益子に行ったら、益子参考館へ。人間国宝・濱田庄司が集めた世界の民芸コレクションを堪能

世界の民芸品が2000点!濱田庄司記念益子参考館の魅力とは

ちょっと変。だけど可愛い。そんな民芸品にたくさん出会える場所が、栃木県の益子町にあります。

フクロウの人形(アメリカ・インディアン)
アメリカ・インディアンのフクロウの人形
お花をかたどったオランダのお皿
お花をかたどったオランダのお皿
これは、犬??(中米の石皿)
これは、犬??(中米の石皿)
ひげおじさんの徳利(ドイツ)
ドイツ、ひげおじさんの徳利
イランの染物の衣服
イランの染物の衣服

それは、「濱田庄司記念益子参考館」。

濱田庄司さんは、益子焼の陶芸家にして人間国宝。民藝運動の中心人物でもあります。
これらの可愛い民芸品と人間国宝・濱田庄司さんに、どんなつながりがあるのでしょうか。

濱田庄司
濱田庄司

濱田庄司 (1894年-1978年)

神奈川県川崎市生まれ。1955年に第一回の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。
東京高等工業学校(現:東京工業大学)窯業科を卒業後、京都や沖縄、イギリスなど各地で作陶を続けた。
30歳の時に益子での作陶生活を開始。益子を代表する陶芸家として活躍し、益子焼全体に大きな影響を与えた。

各地の民芸品に美を見出した濱田庄司

濱田庄司さんと世界の民芸品との関係を知るため、益子参考館へ。

益子参考館・館長の濱田友緒(はまだ・ともお)さんは、濱田庄司さんのお孫さん。ご自身も陶芸家として活躍されています。

友緒さんに祖父・濱田庄司さんの功績や人柄について伺いました。

益子参考館の館長、濱田友緒(はまだ・ともお)さん
益子参考館の館長、濱田友緒(はまだ・ともお)さん

「若い頃から日本各地で作陶をしていた庄司は、地域の生活に興味を持ち、そこから生まれる日用品の美しさに気づきました。それが後の民藝運動(※)につながったんでしょうね」

※民藝運動

1926年に濱田庄司が柳宗悦・河井寛次郎らと共に提唱し推進した、「暮らしの中で使われる手仕事の日用品の中に『用の美』を見出し、活用していこう」という運動のこと。
上流階級が好んだ美術品「上手物(じょうてもの)」に対し、「下手物(げてもの)」と呼ばれていた地方の手仕事を「民衆的工藝」、略して「民藝」と呼び替え、守った。
濱田庄司らは日本全国を巡り、実際に自分たちの技術やセンスでものづくりを指導するなどして、それまでスポットが当たらなかった職人や産地を盛り立てた。

熊本の郷土玩具、雉子車。濱田庄司は若い頃から地域の生活に強い関心があった
熊本の郷土玩具、雉子車。濱田庄司は若い頃から地域の生活に強い関心があった

民藝運動が日本各地の民芸品を救った

「もともと日用品の収集は好きだったようですが、民藝運動をはじめると、地域の民芸品の収集に熱が入りました」

濱田庄司は地域の日用工芸品に美を見出した。江戸時代の職人による、瀬戸焼の絵付皿
濱田庄司は地域の日用工芸品に美を見出した。江戸時代の職人による、瀬戸焼の絵付皿

「庄司たちが民藝運動をすすめたのは、ちょうど手工業から大量生産への過渡期でした。地方の人たちが代々続けてきた手仕事の美しさは評価されず、そのままなくなってしまう可能性が大きかったんです。

庄司の収集品の中には、産地の人を応援する意味合いを込めて購入されたものもあります。店をたたもうと思っていたところを見出され、『もう一回やってみよう』と息を吹き返した職人さんも多かったようです」

民藝運動の結果、再び活力を取り戻し現在まで続く民芸品には、島根県の出西窯(しゅっさいがま)や大分県の小鹿田焼(おんたやき)などがあげられます。

現在の日本には、まだ多くの民芸品が残っていますが、この民藝運動がなければそれらの産地もなくなってしまっていたのかもしれません。

沖縄の伝統的な骨壷、厨子甕(ずしがめ)。民藝運動は、終戦後なくなりかけていた沖縄の琉球文化も守った
沖縄の伝統的な骨壷、厨子甕(ずしがめ)。民藝運動は、終戦後なくなりかけていた沖縄の琉球文化も守った
濱田庄司自身も、生活の品々を手掛けた
濱田庄司自身も、生活の品々を手掛けた

2000点以上にのぼる、バラエティ豊かな収集品

「庄司の身の回りには常にものが溢れていました。正直、祖母は呆れていたと思いますよ。旅先からわけの分からない、埃っぽい、カビ臭い類のものが大量に送られてくるわけですから」

屋外にも数多くの収集品が展示されている
屋外にも数多くの収集品が展示されている

友緒さんによれば、その数は益子参考館の収蔵品として登録されているものだけでも2000点以上にのぼるそう。

収集した民芸品のジャンルは焼き物だけでなく、織物、人形、さらには家具類まで多岐に渡り、時代や洋の東西を問わず、様々な国から集められています。

たしかに、益子参考館に展示されている収集品は、一人が集めたものとは思えないほど、バラエティ豊かで驚きました。

ちょこんと可愛らしい、メキシコの鳥の置物
ちょこんと可愛らしい、メキシコの鳥の置物

産地らしさの強いものに感服し、収集した

「庄司は、土地の魅力を反映したもの、地元の職人たちの生き生きとした雰囲気が残っているものに魅力を感じ、収集していました。名もない職人たちが、日常生活で使うために作ったものです。

庄司の著書には『これは敵わない、負けた』と思ったものを、その負けた印として自分の手元に置いた、とあります。負けたと感じたポイントは、技術的なことであったり、その土地の特性が最大限に出ていて産地らしさが感じられたり、ということだったようです」

鳥をモチーフにした、色鮮やかなパナマの織物
鳥をモチーフにした、色鮮やかなパナマの織物

世界各地の民芸品を求めて旅をした濱田庄司さんは、地元の人からみても危険だと言われるような地域にも、自ら足を運んだといいます。

「『田舎のほうが、産地らしさが出た純粋なものが多い』ということで、特に、原住民と言われるような方たちが作ったものを好んでいたようです。良いものを探しに旅に出ては、言葉も通じない現地の方と仲良くなって帰ってきました。新しい美を見つけ出すのが楽しかったんでしょうね」

普段の生活では目にすることのないような各国の地域色豊かな展示品に囲まれていると、まるで世界旅行をしているような気分になります。

メキシコの木彫りの動物たち。とぼけたような表情が面白い
メキシコの木彫りの動物たち。とぼけたような表情が面白い

コレクションは趣味であり、作陶の栄養

また濱田庄司さんは、収集を単なる趣味としてだけではなく、自分の作品作りの糧としていたそうです。

どんな作品に、収集品の影響が見られるのかを友緒さんに伺ってみました。

「むしろ、自分の作品に、収集品からの影響が見てとられないよう注意していました。『真似ではなく、取り入れたものを体内で消化して栄養とし、しっかりと力がつくことが大切だ』と語っています。自分の身体から、自然に個性として生まれるようになれば、と考えていたようです」

濱田庄司さんの収集は、新たな感覚を取り入れ続けるため、半ば意識的におこなわれていたものなのですね。友緒さん曰く、晩年までその作風は変化し続けたといいます。

濱田庄司の代表的な技法、「流し掛け」の大皿
濱田庄司の代表的な技法、「流し掛け」の大皿

「一般の人たちにも、参考にしてもらいたい」

「自分の収集品を是非一般の人にも参考にしてもらいたい、ということで、庄司は亡くなる半年前に、この益子参考館を開館しました。

展示されている収集品たちは、私から見ても味のある良いものばかりです。益子に来た際にはぜひ一度足を運んでみてください」

エントランスとなる長屋門に掲げられた「益子参考館」の文字は、濱田庄司によるもの
エントランスとなる長屋門に掲げられた「益子参考館」の文字は、濱田庄司によるもの
上ん台 (うえんだい)」と呼ばれた別邸。濱田庄司の一番のお気に入りの建物だった
上ん台 (うえんだい)」と呼ばれた別邸。濱田庄司の一番のお気に入りの建物だった
濱田庄司の工房。友緒さんとも、よく絵付けの競争をしてくれたそう
濱田庄司の工房。友緒さんとも、よく絵付けの競争をしてくれたそう
濱田庄司の登り窯。長らく使われていなかったが、2017年の冬に、復活プロジェクトとして火入れがおこなわれる
濱田庄司の登り窯。長らく使われていなかったが、2015年に復活プロジェクトとして、約40年ぶりに火入れがおこなわれた。2017年の冬にも、2回目の復活プロジェクトが予定されている
受付の本棚にも可愛い人形が。カナダの作家によるもの
受付の本棚にも可愛い人形が。メキシコの作家によるもの

益子参考館に展示されている濱田庄司さんの収集品は、いま見ても可愛かったり面白かったりと、味のあるものがたくさん。

「人間国宝」「各地の工芸を守った民藝運動の立役者」とだけ聞くと、少し身構えてしまう部分もありましたが、濱田庄司さんの可愛らしいコレクションからは、素朴で温かい人柄を垣間見ることができました。

<取材協力>
公益財団法人 濱田庄司記念益子参考館
栃木県芳賀郡益子町益子3388
0285-72-5300
http://www.mashiko-sankokan.net/index.html

文:竹島千遥
写真:竹島千遥、公益財団法人 濱田庄司記念益子参考館

*こちらは、2017年11月19日の記事を再編集して公開しました。

益子の陶芸家に愛される移動式パン屋。濱田庄司由来の酵母を使う「泉’s Bakery」を探しに

益子を代表する陶芸家、濱田庄司。彼から受け継いだものが、益子では至る所に広まっています。美食家としての一面もあり、好んで食したと言われる自家製ヨーグルトは、種となる菌が友人や職人に分けられていきました。

いま、その種菌を活用した天然酵母のパンが、益子の陶芸家に愛されています。作っているのは移動式のパン屋「泉’s Bakery」さんです。

泉'sベーカリー・益子
移動式パン屋「泉’s Bakery」のパン工房

陶芸の町ならでは。泉さんが移動式ベーカリーを始めた理由

「泉’s Bakery」の店主は、笑顔の素敵な加守田泉(かもだ いずみ)さん。美大を卒業したのち、加守田章二を父に持つ陶芸家・加守田太郎さんと結婚し、埼玉から益子へと移住してきました。

泉’s Bakery店主の加守田泉さん

移動式にしたのは、窯元が多いから。職人が身近にいる泉さんだからこそ、移動式のパン屋さんが生まれたのかもしれません。基本的に木曜日だけ営業する移動式のパン屋になったのも、器の直売店をやっている友人のひと言がきっかけ。

益子の陶芸家や作家がよく訪れる

車から看板を出して、道端にお店を作っていく泉さん。お話を伺っていると、近くの窯の作家さんが「待ってました」とやってきました。職人さんはものを作り出すと工房にこもりきりになるので、なかにはパンを買いに来る時に「街に出る」と言う方も。

濱田窯の職人さんがバイクでやってきました

この日訪れていたのはいずれも常連さん。単に「お客さん」というだけでなく、すっかり友人知人の間がら。泉さんに聞いてほしいことがあると顔を出す人もいて、話に花が咲いて移動時間が押してしまうなんてこともあるそうです。

道端に停められた店の開放感。話に花が咲きます

益子の人に愛される味の秘密は益子にあり

「泉’s Bakery」は今年で8年目。濱田家から受け継いだヨーグルト菌は、おそらく100年ほど生き続けているもので、そのためか活きが良くパワーがあり、発酵液は1日で完成します。

泉’s Bakery・益子
生地をのばして人気のバナナパンを成形中
泉’s Bakery・益子
バナナパンの全貌が現れ、すでに空腹感が

パンは焼きあがった後も日が経つほどに熟成して、味の変化が楽しめます。

気温にもよりますが1~2日でフレッシュな風味、2~3日でコクが出て、3~4日で酸味を感じるそう。自分が好きだなと思ったところで冷凍してしまえば、そこで味が維持されるそうです。益子の町で脈々と受け継がれてきた、濱田庄司が愛したヨーグルトは、いまパンとなって職人や町の人を満たしていました。

泉’s Bakery・益子
濱田庄司から受け継いだヨーグルト菌で作られたパン

「せっかくなら益子らしいものを」という思いのもと、泉さんのパンには益子や栃木のものがふんだんに取り入れられています。

濱田庄司のヨーグルト菌をはじめ、栃木県で生産されている小麦「ゆめかおり」や、地元で採れた旬の野菜。秋はカボチャに栗、新ごぼう、春は菜の花などの地元で採れた旬の野菜たち。

季節ごとに新しいパンが味わえる

ワンボックスカーの周辺には、香ばしくてまろやかな香りが。ハード系の天然酵母パンだけれども、どこかまるっとした優しい印象のパンに囲まれて、パン好きの精神がムフフとかきたてられます。

道端で、店主におすすめを聞いたりしながら、どれにしようかと積まれたパンを選ぶ、この感じがたまりません。

泉'sベーカリー・益子
小さな車にたくさんの魅力がつまっている
かごにパンをいれていくのも楽しい

外側のカリっとした食感と、モチモチとした生地の噛み応え。具材も味付けもなるべくシンプルにしているということで、益子の素材の旨みを存分に楽しめる天然酵母と国産小麦のパンです。

泉’s Bakery・益子
益子を味わうハード系のパン
泉’s Bakery・益子
焼き菓子用のオーブンを使っているのでカリっとした食感が生まれる

移動式のパン屋さんで、基本的に木曜日のみの営業で滅多に出会えないレアなお店なのに、TVが取材にきたり、陶器市で人気店になったりなど評判の高さが伺えます。

少しの間にも町の人が集まる盛況ぶり

泉さんにオススメのパンの食べ方を聞くと、さっそく明日実践したい美味しいひと工夫を教えてくれました。

「フライパンに油を敷かずに、パンをならべてフタをして。弱火で片面をちょっとあっためたら、一度パンを取りだして、フライパンにチーズをびやっとかけるんです。そこに裏返したパンをおきます。チーズに油があるので、こげないですよ~。2、3分で焼けるからトースターより早いし、ふわっと焼きあがります」

泉’s Bakery・益子
チーズをかけて食べてみたい
「もちろんそのままで食べるのもおすすめです!」

陶芸家に愛されるパン屋さん「泉’s Bakery」。濱田家から受け継いだ酵母で焼かれたパンを食べて、益子では今日もまた新しい作品が生まれていきます。

 

取材協力
泉’s Bakery
栃木県芳賀郡益子町益子3529−3
0285-72-7907
※ 営業時間、販売場所の詳細はHPをご確認ください
HP / Facebook

文:田中佑実
写真:尾島可奈子、西木戸弓佳

*こちらは、2018年1月15日の記事を再編集して公開しました。

秋の益子陶器市が開催中!目利きに教わる「器の選び方」と「注目作家」

仁平古家具店・pejiteのオーナー 仁平 透さんに聞く、益子焼のこと

今年も陶器市で盛り上がる益子。全国から60万ほどの人が訪れるそうです。

陶器市に行くと、朝淹れるコーヒー用のカップが欲しいなあとか、蕎麦にはまってるから蕎麦猪口も欲しいなあとか、どんなものを仲間にしようか、ひとつに決めるのが悩ましいことも。

それもそのはず。益子には、約250の窯元と、400人前後の陶芸家がいるというのです。益子で生まれ育った作り手でなくても、活躍できる柔軟な風土があり、作り手が全国から集まってくるのだそう。益子で民芸運動を先導した濱田庄司も、生まれは東京でした。

たくさんの作り手が生み出す魅力の中から、運命を感じる一点を選びたい! けれども、やはり悩ましい。

そこで、独自の目利きにファンが多い、仁平古家具店のオーナー・ 仁平透さんに、注目の作家さんや選ぶときのポイントをうかがいました。

益子の仁平古家具店の店主・仁平透
仁平古家具店(にへいふるかぐてん)のオーナー・仁平 透(にへい とおる)さん

001 阿久津忠男さん

益子焼 阿久津忠男さんの食器

1950年、栃木県高根沢町生まれ。青山学院大学卒業後、広崎裕哉さんに師事してものづくりの道へ。益子で1975年に独立・築窯してから、「東京セントラル絵画館」や「日本橋高島屋」など様々な場所で展示や出品がされてきました。

益子焼 阿久津忠男 瑠璃釉コーヒーカップ
益子焼 阿久津忠男の作品

益子焼独特の重厚感があるカップや鉢は、手びねりで成形されガス窯で仕上がります。釉は陶器に吸い込まれてしまうような深い瑠璃色をしています。

益子焼 阿久津忠男 瑠璃釉

「なんと言ってもこの瑠璃釉が特徴です。深みがあって奥行きがありますよね。お店を開く前から阿久津さんが好きで、店のオープン時からずっと取り扱ってます。果物を載せたくなるような料理映えするお皿かなと思います」

002 内田裕太さん

益子焼・内田裕太さん 黒錆のうつわ

1990年栃木県生まれ。2011年に京都伝統工芸大学を卒業し、2年後に益子で制作開始。翌年、真岡市にて独立。

益子焼・内田裕太さんの黒錆のうつわ
益子焼・内田裕太さんの黒錆のうつわ

シックで金属のように発色する「黒錆のうつわ」と自然をイメージした優しげな「色のうつわ」を作っており、ガス窯での焼成を経て一つひとつ違う表情の器が出来上がります。「日々の楽しみになるような器づくりを」という想いが滲みでている作品が印象的です。

内田裕太さん 黒錆のうつわ

「フォルムがきれいですよね。黒錆のシリーズが人気です。使っていく事で黒さが増して、より渋い色になっていきます。外側がマンガン釉で、内側がマット釉ですね。陶器市で目を惹かれ、声を掛けたのが出会いでした」

003 宮田竜司さん

益子・宮田竜司さんの器

1976年東京生まれ。陶芸好きだったお父様の影響を受けて焼き物の世界へ。1999年から高内秀剛さんの元で制作をはじめ、2006年に益子で独立し築窯。高島屋や伊勢丹、三越などの百貨店で個展を行っています。

宮田竜司の器
宮田竜司の器

花が開いたような形が特徴的な器で、「型打ち成形」によって作られています。多角形の器を作る時に使われる成形手法で、ろくろで大まかな器の形状に成形をしてから、石膏で作った型にはめて型打ちをするもの。益子伝統の黒飴釉、灰釉、寺山釉を使っており、凛とした美しさがあります。

宮田竜司の器

「私と同じ、日本の古い陶器が好きな方です。作品を見るだけで、ものづくりが好きなのが伝わってきます。小料理や菓子受けに使うと器が映えていいですね。」

004 久保田由貴さん

益子・久保田由貴の器

神奈川県横浜市生まれ。2014年から鈴木稔さん、2016年から額賀章夫さんに師事をしたのち、2017年に益子で独立。その年の秋に初めての個展が開催されました。

益子・久保田由貴の器
益子・久保田由貴の器

ろくろ成形で、ガス窯で焼成しています。釉薬の流れが作る大胆なデザインは、毎回その時勝負で釉薬を垂らすため、一つひとつ味が異なります。

益子・久保田由貴の器

「もちろん使うものなのですが、ダイナミックな釉には抽象画を見るような楽しさを感じます。デビューして間もないのに、「銀座松屋」の手仕事直売所に呼ばれ、400点の作品をほぼ完売させてしまう人気の作家さんです」

仁平古家具店/pejiteの店主 仁平透

器の選び方

「どうしてだか、しっくり来る。心惹かれる」
器がどれも魅力的で選びがたいと仁平さんに相談したら、難しいことよりも、そんな感覚だけで自分の運命の一点が見つかるはずと教えてくださいました。

良いものを買わないと、なんて気負わずに「なんだか好きだなあ」と思ったものを手に取ってみる。

じっくり見て、それでも連れて帰りたくなったものはきっと、使う時にどこか胸が高鳴るような感覚が湧き上がってくるかもしれません。

< 取材協力 >
仁平古家具店/pejite
オーナー 仁平 透さん

pejite
所在地:栃木県芳賀郡益子町益子973-6
TEL:0285-81-5494
URL : http://www.pejite-mashiko.com
定休日:木曜日

仁平古家具店 益子店
所在地:栃木県益子町益子3435
TEL:0285-70-6007
URL : http://www.nihei-furukagu.com
営業時間/11:00〜18:00
定休日/木曜日

仁平古家具店 真岡店
栃木県真岡市荒町1095
TEL:0285-70-6007
URL : http://www.nihei-furukagu.com
営業時間/13:00〜18:00
定休日/木曜日

文:田中佑実
写真:今井駿介

*こちらは、2018年5月4日の記事を再編集して公開しました。

中川政七商店の教育事業「経営とブランディング講座」とは

「日本の工芸を元気にする!」ためには、できるだけ多く中小工芸メーカーを再生できる人材を育成することが急務である、と中川政七は感じていた。そこで中川が塾長になり経営、クリエイティブ、売場までを考えて結果を出せるプロデューサーを育てる教育プログラム「コトミチ」が始動。

その背景に加え、「コトミチ」を実際に体験し、経営に反映した5つの事例を紹介します。

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中川政七塾長が語る。教育事業「コトミチ」の価値と手ごたえ

 

新潟県三条市に新しい風が吹いている。中川政七が塾長となり、経営、クリエイティブ、売場までを考えて結果を出せるプロデューサーを育てる教育プログラム「コトミチ」。改めて「コトミチ」の成り立ちと意義、目指すものについて話を聞いた。

→記事を見る

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大ヒット商品「TSBBQ ホットサンドメーカー」はいかにして生まれたか?

 

漁具の金物卸商からのスタートした三条市の山谷産業は、キャンプ用テントのペグを大ヒットさせ、さらに新しい領域でもヒット商品を開発。その裏側にあった想いとは。

→記事を見る

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老舗の八百屋がつくったドレッシング。新ブランド「半吾兵衛」の誕生秘話

 

フレッシュでジューシーな野菜と果物の風味そのままに、赤ちゃんからお年寄りまで楽しめる安心、安全なドレッシングを実現したのは、新潟県三条市の野島食品です。

→記事を見る

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三条市 ステンレス黒染め 96KURO

軽くて割れない黒のうつわ。町工場発の新ブランド、「96 -KURO」のデビュー秘話

 

「ステンレスの黒染め」という全国的にも珍しい技術。メーカーになりたい、という思いを胸に、自社製品へ乗り出した新潟県三条市の町工場の姿を追いました。

→記事を見る

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魅せるキッチンツール「DYK」で、三条市の老舗大工道具商社が挑む新市場

 

創業1866年、のこぎり鍛冶としてスタートした株式会社高儀。この老舗が新たに手掛けるのは、デザイン性に富んだキッチンツール「DYK(ダイク)」だ。その誕生の背景に迫ります。

→記事を見る

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燕三条 デザイナー堅田佳人さん

仕事が集まる新潟のデザイナー。彼が実践したのは『経営とデザインの幸せな関係』だった

 

「新しくていいものを作ったのに、なかなか思ったようにお客様への訴求ができない」。そんな課題を感じていたのはクリエイティブディレクター、プロダクトデザイナーの堅田佳一さんでした。「コトミチ」から得たヒントとは。

→記事を見る

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※受付終了※【参加者募集】さんち編集部と行く奈良の旅。筆・染・鹿、3つの工芸を体験するスペシャルツアー

「さんち」は3周年を迎えました

2016年11月1日にスタートした「さんち 〜工芸と探訪〜」は、本日めでたく3周年を迎えることができました!

日々「さんち」を訪れてくださっている読者の方々や、私たちの企画に賛同いただき、快くご協力くださった取材先の方々。「さんち」に関わってくださっているみなさんに、この場を借りて御礼申し上げます。本当にありがとうございます。

3周年の記念とみなさんへの感謝の気持ちを込めて、今年もやります!さんちオリジナル工場見学ツアー。読者のみなさんの中から、5名の方をご招待します!

昨年の2周年企画では、千葉九十九里にある「富士山グラス」の菅原工芸硝子さんへ見学ツアーを企画。多くの方にご応募いただき、ありがとうございました!
昨年の2周年企画では、千葉九十九里にある「富士山グラス」の菅原工芸硝子さんへ見学ツアーを企画。多くの方にご応募いただき、ありがとうございました!

また節目にあたり、ツアーのご応募に関係なく、皆さんからの感想、ご意見も広く募集したいと思います。

こちらの応募フォームは、「参加はできないけれど、さんち編集部にメッセージを送りたい!」という方でも書き込めるようになっています。記事の感想・ご意見大歓迎です!是非お寄せください。

ツアーの舞台は、創業の地、奈良!

さて今年、ツアーの舞台は関西へ。さんちを運営する中川政七商店の創業の地、奈良で開催します!

奈良

奈良と言えば、奈良公園に、鹿に大仏‥‥?実は、さまざまなものづくりの宝庫なのです。

そこで、「さんち〜工芸と探訪〜」の編集部がガイドとなり、奈良の知られざる工芸スポットをまわるスペシャルツアーを企画しました。

私たちが考えた「今行きたい、奈良のさんち旅」は以下の通り。ぜひ、たくさんのご応募、お待ちしています!

さんち編集部と行く奈良の旅。筆・染・鹿、3つの工芸を体験するスペシャルツアー

今年、さんち編集部がみなさんをご案内するのは、実は1社だけではありません。

3周年を記念して読者の方をご招待したい!という編集部のお願いを、快く聞いてくださった3つの作り手さんを周遊。

飛鳥時代から令和まで、さまざまな時代に始まった日本のものづくりをたった1日で巡れる、タイムトラベルツアーです!

※受付は終了しました
【日程】
2019年12月7日 (土) 9:00頃集合〜18:00頃解散
【集合/解散場所】
近鉄奈良駅もしくはJR奈良駅予定。専用の送迎バスで移動します!
※詳しい日程や集合場所は、参加が決定された方に個別にお知らせいたします
【概要】
奈良県内のものづくり現場を周遊
【参加費】
無料(昼食・お土産付き)
※ご自宅から集合/解散場所の交通費は自己負担にてお願いいたします
【参加人数】5名ほど

【応募方法】
こちらのアンケートフォームからご応募ください。
また「参加はできないけれど、さんち編集部にメッセージを送りたい!」という方も、感想・ご意見大歓迎です!是非お寄せください。

【応募〆切】2019年11月15日 (金) 23:59

※結果は参加が決定された方に、11月20日 (水) ごろお知らせいたします。
※お一人さま一回限りのご応募とさせてください
※アンケートフォームの送信をもちまして、ご応募完了となります
※原則、18歳以上(高校生不可)の方のみを対象とさせていただきます

【見どころその1・筆】飛鳥から続く伝統。「奈良筆」のものづくりを見学

日本に筆がもたらされたのは飛鳥時代。その後、唐に渡った弘法大師(空海)が筆づくりを習い、伝授したのが他でもない奈良の地でした。

筆づくりの老舗「あかしや」さんにお邪魔して、その伝統のものづくりを見学します!

最近はこうした筆ペンタイプも人気です

ツアーでは伝統的な筆づくりの一部を体験。完成したものはそのままお持ち帰りできます。

【見どころその2・染】明治に始まった、手わざと機械のハイブリッド工芸。「注染」のものづくりを体験

手ぬぐいや浴衣の染めに用いられる注染 (ちゅうせん) 。じゃばらに重ねた生地に染料を「注」いで「染」める技法は、明治時代に始まりました。

手ぬぐい

発祥は大阪・堺ですが、実は奈良にもそのものづくりを受け継ぐ作り手さんがいます。工程の一部を実際に体験してみましょう!

【見どころその3・鹿】未来の郷土玩具を目指して。奈良の新しいお土産「鹿コロコロ」とは?

奈良の不動のアイドル、鹿。

奈良には様々な鹿モチーフのお土産がありますが、100年後に受け継がれることを目指した、奈良の新しい郷土玩具が誕生しています。その名も「鹿コロコロ」。

従来の木型でなく、3Dプリンターで型をつくった新郷土玩具「鹿コロコロ」

素朴な佇まいには、実は現在のものづくり業界の課題を解決する技術とアイディアがいっぱい。

ツアーでは、その誕生秘話を伺いながら、オリジナルの鹿コロコロを作れる絵付け体験を行います。

鹿コロコロ絵付けの様子

愛らしくも奥深い郷土玩具の世界に触れながら、工芸の未来を覗いてみましょう!

さんち編集部が同行!みなさんをご案内します

編集部が、みなさんと一緒にツアーをめぐります。

「さんち」の感想、好きな工芸のこと、読んでみたい記事、この機会に聞いてみたいこと、大歓迎です。

楽しい「さんち旅」にできるように、編集部でも引き続き企画を練ってまいります。ぜひご応募ください!

※受付は終了しました
【日程】
2019年12月7日 (土) 9:00頃集合〜18:00頃解散
【集合/解散場所】
近鉄奈良駅もしくはJR奈良駅予定。専用の送迎バスで移動します!
※詳しい日程や集合場所は、参加が決定された方に個別にお知らせいたします
【概要】
奈良県内のものづくり現場を周遊
【参加費】
無料(昼食・お土産付き)
※ご自宅から集合/解散場所の交通費は自己負担にてお願いいたします
【参加人数】5名ほど

【応募方法】
こちらのアンケートフォームからご応募ください。
また「参加はできないけれど、さんち編集部にメッセージを送りたい!」という方も、感想・ご意見大歓迎です!是非お寄せください。

【応募〆切】2019年11月15日 (金) 23:59

※結果は参加が決定された方に、11月20日 (水) ごろお知らせいたします。
※お一人さま一回限りのご応募とさせてください
※アンケートフォームの送信をもちまして、ご応募完了となります
※原則、18歳以上(高校生不可)の方のみを対象とさせていただきます