いながら(笑)楽しくできたので、親子のコミュニケーションツールとしても素晴らしいのでは!と思いました。

娘の健やかな成長を願って飾るひな人形を娘の成長を感じながら制作できたところも親として感慨深い時間でした。

<関連特集>
季節のしつらい便