こんにちは。ライターの石原藍です。
2017年10月12日(木)~15日(日)の4日間にわたる工芸産地のイベント「RENEW×大日本市鯖江博覧会」が現在開催中です!
「RENEW」は、普段は見ることのできない工房が特別に開放され、ものづくりの現場を見学・体験できる、体感型マーケット。
3回目となる今年は、中川政七商店の工芸の祭典「大日本市博覧会」とのコラボが実現し、「RENEW×大日本市鯖江博覧会」が開催されることになりました。
今回は実際にものづくりの現場をめぐった初日の様子をいち早くお届けします!これから参加するという方も参考にしていただけるはず。どうぞご覧ください!
河和田に着いたらまずは「うるしの里会館」へ
「RENEW」のメイン会場となるのが、JR鯖江駅から車で約20分の場所にある河和田(かわだ)地区の「うるしの里会館」。まずはこちらで、マップを手に入れましょう。
工房めぐりには「RENEW×大日本市鯖江博覧会」公式アプリ「さんちの手帖」をお忘れなく。
参加企業や工房85箇所の情報や地図機能も搭載。さらにスマートフォンの位置情報をONにしておくと、すべての箇所で「旅印 (たびいん) 」を取得することができます。
*「さんちの手帖」の使い方はこちら
メイン会場となる河和田エリアは工房が集まっているので徒歩でも回れますが、レンタサイクルを利用するのも便利です。
こちらはさんちの手帖ブースの隣で受付していますので、短時間でたくさんの箇所を回りたい方はぜひ!アップダウンも少ないので走りやすいですよ。
越前漆器のものづくりにふれる
最初にやってきたのは、「漆琳堂」。約1500年も続く越前漆器発祥の地、河和田のなかでも、漆琳堂は1793年の創業以来、代々「漆塗り」を手がけています。
到着すると、スマートフォンからピローンと音が。旅印を獲得できる通知が届いていました。通知画面からボタンを押すと、はじめての旅印を獲得です。ポン!という音が気持ちよくてやみつきになりそう……。
なかではちょうど、「拭き漆体験」が行われていました。
木地に漆を刷り込むことで深い色合いを出す「拭き漆」。かぶれないよう、手袋でしっかりガードし、内側から漆を刷り込んでいきます
塗り残しがないよう全体に刷り込んだ後は、余分な漆を拭き取ります。こうした作業を繰り返すことで、深みが出た美しい漆器が完成します。
期間中のワークショップはすでに満席なのですが、工房見学は参加可能です。普段は入ることができない漆器づくりの現場を見ることができる、めったにない貴重な機会です!
普段何気なく使っている漆器も、完成するまでの工程を知ると一層愛着が持てるかもしれません。
工房では直営店も併設されており、「aisomo cosomo」や「お椀や うちだ」など自社ブランドの漆器を購入することもできます。
めがねのものづくりにふれる
鯖江はめがねフレームの国内製造シェア96%を誇る「めがねのまち」としても有名です。次は、デザイン性の高いめがねで人気の「opt duo」にやってきました。
こちらではopt duo製品の展示を見ることができます。なかには出来立てほやほやの新作も!スタッフの方にめがねのデザインや選び方について話を聞くこともできます。
14、15日にはめがね型の模造紙にオリジナルデザインを施すことができる、「めがねデザインワークショップ」(参加費用200円)を開催予定です。業界で活躍するデザイナーにめがねづくりのポイントを教えてもらえるチャンスです。
産地発!クリエイティブカンパニーの軌跡にふれる
今度は河和田を拠点に活躍するデザインカンパニー「TSUGI」にやってきました。
TSUGIではこれまで手掛けたデザインを展示しています。見たことがあるロゴやDMも実はTSUGIがデザインしたものかもしれません。
つくる、支える、売るまでを手がけるTSUGIでは、オリジナルプロダクトも製作、販売しています。
例えば、アクセサリーブランド「SUR」はめがねフレームの端材から生まれたもの。アセテートという環境に優しく発色性の高い素材でつくられたピアスやネックレスは人気が高く、新作は常に品薄なんですよ。
ちょっと休憩するなら河和田のニュースポットで
少し小腹が減ったので、TSUGIから徒歩1分の場所にある「PARK」にも立ち寄ってみました。こちらは2017年9月にリニューアルオープンしたばかり。カフェスペース「公園食堂」では、ふわっふわのカレーパンに河和田の伝統食材・山うにを使ったスープがついたセット(500円)を販売しています。
少し足を伸ばして広域へ。越前のものづくりも見所がいっぱい!
「RENEW×大日本市鯖江博覧会」では「福井クラフトツーリズム」と題して、鯖江・河和田エリアだけではなく、お隣の越前市の産地を回ることもできます。
河和田から車で約15分。やってきたのは越前和紙の産地、今立地区にある「石川製紙株式会社」です。
創業は江戸時代にさかのぼるという石川製紙。
カレンダーや便箋、インクジェット用、商品パッケージ、お酒のラベルなどさまざまな用途に使われる和紙を手掛けています。色や厚さ、風合いなど約1000種類の和紙に対応しているのだとか。
越前和紙は手漉き、機械漉きに分けられますが、石川製紙ではすべて機械で和紙を漉いています。
漉き上がった和紙はスタッフによる丁寧な検品作業を経て、問屋や印刷会社に納められます。機械のダイナミックさと、人の手による細やかさ、両方があるからこそ高い品質が保たれるんですね。
石川製紙をあとにしたあとは、付近を散策。和紙の産地も徒歩圏内でさまざまな工房をめぐることができます。もう一軒、近くの「滝製紙所」にもお邪魔しました。
機械漉きと手漉きを行う滝製紙所。手漉き和紙では各種襖紙や創作和紙を、機械漉きでは鳥の子和紙をはじめ、模様紙、美術小間紙をつくっています。RENEWでは14、15日に紙漉きのワークショップを開催(2000円〜 発送料込み)。厚さや大きさ、模様など、自分だけのオリジナル和紙を漉くことができます。
越前市エリアではほかにも越前和紙の里や越前打刃物、越前箪笥の工房なども見学することができます。河和田エリアとは違うまち並にも注目しながら散策してみてはいかがでしょうか。
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集めた「旅印」をさんちの手帖ブースで見せよう!
さまざまな工房をめぐり旅印の数が集まったら、再びさんちの手帖ブースに戻りましょう。
今回もらったのは、5軒分の旅印でもらえる「中川政七商店 特製 蚊帳のふきん」。RENEW仕様の非売品です。
80軒分の旅印を集めると抽選で、tokyobike × 漆琳堂がコラボした漆塗りの自転車が当たるそう!これはほしい!
福井県内のプロダクトや中川政七商店期間限定ストアも!
「うるしの里会館」ではトークショーの開催や福井県内のデザインプロダクトを集めた特設店舗、中川政七商店限定ストアでのショッピングを楽しむことができます。
自分用に、誰かのお土産に選んでいると、つい財布の紐がゆるんでしまいそう。工房めぐりの締めくくりにぴったりです。
工房めぐりのポイントをおさらい
いかがでしたか?最後に、これから「RENEW」に参加する方に向けて、工房めぐりのポイントをご紹介したいと思います。
◇動き出しは早めがおすすめ
初日から大盛況の「RENEW」。平日にもかかわらず、駐車場が混み合っていました。週末はさらに混雑が予想されるため、可能であれば早い時間からの来場がおすすめです。14、15日は鯖江駅からシャトルバスも運行していますので、電車でお越しの際はぜひ利用してみてください。
◇事前に回る工房をチェック
ノープランの旅もいいですが、せっかく参加するならたくさんの工房を見てもらいたいと思います。事前に「さんち」の「RENEW×大日本市鯖江博覧会」特集ページからお目当ての工房のスケジュールをチェックするとスムーズに回ることができますよ。
◇職人さんに声をかけ、質問してみる
RENEWは普段は入ることのできない工房や工場の見学や、接する機会のない職人とふれあえる貴重な機会です。好奇心をフルに高めて、ぜひ積極的に職人さんに声をかけてみてください。工房めぐりがさらに楽しくなるはずですよ。
鯖江、越前エリアのものづくりにふれ、買い物も楽しむことができる「RENEW×大日本市鯖江博覧会」は15日(日)まで!ぜひ足を運んでみてくださいね。
RENEW×大日本市鯖江博覧会
公式サイト:http://renew-fukui.com
RENEW×大日本市鯖江博覧会 公式アプリ「さんちの手帖」の使い方はこちら:https://sunchi.jp/sunchilist/renew-fukui/38070
<取材協力>
漆琳堂
鯖江市西袋町701
0778-65-0630
opt duo Inc.
鯖江市北中町539
0778-65-2374
http://www.optduo.co.jp/
「RENEWx大日本市鯖江博覧会」opt duo Inc.ページ
TSUGI
鯖江市河和田町19-8
0778-65-0048
PARK
鯖江市河和田町19−1−7
050-1007-6664
http://parksabae.com
「RENEWx大日本市鯖江博覧会」PARKページ
石川製紙株式会社
越前市大滝町11-13
0778-43-0330
http://www.echizenwashi.net
「RENEWx大日本市鯖江博覧会」石川製紙株式会社ページ
滝製紙所
越前市大滝町27-30
0778-43-0332
うるしの里会館(公式アプリ 景品交換所、福井デザインストア、中川政七商店期間限定ショップ)
鯖江市西袋町40-1-2
0778-65-2727
http://www.echizen.or.jp/
「RENEWx大日本市鯖江博覧会」うるしの里会館ページ
文・写真:石原藍